2018年6月19日
福田くみ子議員の一般質問
福田議員
発言通告にしたがって、順次質問してまいります。ただし、市長の政治姿勢についての第1は都合により取り下げをいたします。
そこでまず、通告上は第2となっております公務労働のあり方について3点伺います。
1点目に人事評価制度についてです。憲法15条2項には「すべての公務員は全体の奉仕者であり一部の奉仕者ではない」と書かれています。しかし、公務労働における人事評価制度は公共サービスの供給に競争原理を持ち込むことによって、サービスの質をめぐる競争ではなく、コスト削減に向けた競争へと変質の危険性をはらんでいます。さらには、人が人を評価するわけですから主観性は免れず、全体の奉仕者から、任命権者、上司への奉仕者へと変質するリスクを抱えています。本市の人事評価制度では、このようなリスクを回避し、全体の奉仕者としての働き甲斐を保障し結果的にサービス向上に寄与するためにどのような工夫をしているのか伺います。
2点目に会計年度任用職員制度についてです。2017年5月に地方公務員法・地方自治法の一部改正があり、「任用の整理・厳格化」と「同一労働・同一賃金の考え方に基づく処遇改善」を主旨とした「会計年度任用職員制度」が新設されました。そこで本市では、2020年4月からの実施に向けた、臨時・非常勤職員の実態把握はどのように行われるのかまず伺います。
私の調査によれば、宇都宮市の正規職員数は2009年度3,634人であったのに対し、2018年度は3,274人で、約10%減となり、臨時・非常勤嘱託などの非正規職員の割合は、34.7%から38.3%に増加しています。一方で2013年に労働契約法が改正され、民間では有期雇用労働者の「無期転換ルール」の適用がはじまっていますが、地方公務員には適用されません。そこで、市においても同じ部署や職場で5年以上働く臨時・非常勤職員にも何らかの無期転換ルールが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
3点目に市の外郭団体の雇用について伺います。市の外郭団体で今年3月で5年に達するのを前に、有期雇用労働者が雇止めとなる事態が起こっています。外郭団体は、労働契約法の適用範囲であり、これは明らかに「無期転換ルール」逃れと言えます。市は外郭団体の主な出資法人であり法令を公正に執行する立場の行政機関として、法の精神を推進する立場に立った対応が求められますが、市長の見解を求めます。
この項の第二に東海第2原発の再稼働をめぐる本市の対応について伺います。東海第2原発は、2018年11月28日で、運転開始から40年を迎え日本原子力発電株式会社は、2017年11月24日、原子力規制委員会に「20年延長」の申請を行いました。また、2018年5月21日には、東海第2原発において原子力災害が発生し広域非難が必要となった場合、宇都宮市で14,360名の水戸市民を受け入れる協定を締結したとのことです。
東海第2原発の事故に備えた広域避難計画で対象になる半径30㎞圏内に居住する人は96万人。全国一の人口密集地帯のため実効性のある避難計画の策定は困難を極めているとのことです。半径5㎞圏内の8万人は事故後直ちに逃げる、これに対し5㎞から30㎞圏内の88万人は放射線量に基づき指示が出るまで屋内退避となります。5㎞圏内を優先的に退避させなければ大渋滞が起き避難が遅れる懸念があります。また、茨城県は東海村の調査を参考に避難対象者の約14%、13万4千人が、バスで避難すると想定。50人乗りで約2,700台のバスが必要になります。茨城県バス協会保有のバスは2,946台。バスを総動員したとしても安全が約束されないとして運転手の確保が大きな課題となっているそうです。そのほかにも、災害規模、気象条件、時間帯、季節、道路状況、住民の健康状態など、想定は細分化を余儀なくされ、終わりが見えない状況とのことです。計画の実効性は確保できるのか、策定を義務付けられた周辺自治体14市町村のうち、策定を終えたのは3市にとどまっています。東海第2原発では東日本大震災でも間一髪で危機を免れました。また、福島第1原発と同じ、1970年代の沸騰水型原子炉で、稼働から40年を超え20年延長を目指す日本一の超老朽化原発で、構造的にもリスクが高いとされています。
これらのことから、原発から本市中心部まで約65キロに位置する宇都宮市がやらなくてはならないことは、実効性の確保に多くの課題を残す広域避難協定に協力する事より、住民のいのちと暮らしを守る立場から、周辺自治体と協力をして「東海第2原発の運転期間延長はやめよ!」と国や日本原電に意見表明する事が、最も合理的で、現実的な対応と考えますが、市長の見解を求めます。
酒井行政経営部長
まず、「市長の政治姿勢について」のうち、「公務労働のあり方について」でありますが、「本市の人事評価制度における工夫」につきましては、本市の人事評価は、業績評価及び能力評価により実施しており、公平な評価により職員の士気高揚を促すことで、公務能率の向上につなげ、市民サービスを向上させることを目的としております。
このうち、業績評価につきましては、目標を管理する手法を活用しており、個人の目標設定にあたりましては、市民サービス向上のため設定した組織目標と連携させる仕組みとしております。
また、能力評価につきましては、職位ごとに求められる「標準職務遂行能力」に照らして、評価を行っているところであります。
これら人事評価の実施にあたりましては、定期的に、評価者と被評価者との間で面接を行い、目標に掲げた業務の進捗状況や結果などを確認するほか、複数の評価者により評価を行うとともに、毎年、全ての評価者を対象とした研修を実施するなどして、評価の納得性、客観性、公平性の確保や、精度の向上に努めているところであり、さらに、人事評価を勤勉手当等に反映する仕組みとしているところであります。
このような取組により、本市の人事評価制度は、頑張った職員が、頑張ってよかったと思えるとともに、職員の頑張りが、市民サービスの向上につながるものと考えているところであります。
今後とも、人事評価制度を適切に運用することにより、職員の働き甲斐を高め、市民サービスの向上を、図ってまいります。
次に、「会計年度任用職員制度の実施に向けた臨時・非常勤職員の実態把握について」でありますが、会計年度任用職員制度の導入にあたりましては、本市で任用する全ての臨時・非常勤職員に関する任用根拠や、業務内容、任期、給与等の勤務実態について人事課として統一的に把握する必要がありますが、現在の臨時・非常勤職員の任用管理を行う中でこれらの情報を概ね把握できている状況にあり、今後、制度設計を進めていく中で、必要に応じて任用所属へのヒアリングを行うなど、実態の詳細な把握に努めてまいります把握に努めてまいります。
