2019年12月10日




原ちづる議員の一般質問




 日本共産党の原千鶴です。発言通告に基づき、質問いたします。明快な答弁を求めます。



1.台風第19号の対応と被災者支援について


 1点目は、避難所の問題点について、私からはトイレの洋式化と体育館のエアコン設置という点から質問をしたいと思います。

今回は各地区市民センター等18か所に続き、中学校等39か所が避難所として開設されました。開設に当たっては、まだ雨も強くない朝から利用できる体制がとられ、高齢の方、障害を持つ方などへの配慮のある対応で、これが人的被害が出なかった理由のひとつであると評価しています。

私の住む雀宮地区でも雀宮地区市民センター、若松原中学校、雀宮中学校が避難所となり、それぞれ150名ほどの方が利用されたということです。このように大規模に避難所運営がされたというのは、本市でも初めてのことであり、想定外の事態や、考えていた以上に大変だったことなど、様々な検証がされつつあります。そこで今後に生かしていくためにも、地域の方からの声を届けたいと思います。

まずはトイレについてです。体育館に避難していた方が、脚が悪くトイレを使うのが困難なため、雨の中家に戻ってしまった事例がありました。これを解決するためにすぐできることは、校舎のトイレも使えるようにするということがあります。校舎のトイレの洋式化は一巡しており、又多目的トイレが設置されている場合も少なくありません。ぜひ柔軟な対応をしていただけないでしょうか。市長の見解を伺います。そして根本的には、体育館も含めた学校のトイレの洋式化をスピードアップして進めていくことです。私は9月の質問でも取り上げましたが、本市の取り組み方は20年でようやく6割弱の整備に留まっている状況です。地球規模の環境変化で今回のような災害が頻繁に起こることも想定される中、避難所としての役割も担う学校トイレの洋式化は、待ったなしの課題ではないでしょうか。市長の見解を伺います。

 また、台風や水害が起きるのは、暑い時期と重なることも多いことから、避難所となる体育館へのエアコン設置は必須の課題と考えます。市長の踏み込んだ決意と政策的発展が求められてはいませんか。市長の答弁をもとめます。

2点目に床下浸水への支援についてです。住家被害では11月18日現在、床上浸水が617件、床下浸水が343件にもなっています。この中でも床下浸水と、床上浸水の一部を含む一部損壊準半壊と一部損壊に分類される約600件は、半壊未満ということで見舞金もない状況です。また一部損壊の約580件は、住宅の応急修理の制度からも漏れ、今までの暮らしを取り戻すために大変な苦労を強いられています。このように何の支援もなく、困り果てている市民がいるのを見過ごしてよいのでしょうか。床下浸水であっても家の土台部分に水が溜まってしまい、それを掻き出し、乾燥させるなどの必要があります。床板を剥がしての作業も視野に入れなくてはいけません。

小山市では2015年の「東北・北関東豪雨災害」で被災した市民を救済するために「小山市被災者住宅復旧支援条例」を独自でつくっています。今回の台風被害にも適用され、一部損壊に分類される床下浸水の家も上限10万円の支援を受けることができ、多くの小山市民から利用されているということです。このような事例からも、一部損壊と診断された住家にも、住み続けるためには何らかの支援が必要と考えます。本市が独自支援策を作るかどうかも含め、どのように考えているのか、市長の見解を伺います。

3点目に、被災住宅への「住宅改修補助制度」の活用と拡充について伺います。この制度は住環境の向上を目的に、10万円を限度に工事費の10%を補助金として交付するものです。被災住宅への支援は『生活再建支援制度』、『住宅応急修理制度』が国の制度としてありますが、対象とならない世帯が多数ある点はもちろん、もとの生活に戻るにはまだまだ不十分な制度です。それらの制度を補完する市単独の制度がどうしても必要です。そこで、現行の本市の『住宅改修補助制度』を被災者向けの臨時特例の制度として、限度額を倍の20万円に、補助率は100%に引き上げて、活用してはいかがでしょうか。市長の見解を伺います。

4点目には車・家電の被害への支援についてです。床上までの浸水被害の住家では、生活の拠点となっていた1階部分にあった生活家電も被害を受けており、買い替えや修理を余儀なくされています。また、多くの車も被災しており、次から次へとレッカーされていく車を私も見ました。そこで、生活必需品である家電や車への、新規購入のための支援も必要ではないかと考えます。同じく被害を受けた栃木市や佐野市では、市独自の支援としてすでに行われています。2市とも家財・家電の購入、修理費用の20%(一世帯につき10万円まで)を補助します。車の購入、修理費用も20%(一世帯につき20万円、1台10万円まで)の補助となっています。栃木市や佐野市でできていることが、本市ではなぜ出来ないのでしょうか。本市でも急ぎ制度をつくるべきと考えますが、見解を伺います。

