2019年3月6日



荒川つねお議員 代表質問




荒川議員



日本共産党の荒川恒男です。代表質問を行います。明快な答弁をお願いします。

 第1に、憲法がうたう地方自治の本旨に基づく市政について、市長の所信を伺います。

 日本国憲法には、第八章に地方自治がうたわれ、地方自治の条項が92条から95条まで定められています。冒頭の第92条には、「地方公共団体の組織・運営に関する事項は地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」とあります。地方自治の本旨、すなわち地方自治の精神に基づいて決めるということです。

 『註解・日本国憲法』によれば、「地方自治の本旨」とは、「地方的行政のために、国から独立して、自治体が存在し、原則として国の監督を排除して、自主・自律的に、直接・間接、住民の意思によって、地方の実情に即して、地方的行政を行うべきことを言うこと」だそうです。これを受けて、地方自治法は第1条の2項で「住民の福祉の増進」を地方自治体の使命としています。

 いま、地方は住民の暮らしの困難、福祉・医療の危機、地方経済の衰退、災害への備えなど多くの課題に直面しています。これに輪をかけて、民意無視・おごれる安倍暴走政治でのもとでいっそうの地方壊しが進んでいます。これに、地方自治体が唯々諾々と従うばかりでは「自治」とは言えません。国の悪政のもとでも「住民福祉の増進」を使命とする地方自治体は、「住民の意思・民意を尊重し、暮らしを守る防波堤」の役割を果たすべきではないでしょうか。

 そこで、佐藤市長に対し、憲法がうたう地方自治の本旨に基づく市政についての所信を伺います。




佐藤市長


荒川議員のご質問にお答えいたします。
「憲法がうたう地方自治の本旨に基づく市政」についてでありますが、私は、就任以来、市民目線を大切にし、市民の皆様とともに職員一丸となって汗をかきながら、市民福祉の最大化をめざして、取り組んでまいりました。
 このような中、住民の意思に基づく「住民自治」と、国から独立した団体の意思と責任に基づく「団体自治」の2つからなる「地方自治の本旨」を踏まえ、まちづくりの主役である「市民の積極的な市政参画」をいただきながら、市民の代表である議会と執行部が市政における車の両輪として十分に議論を重ねながら、「自主的・自立的な市政運営」に取り組んできたところであります。
 また、より良い市民サービスの実現を図るため必要に応じ、国や県、周辺自治体などとの積極的な連携・協力に努めてきたところであります。
 今後とも、市民目線に立ち、自らの責任と判断に基づく主体的なまちづくりを進め、市民福祉の最大化を目指して取り組んでまいります。




荒川議員

 第2に、新年度予算案と市長の政治姿勢について、5点伺います。

 1点目に、市民の暮らしと消費税10%増税についてです。

 日本共産党宇都宮市議員団の行ったアンケートによりますと、税金や社会保障についてこれ以上の負担に耐えられないと回答した市民は78.7%にも及びました。消費税増税やめては64.4%となりました。

 消費税率10%への増税は、市民の家計を直撃し、消費不況をさらに深刻にすることは明らかです。

 自民・公明政権の「増税の影響緩和」とする景気対策、例えば、目玉の「ポイント還元」は食料品を8%に据え置く複数税率とセットになることで、買う商品・買う場所・買い方によって、実質的税率が10・8・6・5・3%と5段階にもなり、高額所得者ほど多くのポイントが還元になるという混乱と不公平など、合計6兆円のバラマキは異常極まっています。消費税増税中止こそ最良の景気対策です。

日本共産党は消費税に頼らない別の道を提案しています。アベノミクスで巨額のもうけが転がりこんでいる富裕層と大企業に応分の負担を求めます。もっぱら大企業だけが利用している優遇税制を改め、大企業には中小企業なみの税負担で4兆円、大株主には欧米諸国並みの税負担を求め、富裕層の金融・証券税制の適正化で1.2兆円の財源が生まれます。

 市長は、予算編成の基本方針で地域経済の好循環のさらなる加速と述べていますが、それには程遠い市民の暮らしの現状を直視し、国に対し、消費税10%増税中止を求めるべきと思うが答弁を求めます。

 2点目に、
今年度も新年度予算におけるマンパワーの強化について伺います。

 私は、「福祉の増進」を使命とする地方自治体において、毎年、毎年、継続的にマンパワーの強化が図られているかどうかは、その自治体の仕事の質を量るバロメーターであると思っています。

 そこで、医師・保健師・看護師・理学療法士・作業療法士・歯科衛生士の確保と純増について伺います。合わせて、生活保護ケースワーカーの一人当たり受け持ち数の見通しについて伺います。

3点目に、LRT建設計画と公共交通政策について質問します。

 52万都市、わが宇都宮市の駅前大通りがなんと狭いことか。JR駅のペデストリアンデッキから見ると改めて思い知らされます。

 この大通りにLRTを通せば2車線以上が占拠されます。さらに、宇都宮駅交差区間の横断計画により、上河原交差点附近から高架橋となれば、狭いが大動脈の道路機能は著しく減退・マヒしかねません。

 また、市長の言う階層性のある公共交通とは、地域からデマンドタクシーに乗り、幹線バスに乗り継ぎ、駅前大通りでLRTに乗り換えなければ駅までたどり着きません。これくらい高齢者・障がい者に優しくない公共交通はありません。関連事業も含めた巨額の建設費も問題です。この様なLRT西側延伸計画を既定路線かの如く、なし崩し的に推進することなど、圧倒的市民は許していません。

 まして、西側延伸のために、JR駅東口通路を西口デッキから駅東口LRT停留所予定地点まで歩けばわずか3分なのに、LRTでは7分40秒もかかる駅東西横断に100億円もの事業費を投入していいのでしょうか。

 この様な、LRT西側延伸計画の是非は、今度こそ市民投票をもって決着すべきと思うが市長の答弁を求めます。

 次に、日本共産党宇都宮市議員団による市政アンケートによると、バス交通の利便性の向上、高いバス代の引き下げ、小型巡回バスのきめ細かな運行などLRTよりもバスを中心とした公共交通網の確立を求める回答が圧倒的でした。