次に、「臨時・非常勤職員への無期転換ルールの導入について」でありますが、現在の臨時・非常勤職員につきましては、年度ごとの予算に基づいて任用している中、専門的な知識・経験の組織的な継承や共有化などを行いながら人材の新陳代謝が図られるよう、国の非常勤職員の常勤化防止に係る取組などを踏まえ、通算の任用期間に上限を設けているところであります。
このような中、会計年度任用職員につきましては、総務省のマニュアルによりますと、「会計年度ごとに新たに設置された職として、客観的な能力実証に基づき、再度任用されることは、あり得るもの」とされている一方で、「再度の任用が長期にわたって繰り返されることは、身分及び処遇の固定化などの問題を生じさせるおそれがあることに留意すべき」ともされておりますことから、会計年度任用職員の再度の任用の上限設定につきましては、これらを踏まえ、中核市など類似都市との情報交換や合同研究を行いながら検討してまいります。
次に、「外郭団体の雇用について」でありますが、改正労働契約法に盛り込まれました「無期転換ルール」につきましては、昨今の雇用形態の多様化等を踏まえ、労使双方の適正な労働契約の締結、更新の手続き等を法定化したものであり、有期労働契約が通算で5年を超え、本年4月以降も反復更新された労働者に適用されるものであります。
そのような中、本市といたしましては、各出資法人等が、新たな労働契約のルールに円滑に対応できるよう、出資者等の立場から、助言や情報提供等を行ってきたところであり、各団体におきましては、労働関係諸法令にのっとり、各団体の自主性において、職員の従事する仕事の種類や内容、勤務形態等を踏まえたうえで、有期労働契約や無期労働契約が適正に行われているものと認識しております。
今後とも、各団体に対しまして、出資者等の立場から、必要な支援を行ってまいります。
次に、「東海第二原発 再稼働をめぐる本市の対応について」でありますが、原子力発電所から概ね30キロメートル圏内の自治体におきましては、国の「防災基本計画」や「原子力災害対策指針」により、原子力災害に係る避難計画の策定が求められており、その策定にあたりましては自治体相互の広域的な連携が必要になるものと考えております。
このような中、水戸市から本市へ避難受入の要請がありましたことから、本年5月に、本市を含む県内6つの市町が「原子力災害における水戸市民の県外広域避難に関する協定」を締結したところであります。
また、東海第二原子力発電所の再稼働につきましては、原子力規制委員会において、新規制基準への適合性や運転期間の延長について審査することとなっており、国の責任の下で十分に検討されるべきものと考えております。
福田議員
幾つか再質問をさせていただきます。
まず1つ目ですけれども、会計年度任用職員制度についてです。
先ほどご答弁の中にもありましたように、総務省の事務マニュアルですね、その中には、ご答弁の中にあったようなこともあるのですけれども、一方で、正職員として配置すべき職員については、正規への転換を検討すべきというふうにも書かれているかと思うのですけれども、もちろんそれも踏まえてということと受け止めますけれども、よろしいですか。
酒井行政経営部長
ただいまのご質問いただきました正職員への転換という部分でございますが、私どもでは、職務に適した職を配置するようにと心がけてございますので、正規職員が担うべき職務につきましては、正規職員がやっているということで現在も対応しているところであります。
福田議員
ちょっとよくわからないのですけど、こういう正規への検討というのは、今のままでいくということで、正規への検討は考えていないということですか。もう一度お願いいたします。
酒井行政経営部長
職務に応じた職を全うするため、担うための職員を設定しておりまして、例えば、非常勤嘱託員として任用されていた方がそのまま正職員に移行するということは、選考試験なども経ないと、そういったものは移行はできないものというふうに考えてございます。
福田議員
例えば、保育士なのですけれども、平成21年度と平成30年度の比較でちょっと職員数を調べさせていただきました。定数内の保育士、ほぼフルタイムで働いていますけれども、定数内非常勤の嘱託員としての保育士は、平成21年度41%、それで、平成30年度は保育園の数が減っているにも関わらず、定数内の保育士は46%が非正規、要するに、非常勤嘱託員ということになっていますけれども、例えば、こういう職場については、転換というよりも、きちんとした正職員を配置するということでお考えいただけないでしょうかね。
酒井行政経営部長
それぞれの職場における業務量に応じて正規職員を適正に配置しているというふうに我々は考えてございます。
福田議員
半分近くがね、定数の中で、それぞれのというふうにおっしゃるので、これ以上細かいことは申し上げられませんので、次に進みますけれども、やっぱり常時必要な業務ということで、私は、例えば、保育士、あるいは学校図書館の司書などは、きちっと認めて正規の職員として、配置していくべきだというふうに考えております。
それと、もう一つ、会計年度任用職員で、6カ月以上の任用には期末手当の支給が求められていますけれども、現在の状況について教えてください。
酒井行政経営部長
現在の非常勤嘱託員につきましては、期末手当は支給されておりません。
福田議員
もちろんこの制度が導入された場合には、検討されると思うのですけれども、どんな方針でしょうか。
酒井行政経営部長
現時点の考え方といたしましては、職務に対する報酬として設定をしているものでございますが、国のほうで今回、先ほど議員、ご案内いただきましたマニュアル等が出てまいりました。この中で期末手当等の支給というものが明記されてございますので、今回、制度の構築の中で十分検討していきたいというふうにふうに考えてございます。
福田議員
私、何度もこれは質問しているところですけれども、非常勤の方たちに賄っていただいている公務としての仕事、たくさんあるわけで、そういう意味では、きちっとしった、やっぱり暮らせるだけの、少なくとも普通に暮らせてスキルが積めるだけの手当という意味では、この期末手当の支給というのは、ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。