5点目に、中小企業や小規模事業者への支援についてです。今回の台風で浸水した田川流域は市の中心部、姿川流域は観光地である大谷地域です。西地域では古くからの商店や個人事業主等も多く、浸水被害を受けました。日本共産党議員団が被災地域の調査に入った際、「事業の再開の見通しが立たない」といった声も多く聞きました。地域経済への影響も大きいことを実感しました。

中小企業庁では11月18日、栃木、長野、宮城、福島を対象に中小企業等「グループ補助金」の導入を発表しました。中小企業等「グループ補助金」は、台風第19号により特に大きな被害を受けた地域、5県を対象に中小企業等で構成するグループの復興事業計画に基づき事業者が行う施設復旧等の費用を補助するものであり、被災地の速やかな復興を目指すことを目的にしています。グループで復興事業計画を策定し、県の認定をうける必要があり、ハードルが高いのではとの声も聞かれますが、制度の趣旨からも、活用度の高い制度です。この制度を積極的に活用すべきと考えますが、市長の見解を求めます。



佐藤市長


 「台風第19号の対応と被災者支援について」のうち、「中小企業への支援について」でありますが、国と県が実施する「中小企業等グループ補助金」の活用につきましては、地域経済・雇用の早期回復を図るために有効な制度であると認識しておりますが、複数の中小企業等によるグループの形成や「復興事業計画」の策定において事業者の負担が大きいと言われるなど課題もあるところであります。

 このような中、本制度を積極的に活用していくためには、事業者に身近な支援機関である宇都宮商工会議所や栃木県よろず支援拠点などの協力が大変重要であり、現在、各支援機関におきましては、各支援制度の活用をはじめ「グループ補助金」における被災事業者間の円滑なグループ形成など十分な支援が行えるよう、相談員の増員などにより体制を強化しているところであります。

議員ご質問の「グループ補助金」の活用につきましては、まずはグループの形成が必要となりますことから、本市といたしましては、被災事業者に対し各支援制度や支援機関についての周知を強化するとともに、被災事業者からの相談に際しましては速やかに支援機関につないでまいります。

 さらに、市ホームページをはじめ本市の窓口や広報誌など様々な媒体を活用して周知するほか被災事業者への個別通知や宇都宮商工会議所と連携した個別訪問も含めた周知の強化について検討するなど、被災した中小企業・小規模事業者が一日も早く復旧できるよう支援してまいります。



酒井行政経営部長


 
「台風第19号の対応と被災者支援について」のうち、「床下浸水への支援について」のご質問にお答えいたします。

 台風第19号による住宅への被害は甚大なものであり、本市におきましては、これまで、国や県の支援策も活用しながら対応するとともに、床上・床下浸水した家屋の清掃等に水道水を利用した方を対象として、水道料金及び下水道使用料を減免するなど、被災者の支援に取り組んでまいりました。

 一方で、台風第19号の通過から、1か月以上が経過している現在も、苦労を強いられている方々が多数いらっしゃる状況であり、床下浸水などの被害を受けた住宅につきまして、新たな支援策が必要であると考えておりますことから、早急に具体的な検討を行ってまいります。



高橋都市整備部長


 「台風第19号の対応と被災者支援について」のうち、「住宅改修補助制度の活用と拡充について」のご質問にお答えいたします。

 本市の住宅改修補助制度につきましては、住み慣れた住宅の性能や機能を向上させ、長く、安全で安心に住み続けていただくことを目的とした制度であり、部屋の段差解消や手すりの設置などのバリアフリー改修工事や、二重サッシなどの断熱改修工事等のリフォーム工事を補助対象としております。

 この制度は、災害時におきましても、床上浸水や床下浸水などの被害状況に関わらず、復旧工事を補助対象工事と併せて実施していただければ活用が可能であり、今回の台風第19号におきましては、多くの住宅で甚大な被害が発生しましたことから、申請期間の延長や交付決定前の着工を認めるなど補助要件を一部緩和し被災された市民の皆様が制度を利用しやすくなるよう緊急的に対応しているところであります。

 今後とも、リフォーム促進による良質な住宅ストックの形成を図るため現行制度を維持しながら災害時には、被災者に寄り添った柔軟な制度の運用に努めてまいります。



緒方保健福祉部長


 
「台風第19号の対応と被災者支援について」のうち、「車・家電の被害への支援について」のご質問にお答えいたします。

 災害に伴い被害を受けた家具や家電などの家財の買い換え等の支援につきましては、家財の総額の3分の1以上の被害があった場合には、「災害援護資金貸付金」制度により最大350万円の借入れが可能であり、車や家電もその対象になっております。