 新年度予算案において、交通対策費に5億円が計上されていますが、市民が求める公共交通網の確立のためには十分とは言えません。

 バス事業においては、市はバス会社に補助金を出すだけにとどまらず、協力・共同してバス交通に参画し、イニシアチブを確立することが求められていると考えるが、本市とバス交通との関わり方について見解を伺います。

 4点目に、JR宇都宮駅東口の開発をめぐって、質問します。

 都市間競争に煽られ、過大な人口・需要予測に基づいた20世紀型駅前開発は、実際にはそのような需要は存在せず、多くの都市で破綻しました。

 本市は、幸いなことにそれに乗り遅れました。しかし、今になり、本来なら人口減少時代を見据えて防災対策以外は急ぐ必要のない「呼び込み型」の駅前大開発を他都市の後追いで進めようとしています。

 この本質は、地元企業の振興・地域経済の発展を念頭に置かず、一部富裕層向けである5つ星ホテルや高度専門病院・分譲マンションなどから成っており、「市民本位中心型」というよりも「ゼネコン・デベロッパーへの際限ない奉仕型」大型公共投資と思うが、見解を伺います。

 次に、パルコ撤退に見られるように、二荒山を中心とした都心部衰退傾向の中で、似た様なにぎわい拠点を2つも3つも作ってどうするのですか?駅東口地区の開発により、にぎわいが分散され二荒山を中心とした都心部の衰退に拍車がかかることにならないか、答弁を求めます。

 次に、市民の貴重な財産である南街区の一等地の一部を、今回の開発グループの中枢企業である野村不動産に分譲マンション用地として、坪50万円余の超破格値で売却しようとしています。ついては、この安すぎる価格の明確な根拠をここで市民の前に明らかにする答弁を求めます。

 この項の5点目にネットワーク型コンパクトシティと東武宇都宮線江曽島駅のバリアフリー化への支援について伺います。

 西川田駅については予算化されました。これで、市内の鉄道駅でエレベーターの必要な駅は江曽島駅とJR鶴田駅の2駅となりました。

 昨年11月の陽南地区のネットワーク型コンパクトシティ(NCC)の説明会では、「便利で暮らしやすく、100年先まで接続的に発展できる総合的な交通ネットワークの構築」と言っておきながら、その町づくりの中心拠点である江曽島駅の江の字もありませんでした。

 電車に乗れば5分で、しかもバス代の片道よりも安い運賃で宇都宮中心部に出かけ帰ってこられます。しかし、34段昇って、34段降りなければ乗ることができません。高齢化が進む地域にあって、腰や足が弱ってきている人・障がい者・ベビーカーの若いお母さんは利用できません。このままでは、まちづくり計画とは真逆に鉄道利用者は益々減少してしまいます。他地区からの鉄道駅との接続強化も掲げられています。江曽島駅のエレベーター設置は東武鉄道まかせにせず、市の支援で一刻も早く実現してこそ、NCCに基づく陽南地区のまちづくりは進みます。これは、陽南地区住民の総意と言っても過言ではありません。答弁を求めます。


酒井行政経営部長

「新年度予算案と市長の政治姿勢について」のうち、「市民の暮らしと消費税10パーセントへの増税について」のご質問にお答えいたします。
 消費税増税につきましては、人口減少・少子高齢化が進む中にありましても、子どもから高齢者まで、全ての世代が安心して暮らせるよう、年金や医療、介護、子育て支援といった社会保障制度の充実と安定化を図るため、国における十分な議論を経て実施されるものであります。
 こうした中、国におきましては、増税にあたりまして、低所得者に配慮した軽減税率制度の導入や駆け込み需要等の景気への影響を考慮した自動車関係税制の見直し、キャッシュレス決済時のポイント還元など、様々な対策に取り組むこととしており、本市におきましても、低所得者や子育て世帯への負担感を軽減するため、プレミアム付商品券の発行に取り組むほか、複雑な対応が求められる軽減税率制度の円滑な導入に向けて、市内中小企業等を対象とした商工会議所等と共同での説明会の開催や、ICT機器の導入経費に対する助成を行うなど、市民生活や地域経済に大きな影響が生じないよう、適切に対応してまいります。


石岡保健福祉部長


 
「マンパワーの強化について」のご質問にお答えいたします。
 まず、本市の新年度における資格職の人員配置の予定につきましては、医師は1名増の2名となっており、保健師は1名減の86名、看護師は3名で変更はございません。保健師・看護師につきましては豊富な経験とノウハウを持つ退職者を再任用職員として採用し、必要なマンパワーを確保しているところであります。
 また、理学療法士2名、作業療法士2名、歯科衛生士1名につきましては、平成30年度と同数になっております。
 今後とも、社会情勢の変化や地域の実情を的確に捉え、資格職の適切な人員配置に努めてまいります。
 次に、生活保護ケースワーカーの一人当たりの受け持ち数の見通しについてでありますが、新年度は、ケースワーカーを2名増員し、73名体制となる予定であり、一人当りの受け持ち数につきましては、91世帯となる見通しであります。
 本市におきましては、ケースワーカー業務のうち、面接相談や就労指導など、専門的な業務を行う嘱託員を配置し、ケースワーカー業務の負担軽減を図っているところであります。
 今後とも、適正な生活保護制度の運用に努めてまいります。



飯塚建設部長


 
「LRT建設計画と公共交通政策について」のうち、「LRT西側延伸計画の是非の対する市民投票について」のご質問にお答えいたします。
 LRTにつきましては、本市が掲げる「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成を支える総合的な公共交通ネットワークの要として、必要不可欠な年の装置でありますことから、現在、JR宇都宮駅東側の整備に取り組むとともに、JR宇都宮駅交差区間を含む駅西側の事業化に向けた検討を進めているところであります。
 議員ご質問の「LRT西側延伸計画における市民投票の実施」につきましては、駅東側の進め方と同様に、市民の皆様に対しまして、事業の進捗に応じて適宜、検討状況をお示しし、丁寧でわかりやすい説明を心がけながら意見交換などを行うとともに、住民投票は行いませんが、議会と執行部との間での議論を積み重ねながら進めてまいります。




