2017年12月12日



福田くみ子議員 一般質問





福田議員


 発言通告に従い順次質問してまいりますので、市民の皆様にも分かりやすい御答弁を宜しくお願いいたします。

まず、人口減少時代に対応したまちづくりについて質問いたします。

第1にネットワーク型コンパクトシティについて2点質問致します。

都市人口が急速に増大し自動車交通が発達すると、郊外で様々な開発や施設立地が進み、いわゆるドーナツ化やスプロール化といった現象が様々な問題をもたらしました。郊外への無秩序な拡大拡散を規制・抑制して徒歩でも生活でき、街中が賑わい、人々の生活の質を高め、公共交通も便利に利用できるようにしようというのが、コンパクトシティ政策と認識しています。政府がコンパクトシティを将来都市像として位置づけた政策は中心市街地活性化をねらいとした2006年のまちづくり三法の改正からと言われています。しかし、総務省の行政評価でも中心市街地活性化政策は、様々な取り組み、政策投資にもかかわらず、十分な成果を上げていないと指摘されています。
 そこで1点目に本市における、これまでの中心市街地活性化基本計画をどのように評価しているのでしょうか。市長の見解を求めます。

2点目に、本市のネットワーク型コンパクトシティ計画では、中心市街地の活性化や都市機能誘導区域・居住誘導区域の設定、公共交通の維持や施設整備だけではなく、誘導区域以外の市街化区域における開発規制が重要であると考えますが、市長の見解を求めます。

第2に安全なまちづくりにおける消費者保護の観点からの住宅開発のあり方について伺います。安全なまちづくりは、市民参加のもとで、相互の信頼と理解によって市、市民、事業者が共同で行うことが欠かせないと考えます。これから進めようとしているコンパクトシティの計画は、スプロール化してきた居住地域を縮小させ密度を上げて効率化を図り、生活の質を向上させることが一つの大きなねらいです。居住の密度が上がれば、近年のゲリラ豪雨などの異常気象による逸水被害や粗悪な造成工事による土砂崩れなどの災害リスクも高まることも想定されます。新たな住宅の建設が近隣住民に及ぼす影響について折り合いをつけていくことは重要な課題です。

 そこで1点目に市、市民、事業者それぞれの役割、権利や責務を明らかにした、まちづくり条例を定めるべきではないでしょうか。

また、住宅購入は、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。どこに住むのか、どのような家をつくるのか、あるいは買うのか。買った後で、不具合が見つかったり、近隣の住環境に悪影響を及ぼすことがわかったら、どんなに後悔する事でしょうか。

そこで、2点目に安全なまちづくりをすすめる行政として、消費者保護の観点から、住宅を購入する市民に対する取り組みについて市長の見解を伺います。

第3に地域内交通について伺います。現在試行もふくめると14路線で運行されている地域内交通は、ドアーツードアー方式が歓迎される一方で、導入開始から10年がたち、様々な矛盾点も浮き彫りになってきました。

具体的には、①住民組織での運営の負担の重さ、②自治会単位での加入を条件とする利用の不公平感、③日常的に利用するには高い利用料、④利用区域と登録制による制限、などシステムの根本的な見直しについて市長の見解を求めます。


佐藤市長 


 人口減少時代に対応したまちづくりについてのうち、ネットワーク型コンパクトシティについてでありますが、まず、中心市街地活性化基本計画の評価につきましては、本市では、平成22年3月に、計画期間を5年とした第1期中心市街地活性化基本計画を策定し、中心市街地のにぎわい回復を図るため、各種活性化事業に取り組んでまいりました。

 こうした取り組みの結果、居住人口、事業所数は減少傾向にある一方、イベント開催などによる休日の通行量の増加や空き店舗の減少など、全国の地方都市における中心市街地の衰退が進む中にありましても、活性化に向け、一定の成果を上げてきたものと認識しているところであります。

また、平成27年度におきましては、第1期計画の結果を踏まえ、平成31年度までを計画期間とする第2期計画を策定し、大手地区市街地再開発事業やオープンカフェ事業を初めとした、民間主導による活性化事業を拡大するなど、さらなる活性化に向け、各種事業の取り組みを進めているところであり、現時点におきましては、事業所数が増加傾向に転じたことや、ジャパンカップクリテリウム、バスケットボールの国際大会のFIBA3×3ワールドツアーうつのみやマスターズを初めとした、さまざまなイベント開催などによる拠点広場の利用者数の増加など、官民によるさまざまな取り組みが着実に成果を上げ、にぎわいの回復につながっているものと考えております。

 今後とも、引き続き、ネットワーク型コンパクトシティの都市拠点としてふさわしい、活力とにぎわいあふれる中心市街地の形成に向け、官民一体となって精力的に取り組んでまいります。