 これまでも、東日本大震災や関東・東北豪雨の際に、本制度をご利用いただき、生活の再建を支援してきたところであり、この度の災害につきましても本制度を円滑に活用していただけますよう、対象となる世帯に対し、個別の案内を行ったところであり、今後も制度の十分な周知を行ってまいります。



菊池教育次長


 「台風第19号の対応と被災者支援について」のうち、「避難所の問題点について」のご質問にお答えいたします。

 まず、「体育館や校舎のトイレの柔軟な対応について」でありますが、避難所につきましては、体育館のほか、校舎も含めた学校全体を指定しております。

 避難所の運営の際には、避難所の人数や状況に応じて、校舎内のトイレも使用することとしており、今後につきましては、このような運用を適切に行っていくために周知徹底してまいります。

 次に、「体育館を含めた学校トイレの洋式化について」でありますが、学校トイレにつきましては、児童・生徒の快適な教育環境の確保はもとより、災害時における避難所としての利用も考慮する必要がありますことから、安心して使用できるトイレ環境の確保に向け、校舎や体育館のトイレ洋式化を計画的に進めているところであります。

 今年度におきましても、18校の校舎のトイレに加え、3校の体育館のトイレについて、改修工事を実施しており、今後とも、学校トイレの洋式化に積極的に取り組んでまいります。

 次に、「体育館へのエアコン設置について」でありますが、避難所の運営の際には、避難所の人数や状況に応じて、校舎内のトイレも使用することとしており、今後につきましては、このような運用を適切に行っていくために周知徹底してまいります。

 次に、「体育館を含めた学校トイレの洋式化について」でありますが、学校トイレにつきましては、児童・生徒の快適な教育環境の確保はもとより、災害時における避難所としての利用も考慮する必要がありますことから、安心して使用できるトイレ環境の確保に向け、校舎や体育館のトイレ洋式化を計画的に進めているところであります。

 今年度におきましても、18校の校舎のトイレに加え、3校の体育館のトイレについて、改修工事を実施しており、今後とも、学校トイレの洋式化に積極的に取り組んでまいります。

 
次に「体育館へのエアコン設置について」でありますが、これまで、すべての小中学校の普通教室や中学校の特別教室などに、エアコンを設置してきたところであり、体育館への設置につきましては、屋根や壁面の断熱化等の施設構造上の課題などはありますが、近年の猛暑による体育の授業への影響や、避難所の暑さ対策の観点からも、今後、進め方も含め検討が必要であるものと考えております。



2.子どもの権利条例制定について


 
本市は2018年の「共働き子育てしやすい街」ランキングで1位になりました。これは子育てをする世代への公的支援がどれだけ整備されているかという視点が主となっているランキングで、すなわち親世代が感じる「住みよさ」のことです。しかし現在進行形で小中学生の子育てをしている私の周りでは、NO1となった後も、子育て支援への要望や相談が渦巻いています。

そこで、子どもの権利条例ですが、これは先ほどのランキングが大人中心の意見であるのに対し、子どもの目線から宇都宮市が「住みよい街」であるために必要なものと考えます。ご存知のように、「子どもの権利条約」が国連総会で採択されてから今年で30年、日本が批准してから25年となります。この間多くの自治体で「子どもの権利」を守ろうという動きがあり「子どもの権利に関する条例」や「子ども条例」などという名前で、県・市・町等で条例がつくられています。県内では、日光市の「日光市子どもの権利に関する条例」市貝町の「市貝町子ども権利条例」などがあります。子どもの生活に一番身近な地方自治体が、すべての子どもの幸せに生きる権利を定めることは、子どもが「住みよい街」と思える宇都宮市をつくるためには、欠かせないものであり、かつ最も基礎的で重要なことではないでしょうか。子ども時代からきちんと人間として保障され、「大事にされている」と感じられることは、大人になって「ここで子育てをしたい」と思えることにもつながっていくと考えます。市長の、「子どもの権利条例」の制定について見解を伺います。



塙子ども部長


 
「子どもの権利条約の制定について」のご質問にお答えいたします。

 本市におきましては、「子どもの権利条約」の趣旨を踏まえ、子どもの「生きる権利」や「育つ権利」、「守られる権利」、「参加する権利」の4つの権利を含め、すべての人の人権について、市民が相互に理解し、尊重し合うことを普遍的文化として構築することを目的とした「宇都宮市人権施策推進指針」を定めているところであります。