鈴木総合政策部長


 
「本市とバス交通との関わり方について」のご質問にお答えいたします。
 近年、少子・超高齢化のさらなる進行などにより、地方都市において公共交通が衰退するなど、公共交通を取り巻く環境が大きく変化している中、「交通政策基本法」の制定や、「地域公共交通活性化・再生法」の改正により、地方自治体が中心となり、まちづくりと連携した公共交通ネットワークを構築することとされるなど、公共交通の維持・充実に向けて、行政が担う役割は高まっているところであります。
 このような中、本市におきましては、これまでも、市が実施主体となり、「バス路線新設社会実験」の実施によるバス路線の充実や、サイクル・アンド・バスライド用の駐輪場の整備などに取り組むとともに、バス事業者と連携を図りながらワンステップバスやバスロケーションシステムの導入など、市民の利便性向上に資する取組を進めてきたところであります。
 また、現在、バス路線の再編の具体化や、交通ICカード、上限運賃制度の導入などにつきましても、市が主導的な役割を担い、バス事業者と協議を進めながら取り組んでいるところであります。
 今後とも、市が主体となって公共交通事業者と連携を図り、民間事業者の有するノウハウや経営資源を最大限活用しながら、誰もが利用しやすい階層性のある公共交通ネットワークの構築に取り組んでまいります。
 次に、
「JR宇都宮駅東口の開発をめぐって」についてでありますが、宇都宮駅東口地区整備事業の実施にあたりましては、交流と賑わいの創出や地域経済の活性化などを図ることが重要であり、これらを実現するためには、民間の有する企画力や資金力などを最大限に活用することが必要でありますことから、官民が一体となり、事業を推進しているところであります。
 まず、議員ご質問の「ゼネコン・デベロッパーへの大型公共投資について」でありますが、この地区整備事業におきましては、コンベンション施設をはじめ、ホテルや商業施設など、高次な都市機能を集積することとしており、こうした取組によりまして、展示商談会等の開催による産業振興、交流人口の拡大や来街者の消費活動等による地域経済の活性化が期待できますとともに、税収の増加や雇用の促進など、多大な経済波及効果が見込まれますことから、市民福祉の向上に大いにつながるものと考えております。
 こうしたことから、今後とも、地区整備の早期実現に向け、事業者であります「うつのみやシンフォニー」とともに、着実に事業を推進してまいります。
 次に、「都心部における賑わいの分散について」でありますが、都心部のまちづくりにおきましては、二荒山神社などを含むエリアをセンターコアとして、歴史や文化資源等を活かしながら、商業機能の高度化などを促進するとともに、JR宇都宮駅周辺地区につきましては、JRコアとして、コンベンション施設をはじめ、広域交流機能の集積を図ることとしており、それぞれのコアの特色を活かしながら、魅力を高め合うことにより、多くの来街者が街なかに集うことにつながりますことから、この度の宇都宮駅東口地区整備事業につきましては、都心部全体の賑わいの創出に資するものと考えております。
 次に、「南街区の市有地の売却予定価格について」でありますが、土地の売却予定価格につきましては、通常の市有地売却の手続きと同様に、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、土地売却の場合、1平方メートルあたり14万1千円との鑑定価格となったところであります。
 こうしたことから、事業者募集におきましては、この鑑定価格を最低売却単価として設定し、この単価以上での提案を行うことを募集条件とするとともに、この提案価格につきましても、審査の対象としたところであります。
 この提案審査の結果、「うつのみやシンフォニー」からは、1平方メートルあたり15万5千円の価格提案がなされたところであり、今後は、この提案をもとに、分譲マンションの整備主体となります野村不動産株式会社と土地の売却につきまして、協議を行ってまいります。 
次に、
「ネットワーク型コンパクトシティと東武宇都宮線江曽島駅のバリアフリー化への支援について」でありますが、本市におきましては、これまでも、鉄道事業者が行うJR宇都宮駅や東武宇都宮駅へのエレベーターや多機能トイレの設置などに対して支援を行うとともに、新年度におきましては、西川田駅及び雀宮駅のバリアフリー化の支援に必要な予算を計上したところであります。
このような中、エレベーターなどが設置されていない江曽島駅につきましては、利用者からの要請に応じて、駅職員が介助を行うことにより障がい者などの鉄道利用に対応しているところであります。
本市といたしましては、引き続き、県と連携しながら、鉄道事業者に対して鉄道駅のバリアフリー化への働きかけを行うとともに、整備に当たりましては必要な支援を行ってまいります。




荒川議員

それでは、幾つか再質問をしたいと思います。

 まず、南街区のマンションの開発の問題であります。14万1,000円だったんですけれども、15万5,000円ということでという話であります。これはですね、ですから、その14万1,000円なりの、出てきた根拠はですね、例えば路線価が幾らで、そういうことの関係でこういう金額になるんだという点で、もう少し市民にわかりやすい、この金額のですね、鑑定価格が出てきたその根拠を説明を願えますか。


鈴木総合政策部長

 不動産鑑定評価につきましてはですね、これは東京のほうでございますが、いろいろ開発事業に精通をした不動産鑑定業者にお願いをしたところでございますが、いろいろたぶん、出し方はあるようでございますが、取引事例の比較法というものがございます。それと、やはり開発法という、ちょっと詳しいことはあれですが、開発法による価格、あるいは公示価格からの基準価格、こういったものを3つほど価格を出しまして、その平均を鑑定評価額としているような状況でございます。そういう中で14万1,000円という数字が出ているということでございます。


荒川議員

 いずれにしてもですね、あそこの土地が1坪50万円と。春日町のですね、今度、邸宅がなくなって分譲したところでもですね、坪30万円ですよ。

 そういう点では、坪50万なんていうのは、どんな鑑定したのか知りませんけれども、全くこれはね、低すぎるし、恐らく市民は納得しないんじゃないかと、このように思うんです。

 例えばですね、地価の公示価格というのについては出されていますけれども、今の地点から200メートル離れた東宿郷の2丁目でですね、1平米あたりだと20万2,000円、66万8,000円ですよ、坪当たりね。そこよりも駅に近くてですね、寝すぎても5分もあれば新幹線に走っていって乗れちゃうようなですね、こんな一等地が何で50万円なんですか。もう少しですね、そういう点では市民に対しても、例えば情報公開やれば、その辺のところのきちんとした根拠は明示してくれるんでしょうか。お聞きしたいと思います。

