2020年3月24日




天谷みえ子議員の討論




 日本共産党の天谷みえ子です。私は仮称・大谷スマートインター予定地にも近い駒生町に在住しております。

 今回の3月議会に対してはスマートインター関連の陳情が6本提出されました。請願・陳情は国民の権利のひとつとして憲法16条に「請願権」として定められています。宇都宮市自治基本条例には議会の責務は市民意思を的確に反映させるとともに、市政運営を監視し、および政策を立案する。とあります。その立場から私は討論を行います。

 第1に、地元住民の根強い反対の声があがっていることです。

 このスマートインター計画については2013年10月末に地域住民に一方的に発表・説明会が実施されました。地域住民にとっては寝耳に水の話でした。そもそもこうした大規模な事業については計画段階から地域住民の意見を聴くという姿勢が必要だったのではないでしょうか?地域では2013年以来ずっと反対運動を続けてきています。

 私は昨年10月末に実施された宝木地区のまちづくり懇談会、そして11月に延期して実施された説明会にも参加させていただきました。

 そこでは地域の方からスマートインターに対する反対意見が多数だされました。計画地周辺の地域住民のなかでは誰もスマートインターの設置を望んでいないことが伝わりました。いったい市長は誰のためにこのスマートインターを造ろうとお考えなのでしょうか?

 宇都宮市の説明では観光地大谷へのアクセスのよさ、道の駅ろまんちっく村や日光・鬼怒川等の近隣観光地を有機的に結ぶとして現在の予定地を選んだとしています。

 しかし観光客は高速道路を利用してくるわけですから既存の大谷パーキングにETC出入り口を設置すれば、予定地になっている住宅地にわざわざ造らなくてもよいわけです。大谷パーキングからは予定地まで車では3分程度です。

 第2に大谷街道の問題です。これまでの質問でも明らかなように連結する大谷街道は自転車通行のために拡幅をしていますが、車道は、片側1車線のままなのです。しかも県に確認したところ、明保通りとの交差部までの拡幅しか予定にはいっていないということです。自転車の街を謳い大谷・古賀志方面に自転車で通行する人口も増えているのに、大谷街道が狭いままでは危険としかいいようがありません。

 宇都宮市が計画している計画交通量では上り線の通行台数を1日あたり2900台、下り線の通行台数を1日あたり2100台としています。つまり上下線では合わせて、1日5000台がスマートインターを利用して高速道路に出入りするとしています。このうち上り線から降りた車が必ずしも大谷街道に入らず中丸野沢線を通って山崎街道に出て、市内中心部に向かうとしても、大谷街道には1日あたり少なくとも2000から3000台の車が入ってくると考えられます。公開質問状への回答では、大谷街道を利用する車の台数を、なぜか1400~2800台としています。下り線については大谷街道から東北道に出入りするルートになっていますので、最低でも必ず2100台は通ることになるわけで、この1400台~2800台という根拠もあいまいです。今でも朝夕大谷街道は渋滞しているのにますます渋滞がひどくなると思われます。市の説明では右左折のレーンを造るので大丈夫という話をしていますが、これだけの台数が多くなったら渋滞は解消されないのではないでしょうか。

 第3に、地元のお母さんたちの心配は中丸野沢線が通学路になっていて宝木小学校に通う子どもたちが集団登校をするということです。そこにスマートインターから降りてきた車がどんどん通るようになることを心配しているのです。高速道路を100Kのスピードで走ってきた車が、ETCを通過したからといってすぐにはスピードダウンできないのではないかと、交通事故を本当に不安に思っているのです。

 これまで宇都宮市は、地域住民に「丁寧な説明をする」とずっと言ってきました。しかし地域住民にとっては計画の押し付けでしかありません。納得が得られていないこのスマートインター計画については撤回していただきたいと考えます。いづれにしても、このまま計画を断行するのでは市民の理解はえられません。市長には反対する会の皆さんと膝を交えての対話が求められていると思います。

 さて宇都宮市自治基本条例は平成20年に制定されました。ここでは宇都宮市の街づくりの基本的なルールがしめされています。市民はまちづくりの主役であることを明記しています。まさに宇都宮市の憲法といえる条例です。市民の権利として市政に参画する権利を有するとしています。また市政運営の基本原則では市民意思の尊重が挙げられています。透明性の確保では市民に対し、積極的に市政に関する情報を提供することにより、説明する責務を果たすこととあります。

 私はこの宇都宮市自治基本条例に則った市政が行われることを強く望んでおります。

 市民の代表として議員となったみなさん。地域住民の皆さんが望んでもいないこのスマートインター計画の中止を訴える多くの陳情に対して良識あるご判断をお願いして私の討論といたします。






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