あと、外郭団体の雇いどめについてなのですけれども、先ほど出資者の立場から適正に支援をしていくというお話がありました。ただね、実態の中で、ある外郭団体では、5年5か月勤めた方が雇いどめにされるということが起こって、今、裁判にもなるというお話を聞いています。
その団体では、これまでは事実上、大きな瑕疵がなければ再雇用をしていくということで、前任者は20年以上もこの業務に当たって大変貢献をしていただいたそうです。ご当人にお聞きしましたところ、今回の措置は人事課からの指導というふうに聞いていますけれども、外郭団体としての、先ほど自主性とか、独立性というのをね、おっしゃっていましたけれども、これを尊重すべきで、人事課がね、外郭団体に指導をするということはできないはずですね。指導ではなくて、適正に支援をしたとおっしゃるのですけれども、もう市役所には盾突けないと、そういう形で受け止めておられるし、実際にね、どうなのか。
このようなことが、もし、人事課が指導と、指導なのか、支援なのか、こういう問題はあるかもしれませんけれども、外郭団体としての意味はなくなるんじゃないでしょうかね。市がそうであれば、今までの業務実績とか、業務の継続性から見たら、市は直接雇用すべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。
酒井行政経営部長
私ども市といたしましても、出資法人等につきましては、当然、法令遵守を求めるべきだというふうに考えてございます。
ただ、それを遵守してくためには、各団体が主体性をもって適切に対応されていくべきと思ってございまして、今、ご質問いただいた人事課としては、人事課はあくまで市職員の対応をするものでございまして、外郭団体に対しましては、私どもの所属になりますが、行政改革課というところが予算の執行面、あるいは団体経営に対する面でありますとか、出資者の立場としては、助言、情報提供ということで、各所管する課にお知らせをしながら、団体のほうに支援などを行っているという状況でございます。
福田議員
外郭団体はあくまで雇用関係ということになれば、民間の労働契約法が適用される。全国的に見ても、こういった団体などが積極的に、労働契約法の趣旨ですよ。それを、前向きに捉えて、継続的な仕事というふうに認められるものについては、無期雇用にするとか、あとは正規職員にするとかいう措置を前向きにとっている団体、たくさんあります。ご存じないですか。
そういう意味では、私は、ここの法人でも、やっぱり市としてどういう指導、指導なのか、圧力なのか支援なのかわかりませんけれども、どういう立場でこの法の趣旨を踏まえた上で指導してくべきかと。立場からいったら、私は、法の趣旨をしっかりと捉えて支援していくべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
酒井行政経営部長
ご指摘の通り、法の趣旨を踏まえて、各団体が適切に対応していくというふうに私どもも考えてございますので、それぞれに支援、指導を行っているところであります。
福田議員
実質的に圧力と思われるようなことはなさらないように、改めてお願いをしたいと思います。
あと、もう1点ですけれども、:東海第二原発の件です。
市長が本気で、市民の命を守る立場かどうか、これが、問われている問題ではないでしょうか。原発事故の影響、私、宇都宮の中心部まで65キロメートルと言いましたけれども、私、東の端のほうに住んでいるものですから、55キロメートルです。県内の自治体でも、複数の自治体が議会だったり、町だったりしていますけれども、自治体の長がやっぱり再稼働をやめてくださいという趣旨の発言もしておりますし、意見書が出ていると思います。意見書が出ているところ、どこかということをことを把握しておられますか。
酒井行政経営部長
大変申し訳ございませんが、その点については承知してございません。
福田議員
私のつかんでいる範囲では、益子町議会や茂木町議会などで出しているそうです。それから、茨城県内の多くの自治体が出しています。
国のことだというお話ですけれども、こういったね、市民の命が守られるかどうか、自治体の長が意見表明することは当たり前のことだというふうに思うのですけれども、これは市長、お答えいただけないでしょうか。どうでしょうか。
酒井行政経営部長
先ほどお答え申し上げましたが、原発につきましては、国のエネルギー政策の中で、その設置、廃止について検討されるべきであるものというふうに考えてございます。
福田議員
ちょっと何度やってもかみ合わないので、先にいきます。
これは、首長の意思の問題だというふうに私は思っています。国の専権事項であろうが、なかろうが、市民の命を守るという立場に真剣に立てるかどうか、それが問われている問題だと申し上げて、次に移りたいと思います。
健康を守る取り組みについての項に入ります。
第1に差額ベッド料について伺います。差額ベッド料とは「特別療養環境室」に入院した際に徴収される保険のきかない部屋代のことで、1部屋が4床以下、1人当たりの面積が6,4㎡以上で、病室のプライバシーを確保する設備がある―などの要件があります。厚生労働省は今年3月5日、2018年度の診療報酬改定に伴い、この差額ベッド料金について、国や都道府県の関係機関に通知を出しました。
その主な内容は、次のような3ケースについて差額ベッド料を求めてはならないというものです。第1に同意書を取っていない場合、第2に治療上の必要によって入院をさせる場合、第3に病棟管理の必要性など実質的に患者の選択によらない場合をあげ、各ケースに該当する具体例を挙げています。新通知では、第3の具体例として「特別療養環境室」以外の病室が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合を明記しています。つまり他の部屋が満室という理由では、請求できないことを初めて盛り込みました。
市は保険医療機関に対する指導・監督をする立場ではありませんが、市民が安心して入院・治療を受けることができるようにする観点から、差額ベッド料金に関するこのような情報を医療機関及び市民にしっかりと周知すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
この項の第2に検診機関の質の担保について伺います。がん対策の基本は、がんの罹患率・死亡率を減少させることであり、予防・診断・治療・緩和ケアなど様々な対策が取られています。その中でもがん検診は、適切な実施により確実な効果が得られることから重要な役割を担っています。
