2019年7月3日
原ちづる議員の討論
原千鶴です。私は日本共産党宇都宮市議員団を代表して、只今議題となっております議案第69号「2019年(令和元年度)宇都宮市一般会計補正予算」と第75号「消費税率及び地方消費税率の改定による使用料等額の改定に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」について、反対の立場から討論を行います。
まず、議案第69号ですが、今回の補正予算は国や県の補助金の交付決定に伴うものが主となっています。
今、自民・公明の安倍政権の失敗が明らかなアベノミクスの下で、国民・市民の貧困と格差が広がっています。市民が安心して暮らせる希望ある社会保障には程遠い国の政治の中で、今52万市民の願いは、この悪政からの防波堤となるべき本市の予算の執行ではないでしょうか。
わが会派の福田久美子議員が本年3月議会の2019年度一般会計予算の反対討論で、LRT偏重に大切な税金を湯水のように注ぎ込むことよりも、子育て支援や高齢者福祉、教育の充実、中小商工業者支援を大切にすべきと指摘しました。
今回の補正予算案も、許されるかのうな財源をここにつなげるものにすべきではないでしょうか。とりわけ、国保税課税時期に当たり、市独自の「均等割り」の減免による子育て支援、いよいよ梅雨明けの猛暑到来の中で、生活保護や低所得のエアコン未設置家庭への緊急支援や、高齢者へのきめ細やかな熱中症対策への対応等に補正予算を振り向けるべきというのが、反対の第一の理由です。
第二の理由は、市民合意なしで強引に進めている今年度のLRT整備推進費99億5500万円余の予算計上に、早くも7億7千万円の補正はとても認めることはできません。
今議会に、宇都宮市のLRTに反対し、公共交通を考える会より「東部地区のLRT整備費及びLRTに関連する予算執行の凍結とLRT導入の白紙撤回の議決を求める陳情が提出されました。
日本共産党宇都宮市議員団は同会の陳情趣旨を基本的に支持し、採択に賛成します。また、私たち新たに議員となった者としては、LRT計画に対する自らの政治的立場について、会派の動向に右に習えをせずに市民の前に明らかにすべきではないでしょうか。
市長はLRTについて「丁寧に説明し、理解を得るようにしていく」と繰り返し答弁していますが、理解が進むのと賛成は決してイコールではないというのが、私の多くの市民との対話での結論です。「LRTよりも市民の暮らし・福祉・教育の充実にもっと税金を」との市民の声をしっかりと受け止めて頑張ることをわたしはこの場をお借りして、市民の皆さんに表明するものです。
私たち日本共産党宇都宮市議員団は、急ぐ必要のない、ムリ・ムダなLRT計画にさらに補正により7億円余の税金を使うよりも、地域内交通の抜本的改善、バスロケーションシステムの確立やバス接近表示機・停留所への屋根やベンチの設置の促進など、バス公共交通の利便性の向上に優先して、財源を投入することを提案いたします。
次に議案第75号についてです。これは消費税法の一部改正によりこの10月1日から消費税率が8%から10%に改定されることに伴い、消費税の課税対象である使用料等の額を改訂しようとするものです。
日本共産党宇都宮市議員団は以下の理由により、各種使用料等の値上げについて反対いたします。
1点目は2014年の消費税8%への増税を契機に家計消費は世帯あたり年25万円も、働く人の実質賃金は年平均10万円も落ち込んでいます。「こんな経済情勢で消費税10%への増税を強行していいのか。」という危惧・批判は宇都宮市でも日に日に大きくなっています。既に様々な食品が値上げされ、家計や小売店には影響が出ていると聞いています。さらに消費税増税となれば、生活のあらゆる場面で出費が増えることは避けては通れません。特に所得の低い人ほどダメージの大きい消費税のこれ以上の税率の引き上げはやめるべきです。今回天谷議員の一般質問でお示ししたように、消費税増税にたよらない別の道を歩めばこのような条例改正は全く必要ありません。
2点目に市民はスポーツや音楽・文化活動や各種学習会・会議等のためにコミュニティセンターをはじめ各公共施設を利用しています。
しかし小さな団体などでは会場費をその都度集金するような状況であり、値上げとなれば、活動自体を辞めざるを得ないという方たちも出てくることは容易に想像できるでしょう。ある高齢の方は少ない年金から会費を出し合い生涯学習を行っているのに、こんなに広範な値上げがされたのでは活動を減らさなくてはならないと悲鳴に近い声を上げておられました。
このように、市民が文化的で健康な生活を送るために利用している公共施設の使用料の値上げは、市民にとってマイナスの影響が大きすぎると考えられることからきっぱりと反対すべきと思いますが、議員の皆様いかがでしょうか。
3点目に、今回のこの条例改正提案は時期尚早ではないでしょうか。なぜなら安倍首相でさえもつい最近まで10月からの消費税10%増税をするかどうか迷っていたのではありませんか。
間近に迫った参議院選挙の結果次第では消費税増税の行方はわかりません。栃木市ではこの公共施設使用料値上げを一時に見送っています。
宇都宮市でも今回の公共施設使用料の値上げについて市長は見送りをして今後の状況のもとで、どうしても条例改正が必要であれば臨時議会で対応してもいいのではないでしょうか。
以上、2つの議案に反対する日本共産党宇都宮市議員団の意見を申し上げ、議員各位のご賛同を宜しくお願いします。以上で私の反対討論を終わります。