 この指針を踏まえ、「子どもの権利」が尊重されるよう、子どもや子育て家庭を支援するための総合的な計画である「宮っこ子育ち・子育て応援プラン」に基づき、各種施策・事業を推進しているところであります。

 今後とも、すべての子どもが生まれ育った環境に左右されることなく、夢や希望を持って心身ともに健やかな成長できるまちをプランの基本理念に掲げ、市民の皆さまとともに、たくましい宮っこを育んでまいります。



3.子ども行政について


 1点目に中核市にふさわしい子どもの遊び場について伺います。宇都宮市の子どもの遊び場として検索すると、市民プラザの6階のゆうあい広場、また野外ではあちこちに点在する公園などが紹介されています。また有料の施設まで幅を広げると、科学館やとちのきファミリーランド、各ショッピングモールにあるような遊び場がヒットします。私も子どもが小さいときには、ゆうあい広場を利用させていただいたこともありました。しかし小学生くらいになると物足りなくなるのか、行きたがらなくなり、市外のわんぱく公園などに行くことが多くなりました。有料の施設は、子どもが3人いたこともありなかなか頻繁には利用できませんでした。働く親が増えていることに加え、働き方が多様化していることもあり、学校が休みの日にお孫さんを預かっている年配の方たちからは、「孫を遊びに連れて行くところがなくて困っている」という声がきこえています。宇都宮市にも雨の日でも、小学校高学年でも楽しめるような施設が求められていると考えます。人口50万人の宇都宮市で、ゆうあい広場だけでは、子どもたちのニーズには応えきれていないと思います。次代を担う子どもたちを大事に思うのなら、全天候型で幼児から高学年くらいまでの子どもが、思う存分体を動かして遊べるような場を市が主体となってつくるべきと考えます。見解を伺います。

 続いて2点目の中高生の居場所づくりについて伺います。私は11月の特別委員会の視察で尼崎市にお伺いしましたが、そこに10月にオープンしたばかりの「尼崎市立ユース交流センター」がありました。尼崎市には子どもの虐待の問題についての取り組みを伺うためにお邪魔したのですが、切れ目のない支援の一つとして見学させていただいたのがこちらでした。活動の拠点・あまぽーとと、学びの拠点・アマブラリと名付けられたこの施設は「やりたいをやろう」というコンセプトのもと、「家でも学校でも塾でもない、新しい自分だけの放課後の過ごし方をすべての中高生に提供し続けます」という考え方で運営されています。広々としたオープンラウンジでは漫画や勉強ボードゲームなどを楽しめるフリーデスク、大画面でゲームや映画鑑賞ができるスペース、ちょっとした食べ物、飲み物の自動販売機などがあり、思い思いに過ごすことができます。またダンスや演劇に使えるホールや音楽スタジオも無料で借りられます。平日は夜9時まで使え、スタッフが常駐しています。もちろん学習室、図書室や多目的室なども充実しています。様々なイベントに参加することもでき、ここに来る中高生が企画や運営に携わったカフェを開店したこともあるということでした。

 本市ではこのような中高生のための施設が少ないのではないでしょうか。大人と子どもの狭間で揺らいでいる子どもたちが健全に過ごせる場所を提供するのは市の役割ではないでしょうか。ぜひ中高生が集まりたいと思う魅力的な場所をつくることを提案したいと思います。市長の見解を伺います。



塙子ども部長


 「子ども行政について」のうち、「中核市にふさわしい子どもの遊び場について」でありますが、子どもや青少年が心豊かにたくましく成長し、自主性・社会性を育むことができるよう、遊びなどの体験活動の場の提供に加え、異世代交流や主体的な活動ができる居場所づくりなどを通して、健全育成を図ることは大変重要であると認識しております。

 このため、本市におきましては、市内全域の子どもや青少年を対象とした基幹的な施設として、「青少年活動センター」や表参道スクエア6階の「ゆうあいひろば」を整備し、遊びや体験活動を通した、子どもの健全育成に取り組んでいるところであります。

 また、「中高生の居場所づくりについて」でありますが、中高生などを対象として、ニーズを踏まえた交流の場や自主活動の機会を提供できるよう、「青少年活動センター」においいて、カフェスペースの設置や中高生が中心となって運営するイベントの開催など、様々な事業を実施するとともに、「ゆうあいひろば」に交流の場や自習スペースのある「青少年エリア」を設け、気軽に立ち寄り自由に過ごすことができる場所を提供しているところであります。

 さらに、より身近な地域の居場所といたしましては、市内15カ所におきまして個人や団体のご協力をいただき、それぞれの特色を活かしながら、異年齢交流や文化活動など、様々な体験や主体的な活動ができる居場所を提供しているところであります。