福原都市整備部長


 ネットワーク型コンパクトシティについてのうち、誘導区域以外の市街化区域における開発規制についてのご質問にお答えいたします。

 人口減少社会を見据えたネットワーク型コンパクトシティの実現に向けましては、立地適正化計画における誘導区域等への居住誘導などを通し、市民のライフスタイルに応じて多様な暮らし方が選択できる、めりはりのある居住地形成を目指しているところであり、市街化区域における居住誘導区域以外におきましても、戸建て住宅を主体としたゆとりある住環境を形成していく考えであります。

 その実現に向けましては、長期的な視点から、緩やかに進めていく必要がありますことから、市街化区域におきましては、開発規制ではなく、誘導区域へのインセンティブとなる効果的な誘導策等を検討しながら、居住誘導を図ってまいります。

 次に、安心なまちづくりと消費者保護の観点からの住宅開発のあり方についてのうち、まちづくり条例の制定についてでありますが、本市におきましては、新たな住宅地の建設をする際は、開発許可制度におきまして、溢水被害や土砂崩れなどの災害を防止するため、道路や公園などの公共施設の整備と合わせ、排水施設や擁壁等を義務づける技術基準により必要な措置を講じております。

 また、開発許可対象外の小規模な宅地造成につきましては、建築確認制度におきまして、敷地の衛生及び安全性について、盛り土や地盤改良、排水施設や擁壁等の設置など、必要な措置を講じており、周辺住民の周知を図りながら、良好な宅地水準を確保しているところであります。

 議員ご提案のまちづくり条例の制定につきましては、住宅開発を推進するため、さらなる周辺住民への理解促進も重要であると考えますことから、他市の事例などを参考にしながら、その有効性について研究してまいります。

 次に、消費者保護の観点からの住宅を購入する市民に対する取り組みについてでありますが、本市におきましては、住宅の建築に関する窓口相談や、建築基準法に基づく確認申請の審査、完了検査などによる適正で優良な住宅の確保はもとより、栃木県建築士会との連携による住宅相談を実施するとともに、市民からよくある問い合わせに対するアドバイスの紹介など、市民が安心して住宅を建てるための支援に取り組んでいるところであります。

 このような中、住宅などの欠陥につきましては、住宅購入者の保護を目的として、完成から10年間、住宅の重要な部分の瑕疵の補修などを義務づけた、住宅瑕疵担保履行法の制度などについて情報提供を行うとともに、弁護士や建築士に相談できる公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる相談窓口についての案内を行い、欠陥住宅のトラブルの解決につなげるなど、消費者保護に努めているとことであります。

 今後とも、引き続き、市民が安心して暮らすことができる住宅の確保に取り組んでまいります。


本橋総合政策部長

 
 地域内交通についてのご質問にお答えいたします。


 地域内交通は、平成20年1月の清原さきがけ号の運行開始から10年となる節目の年を迎えており、昨年度は、12地区13路線におきまして、高齢者を中心に年間約6万8,000人もの方々に利用され、利用者からは、「運転の不安がなくなり、安心して買い物に出かけられる」「家族に負担をかけずんみ外出できる」など、地域内交通を評価する多くの声をいただいており、地域に欠かすことのできない移動手段として定着しております。

 この地域内交通につきましては、地域全体で支えるという理念のもと、地域自ら検討組織を立ち上げ、地域の特性やニーズ、利用者の利便性、運行コスト、さらには、既存公共交通との役割分担などを踏まえながら、地域負担や運賃、運行区域、利用者の範囲などにつきまして、地域が主体的に決定しているところであり、それぞれの地域におきまして、買い物や通院など、日常生活を支える最も身近な移動手段として、地域の実情に対応しながら、適切に運営されているものと考えております。

 本市といたしましても、運行経費への補助はもとより、組織運営に対する補助の拡充などに取り組んできたところであり、引き続き、地域の負担軽減につながるよう、利用促進策や効率的な運行に向けた運行計画の見直しなどの取り組みを積極的に支援してまいります。


福田議員

 まず、地域内交通の件について、1点質問いたします。

 地域内交通で、私の前の議員も何人か、地域内交通のことを質問されております。一番地域内交通のところで矛盾点が出てきているというのは、参加する自治会に入っていない人は利用できないと。そこが一番いろいろな制限にかかわってしまっているのかと考えています。参加する自治会は負担金というか、分担金があります。果たして分担金を払うまで必要性があるかどうかということで、躊躇されるところもあるように聞いています。