しかし、検診の目的は死亡率の減少であることを踏まえれば、科学的に確認された適切な方法、対象年齢、受診間隔で、高い質を保って行うことが必要です。例えば、死亡率減少効果が科学的に証明されていない検診では、がんではないのにがんと疑ったり、必要性が必ずしも高くないにも関わらず、身体に負担のある検査や治療を行う可能性を増大させる結果を招くことがあります。
国立がん研究センターでは、検診の質の担保、つまり検診の精度管理についてその重要性を強調、このほど、自治体担当者用の具体的なマニュアルも示しましたところです。
本市の検診のうち、個別検診については、宇都宮市が医師会と委託契約を締結し、医師会が医療機関の選定し、市が作成した検診手順書等を規定した仕様書の内容に基づき検診が実施されている等の質的な担保をしています。つまり医師会が検診の仕様書遵守について担保しているため、市としては医療機関ごとの検診の内容について特別な検証はしていません。そこで、本市の検診の質の担保を今後どのように高めていくのか市長の見解を伺います。
石岡保健福祉部長
「健康を守る取り組みについて」のご質問にお答えいたします。
まず、「差額ベッド料金について」でありますが、良質で適切な医療を確保するためには、医療機関が法令等を遵守し、患者との信頼関係に基づいて医療を提供することが重要であると認識しております。
差額ベッド料金につきましては、各医療機関に対しまして、所管する国において、患者への十分な情報提供をすることや患者の同意が必要であることなどの留意事項、患者に料金を求めてはならない具体例などを県や医師会を通じて周知徹底を行うとともに、差額ベッド料金の運用状況について、定期的に、医療機関への立ち入り検査等を行っているところであります。
市民への周知につきましては、県において、国からの通知を受け、ホームページを通じて差額ベッド料金の情報提供を行っているところでありますが、本市におきましては、保健所に看護師による医療相談窓口を設置し、市民からの差額ベッド料金に関する相談に応じており、必要がある場合には国の相談窓口を紹介しているところであります。
今後は、本市といたしましても、市民が安心して良質な医療を受けられるよう、市ホームページを通じ、差額ベッド料金に関する情報を提供してまいります。
次に、「検診機関の質の担保について」でありますが、がん検診につきましては、信頼性の高い検診を適切に実施していくことが重要であると認識しております。
このような中、本市におきましては、これまで、より精度の高い効果的な検診を実施するため、個別検診を実施する医療機関を対象に専門医による「検診技術の向上のためのスキルアップ研修」等を行うとともに、専門的な知見を有する医師で構成する「健診在り方検討委員会」や「胃がん検診検討委員会」などにおきまして、毎年、国の示すがんの発見率などの指標を基に個別検診のデータを分析し、がん検診の精度が適正であることを確認しているところであります。
今後につきましては、これまでの取組に加え、新たに、医療機関におけるがん検診の精度を確認するため、医療機関が、本市の示すがん検診の実施手順などを自ら点検した「セルフチェックシート」を市に提出し、すべての医療機関における検診状況を検証することにより、信頼性の高い検診の実施に努めてまいります。
福田議員
ありがとうございます。
おおむね前向きなご答弁いただいたものと理解をしております。ぜひ、周知徹底、よろしくお願いしたいと思います。
次に女性が輝く宇都宮について伺います。
この項の第一に女性が輝ける地域社会のための積極的取り組みについて伺います。世界経済フォーラムが昨年11月に発表した2017年版「ジェンダーギャップ指数」で日本は調査対象144か国中114位で過去最低となりました。これは、日本の閣僚や議員の少なさと、男女間の収入格差が大きく影響していると、日本経済新聞では報じています。まず、このような現状について市長の見解を伺います。
さて宇都宮市では、このほど第4次男女共同参画行動計画が策定され、2022年度までの5年間の計画が明らかにされました。私もこれまで議会で取り上げてきたDV問題やLGBTの課題なども書き込まれ、計画としての一定の前進を評価しているところです。しかし、あらためて世界的視野で現状を見れば、世界レベルに達するのはいつになるのか展望が見えません。計画に示されている数値目標を見ても、本気度が感じられないと思ってしまうのは私だけでしょうか。
先日、栃木県地方議会女性議員連盟の30周年記念で講演をされたジャーナリストで、和光大学教授の竹信三恵子氏は、「男女の賃金格差を解決しないまま放置すれば、人口減少時代の中で税収減となり負のスパイラルとなる」と指摘し、女性の一人一人の幸せという側面だけでなく、社会全体の危機となりうると警鐘を鳴らしています。女性が輝ける地域社会づくりのための積極的な取り組みが求められていますが、市長の見解を求めます。同時に、市役所における女性管理職の登用についても加速度的な取り組みが必要と考えますが、市長の見解を求めます。
第二に、市役所のセクハラ・パワハラ相談窓口について伺います。このテーマについては、先週中塚議員が包括的に質問しておりますので、到達に立って質問いたします。
市役所においては、宇都宮市セクシャルハランスメントの防止及び苦情相談に関する規定がありますが、近年の相談状況及び件数について伺います。また、女性が安心して働ける地域の事業所のモデルとなる市役所として、女性職員にとって相談しやすい体制がとられているか、納得のいく解決が図られているか、検証が必要かと思いますが、市長の見解を求めます。
笹原市民まちづくり部長
「女性が輝く宇都宮について」のうち、「女性が輝ける地域社会のための積極的取り組みについて」のご質問にお答えいたします。
まず、「ジェンダーギャップ指数から読み取れる日本の現状」につきましては、「ジェンダーギャップ指数」は、世界経済フォーラムが、経済、教育、政治、保健の4つの分野において、男女間の格差を数値化しているものであり、2017年の指数は、対象144か国中、日本は114位と低い状況にあります。
この主な理由として、政治・経済分野などへの女性参画が遅れていることが挙げられておりますが、その背景には、固定的な性別役割分担の意識が根強く残ることにより、政治分野や専門職への女性の進出が進まず、また、出産・子育てを機に、女性のキャリアが中断されることなどがあると考えられますことから、性別に関わりなく、男女がともにさまざまな分野に参画し、活躍する社会の実現が重要であると考えております。