 


鈴木総合政策部長


 土地の取引につきましては、公示価格イコール取引価格ではございませんので、今回もですね、公示価格は当然、今、議員ご案内の場所については、平成30年、20万2,000円というような公示価格のところがございますが、そういった公示価格にですね、やはりその時点の修正でありますとか、あとは、周辺の、その土地の周辺の環境でありますとか、あるいはいろいろ土地の大きさとか、接道状況とか、そういったもの全部加味をして、最終的に基準価格を決めているということでございますんで、そういった中で14万1,000円というようなものが出ているということでございます。


荒川議員


 時間がないんでやめますけれども、いずれにしてもですね、今度の場合は、東口の開発のね、中のセットとしてですね、マンション等、自転車置き場のところもあるわけですよね。

 そういう形でセットで進めていくのに、この南街区がですね、極めて低い価格で、民間に売却をしてしまうと。これはやっぱり市民の財産を守る上からも、これは決してそういうことでは、私は認めるわけにはいきません。

 そういう点ではですね、どう考えたって低すぎるわけでありますので、第三者委員会なりにですね、もう一回この鑑定を検討するぐらいのことはやって、市民に納得してもらったらいいんじゃないですか、どうですか。

鈴木総合政策部長


 今回の鑑定価格につきましては、適正なものと認識しております。


荒川議員


 時間がないので次に移りたいと思うんですが、その前に、バスを中心とした公共交通、これは本当に大事です。そういう点では、もっと小型の巡回バスを走らせてほしいとかですね、接近表示器なんかも幹線のバス停には、全部設置してほしいとかですね、これこそが宇都宮の交通未来都市の姿ではないかと、こういうふうに思うんです。

 そういう点で、私はですね、バスの公共交通網の確立こそ、上下分離方式で宇都宮市がもっともっと責任を持つと。やっぱりこれぐらいの決意をもって交通未来都市を進めるにあたっては頑張ってもらいたいと、そういうことを要望して、次に移りたいと思います。

 第3に、国民健康保険事業について質問します。

 私の議会初質問は、1995年6月でしたが、真っ先に取り上げたのが国保問題でした。 

 国保は、高齢化の進展と非正規雇用の増大という社会構造の変化の中で「皆保険体制」を下支えする医療制度として、必然的に保険料負担能力が高くない人たちの命綱となっています。「保険料負担は限界を超えている。何とかして」の声は24年前も今も変わりません。

 日本共産党は、国保の構造的危機を打開するため「高すぎる国民健康保険税を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります」の政策を発表し、1兆円の国庫負担増で国保税を中小企業労働者が加入する「協会健保」なみに引き下げることなどを提案しました。

 市長、高すぎて払いきれない国保税が生存権をも脅かす事態や所得は低いのに保険税は健保の中で一番高いこの不公平を正すのは政治の責任ではないでしょうか。

 ついては、国保税の引き下げ、子育て支援に逆行する子どもの均等割の減免に対する市長の決意のほどを伺います。

 次に、国は国庫負担を削減する一方で「国保は加入者の助け合いの保険だから、国保税未納者は医療が制限されて当然だとの理屈で滞納者からの保険証取り上げや強権的な差押えなどを強めてきました。しかし、国保加入者の現状は、高すぎる国保税を出し合って助け合いが果たしてできる状況でしょうか。助け合いの協調と制裁強化では、受診抑制による重症化や無保険者の増加を招くだけです。

 今こそ、憲法25条と国保法第1条「国保は社会保障」の原点に立ち返り、窓口10割負担の資格者証発行を原則やめるべきではないでしょうか。市長の答弁を求めます。


石岡保健福祉部長


 
「国民健康保険事業について」のご質問にお答えいたします。
 まず、「国保税の引き下げと子ども均等割の減免に対する決意について」でありますが、本市国民健康保険税の平成30・31年度の税率につきましては、本市国民健康保険運営協議会におきまして、向こう2年間の税率の在り方について、制度が抱える構造上の問題や、新制度の内容、国の財政支援はもとより、本市の保険税水準、被保険者の負担額など事業の安定的な運営確保の観点から、慎重に審議の上、答申をいただき、被保険者と一般市民の負担バランスを充分に考慮しながら、一般会計からの繰入を行うことなどにより、税率を据え置いたところであります。
 今後とも、国保税の税率につきましては、同協議会のご意見をいただきながら、国民健康保険事業を安定的に運営できるよう、適切に対応してまいります。
 また、減免制度につきましては、地方税法に基づき「災害などの特別な事情がある場合に限り」行われるものであり、一定の枠で減免するものではないことから、子どもの均等割を市独自に減免することは難しいものと考えておりますが、子どもに係る均等割保険税の軽減制度の導入につきまして、全国知事会や全国市長会が、国へ要望しておりますことから、その動向を注視してまいります。
 次に、「資格証明書の原則発行中止について」でありますが、「被保険者資格証明書」につきましては、国民健康保険法におきまして、国保税の納期限から1年を経過した滞納があり、災害や病気など、特別の事情がない場合には、資格証明書を交付することとされております。
 こうした中、資格証明書世帯の被保険者に医療機関を受診する必要が生じた場合には、緊急的に救済する仕組みといたしまして、1か月の短期被保険者証を交付しているところであります。
 また、呼び出し勧告や戸別訪問などの働きかけにより、国保税が一部納付された場合には、1か月または6か月の短期被保険者証を交付しております。
 引き続き、税負担の公平性を確保するため、現行基準による適切な運用に努めてまいります。



荒川議員



 それでは、再質問いたします。

 先ほどですね、日本共産党の政策で、協会けんぽ並みにですね、していくのには、やっぱり1兆円必要だということなんでありますけれども、このことについてはですね、今、もう本当に制度として存続できるかどうかという状況で、宇都宮市も今、頑張って、その他の繰り入れなどもやっております。そういう点では、協会けんぽ並みに国民健康保険税を引き下げる。そして、今の国民健康保険のこの大変な状況を乗り切るためには1兆円が必要だということについては、認識は一致できますでしょうか。