 この自治会の分担金というのは、狙いは何なのでしょうか。その辺のところをお答えいただきたいと思います。


本橋総合政策部長

 地域内交通については、地域に最も身近な公共交通として、地域全体で支えるということで、マイバス、マイタクシーという意識のもとに公共交通を充実させていくということで使っていただいているということですが、私どもとしては、公共交通を守るということで、基本的には地域を構成する単位自治会を中心として取り組んでいくのが望ましいという考えのもと、今の地域内交通のあり方、仕組みを考えているところであります。


福田議員


 自分たちのこととして認識してもらうというお話もありました。全体で支える。

 しかし、お金の負担を求めるというのは、また別の問題ではないかと私は考えています。そのことによって、隣り、自治会の境目から向こう側の方は利用ができないことになってくるわけです。同じ税金を払って、同じ税金で補助金も出されているわけです。そうしたら、やはりすべての市民が公平に利用ができる状況でなければおかしい。それが一つと。

 もう一つ、私、地元の清原南部地域交通スマイル号が始まりました。それで感じたのは、実は私の住んでいるところは大変田舎でして、行きたいところ、目的地というのが実は区域の中に余りないのです。だから、区域を越えて商業施設や病院や地区センターへ行かれるわけです。その行く途中の自治会は加盟してないものですから、目の前をタクシーが走っても利用できないと、大変合理的ではないと考えているのです。そのような点からも、ここは、ぜひ、私は、見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。


本橋総合政策部長

 先ほども申し上げましたが、地域内交通については、地域の皆様と運行や費用負担のあり方などを検討し、協議しながら決めてきておりますので、単位自治会に加入していないので利用ができないという仕組みについては、地域の皆さんと、今後、あり方をどうしていくかということについて協議してまいりたいと思っております。

 また、目的地については、地域内交通としては、目的地は地域内と、地区内ということで、ほかのバス、タクシーとのすみ分け、役割分担等を考えておりますので、目的地についても、認可をいただける目的、場所、行き先を決めておりますので、そういうことについても、地元の意見を伺いながら決めているところですので、ご理解いただきたいと思っております。


福田議員

 今後、地域包括ケアシステム、我が事・丸ごと共生社会、大変すばらしいキャッチフレーズで、構築をしていくことが求められてくるわけですが、その一つとしても、地域内交通は重要な役割を果たしていくと思います。

 その時に、やはり全市民が対象になった交通システムにならないと、いろいろなところで矛盾が起きてくると思いますので、自治会の分担金はすぐなくす。こういう方向でぜひ協議を進めていただきたいと思います。

 もう一つ、質問なのですが、中心市街地の活性化基本計画の評価、まちなか活性化プランの報告書というのですが、第2期の計画を見させていただきました。総括のところを見ると、いろいろな面で指標に追いついていないところがある、十分な成果がなかったという評価もたくさん出てきておりました。

 そういうところは、何十億円、何百億円という中心市街地の再開発にお金をかけてきた割には、逆に郊外の住宅建築や大型店の出店などに対する規制が大変甘かったと。スプロール化を抑制するということに歯止めがかからなかったという現実があるのだと思うのです。そういう現実もしっかりと受け止めながら、今後のコンパクトシティのあり方、検討をしていっていただきたいと思います。 

 ですから、まちづくりを一体になって、市民、そして、市、事業者の責務をきちっと明確にしながら、どういうまちを市民が主体的になってつくっていくという仕組みづくりを、しっかりとやっていっていただきたい。そのためのまちづくり条例だと私は思っておりますので、何か見解がありましたら、お願いいたします。


福原都市整備部長


 ただいまのまちづくり条例ということですので、私どもとしましては、今回の開発行為と、さらに、これまでの政策を踏まえまして、現在、技術的な回答をさせていただいていた部分と、それと、もう1点については、恐らく住民主体のまちづくりというところかと思われますが、そういう意味では、今後、市街化調整区域内で都市計画法の地区計画制度を活用しようと考えております。そういったものを今後、取り入れた中でまず進めていきたい。それと、もう一方では、市街化区域内については、我々としては、今の法で開発行為、それと開発行為以外の建築確認の中で対応できていると思いますので、市民まちづくりの部分については、今後、他の自治体等も踏まえまして研究していきたいと考えているところであります。


福田議員

 
 では、JR宇都宮東口を緑あふれる「うつのみや・セントラルパーク」にの項に入ります。

 JR宇都宮駅東口の開発用地は、貴重な市民の財産です。人口減少時代に向かい、発想の転換が求められていると考えます。この地域の整備については、1989年東口新都市拠点整備事業総合整備計画に始まり2003年、駅周辺整備構想の策定・整備事業の提案競技が実施され清水建設が中心のゼネコン、グループ7・7・8を優先交渉者に選定したものの2009年事業化できず撤退。その後、対話型市場調査や民間事業者との意見交換を行ってきたとのことです。