次に、「積極的な取組について」でありますが、少子高齢化や人口減少の進行に伴い、今後、生産年齢人口が減少する中、本市が力強く発展していくためには、さまざまな分野において女性の参画が拡大し、個性と能力を発揮していくことにより、社会の多様性と活力を高めていくことが重要であると認識しております。
このようなことから、これまで、本市におきましては、男女共同参画意識の醸成やワーク・ライフ・バランスの推進などに取り組んできた結果、女性の就業継続等は改善に向かっているところですが、依然として、性別による固定的な役割分担意識が残っていること、企業等における女性活躍の取組や、意思決定過程における女性の参画が十分に進んでいないことが課題となっております。
このため、平成30年3月に策定した「第4次男女共同参画行動計画」におきまして、性別役割分担意識の解消を図るための男性の家庭参画の促進や、女子学生へのキャリア教育を支援する講座の開催、企業等において、トップや管理職をはじめとした組織全体の意識改革を含め、より女性が活躍できる環境を整備するための、コンサルタント派遣事業や、多様で柔軟な働き方の好事例の紹介、また、意思決定過程への女性の参画促進のための市の審議会等への女性登用促進など、女性活躍推進のための取組を行ってまいります。
この計画の推進にあたりましては、男性の育児休業取得率や審議会委員における女性の割合などの成果指標を設定し、施策の達成度を「宇都宮市男女共同参画審議会」のご意見をいただきながら、適正に評価し、取り組んでまいります。
次に、「市役所における女性管理職の登用に向けた取組について」でありますが、本市におきましては、女性の視点や強みを行政運営に活かし、組織力を最大限に発揮していくため、平成27年3月に「女性職員活躍推進アクションプラン」を策定し、行政職の管理職に占める女性の割合を平成31年度に15パーセントとする目標を掲げたところであります。
このプランに基づき、女性職員のキャリア形成支援に向けた研修や、職場を超えて女性職員同士が意見交換できるネットワークの構築支援などを行うことにより、女性職員の計画的な育成に取り組んできた結果、行政職の管理職に占める女性の割合は、プラン策定時と比較して、平成30年度時点で約2倍となる13.8パーセントに上昇しているところです。
引き続き、女性職員の計画的育成を図りながら、公正で適正な評価のもと、、能力・実績に基づいた女性職員の登用に努めてまいります。
今後とも、本市のさまざまな分野において、女性が、より一層参画し、個性と能力を十分に発揮して活躍できる、女性が輝ける社会の実現を目指してまいります。
酒井行政経営部長
「市役所のセクハラ・パワハラ相談窓口について」のうち、「セクシュアル・ハラスメントに関する近年の相談状況及び件数について」のご質問にお答えいたします。
相談状況及び件数につきましては、平成24年度に1件、平成27年度に1件、平成29年度に1件受け付けており、それぞれ事情は異なりますが、性的な言動により、職場環境が害され、働きにくいという相談が主なものであります。
次に、「女性職員が相談しやすい体制及び納得がいく解決が図られているか」についてでありますが、本市におきましては、セクシュアル・ハラスメント対策として、相談者のプライバシーが保護され、不利益な取り扱いを受けることのない、相談しやすい窓口を設置しているところであります。
この相談窓口におきましては、これまでも、女性を含めた相談体制のもと、相談があった場合には、当事者双方から事実関係を確認した上で厳正に対処することにより解決を図ってきたところであり、対応後はセクシュアル・ハラスメント行為がなくなり、職場環境が改善されているところであります。
このような中、セクシュアル・ハラスメント対策におきましては、まずは、未然の防止と事案が発生した場合における解決の第一歩となる相談の受付が、大変重要であると考えておりますことから、現在、新任係長を対象に実施しているハラスメント防止研修の対象者の拡大や全職員に対する庁内LAN等を活用したハラスメントの防止に係る啓発などに取り組むとともに、相談窓口のより一層の周知に努め、セクシュアル・ハラスメント対策の充実を図ってまいります。
福田議員
ありがとうございました。
女性が輝ける社会ということで、貴重な女性部長にお答えいただきまして、ありがとうございます。
計画の中の成果目標なのですけれども、私、低いんじゃないかなと思ったのが、男女の家事、育児、介護時間の割合という項目が実はあるのですけれども、目標値、平成34年度までに、今、どうなっているかわからないということなのですけれども、男女の担う時間ですね。これが男性が1、女性が4という目標値が出ているのですね。今、やっぱり課題になっているのはその辺のところで、やっぱりその辺のところはもっと志を大きく持ってもいいんじゃないかなというふうに思っています。
それとですね、もう一つ、目標値のことでいうと、市の管理職、今、13.8%、ですけれども、市の職員の女性職員の割合を見てみると、40代、30代、20代と女性の割合は若くなるにつれて、20代では36.5%いるのですね。それから見ると、ちゃんとしっかりと育成していくということを考えれば、私は、平成34年度の目標が15%というのも、これもちょっと低過ぎる、そういうふうに思います。
ましてや、民間企業の管理職に占める女性の割合16%という目標を出しているのですよ。それなのに市が15%でいいのかという問題があると思うのですけれども、その辺、いかがでしょうか。
酒井行政経営部長
ご指摘いただきましたアクションプランにつきましては、その目標の設定当時ですね、平成26年度末、7.2%だった女性の管理職の割合を、平成31年度当初に15%にしようというものでございまして、その設定当時にはですね、中核市のトップクラスがその程度のパーセントではないかということで、目標設定したところでございまして、今後とも、管理職に占める女性の割合というのを十分に上げていきたいなというふうに考えてございます。
福田議員
ありがとうございます。ぜひ、柔軟に見直していただいて、目標値を上回る、取り組みをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
それとですね、セクハラ・パワハラの相談窓口の件です。
権力のある側からその立場を利用して嫌がらせをするという、パワハラ・セクハラの特徴を考えると、実際には被害者が救われなかったという問題が多いので、改めて質問させていただきました。
つまり、相談したけど、何も変わらなかったと。こういう結果にならないように、ぜひともお願いしていきたいというふうに思います。
次の項に入っていきたいと思います。