石岡保健福祉部長

 国民健康保険制度につきましては、現行制度の中で、当然ながら適切に運用していくというのが基本だとは考えておりますが、財源的な問題部分につきましては、国民健康保険については厳しい部分があるというのは認識しております。しかしながら、国民健康保険の制度につきましては、まず、国民健康保険税ですね、これを基本にして運営していくという保険制度でございますので、そういう考え方でやっていくということだと考えております。

 そういった中で、医療給付の部分については一部公費負担という部分がございますが……。(「質問にだけ答えてください」と呼ぶ者あり)はい。すいません。

 基本的には、そういう形の中で運営していくものだというふうに考えております。


荒川議員

 先ほどですね、知事会や市長会でもですね、国に要望していると、こういう話がありました。

 そこで、今日はですね、日本共産党の発行している赤旗の日曜版なんですが、ここにですね、福田富一知事が登場しているんですよ。そしてね、福田富一知事が知事会の社会保障委員会の委員長だったわけですけどね。それで、5年間にわたってね、やっぱり今の国民健康保険税を、今言ったように、協会けんぽ並みに引き下げるのには1兆円必要だということでね、国とバチバチやってきたんです。残念ながら、最終的には、経過の中で3,400億円しか、今、ありませんけれども。やっぱりこの1兆円というのはですね、これがやっぱり一つのキーワードなんです、今ね。国民健康保険、これを引き続き頑張ってやっていくためにはね。

 そういう中で、市長会はですね、高知県の岡崎市長によりますと、市長会は、全国知事会のように1兆円ということはまだ言えないでいるんだと言っているんですよ。言えないのは、まあ、遠慮しているのです、忖度してね。

 そういう中でですね、私は佐藤市長にですね、市長会としても、やっぱり1兆円、何とかして国民健康保険を守ろうじゃないかと、この先頭に立って頑張ってもらいたいんですよ。そして、頑張って頑張って頑張りぬいていただいて、次は佐藤市長に、ぜひ日曜版にも登場してもらいたい。このように思っているんです。佐藤市長、決意のほど。1兆円求めて頑張ってもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。


石岡保健福祉部長

 全国知事会、市長会での要望の内容については承知しております。

 特に全国知事会のほうですね、福田知事がそういった発言をなさっているということも承知しております。
 ただ、具体的な1兆円が必要かどうかという部分につきましては、これは国全体の中で、やはり考えていく問題というふうに考えておりますので、まずは、国のこういった知事会等の要望に対しての動きですね、こういったものを注視してまいりたいと考えております。

 
荒川議員

 国民健康保険についてはですね、戦前から、つくられたときには相互扶助ね、こういうことでやっていたんですが、皆保険制度になる中で、国民健康保険法の第1条で国民健康保険は社会保障なんだと、こういうふうに位置づけたわけですよ。単なる助け合いの、制度ではないんだと。

 ここのところはですね、先ほどの答弁だと、まだ、石岡部長の頭の中は戦前からやっている国民健康保険の条例の頭になっていますのでね、ひとつもう一回ですね、国民健康保険法第1条を読んでみてください。

 では、次に移ります。

 第4の保健事業について質問します。

 市民の健康を守りぬく仕事の中心に保健事業があります。その成否はどれだけ、市民の健康状態を把握し、必要な支援が行えるかにかかっています。

 そこで、その大前提となる特定健康診査実施率と特定保健指導実施率についてですが、国保中央会がまとめた市町村国保の29年度速報値は、特定健診実施率は前年度比0.6ポイント増の37.2ポイント、特定保健指導実施率は0.6ポイント増の26.9ポイントといずれも過去最高を更新したとしています。そこで、本市のそれぞれの実施率とその成果と課題について伺います。

2点目に地域別データ分析プロジェクトの実施が予算計上されています。

これは、どの様な内容のもので、どの様なデータが用いられ、市民の健康を守るためにどの様に役立つものなのか答弁を求めます。




石岡保健福祉部長


 
「保健事業について」のご質問にお答えいたします。
 まず、「特定健康診査及び特定保健指導の実施率とその成果、課題について」でありますが、特定健康診査につきましては、集団検診会場の日程拡大のほか、「集団検診予約センター」の導入などに取り組んだことにより、平成29年度の受診率は29.4パーセントとなり、平成25年度から増加傾向となっていることから、特定健康診査の受診が徐々に定着化していると考えているところでありますが、40代、50代の方の受診率が他の年代に比較し、低い状況にありますことから、新年度におきましては、一人でも多くの方に受診していただけるよう、商工会議所や農協などの団体を通じた普及啓発や、個別受診勧奨を拡大するなど、受診率向上に取り組んでまいります。
 また、特定保健指導につきましては、身近な地区市民センターで健診結果相談会を実施したほか、試行的に専門オペレータによる電話勧奨を実施したことにより、平成29年度の実施率は18.7パーセントとなり、前年度と比較して、7ポイント上昇し、過去最高となったところであり、生活習慣病の発症予防・重症化予防につながっていると考えているところでありますが、特定保健指導の対象となっている全ての方に利用していただいていないことから、新年度におきましては、身近な場所での健診結果相談会をさらに増やすとともに、専門オペレータによる電話勧奨を年間通じて実施するなどさらなる実施率の向上を図ってまいります。
 次に、「地域別データ分析プロジェクト」についてでありますが、まず、「プロジェクトの内容」につきましては、保健福祉のほか、都市整備や交通、地域まちづくりなどの各部門からなる、庁内横断的なプロジェクトチームを編成し、各課が保有する様々なデータを集約して、地区連合自治会ごとに分析を行うことにより、地域の特徴や傾向を把握するとともに、地域単位で取り組むべき健康課題を始めとしたまちづくりの課題等を明らかにしてまいります。
 次に「活用するデータ」につきましては、人口や国保データベースの医療・介護情報、市民アンケート調査結果、公共交通や生活利便施設等の配置状況など、様々なデータを活用してまいります。
 次に、「分析結果の活用方法」につきましては、科学的根拠に基づき、健康づくりなどの計画策定や新たな施策の企画立案、事業の効果検証などに活用し、さらには、地域に積極的に情報提供することにより、地域における健康づくりや支え合い活動など、市民の主体的な取組を促進してまいります。