 そこでまず1点目に、2003年に提案競技を実施した際の整備方針と今回の整備方針との大きな違いは何か市長の見解を伺います。

 2点目に、市民と未来の市民の利益となるよう、市民参画で進めることが望ましいと考えますが、市長の見解を伺います。

 3点目に、この事業の中核となる2000名規模のコンベンション施設について、すでに全国的には、国際会議場や展示場のマーケットが供給過剰であるとの指摘もあります。また、駅からわずか700mの所に県施設のマロニエプラザもあり、必要な施設とは考えられません。市長の見解を求めます。

 4点目に我が党としては3度目の提案となりますが、東の玄関口は豊かな緑あふれる自然が魅力の「うつのみや・セントラルパーク」を改めて提案します。3・11の教訓も踏まえて防災機能を備えた緑あふれる防災公園してはどうでしょうか。

全国の都市では駅前開発は、ランドマークビルを配し、少し高級なホテルやキーテナントを中心とした商業施設、事業採算の助け舟として、コンベンション施設等の導入とどこでも相場は決まっていました。宇都宮市の今回の提案も、時代遅れの20世紀型駅前開発に固執し、2回も破綻したコンセプトの化粧直しとしか思えません。他都市のありきたりの開発の後追いはやめ、他都市にはない宇都宮の新しい顔を創出することこそ都市ブランドを高めることになるのではないでしょうか。わが党の「うつのみや・セントラルパーク」の提案について市長の見解を伺います。



本橋総合政策部長


 まず、前回の整備方針との大きな違いについてでありますが、整備方針につきましては、まちづくりに関する本市の基本的な考え方を示すものであり、その目標や方向性等に大きな変更はありませんが、現在、策定中の整備方針には、LRTとの一体性の確保を図るための地区整備の考え方などを盛り込むとともに、対話型市場調査を初め、これまでの民間事業者との意見交換の結果等を十分反映し、コンベンション施設の施設内容や規模、商業施設の規模の考え方などを示した整備方針とする予定であります。

 次に、市民参画についてでありますが、本事業につきましては、コミュニティ協議会等の地元代表や公募市民などから構成する宇都宮駅東口地区整備推進懇談会からの提言や、宇都宮商工会議所などの関係団体からのご意見等を十分に踏まえながら、進めているところであります。次に、コンベンション施設についてでありますが、これまでの市場調査では、本市において、2,000人規模の学会や会議、各種イベントなど、催事需要が多数見込まれており、また、マロニエプラザは展示を主な用途とする施設であり、コンベンション施設につきましては、展示等の開催も可能でありますが、会議を主な用途とする施設でありますことから、機能が異なるものと考えております。

 次に、うつのみやセントラルパークについてでありますが、地区整備に当たりましては、駅利用者や来街者などの憩いや潤いのある空間を創出するため、緑化の推進に取り組むとともに、災害時における帰宅困難者の一時滞留スペースとしても活用できるよう、ゆとりある交流広場等を確保するなど、新たな拠点にふさわしい都市環境の形成に努めてまいります。


福田議員

1点質問したいと思います。

マロニエプラザはちょっと役割が違いますよというお話がありました。そのほかにも、宇都宮市内には2,000人から3,000人規模の人が集まれる文化会館、総合文化センター、県の施設ですが、こういう公共施設を、これから人口減少に向けて統廃合していこうと、公共施設のあり方を検討していこうと考えているさなかに、またこの大規模なというのは、私は理にかなわないと思うのです。

そういう点では、県とのすり合わせ、役割分担、今ある施設に新たな機能を持たせるという検討も、これまでの中でされてきたのでしょうか。

本橋総合政策部長

 
 コンベンション施設については、これまでも、文化会館や県の総合文化センター、そういった施設とその役割を検討しながら、決めてきたという経緯もありますし、いろいろな関係団体、市議会等からもご意見をいただきながら取り組んできたと認識しております。

 コンベンション施設については、文化会館、総合文化センター棟は、マロニエプラザと同じように機能は違うと思っております。そういった施設としてコンベンション施設が望ましいと考えているところであります。


福田議員


 国際会議ができるコンベンション施設をちょっと調べてみたら、全国で35ヵ所ありました。この近辺にも、大宮ソニックシティ、つくば国際会議場、仙台国際センター、幕張メッセ、もう目白押しです。こういうところで、これからもっともっと国際会議、2,000人規模の国際会議がいっぱい開かれるから、絶対損しないのだというのは、どうも私は納得がいかないところです。やはりゼネコン奉仕の箱ものづくりという公共事業から何も変わっていないということがよくわかりました。

 これだけの広大な土地を、防災機能を加えた緑あふれる市民の憩いの場として整備することほど、ぜいたくな活用方法は、私はないと思います。これこそがこれからの市民の宝物として残していける方法だと思いますので、ぜひご検討していただきたいとお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