次に宇都宮にふさわしい公共交通の項に入ります。
第一に宇都宮にふさわしい公共交通とLRTについて伺います。
目前に迫った超高齢化と人口減少の時代に、真に優先的にお金をかけるべきは、身近な暮らしや福祉、教育です。もちろん公共交通の充実は、その1つです。しかし、東京では電気バスが走り、間もなく自動運転のバスも見えている時代に、軌道の上しか走れないLRTを次世代型とはナンセンスです。住宅のない田んぼの中を走る宇都宮のルートは、まさに開発のための開発です。街中の空き家対策を課題にしながら、一方では再開発と称して民間高層マンション建設に数十億円を投入し、さらに、コンパクトシティにLRTが必要不可欠といいつつ、利用者を増やすためにルート周辺開発の話が出てくるなど、本末転倒です。LRTは時代遅れの形を変えた箱モノ行政としか言いようがありません。そこで、1点目に、常々LRTの枕詞として使っている、「コンパクトシティのまちづくりに欠かすことのできない」根拠について、改めて市長の見解を伺います。
宇都宮市は、LRT事業への理解促進を目的に富山市へのLRT体験見学会を実施、これまでに5地区50人余りの市民が見学会に参加しました。感想やまとめの報告では、「想像以上に良かった」という意見も多くありますが、富山市と宇都宮市のLRT導入の背景や歴史、街の形状や条件の違いなどを指摘し、「単純に比較することはできない」など、富山の成功例をそのまま宇都宮に置き換えることに慎重な記述が毎回のようにあった点は重要です。そこで、富山市ライトレールとの主な相違点を市長はどのように認識し宇都宮市のLRTに何を生かそうとしておられるのか、改めて伺います。
最後に、2022年度までにLRT完成を目指すとしておられますがその担保はどこにあるのか、強硬な反対を表明されている地権者の方もおられますが、どのような対応を取っていくのか市長の見解を伺います。
第二に地域内交通の制度見直しについて伺います。辰街道沿いの石井町にお住いの89歳の女性Fさんは、1人暮らしです。これまで自転車で問屋町や宇大工学部近くのマーケットまで買い物に行っていましたが、いよいよ危なっかしくなり知り合いの方の車を頼るようになりました。細い道路一本隔てたお隣さんは、上桑島町で瑞穂野地区の地域内交通デマンド型乗り合いタクシーを利用しているので、Fさんも利用したいとのご希望でした。地元にもご相談しましたが「特例は認められない」と残念な結果となりました。他地域でも同様の相談が寄せられているとのことです。このような切実な声にどう答えますか。市長の見解を求めます。
佐藤市長
「宇都宮にふさわしい公共交通について」のうち、「地域内交通の制度の見直しについて」のご質問にお答えいたします。
地域内交通は、地域全体で支えるという理念のもと、地域自ら検討組織を立ち上げ、地域負担や運賃、運行区域、利用者の範囲などにつきまして、地域が主体的に決定し、運行していただいているところであり、本年3月には、郊外部全13地区で導入が図られるとともに、高齢者を中心に、年間約7万8千人もの方々に利用され、買物や通院など、日常生活を支える地域に最も身近な移動手段として定着しております。
本市といたしましても、この地域の主体的な取組を積極的に支援し、運行経費への補助はもとより、地域と一体となって地域内交通の利便性や効率性の向上に取り組むとともに、平成25年度には、地域内交通の運営組織の代表者が一堂に会する「地域内交通連絡会議」を設置し、定期的に各地域の皆様と地域内交通の運行上の課題や運営の手法などにつきまして意見交換を行っているところであります。
このような中、地域内交通の導入地区の拡大に伴い、地域によっては、隣接する市街地部にお住まいの方から「地域内交通を利用したい」との要望がでてきており、こうした要望につきましては、地域内交通の運営組織につないだ上でその対応を確認してきたところであります。
本市といたしましては、本年8月に開催を予定しております「地域内交通連絡会議」におきまして、改めて、こうした要望につきましても各地域の運営組織の皆様と協議いたしますとともに、市街地部におきましても、公共交通空白地域における日常生活の移動手段を確保するため、生活交通の充実に努めてまいります。
飯塚建設部長
「宇都宮にふさわしい公共交通とLRTについて」のご質問にお答えいたします。
まず、「コンパクトシティのまちづくりに欠かせない根拠について」でありますが、本市が目指す「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現に向けましては、都市拠点や地域拠点などの拠点化の促進とともに、各拠点を結ぶ鉄道やバス、地域を面的にカバーする地域内交通が効率的に連携した階層性のある公共交通ネットワークの構築が必要であり、LRTは、その要となる東西基幹公共交通として、将来のまちづくりを支える都市の装置であると考えておりますことから、その整備に取り組んでいるところであります。
次に、「富山ライトレールとの相違点と本市に生かせる点について」でありますが、「富山ライトレール」につきましては、鉄道路線をLRTに転用したものであり、一方、本市におきましては、約15キロメートルを全線新設で建設することから導入の経緯や、歴史、文化的な背景など、様々な違いがあるものと捉えております。
しかしながら、富山市は、本市と同様に「公共交通を中心としたコンパクトなまちづくり」を進めることとしており。「公共交通の活性化」や「公共交通沿線地区への居住促進」などLRTをはじめとした公共交通とまちづくりを一体的に進めている事例が数多く見られますことから、本市といたしましては、こうした取組みを参考にするとともに、富山市への体験見学会を実施することで、さらなる市民理解の促進が図られるものと受け止めております。
今後とも、これらの取組を行うことにより、LRTを生かしたコンパクトなまちづくりを進めてまいります。
次に、「2022年の開業に向けての対応について」でありますが、「LRTの開業年次」につきましては、これまで、軌道施設や「鬼怒川橋梁」をはじめとした大型構造物、「車両基地」などの設計に取り組み、整備スケジュールの調整などを行うとともに、関係機関との協議を踏まえた上で、十分に実現が可能であるとして設定したところであります。
このような中、事業の推進にあたりましては、用地取得を円滑に進めていく必要がありますことから、地権者の方々の個々の立場に立った丁寧な説明に努め、ご理解・ご協力いただけますよう取り組んでまいります。
福田議員
まず、地域内交通について伺います。
市長が直接お答えいただいて大変うれしいです。