 今後とも、これらの施設を活用しながら、市民ニーズの変化を踏まえた事業内容の充実強化に努め、子どもや青少年の健全育成に取り組んでまいります。

 

4.学校給食の課題について


 現在小中学校で提供されている給食は、それぞれの学校に一人ずつ配置された栄養士がメニューや食材等を考え、学校ごとに工夫されたものとなっており、他市にも自慢できる内容となっています。これを更に一歩前に進めていくために、安心安全という観点から、質問を致します。まずはパンについてです。現在米飯中心の献立となっており、学校により多少の違いはありますがパンの提供は週1~2回程度となっています。本市の給食で使われているパンの原料小麦は、輸入品も含まれているということです。農水省が2013~2017年に行った調査では、アメリカ、カナダ産小麦の90%以上からグリホサートが検出されたという報告があります。基準値以下とはいえ、子どもに食べさせたくありません。しかも、小麦の残留基準値は2017年12月に、5ppmから6倍の30ppmに引き上げられています。とんでもありません。給食のパンの小麦がどこの産地のものかは、保護者には伝えられていないので、心配の声が上がっています。

 農民運動全国連合会発行の新聞による市販のパンの検査結果を見ても、多くの製品からグリホサートが検出されており、反対に国産小麦使用のものからは検出されていないという結果が出ています。学校給食のパンの残留農薬検査をするとともに、ぜひ本市給食のパンは、国産・栃木産・宇都宮産小麦を使っていただきたいと考えます。答弁を求めます。

 さらに、その他の食材についても伺います。まず肉や魚といった主菜となる食材はというと、国産であるか、どこで加工を行ったものであるかなど、保護者に知らされる情報はほぼゼロです。野菜や果物については本市の給食では地産地消を推進しておりそれぞれの地域の業者や農家さんから、納品していただいているものもあります。しかし、多くの部分は産地や流通経路は知らされていません。私たち保護者は知らされないことに大変不安を感じ、心配しています。そこで本市においては、さらに地産地消を推し進めていくこと、様々な食材の産地等を明確にすることをしていくべきと考えます。答弁をもとめます。



塙子ども部長

 「学校給食の課題について」ご質問にお答えいたします。

 まず、「学校給食のパンについて」でありますが、国内に流通している農産物等につきましては、生産・流通の各段階におきまして国・県や生産者団体等により残留農薬などの各種検査が行われており、十分に安全が確保されているものと考えております。

 このような中、「学校給食衛生管理基準」基づき食品納入業者等が、原材料や加工食品の残留農薬等の検査を実施しておりますことから、パンにつきましても、今後、この検査結果の報告を受ける中で確認してまいります。

 また、食材の購入にあたりましては宇都宮産、栃木県産、国産の順に地場農産物から優先的に選定することを基本としているところであり、引き続き、こうした取組を推進してまいります。

 次に、「食材の地産地消の推進と食材の産地を明確にすること」についてではありますが、本市では、学校給食において宇都宮産の米を全校で使用するほか、使用する食材の約9割は国産のものを使用するなど、地産地消を推進しております。

 また、各小中学校におきましては、全ての食材について、産地、品質、製造業者等を納品の際に確認しており、産地情報などの問い合わせにも対応できるようにしております。

 今後とも、これらの取組を通して、引き続き、安全・安心な学校給食の提供に努めてまいります。



5.子どもの家等事業について


 学童保育は保護者が安心して働くことを保障し、保護者に代わって指導員が子どもたちの豊かな放課後を保障することが目的となっています。このために保護者・指導員・学校も含めた行政が地域とも力を合わせて運営することが求められているものです。


 さて11月6日に開催されました説明会において、子どもの家・留守家庭児童会事業の再構築についての中間報告がされているところでありますが、これは再構築という名の完全民営化計画であると考えます。ついては1点目に、この課題は様々な問題、疑問点があり、今回のように計画を小出しにせず、全体像を明らかにし、関係者による十分な討議、検討、理解と納得を得てから進めるべきと考えますが、見解を伺います。

 2点目に、株式会社の参入を加えていますが、株式会社は利益を生み出すことが大前提です。この事業委託のどこから利益を生み出すと考えるのか、伺います。

 3点目に、移行前後の組織体制についてです。中間報告では、現体制を「地域住民のボランティアによる運営のため運営委員の負担が大きくなっている」と言っています。しかし現行の運営委員会は保護者会、魅力ある学校づくり地域協議会、自治会や地域まちづくり組織等もかかわる地域ぐるみの運営組織であり、子どもたちのために様々な意見が交換される運営体制でもありました。新しい組織体制では、保護者、地域、学校との日常的な連絡調整を主任指導員に任せてしまう位置づけとなっています。これでは今までのように、利用者や指導員、地域、学校の声が届かなくなる危険があります。そこで、利用者、指導員、地域、学校を含めた事業者による、協議会の設置を学校単位で、組織体制にきちんと位置付けるべきと考えます。見解を伺います。