地域包括ケアシステムをめぐる課題についての項に入ります。

今年5月に成立した改正介護保険法は、我が事・丸ごと地域共生社会作りをすすめるとしています。しかし、厚労省のめざす地域共生社会とは、効率化、生産性向上、自助、互助、地域住民の助け合いを最優先に求め、公的責任を後退させ、福祉・介護費用の抑制を狙ったもので今後の社会福祉の在り方をおおきく変質させかねないものではないでしょうか。その中身の主なものは、①介護サービス利用料の一部3割自己負担、②自立支援や重度化防止を市町村に競わせ、目標達成状況を評価して交付金を支給、③障害福祉の事業所が介護サービスも担えるようにする、④介護療養病床を廃止して介護医療院にする、というものです。効率化や人材不足の解決のために、相談支援窓口や施設、専門職員の共用、兼務を進めることにすぎないのではないでしょうか。

今年7月、厚生常任委員会で視察させていただいた大牟田市では、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目標に人にやさしいまちづくりを進めています。

大牟田市で最も目を見張ったのは、市の人材育成の地道な取り組みです。認知症ケアの質や実践力の向上、地域づくりをけん引する人材の育成を目的に、2003年から「認知症コーディネーター養成研修」を開始。5年以上の介護の経験を持つ人が対象で2年間約400時間にも及ぶ研修を受けてもらいます。これまでに研修修了生は126名にのぼり、すべての地域包括支援センターに配置されています。

ここでは紹介しきれませんが、そのほかにも認知症をキーワードに子どもから大人までまち全体が関わり、地域のつながりを構築していく、専門職と地域住民そして行政が一体となった取り組みで、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指す、地域包括ケアの実践そのものではないかと感じました。

そこで、1点目に生活支援の体制整備について、自治会連合会圏域で作るとしている第2層協議体の構成メンバーはどの様な人材を考えているのか。また、コーディネーターは、どのような人材を配置しようとしているのか。地域の人材の掘り起しと大牟田市のような地道な人材育成が必要ではないか、市長の見解を求めます。

2点目に医療・介護連携の推進について、在宅医療・介護従事者向けの相談窓口の設置に向けた検討をしているとのことですが、どのような目的で、そして体制で行おうとしているのか伺います。

3点目に認知症対策について、30年度からスタートする認知症初期集中支援チームの具体的体制について答弁を求めます。また、認知症の人やその家族が暮らしやすい地域づくりのための課題は何か、本市として具体的にはどの様な取り組みを行おうとしているのか答弁を求めます。



酒井保健福祉部長

 
 地域包括ケアシステムをめぐる問題についてのご質問にお答えいたします。

 地域包括ケアシステムにつきましては、専門職、地域住民、行政が一体となった取り組みにより、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指すものと認識しております。

 ご質問の生活支援体制整備についてのうち、第2層協議体の構成メンバーにつきましては、地域ケア会議を主催している地域包括支援センターを必須とし、地区民生委員児童委員協議会や地区社会福祉協議会などの保健福祉団体を核として、自治会連合会やまちづくり協議会など、地域の実情に応じてさまざまな団体の参画を考えております。

 また、コーディネーターの人材につきましては、それぞれの第2層協議体におきまして、国のガイドラインに基づき、地域における支え合い活動の経験があるなど、適任者を選出するとともに、本市におきまして、コーディネーターの役割や活動方法等を学ぶ研修会を開催するなど、人材育成に取り組んでまいります。

 次に、在宅医療・介護従事者向けの相談窓口の設置についてでありますが、市民が在宅療養において必要な医療・介護サービスを包括的で継続的に利用できるよう、事業者間の連携強化を目的とし、医療・介護従事者からの相談への対応や、患者退院後の円滑なサービス利用調整、訪問診療を行う医療機関の紹介などを行う相談窓口を市医師会や地域の拠点となる病院に設置し、看護師、社会福祉士を中心に、医師と連携しながら対応する体制の構築に向け、宇都宮市地域療養支援体制検討会議で検討を進めてまいります。

 次に、認知症対策についてでありますが、認知症の人やその家族が暮らしやすい地域づくりのためには、認知症の状態に応じた適切な医療・介護サービスを提供できる体制を構築することが重要であります。

 ご質問の認知症初期集中支援チームにつきましては、市医師会等の関係団体のご意見を伺いながら、検討を進めてきたところであり、その体制につきましては、地域包括支援センターの職員、地域の認知症サポート医、本市の職員である保健師などが、認知症の方やその家族からの相談に応じてチームを結成し、対応する体制としてまいりたいと考えております。