荒川議員


特定保健指導がですね、伸びたということは本当にうれしいことだと思っています。

 そういう点では、新しく始めるデータ分析のプロジェクトもですね、これは本当に市民の健康を守る点でもですね、大いに役立ててもらいたいなと思っています。

 ただ一言、言いたいのは、しかしですね、やっぱり保健事業との関係はですね、私、今日は平成26年の41日の国保新聞の記事を持ってきたんですが、尼崎ではですね、もうとっくの昔に分析をして、そして、市民の健康を守ると同時に、医療費も削減するということでね、もう頑張ってやっているんですよ。そういう点では、宇都宮市はやっぱりもう4年から5年遅れていると、そういう点では。お金があるんだから、もっと保健師や何かをもっとふやしてね、やれば、もっと進むんですよ、宇都宮市は。

 ということで、こういう事業も着実にやりながらですね、しかし、そのデータ分析が出なければやれないということでないものですから、そういう点ではひとつ、ぜひ頑張ってやってもらいたいと要望して、次に移りたいと思います。 

 第5に、
子どもの家・留守家庭児童会事業のあり方の見直しについて質問します。

 子どもたちの放課後をめぐり、国や地方自治体がこれまでに様々な動きと変質があった中で、本市は一貫して「働く親の労働を保障し、その子どもたちの放課後を守る生活の場」としての事業目的を堅持してきたことには、私は素直に敬意を表します。

 今回の新たな方針は、この事業目的にそって、新たな発展につながることを願うものです。そこで、前日の質問と重なる点もありますが、改めて見直しの背景・基本的方向性と見直しの内容・導入スケジュールについて、まず、おたずねします。

 次に見直しにあたる中での抑えるべき基本点について伺います。

(1)見直しによる保護者負担金の統一とは、全体として値上げになるのではないのか。

(2)利益を生み出すことを目的とする株式会社の参入は、基本的に利益を生みださないこの事業にはふさわしくないと考えるがどうか。

(3)国の補助金は運営体制が変わってもこれまで通りくるのか。市の委託金は減ることはないのか。減らすことが見直しの計画にあるのか。

(4)指導員の身分の保障と待遇改善は進むのか。

(5)国は職員の配置数や資格の基準を事実上撤廃しようとしており、子育て世代の不安が増すばかりである。市として、今の指導員体制と資格基準をを堅持するのかどうか。

(6)保護者・指導員と運営体との連携や要求・要望などの通る組織的な保障を行うことについて。

以上端的な答弁を求めます。




菊池教育次長


 
「子どもの家・留守家庭児童会のあり方の見直しについて」のご質問にお答えいたします。
 まず、「見直しの背景と基本的方向性、内容、導入スケジュールについて」でありますが、子どもの家等事業につきましては、利用児童数の増加に伴う、運営規模の拡大により、運営委員会の負担や責任は増加し続けており、事業の継続性に懸念が生じているとともに、就学前の保育園等と子どもの家等で開設時間などの受けられるサービス内容に差があることから、子どもの就学後に、仕事に支障をきたしている保護者がいるなど、一部の子どもの家等では、多様なニーズに対応しきれない状況も見られるところであります。
 そのため、本事業を公的サービスとして確実に提供するとともに、運営体制の強化を図ることを基本的方向性に掲げ、開設時間と開設日、保護者負担金、入所基準を統一し、保育に関する専門知識とノウハウを有する法人格を持つ運営主体に2021年度から移行を開始することとし、2024年度には、すべての子どもの家等で移行を完了する方針を示したところであります。
 次に、「見直しにあたり抑えるべき基本点について」のうち、まず、「保護者負担金」につきましては、子どもの家等毎に設定しておりますことから、統一後は、現在の負担金と異なることも想定されますが、その金額につきましては、拡充するサービスの内容や安定した運営に必要な費用を踏まえて、適切な受益者負担となるよう、本市委託料とあわせて設定してまいります。
 次に、「株式会社の参入」につきましては、市の指導監督の下、持続的かつ確実にサービスを提供するため、子どもの保育を専門とする株式会社や社会福祉法人、NPO法人などに移行することとしたところであります。
 次に、「国の補助金と本市の委託金」につきましては、運営主体が変わった場合におきましても、国庫補助の交付対象になりますことから、引き続き、それらの財源を最大限活用しながら、適切な運営に必要な委託料を確保してまいります。
 次に、「指導員の身分の保障と待遇改善」につきましては、専門知識と技能を持った指導員としてふさわしい人材が、法人格への移行後も、引き続き、雇用されるよう工夫するとともに、児童の保育に専念し、安心して働ける労働条件を確保する方針について、検討してまいります。
 次に、「市として現在指導員体制と資格基準を堅持すること」につきましては、児童福祉法が改正された場合におきましても、保育の質を確保することは重要であると考えており、子どもの家等の利用者や運営委員会、指導員のご意見を伺いながら、対応を検討してまいります。
 次に、「保護者や指導員と運営体との連携や要望などが通る組織的な保障」につきましては、法人格への移行後も、保護者や指導員と運営主体がともに児童の健全育成に取り組むことや、保護者や指導員の意見を反映することは、重要であると考えておりますことから、こうした仕組みについて検討してまいります。




荒川議員

ありがとうございました。いわゆる学童保育についてはですね、私も長年、自分の子どもとの関係でかかわってきました。そういう中で大事にしてきたのは、指導員はどんな学童保育のために役割を果たすのか。保護者はどういう役割を果たすのか。そして、運営体である市のほうがどういう役割を果たすのかと、この3つがうまくいってこそ、よりよい、私は学童保育ができるということでやってきました。

 その点では、熊本議員との関係で第三者の委員会みたいなのもあるということも言いましたけれども、私は、地域等に支えられて、それも大事だと思うんです。それと同時に、なかなか今、大変になってきてますけれども、やっぱり保護者がですね、自分の子どもの豊かな放課後を保障することの関係でも、自分の労働を保障してもらうことのためにもですね、やっぱり保護者がどんなふうにこの学童保育にかかわっていくのかと、こういうところも大いに議論をしてですね、その役割を明確にしていくというのがですね、私は、持続的に、これからも宇都宮市の子どもの家事業がですね、発展をするために大事ではないかと、このように思っていますので、そういう観点もですね、ぜひ大事にしていただきたいと、このように要望しておきたいと思います。