地域内交通は、私も、公共交通というふうに思っていたのですけれども、でも、これ、誰もが利用できなければ、私は公共交通って言えないのではないかなという疑念を持ち始めました。で、やっぱり今の状況だと、自治会ごとの参加とか、登録が必要だというようなことで、お隣さんが利用できないというようなことがあるわけです。
今後、見直しも含めて協議をしていただけるということなのですけれども、バスや、来街者とか、観光客はこれ、利用できないですよね。お隣の町から隣の町にへ乗り継いでいくことも、これはできないので、ぜひね、その辺も含めてね、大きく前向きに検討いただけないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
鈴木総合政策部長
地域内交通につきましては、地域みずからがですね、やはり自分たちの、住民の日常生活を支える足を確保するということで、みずからつくる、守り育てるというような理念のもとですね、行っているところでございまして、基本的にやはり地域住民の地域における日常生活を支える交通ということで理解してございまして、これまでの地域内交通の立ち上げはですね、自治会という地域のつながり、こういうものを重視しながらですね、時間をかけてそれぞれの地域に合ったような形でルールづくりをして、今、運行しているという状況でございます。
そんな形でございますので、今のところはですね、地域内の方の利用、これを基本としつつですね、進めていきたいなというふうに思っているところでございます。
福田議員
そういうことになってくると、地域内交通というのが公共交通かどうかという問題になってきてしまうのですけれども、やはり住民一人一人がね、移動する権利という、その移動権をどう保障していくか、交通権をどう保障していくかということが、市役所としては、やっぱりそこを目標に少なくとも置いてやっぱり再構築というのが必要だというふうに思っております。
身近な問題としてね、目の前の解決できそうな問題、それを早急に検討していただくことと含めて、やはり大きな目で見たときに、生活交通は地域内交通ということではなくて、生活交通としての位置づけをしっかり持った面的な交通が必要だというふうに思います。その辺、一言お答えいただければ。
鈴木総合政策部長
地域内交通につきましては、基本的に、先ほど申し上げた通りでございますが、今後ですね、宇都宮市がやはり階層性ある公共交通ネットワークをつくっていく上はですね、やはり地域内交通というのは、末端の本当に皆さんの生活を支える重要な足となってまいりますので、当然ですね、いろいろネットワークの構築の状況等を見ながら、やはり適宜検証してく必要があるのかなというふうに思っております。
そんな中でですね、やはり検証に当たりましても、やはり地域の皆様のご意見でありますとか、あるいは、既存の公共交通とのやはり役割分担といいますか、そういったものもございますので、その辺、十分意見を聞きながらですね、やっぱりやっていくことが必要かなというふうに認識をしているところでございます。
福田議員
大きな意味での生活交通、それから、移動する権利という視点から見直しを強く求めたいと思います。
次なのですけれども、LRTの問題です。
先ほど富山と宇都宮のLRT、何が違うのだというお答えをいただきました。私が最も違うなと思っているのは、やっぱり幾らかかるのか、何人乗るかというところあたりなのかなというふうに思うのですね。そこで評価が分かれてきて、つまり、それが費用対効果という点で、その公共事業の評価というのがわかれてくるのではないかなというふうに思っています。
要するに、富山は、もともとあったJRの富山港線のルートを走っているわけですけれども、主にね、85%そこを走っているわけですけれども、宇都宮の場合には、田んぼの中、走って、日中の利用客が少ないと。つまり、ピーク時の利用客は乗り切れないほど多いけれども、だから、バスも利用するというふうに言っていますよね。そこのところがね、やはり違う。
日中の利用客がやっぱり生活交通の足として、富山の場合には利用度が高い。けれども、宇都宮は、通勤通学の利用客というのが圧倒的だというあたりでの事業の評価というのが大きく分かれてくるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
飯塚建設部長
宇都宮市の場合は、ピーク時、通勤通学のですね、そちらを主体として考えまして、平日のですね、利用も考えておりまして、総計で1日1万6,000人余りの方々に利用いただけるだろうと、平日ですね、という想定をしておりまして、収支も十分確保できるというふうに判断しているところでございます。
平日昼間というお話がありましたけれども、沿線につきましては、いろいろな商業施設ですとか、市の施設なども、公共施設もございますので、そういった方がLRTができればですね、ご利用いただくということも、今後は十分に想定されるということで利用促進策等含めてですね、そういう利用者の方をふやすという策についても検討してまいりたいと考えております。
福田議員
ちょっとよくわからないのですけれども、評価が分かれる点というのは、私は、日中もね、やっぱりしっかりと利用してもらえるかどうかとか、そこは大きいというふうに思っています。
やっぱり何のためにやるのかということがものすごく大事であって、何のためにやるのかということがだんだん広がってきてしまって、宇都宮市の場合には、目的がよくわからなくなってきて、今ではもう開発のための開発というのが見えてきていますよね。そういう意味での私の思いなのですけれども。
あと、なぜバスじゃいけないのだと、なんでLRTじゃなくちゃいけないのだということは、やっぱりちょっと腑に落ちないので、もう一度ご答弁いただきたいと思います。
飯塚建設部長
バストの比較でございますけれども、バスよりもですね、LRTのほうがですね、一度に運べる人の数、交通容量が大きいということが一つありまして、また、専用軌道の、専用といいますか、道路と一緒ですけれども、しっかりと交通規制された専用の部分を走るということで速達性も確保できますし、定時性も確保できるという、総合的に効果がバスよりもLRTのほうが非常に高いというふうに判断しているところでございます。
福田議員
バスでもね、専用優先車線という方法もあるし、それから、環境配慮においても、先ほど当初の質問で述べたような技術の進化もあります。
また、定時性、速達性という点でも優先車線という考え方もあると思うのですね。
やっぱりそこのところはいつになっても、私は腑に落ちませんね。