 次に、認知症に関する地域づくりの課題と対応についてでありますが、市民一人一人が認知症に対する理解を深め、地域で支え合うことが必要でありますことから、市主催の講演会のほか、みんなで考え行動につなげるための地域包括支援センターなどによる認知症サポーター養成講座、気軽に立ち寄り支え合いにつなげるための認知症の人と家族の会による認知症サロンでの相談支援などの取り組みを充実させ、認知症の人やその家族が暮らしやすい地域づくりをさらに推進してまいります。




福田議員

 
 今のご答弁の中で、生活支援体制整備の中で、地域包括支援センターやいろいろな福祉団体などが中核になって第2層の協議体をつくっていくというご答弁がありました。

 大牟田市などを見ると、認知症コーディネーターという名前で研修を受けてきたのですが、何しろ2年間で400時間もの研修を受けていらっしゃる方なのです。本当に認知症への理解などもかなり深く、専門性も高くなった方々が地域包括支援センターに配置されていると。研修会をして人材育成に努めていくというご答弁をいただいたのですが、どれくらいの研修を考えていらっしゃるのでしょうか。




酒井保健福祉部長

 
 生活支援コーディネーターの人材育成の研修ということでのご質問にお答えいたしたいと思います。

 国でガイドラインを定めていまして、その中で生活支援コーディネーターの資格については特に定めはありませんが、国のガイドラインによりますと、研修期間が2日間で10時間ほど座学での講義の研修を行うということにされています。こういうものを参考にしながら、本市では研修を考えていきたいと考えています。




福田議員

 
 2日間で10時間ぐらいですか。認知症サポーターとさほど変わりないような研修だなという印象を私は受けてしまいます。

 私、慌てる必要はないと思うのです、システムを作っていくのに。核になる人がどれくらい専門性が高くて、地域に精通しているか、そこがすごく重要になってくると思います。また、その人の雇用の条件などもすごく重要になってくると思います。私は、できれば、本来だったら、市の直営の職員として地域包括支援センターに配置すると、それがベストだと思っているのです。

 先ほど、資格についても定めがないと、誰がやっても定めがないというお話なのですが、市の直営の職員として配置する可能性というのは、宇都宮市はおありですか。




酒井保健福祉部長

 
 生活支援コーディネーターの直営というお話をいただきましたが、国のガイドラインによりますと、直営という方法もありますし、NPOや地域包括支援ンセンターに委託という形でお願いする場合もあります。

 宇都宮市では、現在のところ、直営ということは考えていませんが、地域包括支援センターなどと連携して、当然その費用については市が支弁をさせていただくという形で考えています。

 また、研修期間については、確かにご紹介いただきました大牟田市については非常に充実しておりまして、各市町からの随分注目されているというふうに我々も感じています。こういった取り組みなども参考にしながら、地道に人材育成には、大変重要ですので、取り組んでまいりたいと考えています。




福田議員


 形だけつくって中身がないと、看板だけ立てて中身がないということがないように、私は、本当に地道な取り組みしかないと思っているのです。

 国は、先ほど最初に指摘しましたように、安上がりの医療・介護、これが本当は狙いだと私たちは思っているのです。その中では、いかに温かくて住みやすい地域づくりをしていくかということが求められているわけなのです。そのためには、コミュニケーションをもっとよくして、そして、専門性のある人を中核に据えて、そのもとでみんなが理解を深めていくこと、それ以外にないと思っているのです。

 日常の徘徊の人をまちじゅうで探して保護するというような模擬訓練というのも、大牟田市では行われていました。宇都宮市でも一部の自治会でされたという新聞報道がありました。こういうことをどんどん積み重ねていって、人材を育て、地域コミュニティをつくっていく、構築していくということがすごく大事だと思います。

 介護の社会化を進めるという目的で始まった介護保険なわけですけれども、実際には超高齢化社会や、地域社会のコミュニティが弱まっているということを口実にして、我が事・丸ごと地域共生社会、格好いい言葉ですよね。夢のようなことを描いていますけれども、目指している方向性、国がやろうとしている方向性は、地域に丸投げ、効率化、安上がりの介護・医療だということをしっかり認識したうえで、介護人材の確保、それを困難にしているのは、介護人材、介護サービス事業者などの経営難や処遇が大変低い。そこ、よくなりましたか。大して良くなってないですよね。また報酬引き下げですよ。これを置き去りにして、さらに、医療でも、今度医療報酬が下がります。それをはね返す地道な地域づくりというのが求められているのだと思うのです。

 形だけにならない、こういうしっかりした地道な取り組み、私は慌てることはないと思います。もっとしっかりと研修なり、そういうものをして、それから、地域人材の掘り起こしという点でもしっかりとやっていただきたいと、地道な取り組みが必要だということを指摘して、次に移りたいと思います。