 4点目に、指導員について伺います。中間報告の説明会資料によりますと、適正な運営規模の確保について「利用児童数の増減や指導員の配置に柔軟に対応するため~」とありますが、「指導員の配置に柔軟に対応~」というのは、年度途中も含めて運営区域内の、他クラブへの移動を可能にすることを意味しているのでしょうか。伺います。

 法人移行に際して現行指導員の雇用の継続を努力義務の設定ではなく、きちんと保障する内容の仕様書とするべきと思いますが伺います。

 また、再構築の基本的考え方について、望ましい姿として、保育の質の確保をあげています。ついては現行通り保育体制の基本は、指導員2名による体制確保を仕様書に位置付けるべきと思います。見解を伺います。

 補助員の採用は指導員の休暇の代替などに、限定することを条件として設けるべきと考えますが、見解を伺います。

 以上で、私からの質問を終わります。わかりやすい答弁をよろしくお願いいたします。



菊池教育次長


 「子どもの家等事業について」のうち、まず、「関係者による討議、検討、理解と納得を得ること」についてでありますが、本事業は、将来にわたり持続可能で安定した事業とするため、本年2月に、法人への運営移行を令和3年度に開始する再構築の全体方針を公表したところであり、現在、その方針に基づき、制度の詳細について、検討を進めているところであります。検討に当たりましては、運営委員や指導員、保護者を対象としたアンケート調査や子どもの家連合会、子どもの家等との意見交換、子育てに係る有識者等で構成する懇談会など、多くの方々からご意見をいただきながら検討を進めてきたところであり、11月には、法人が運営する区域の区割りや運営区域内の組織体制、指導員の労働環境など、制度設計の一部を中間報告として公表したところであります。

 現在は、保護者負担金の料金設定や法人と地域との関わり方などにつきまして検討を進めているところであり、今月中に、すべての運営区域ごとに、意見交換会を開催することとしており、関係者の皆様のご意見を受け止めながら、丁寧に進めてまいります。

 次に、「事業委託の中での利益」についてでありますが、法人の利益につきましては、それぞれの法人が、これまでの事業実績や経営経験において培ってきたノウハウや経営努力などにより生み出していくものと考えております。

 次に、「事業者による協議会の設置」についてでありますが、これまで本事業は、「魅力ある学校づくり地域協議会」を始め、多くの地域の皆さまのご意見を反映できる運営体制により、地域の大人が地域の子どもを心豊かで健やかに育むなど、多くの成果を上げてきたところであります。

 本市といたしましては、より良い運営とするためには、これまで築いてきた指導員と児童や保護者、地域、学校との信頼関係を継続すること、また、移行後におきましても、地域の皆さまのご意見を聴取することは重要であると認識しておりますことから、法人が努める要件として検討することとしております。

 次に、「指導員の補助」と「雇用の継続」についてでありますが、本市におきましては、現行の小学校区単位の運営規模では、利用児童数の増減に伴うクラス数の変動や急な欠員が生じた場合など、指導員の確保に課題がありましたことから、複数の小学校区をまとめた運営区域ごとに1つの法人が運営し、運営区域内で指導員を適切に配置しながら、安定した運営を確保することとしたところであります。

 指導員の異動や雇用につきましては、雇用主である法人の権限において行うものでありますが、児童や保護者が安心して利用するためには、これまで築いてきた指導員と児童、保護者との信頼関係を継続すること、また、指導員がやりがいを持ちながら、持てる能力を存分に発揮するためには、指導員の働きやすい環境を確保することが重要であると認識しております。

 そのため、法人への移行後におきましても、指導員の継続雇用につきましては、仕様書等で努力義務を課していくこととしたところであり、また、人事異動につきましては、保育の継続性を確保した上で、指導員本人の希望や、抱える事情を法人が確認するよう求めてまいります。

 次に、「指導員2人による体制確保」についてでありますが、本市におきましては、1クラスにつき2人以上の指導員を配置することを条例に定めており、法人への移行後におきましても同条例の基準に基づき指導員を配置することにより、保育の質を確保することとしております。

 次に、「補助員の採用の限定」についてでありますが、条例の配置基準におきまして、2人以上配置する指導員のうち、認定資格研修を受講し認定された支援員を1人以上配置することを義務づけておりますが、現在、本市におきましては、認定を受けていない補助員にも適切に児童の保育に当たっていただいているところであり、保育の質の向上のため、補助員が支援員となれるよう現行の運営委員会と同様に移行後の法人に対しましても、働きかけを行っていくこととしております。