あと、5月28日の起工式でね、多くの来賓の方、お見えになったそうですけれど、テントの周りは幕で張られていて、何かとっても閉鎖的な印象を受けました。青空のもとで、市民の皆さんと一緒にLRTの事業を、始めるぞっていう、何か喜び合う、そういう雰囲気が感じられなくて、大変残念だなというふうに思っていたのですね。
これまで住民投票もアンケートも世論調査もやらない。支持される自信がないからやらないんじゃないかというふうに思われても仕方がないと思うのですね、これね。バブル時代から本当に姿を変えた、時代遅れの箱物行政で、将来的に苦しむのは、私は、市民ではないかというふうに強く抗議をしたいと思います。
同時に、反対地権者に対する対応について、最後に伺いたいのですけれども、たぶん、法律上は、もし、強硬に反対されている人がいた場合には、土地収用とか、強制執行などということも法的には、私は可能だと思うんですけれども、そんなことはやらないということをちゃんと約束してほしいのですけれども、いかがでしょうか。
飯塚建設部長
まずは地権者の方々のですね、立場に立って、それぞれの不安や問題点などをよくお聞きして、解決してですね、あくまでも、用地買収に協力いただけるようにお願いいたしまして、任意買収で進めていきたいというふうに考えております。
福田議員
みんなに愛される公共交通として建設を進めていく、そういうおつもりだったら、やっぱり反対地権者にもちゃんとわかっていただく姿勢を最後まで貫く、そういう意味で強制執行などやらないというお立場でしょうか。もう一度聞きます。
飯塚建設部長
あくまで任意買収によってご理解、ご協力いただけるように粘り強く交渉してですね、事業を推進してまいりたいというふうに考えております。
福田議員
最後まで粘り強く行っていただきたいと。市民の日常生活が壊されるようなことは絶対ないようにと、改めてお願いを申し上げたいと思います。
最後の項に移ります。
次に適応支援教室への給食の提供について伺います。
様々な理由から不登校となる児童生徒の数は、残念ながら増加傾向に歯止めはかかっていません。2016年度では、小学生が163人、中学生が524人、合計で687人が不登校となっています。2012年の507名から180名増えていることは大変残念でありますが、子どもの様々な苦しさがある中で、「学校に行かない」という選択がしやすくなったとの見方もあり、どのようにフォローするのかが大切であると考えています。
学校以外の選択肢の1つが適応支援教室ということになります。宇都宮市では当面の居場所として利用できる「とらいあんぐる」では、毎年約20名前後が、小集団で活動や学習をする「まちかどの学校」には60名前後が利用しています。学校給食は、教育の一環として位置付けられ、特に本市では食育に力を注ぎ地場産品を多用した食材で自校方式にこだわり、さらには宇都宮産米での自校炊飯を実施するなど、質の高い給食を提供しています。給食は、教育の一環であることをふまえれば、当然適応支援教室に通う児童生徒にも提供すべきものではないでしょうか。何よりも本市自慢の元気の出る温かい給食を提供することは、大きな励ましとなり、友達や先生と一緒に同じものを食べる経験は成長の一助となるものと考えますが、市長の見解を伺います。
水越教育長
「適応支援教室への給食の提供について」のご質問にお答えいたします。
本市の適応支援教室は、教育センター内にある「とらいあんぐる」と戸祭台にある「まちかどの学校」であり、「とらいあんぐる」につきましては、教育センターでの相談において支援の方向性が決定するまでの居場所として午前中のみ開設しており、昼食の対応は行っていない状況であります。
一方「まちかどの学校」においては、学校復帰を目指し、集団の中で活動ができるよう、一人ひとりの状態に応じて支援しており、不安や緊張が強く、対人関係を築くことが苦手な児童生徒に対しては、社会性の育成を図るために、少しずつ他の児童生徒や
職員と一緒に弁当を食べる機会を増やすとともに、少人数での調理や流しそうめん体験等の行事への参加を促すなど、友達や職員と楽しみながら食事をする経験ができるよう工夫して、食育の取組を進めております。
議員ご質問の、「適応支援教室で質の高い給食を提供すること」は、学校での給食と同様、栄養バランスや食文化への理解を深めるほか、配膳を通して協同の気持ちや感謝の心を育むなど、食育の観点において意義のあることと考えます。
しかしながら、児童生徒によって、登校する曜日や日数、登下校の時間が異なりまして、それらの児童生徒一人ひとりに応じた柔軟な対応をしているため、一日の給食の食数を確定することが難しいという課題があります。
さらに、適応支援教室には給食室が無いため、給食センターや近隣の学校の給食室から給食を衛生的に配送し、保管することなどの課題もありますことから、今後、他の自治体の情報を収集しながら、調査・研究してまいります。
福田議員
やはり今、世間的には子どもの貧困などという側面から、一般のところでの子ども食堂の開設などの質問などでもありましたが、そういった子どもを食の面から支えていく取り組みというのが一般的に広まっているというふうに考えています。
いろいろなデリケートな問題を持ったお子さんがこういう状況になってしまうという経過もあるので、さまざまな、課題、先ほど教育長がおっしゃいましたように、課題はあると思いますけれども、ぜひ、やっぱり同じものを一緒のテーブルで、食べていくという経験ということそのものが、ものすごく大事だというふうに思いますし、昔は学校給食そのものがね、不登校の子でも、給食だけは食べに行くという子どももいたわけですよね。そういう観点からも、やっぱり食べる取り組みということにもっと私は重視をしていって、ぜひ、近くの学校から届けていただけるような体制がとれればなというふうに思っております。
例えば、まちかどの学校でしたら、一番近隣の学校はどこになりますか。
水越教育長
近隣の小学校ですと、昭和小学校ですし、中学校ですと、星が丘中学校ということになっております。
福田議員
いろいろな課題を整理していただいて、栃木県内ですと、日光市がすでに始まっておりますので、ぜひそんな取り組みも参考にしていただきまして、前向きに早急に検討していただければというふうに思います。
最後にお願いをいたしまして、私のすべての質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
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