次にがん対策についての質問に入ります。

3人に1人はがんで亡くなると言われ死亡原因の第1位です。一方で医学の進歩は日進月歩であり、治療と仕事を両立できる可能性も高くなってきました。国ではH24年にはがん対策基本計画、さらにH27年にはがん対策加速化プランが策定され本市においても、早期発見・早期治療の決め手となる、検診受診率の向上に様々取り組んできたものと認識しております。そこで、まず1点目にこの間の本市の取り組みはどのように進んだのか、また、今後の課題について伺います。

2点目に、がん検診の無料化について伺います。本市では40歳以上の国保加入者が、胃がん・大腸がん・肺がんの検診を受けた場合自己負担額は、集団検診では1600円、個別検診では5180円、女性の場合はそこに乳がん・子宮がんを加えると集団検診では2760円、個別検診では7220円となります。私の調査では、県内では大田原市が集団検診における5つのがんについて無料、下野市が子宮がん検診のみ有料で1,000円、それ以外の4つについては無料、鹿沼市でも乳がん・子宮がん以外は無料で受けることができます。早期発見・早期治療の決め手となる受診率を飛躍的に引き上げるために、ぜひがん検診の無料化に踏み切ってはいかがか市長の見解を求めます。

3点目に、がんの治療を受けながら就労するための環境づくりについて伺います。東京都では2017年度から、がんや難病患者が、安心して会社で働き続けられるよう、雇用や就業の継続を支援するため、従業員の疾病管理や治療と仕事の両立に配慮する企業に対する助成金制度、「東京都難病・がん患者就業支援奨励金」を創設しました。この事業内容は2つありますが、1つはがんや難病患者を採用するにあたって、疾病に合わせて出勤時間や職場内での環境整備の配慮についてプランを策定した場合の採用奨励金、2つ目は既に当該企業に雇用されている人が疾病を発症・再発した場合、復職を支援するプランを作成し継続雇用した場合の雇用継続助成金がそれぞれ支給されるというものです。本市におけるこのような取り組みの可能性について市長の見解を伺います。

4点目に、定期的に入浴時に忘れずに自分で確認ができる乳がんのセルフチェックシートの配布について伺います。乳がんは、年間8万人以上が罹患し、1万3000人以上の人が亡くなっています。検診受診率と精度の向上を図るため本市でもやっと来年度から、マンモグラフィーに加え超音波の検診がスタートすることとなり期待しているところです。また、乳がんは、体の表面近くに発生するため、自分で触れたり観察することで発見できる唯一のがんであることから、罹患した人の60%が自分自身で体調の異変に気づいて受診したという結果もあります。定期的な受診を啓発するためにも、入浴時などにできるセルフチェック用のシートを配布してはどうか、市長の見解を伺います。



酒井保健福祉部長

 
 がん対策についてのご質問にお答えいたします。

 まず、本市の取り組みと課題についてでありますが、がん検診の受診率の向上を図るためには、市民の皆様にがん検診の重要性についてご理解いただくとともに、受診しやすい環境整備や受診勧奨が重要であると認識しております。

 このようなことから、本市におきましては、検診の重要性や受診方法などにつきまして、毎年、全戸に配布しております健康づくりのしおりや広報誌などで、継続的に普及啓発を行うとともに、集団検診の日程拡大や働く世代に配慮した土日検診や早朝健診など、受診しやすい環境整備、はがきや電話による個別受診勧奨に取り組んできたところであります。

 このような中、働き盛りの青壮年期の受診率向上が重要であると考えており、乳がん検診への超音波検査の導入や職域と連携した受診勧奨の検討など、青壮年期の受診率のさらなる向上に向け、取り組んでまいります。

 次に、がん検診の無料化についてでありますが、がん検診の受診料につきましては、市民一人一人が自分の健康は自分で守るという意識をもって受診していただくため、保険診療の自己負担の考え方を準用し、2割程度の費用負担をお願いしているところであり、70歳以上の方や市民税非課税世帯などにつきましては、無料としていることころです。

 本市の受診率が着実に向上していることや、平成27年度の受診率は、県内において中程度となっておりますが、中核市におきましては上位となっておりますことから、引き続き、一定の費用負担をいただきながら、受診しやすい環境の整備や受診勧奨に積極的に取り組み、受診率の向上に努めてまいります。

 次に、がんの治療を受けながら就労するための環境づくりについてでありますが、今年度、国におきまして、治療と仕事の両立を支援するための事業主に対する助成制度に、がん患者に対する支援が追加されたところであり、本市といたしましては、この制度が企業に積極的に活用されるよう、広報誌やホームページを初め、事業所便利帳や国等の助成金を紹介するセミナーなどで周知してまいります。

 次に、乳がんのセルフチェックシートの配布についてでありますが、乳がんの早期発見・早期治療のためには、定期的に乳がん検診を受診するとともに、月に一度異常の有無を自分で確認することが重要であります。