 今後とも、運営委員会を始め、多くの方々のご意見を伺いながら検討を進め、子どもの家等事業が、将来にわたり持続可能で安定した事業となるよう着実に取り組んでまいります。




再質問・再答弁



原議員


それでは、幾つか再質問をさせていただきたいと思います。

 今回の質問では、これまでにもたくさんの議員の方々が台風19号に関しての質問をされました。その中でも、避難所についても何人もの方がお話をされたと思います。

 私は、その中でもトイレの問題、これについては、本当に重要な問題と認識しています。被害が起きないための防災という観点からの行動とともに、万が一にも避難所を使うことがあるような事態になった時の対応というものを同時に進めていかなければならないと考えています。

 この危機管理、そういうところで言ったトイレの問題、非常に大事なものと、私、本当に理解しているんですけれど、そういった認識はございますでしょうか。



菊池教育次長


 避難所におきまして、これまで地域の方々、今回の台風19号を受けまして、いろんな声をお聞きしております。その中につきまして、議員ご指摘のとおり、トイレについてのご指摘、ご意見等も十分に承ってございます。そのようなことから、トイレ、特に洋式トイレ、この部分につきまして、非常に避難所においては重要な対策であると考えております。今後とも、先ほど御答弁申し上げましたとおり、例えば、体育館だけでなく、状況によりましては、校舎、そういったことも開放するような形にはなっておりますので、その部分について十分周知徹底してまいりたいと、適切に対応してまいりたいと考えております。



原議員


 学校のトイレのほうも使っていけるということでお話があったんですが、今回の避難の時に関しては、学校のトイレのほうが使えなくてっていうお話を聞きました。これからはそういったことがないように、しっかりと体育館とともに、学校のトイレがしっかりと使えるような状況を整えていっていただきたいと思います。

 また、その学校のトイレですけれど、今のままのスピードでは来年来るかもしれない、その次来るかもしれないといった非常事態の時にすぐに使える状況というのがなくては困ると思いますので、ぜひ、ここは今までの計画を覆しても先にやるべき対応と思いますので、ぜひ、皆さんで力を入れてやっていただきたいと思いますが、その決意のほどはいかがでしょうか。



菊池教育次長


 
これまで、学校のトイレにつきましては、やはり子どもたちの環境を整えるという上で非常に大切だと。特に小学校1年生、低学年につきましては、本当にこの部分については、保護者の方からいろんな意見を賜ってございます。

 そこで、まずは、校舎、こちらを優先的に進めてきたところでございます。その中で、今までやってきた部分につきまして、洋式化、ここに特化してその整備ペースを上げてきたというところもございます。そんな中で、今、校舎、体育館等、老朽化も進んでございます。今、長寿命化計画、こういったものも策定してございます。そういった長寿命化計画での、そういったことをあわせてトイレの洋式化に対応してまいりたいと、このように考えてございます。



原議員


 次、床下浸水の支援についての再質問をいたします。

 今回、床下浸水の被災者への支援につきましては、新たな支援策も考えていくということで、前向きな答弁があったと思うのですが、これは市民にとっても大変心強い内容となると思います。

 今回、私は、その中で一歩踏み込んで、具体的な提案ということで、この住宅改修補助制度をしっかりと使っていっていただきたいということで質問させていただきました。これのさらなる金額アップなども考えて支援をしていっていただけたら、もっと使いやすいことということで、すばらしくなると思うんですけれど、この辺についてはいかがでしょうか。



高橋都市整備部長


 
今、議員からおっしゃられましたように、一つの提案としてですね、今ありました、リフォームをやる際の住宅の補助制度でございますが、これを活用してはどうかというご提案だと思います。

 これにつきましてはですね、先ほども御答弁させていただきましたように、これまでも、市内大勢の方に、このリフォームをする際の補助として大変定着し、浸透しております。特に、高齢の方もですね、全体申請の中の60歳以上が73%、70歳以上が26%というふうにですね、大変その今回の目的だとか、対象工事について、十分にですね、わかりやすい制度になっていると思いますので、我々としては、この制度はこの制度として引き続き運用させていただき、で、先ほども答弁しましたように、災害時には被災者の方も使いやすいようにですね、これは常に運用面で整理をしてですね、支援させていただければと思っております。以上でございます。



原議員


 今回、この補修の制度の利用面での拡大ということで、被災者の方にも使いやすいようにということで、ご提案をしたんですけれども、いずれにしても、この被災者救済制度、例えば、他市で使えるような制度が宇都宮市にはないというようなことになってしまいますと、宇都宮市は被災者に冷たい市であるというようなことになってしまいかねません。