それでは、次、最後の第6に入ります。

 
市民の平和と安全、快適な暮らしを守るために3点質問します。

 1点目は、オスプレイの飛行と地位協定への対応についてです。

 昨年の10月からCV22オスプレイが米軍横田基地に配備され超低空飛行を含む訓練を各地で実施しています。

 重大事故がこの1年で2件も起きているいつ落ちるかわからないオスプレイの配備が、さらに10機に増えようとしています。

 こうした中で、1月14日鹿沼市上空を三沢基地に向かったと見られるオスプレイが目撃され、夜間に清原上空を低空で爆音と振動のもと飛行したことが確認されています。

 今後、ますますこの様な飛行がくり返される情勢のもとで、市民のいのちと安全を守る立場から宇都宮市と佐藤市長の取るべき手段は何か。

 この問題の根本は日米安保条約にあると考えますが、立場の違いをこえて一致できるのは、この横暴・勝手な米軍のふるまいにノーとも言えぬ政府に対し、地方自治体から日米地位協定の抜本見直しを求める声と運動ではないでしょうか。ついては、県市長会・全国市長会関東支部・全国市長会などあらゆる機会を通じて国に対し強くその実行を迫ることです。その先頭に佐藤市長に立っていただきたいが、決意のほどを伺います。

 2点目に、自衛隊ヘリの騒音被害の拡大についてです。

 私は、議員となって24年間、自衛隊基地強化に反対しヘリコプター騒音対策をライフワークとして取り組んできました。

 今日では、北宇都宮駐屯地の南と北に年間を通じて、24時間記録できる騒音測定器が設置されています。

 最新の平成29年度の測定結果では、年間の離発着件数は、駐屯地南側の測定地点で25,562回を数え、年間での一日の最大飛行回数は310回、夕方6時以降の危険な夜間飛行も年間914回を記録しています。

 こうした中で、市西部在住の市民から、昨年1月半ばからひんぱんに飛行が行われ、激しい騒音と振動を家の中まで及ぼしているとの切実な声が寄せられています。また、駅東部や清原でも騒音被害が市内に拡大しているとの声が寄せられています。

 そこで、伺います。市や住民に何の説明もせず訓練空域が広げられているとの市民の声について実態把握しているのですか。また、飛行コースの拡大や変更について、本市に対して連絡や報告と協議は行われているのか答弁を求めます。

 次に、本市では他に、数地点で定期間測定も行っています。ついては、市民の苦情に応えて測定器を臨時に市西部・東部に設置して騒音把握を行ってみるべきと思うが答弁を求めます。

 3点目に、安倍首相の憲法9条改憲と新規自衛官適齢者名簿の自治体提出をめぐる問題です。

 安倍首相は、1月30日の衆院本会議での答弁などで、自衛隊員の募集で「6割以上の自治体が協力を拒否している悲しい現実がある」「この状況を変えるためにも、憲法にしっかりと自衛隊の明記を」などの発言をくり返しています。

 もともと、安倍首相の9条改憲論は「9条一項二項はそのままにして、自衛隊を書きこむというものでその狙いは戦力不保持を規定した2項を死文化させ、海外での武力行使を無制限に可能にすることです。そうしたもとで自治体に自衛官適齢者名簿を強制的に提出させることは、若者を戦場に強制動員することにつながります。そこで市長は、今回の安倍首相による「戦争する国づくり」に向けた憲法9条改憲の動きについて、何と考えるのでしょうか。答弁を求めます。

 また、安倍首相が自治体の協力拒否として念頭に置いているのは、新規自衛官適齢者の氏名や住所、性別等を記した名簿の提供です。

 自衛隊法や同施行令は、自治体が自衛隊の募集に関する事務の一部や自衛官募集の広報などは行うことを定めているものの、名簿提出の要請に応じる義務は市長にないと思うがいかがでしょうか。全国の自治体の中では個人情報保護やプライバシー権を保護する観点から本人同意なしの情報提供に応じていない自治体があるのは当然の対応です。

 そこで、この件での本市の対応はいかなることになっていますか、答弁を求めます。

 


酒井行政経営部長


 
「市民の平和と安全、快適な暮らしを守るために」のうち「オスプレイの飛行と地位協定への対応」のご質問にお答えいたします。
 本市におきましては、市民の安全を守るためには、米軍機も含め航空機の飛行に係る安全性の確保は大変重要であると認識しておりますことから、これまでも、様々な機会を捉え、防衛省に対し、自衛隊機の飛行に関して十分な安全対策を講じるよう要望を行うとともに、米軍オスプレイの活動状況などについても、防衛省北関東防衛局等からの情報収集に努めてきたところであります。
 議員ご質問の「日米地位協定」につきましては、日米安全保障条約第6条に基づき、米軍の日本国内における施設等の使用のあり方や地位について定めたものであり、その見直しにつきましては、国の安全保障に関わる事項でありますことから、国において適切に対応すべきものであると考えております。
 今後とも、防衛省等の関係機関と連携強化を図りながら、必要に応じて、適宜、要望などを行い、安全で快適に暮らせるまちづくりに努めてまいります。

 次に、「憲法9条改正の見解について」でありますが、戦争の放棄や戦力不保持を定めた憲法9条の改正につきましては、我が国の防衛・安全保障に関わる大変重要なことでありますことから、引き続き、国政の場において、様々な角度から十分に議論を尽くすとともに、国民に対し、分かりやすい説明を継続しながら理解を深めていくことが必要であると考えております。




