2019年12月19日





福田くみ子議員の討論






 日本共産党を代表して、ただいま議題となっています議案第139号、141号、142号、143号、144号に反対の討論を行ないます。

 これらは全てLRT建設に関連する大型工事請負契約や製造請負契約、財産の取得に関するものであり、その総額は33億1184万円余もの巨大契約ラッシュとなっています

 市民合意を無視して国・国交省と二人三脚で強引に着工した本市のLRT建設計画は、現在進行中の優先区間である駅東地域コースだけでも約500億円もの税金が費やされますが、現在の経済状況はそこにはとどまらないと考えるのは決して私だけではないと思います。

 日本共産党宇都宮市議員団は、これまでLRT建設計画の様々な問題点を具体的に指摘し、対案を示して真正面から論戦を展開してきました。

 現在、LRT建設工事は漸次進められていますが、それでも市民の中ではLRT建設反対の声は圧倒的多数となっています。

 佐藤市長やLRT推進勢力には、自治基本条例に基づく「市民投票」で市民意思を確認する勇気は持ち合わせていないのではないでしょうか。LRT建設計画をなし崩し的に推進し、LRT建設に反対や疑問を持つ市民があきらめてくれるのを期待しているのでしょうか。

 しかしながら市民は決してあきらめることはないと私は思います。

 市民は、LRTに湯水のように税金を注ぎ込みながら暮らし・福祉の充実、市民が望む公共交通網の整備・確立は後回しの市政の現実を肌で感じているからです。

 LRT建設計画にどれだけの巨額契約が締結されようとも、どこまでもついてまわるのは本市のLRT事業に「市民合意」なしです。私たちはこの憲政の常道を踏み外していることにいささかも妥協することはできません。 

 反対の理由の2点目です。

 今、地球的規模で様々な災厄をもたらしつつある気候変動は人類の未来にとって死活的大きな問題になっています。これにどう立ち向かうかは今日はさておき、その影響とみられる台風19号により宇都宮市も河川氾濫・溢水による大災害をもたらしました。数十年に一度といわれていた災害が今後たびたび起こる可能性をだれも否定できないでしょう。自治体の責務は住民の福祉の向上と安心・安全を守ることです。台風19号による多くの市民の被災のもとで、市民が一生懸命納めていただいた税金は真っ先に被災者支援にふりむけるべきではないでしょうか。

 また、今回の災害の教訓は本市の豊かな財政力を気候変動により新たに起こりうる災害に強い都市づくりのためにLRT建設より最優先すべきことを明らかにしました。なぜなら、LRT駅東地域コースの本計画の1日当たり乗客数需要見積もりは1万6200人、片道8100人そのうち市民は80パーセントで6480人の利用にすぎないのです。最大の費用で最小の効果しか生み出さないLRT事業に暴走し、今議会でも次々と巨額契約締結が行われようとしています。しかし、その一方で今回の台風被害にあった市民への独自の支援策は県内の他市独自支援策に遠く及びません。こんな逆立ち市政を果たして市民は許すのでしょうか。日本共産党宇都宮市議員団は巨大契約議案の撤回を求めます。床下浸水の被害を受けた市民も含めた被災者への宇都宮市の財政力にふさわしい独自支援策こそ市長は議会に諮るべきではないでしょうか。

 3点目に、これらの契約の落札率の問題です。

 議案第139号,LRT車両基地検修庫新築工事請負契約の締結 98・8パーセント、第141号、電車線路設備工事・96パーセント、第142号、平出町信号設備工事・98・4パーセントなどと落札率が非常に高いことに気が付かれると思います。随意契約も含めたLRT関連の契約に競争性が全く見られません。加えて言えば本年9月議会議案106号、仮称清原工業団地北停留場信号設備工事の請負契約も95・1パーセントとなっています。入札事務の帳尻はあっていますがこの高い落札率は談合疑惑の危険水域です。これらのLRT関連の入札は真に公正・適正な競争が確保されているのか。しかるべき機関での調査を求めます。 

 4点目に、LRT建設計画を進めるに当つては沿線地権者の協力が不可欠です。しかし、今議会での執行部答弁によると土地売買や物件移転補償契約を締結したのは11月末現在で、必要とされる事業面積の80パーセント、全権利者の60パーセントにすぎません。

 まだまだLRTが計画通り軌道を運行できる保障は全くありません。こうした中での今議会における契約議案は100歩譲っても時期尚早であり白紙に戻すことを求めます。

 以上をもって、わたくしの討論を終わります。

 議員各位のご賛同をよろしくおねがいします。                                                                                                                                                                   

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