 中核市の中でも、有数の財政力を持っている宇都宮市ですから、ぜひ、こういうところにしっかりとこの財政力を使っていただきたい。この財政力を発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



酒井行政経営部長


 
床下浸水への支援についてでございますが、現在、先ほど都市整備部長がご説明いたしましたとおり、さまざまな支援策がございますので、そういった支援策を相対的に捉えて、どのような適当なのかということを今現在検討してございますので、決まり次第公表してまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。



原議員


 ぜひ素早い対応をよろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、中高生の居場所について、再質問をさせていただきます。私も、ホームページで青少年の居場所ということで、宇都宮市を検索してみたんですけれど、その時は15ではなくて、12の施設が出てきました。ですが、この活動施設の内容なんですけれど、活動日が土曜日だけとか、週2、3回というところに限定されていましたり、あ、これは民間の施設のほうなんですけれど、あとは、時間が長いところでも18時までとなっているところが多く、中高生が学校が終わった後にゆっくりと放課後を過ごす、こういったところでは、使い勝手はどうなのかなというのを正直感じました。

 実際に何カ所かお伺いもしてみたんですが、自由に過ごせる場所というよりは、狭い中で全体的に学習室といったような使い方になっているところであったり、活動時間中のはずであるのに、既に閉まっているところなどもありまして、また、居場所としては辞退したはずなのに、ホームページから消えてなくて、ずっとそのまま載っているんだというようなお話をされていたところもありました。実際にこの、私が見たのは一部ですけれど、これが居場所としての役割を本当に果たしているとはなかなか言い難い状況なのではないかと感じました。

 そこで、私、今回の質問に至ったわけなんですが、これについて改めて回答はいただけないでしょうか。



塙子ども部長


 
地域により身近な居場所として、現在の施設で運営させていただいているところでございますが、この運営に当たりましては、個人、また団体、そういった方のご協力によって運営をしているところでございまして、その事業内容につきましては、ニーズを踏まえながら、各団体のですね、そういった団体と利用者の意思疎通を図りながら、そして、またですね、意向を踏まえながら、運営させていただいていることころでございます。

 今後ともですね、情報、そういったものをきちんと発信できるよう努めながらですね、健全育成の居場所として推進してまいりたいと考えております。以上でございます。



原議員


 今回は民間の方のところを私も実際に見に行ったわけなんですけれど、やはり他市の状況を見ましても、宇都宮市が子どもたちの居場所を作るということに関して、意欲が薄いと非常に感じています。

 ぜひ、宇都宮市でこのような場所をつくっていただきたいというのは、なかなか難しいところなんでしょうか。お伺いします。



塙子ども部長


 
本市における子どもの居場所づくり、遊び場も含めてでございますが、先ほど御答弁申し上げましたとおりですね、少年活動センター、またはゆうあいひろば、さらにはですね、居場所事業なども展開しておりますので、今後ともですね、これらの施設の充実強化に努めながら推進していければというふうに考えております。以上でございます。



原議員


 今回はいいお答えはいただけなさそうなんですが、引き続き、この問題については、質問をさせていっていただきたいと思います。

続いて、次の質問に移りたいと思います。

子どもの家等事業の質問なんですが、学童保育の指導員の処遇について、お伺いしたいと思います。

そもそも学童保育の指導員というのは、家でいうお母さん的な役割を担っていまして、子ども達にとっても非常に重要な位置にいると考えています。それが法人任せということで、短いスパンで異動などでころころかわるといったことがあっては、実際にはそういうことは家庭ではあり得ないことなので、学童保育といった意味では、その役割自体が揺らぎかねないのではないかと思います。

そういうことから、学童保育指導員の引き続きの雇用、そして、その異動に関しての決まりというものを、その子どもたちの観点から考えて、しっかりとその位置づけていってほしいということを思うんですが、いかがでしょうか。



菊池教育次長


 
保育の継続、すなわち、指導員と子ども、保護者、この信頼関係、これを継続していくということは非常に大切だと、このように私ども、十分感じているところでございます。

 ここについては十分検討を進めているところでございまして、果たして法的に義務化することが可能であるのか等々含めまして、十分検討をこれまでも重ねてまいりました。顧問弁護士党にもそういったことを確認しながら、検討しているところでございます。

 他市の状況等、例えば、ほかの市の状況でございますが、公募においての公募条件にそういったものが含まれている等もございます。そういったところも含めて、現在、検討しているところでございますので、指導員の方々が働きやすい環境づくり、これについて努めてまいりたいと、このように考えてございます。以上でございます。



原議員

 以上で私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

 

 


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