千賀環境部長


 「自衛隊ヘリの騒音について」のご質問にお答えいたします。
 まず、「市民の声の実態把握」につきましては、一部の市民から議員ご指摘のような相談があり、自衛隊に確認しましたところ、航空学校における飛行コースに変更はなく、また、訓練に際しては、市民生活に配慮しながら、適切に運用管理していると伺っているところであります。
 次に、「飛行コースの拡大や変更について」でありますが、飛行コースに関しましては、自衛隊から本市に報告、協議等はありませんが、本市といたしましては、周辺の快適な生活環境の確保を図るため、飛行訓練に当たっての配慮につきまして、毎年、要望を行っているところであり、住民からの個別の相談事案に対しましても、引き続き、丁寧に説明するよう働きかけてまいります。
 次に、「本市西部・東部における臨時の騒音の把握について」でありますが、自衛隊航空機の騒音につきましては、飛行高度の関係から最も騒音が大きくなると想定される離発着コース附近の12箇所において騒音測定を継続して行っているところであり、これまでの測定結果につきましては、全ての地点において航空機騒音レベルの目安となる国が定めた住宅防音工事の指定基準を下回っている状況にありますことから、本市西部・東部において、臨時の騒音測定を行う必要性は低いものと考えております。




笹原市民まちづくり部長
 

「新規自衛官適齢者の名簿の提供について」ご質問にお答えいたします。
 本市におきましては、自衛隊が行う自衛官の募集案内のための適齢者に係る情報提供につきましては、住民基本台帳法第11条第1項の「国の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には、市町村長に対し、住民基本台帳の一部を閲覧させることを請求することができる。」との規定に基づき、名簿の提供ではなく、閲覧により対応しているところであります。




荒川議員
 

それでは、再質問をしていきたいと思います。

 地位協定との関係でですね、それは国の専権事項だというふうにおっしゃいましたけれども、そうしますとね、その全国、これも知事会なんですが、全国知事会ではですね、米軍基地負担に関する提言の中でですね、その内容の2番目に、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記することと、こういうことをですね、全国知事会、国に提出しているんですよ、要望をね。

 専権事項だから何も言わないなんて言うのはちょっと違うんじゃないですか。どうですか。


酒井行政経営部長

 
 全国知事会で平成30年に日米地位協定についての提言というのを行ったということは承知してございますが、日米地位協定につきましては、国の安全保障にかかわる事項でありますから、今後とも、これらの要望を踏まえた国の動向につきまして、注視をしてまいりたいと考えてございます。


荒川議員


 なかなかちょっとよく聞き取れなかったんですが、市長にお聞きしたいんですが、全国市長会なり、質問で述べた県市長会・全国市長会関東支部等の市長会ではですね、この地位協定に対する全国知事会のような提言や要望をしているんでしょうか。それだけちょっと教えていただけますか。


酒井行政経営部長

 全国市長会では、平成16年に要望したというふうに伺ってございます。


荒川議員

 そういう点では、今の状況との関係では、やはりこの地位協定の見直しについてはですね、本当にこれは地方自治体が一体となってですね、やっぱり求めていく必要があるのではないかと、このように思います。

 いずれにしても、今、地位協定のもとで東京都を含む18県のこの関東の空はですね、横田ラプコンという進入管制の中でですね、日本の飛行機は自由に飛べないと、こういう地位協定の中でそういうことになっています。

 ですから、私たちが乗る飛行機などについては、関西方面に向かう3つのルートがあるそうでありますけれども、それはそのまま真っ直ぐ飛べないから、わざわざ房総半島のほうからぐるーっと回って、それも急転回をしてね、そして、5,000メートルぐらいまではその管制区域に入っちゃっているんで、その上まで上がっていってですね、そして、飛んでいくと。だから、場合によったら、そういうことではニアミスなんかも起こりやすい状況もあるしですね、本当に国民が、米軍管制でですね、自由に飛べないなんていうのは。もうこれ一つとったって、この地位協定をね、何とかしなきゃならないじゃないかと、このように思いますので、ひとつ地位協定についてはですね、見直しを求めて、市長には頑張ってもらいたいと、このように思います。

 あと、時間もなくなってきましたので、1点だけ、その自衛隊の名簿提供でありますが、私の聞くところによると、名簿提供は住基ネットからですね、その必要な適齢者の、名簿を抽出をして、それをパソコンか何かに移してですね、自衛隊が書き移しているというふうに聞いています。もしこれが本当だとすると、これは住基ネット法との関係でも、そういうことは想定されてないんじゃないですか。今までどおり、紙ベースでですね、閲覧するのは、それはまあ、いいかとは思うんで、いいというんじゃなくて、やむを得ないものであるかもしれませんけれども、個人情報との関係ではちょっと問題だと思いますけれども、そういうやり方というのはですね、これはちょっとおかしいんじゃないでしょうか、どうでしょうか。


笹原市民まちづくり部長


 閲覧の方法につきましては、以前、紙ベースというところで、現在については、ただいま議員ご説明のとおり、対象となる方々の情報をパソコンの画面において紙に書き写す方法ではやっておりますが、こちらについても、住民基本台帳法の第111項に基づく閲覧という形で適正に対応していると考えております。 


荒川議員

 この問題はですね、住基ネット法との関係では、その法の中には別表というのがあって、その中に閲覧をしてもいいのはこういうときですよということがぐあーっと書いてあるわけですよ。しかし、その中にはですね、自衛隊の募集のですね、そういうことでの抽出だとか、そういうネットを使うなんていうことについてはですね、これは想定はされてないんですよ。書いてないんですよ、それは。そういう点では、やはり住基ネットの場合には、文字通り誰がその住基ネットを開いたかどうかまで今、厳重に管理をされているわけでしょう。荒川つねおの住基ネットを誰が開いたかなんていうのは、私が求めればですね、それについて誰が出しましたということまで、今は出さなければならない。こういうことになっているわけですよ。

 そういうことの関係でもですね、住基ネットをこのような形で自衛隊の募集だけの特別の扱いをすると。これはおかしいということで指摘をしておきたいと思います。

 時間がありませんので、答弁は結構でございます。

 さて、今回の質問は市政に憲法と地方自治法を生かすことをテーマとしました。

 私は、今任期をもって勇退を決意いたしました。この6期24年間で質問は47回、討論43回、LRT質疑1回、計91回の登壇をいたしました。答弁をいただいた市長をはじめ執行部の皆様、発言の機会を保障していただいた議会と議員の皆さんに心から御礼を申し上げます。

 そして、この活動を支えていただいた多くの市民の皆さんと私の家族に心から感謝を表明して、私の最後の質問を終わります。ありがとうございました。






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