 このようなことから、検診受信時や地域における健康教育などにおきまして、入浴時のセルフチェックの方法や定期的な検診受診の重要性などを内容としたリーフレットを配布しているところであり、今年度におきましては、個人に配布に加え、市内のスポーツジムや温泉施設に対しまして、利用者が施設利用時に自己確認ができるよう、リーフレット等を配布したところであり、今後とも、乳がんの早期発見・早期治療のため、リーフレット内容の充実に取り組んでまいります。




福田議員


 私もことしは非常に近しい友人が何人もがんで亡くなりまして、本当に心を痛めて、がん対策、一体どのようなことがあるのだろうといろいろ考えましたけれども、ぜひ、前向きにこれからも取り組んでいただきたいと思います。それでは、次の質問に移りたいと思います。

 新生児聴覚検査についての項に入ります。新生児聴覚検査は、新生児聴覚スクリーニング検査とも呼ばれ、新生児の耳がちゃんと聞こえるかどうか調べるための検査です。分娩した病院で入院中に検査を受けることが推奨されています。難聴の発見が遅れると、コミュニケーションの形成や言語発達の面での遅れが懸念されます。難聴の頻度は1,000人に1人から2人、現在マススクリーニングが行われている他の先天性疾患より頻度が高いことからも、全新生児を対象に検査を行う意味は大きいと言われています。しかしこの検査は任意であり、医療保険適用外となっており自己負担額は5,000円前後となっています。そのため当然受けなくてよいと考える人もいます。

 本市では、産前産後ケア事業開始にあたって実施されたアンケート調査の中で、新生児のうちおよそ93%が、この検査を受けたとの回答を得ているところであり、国の改定を受け検査結果を記入する欄を新たに設けた母子手帳を使用しているとのことです。

 そこで質問ですが、すべての新生児にもれなく、聴覚スクリーニング検査を受けてもらう環境づくりについて、及び検査費用の助成について市長の見解を求めます。


塙子ども部長


 新生児聴覚検査についてのご質問にお答えいたします。

 新生児聴覚検査は、先天性の聴覚障がいの早期発見を目的に、産科医療機関において、おおむね生後3日以内に行われるスクリーニング検査であり、早期の診断・療育により、その後の言語獲得にとって有効な検査であると認識しております。

 このような中、昨年、産後間もない母親を対象に実施したアンケート調査の結果、回答を得られたうちの9割以上の新生児がこの検査を受診しており、検査を受診しなかった新生児の母親からは、必要性を感じなかったや検査自体を知らなかったとの回答を得たところであります。

 こうしたことから、まずは、小児医療機関と連携し、全ての新生児の受診状況を把握するとともに、検査の必要性や内容等を記載したリーフレットを配布するほか、こんにちは赤ちゃん事業や乳児健康診査など、あらゆる機会を捉えた周知を受診勧奨に努め、検査費用の助成につきましては、受診状況等を踏まえた課題などを検討し、必要に応じ、調査研究してまいります。


福田議員

 
 私の調査では、公的支援がありと回答したところは、北海道の岩見沢市、福島県では全域、東京都の立川市、岐阜県では35市町村と書いてありますからほとんどです。岡山県なども全域で行われています。北九州市、東広島市など幾つかあるのです。前向きに検討していただきたいと思います。

 それでは次の質問に移ります。

子育て支援の拡充についての項に入ります。

 まず、第1に学校給食費無償化について伺います。

 この件については昨年12月議会でも、取り上げておりますので、導入部分は割愛して端的に質問いたします。

 一点目に、学校給食費一部助成も含めて無償化の可能性について、また、実施のための費用および課題について伺います。

 この項の第2に病児保育について伺います。

 本市の病児保育は、送迎サービスも取り入れるなど、共働き家庭の大きな支えになっています。H27年度より6カ所に増えたわけですが、50万都市としては、絶対数の不足は否めません。また、設置地域には偏りがあり市南部地域は空白となっています。

 そこで、市南部への病児保育開設の見通しとあわせて、病児保育の今後の展開について市長の見解を求めます。



塙子ども部長

 
 子育て支援の拡充についてのうち、病児保育についてのご質問にお答えいたします。

 病児保育事業は、仕事と子育ての両立を支援し、安心して子どもを産み育てることができる環境を整備するうえで重要な取り組みの一つであると認識しております。

 このため、本市におきましては、平成273月に策定した宇都宮市子ども・子育て支援事業計画におきまして、保護者が安心して病気の子どもを預けることができるよう、子どもの状態の変化や急変などに速やかに対応が可能な医療機関との緊密な連携が図れる施設での実施を基本とし、緊急的なセーフティネットとしての役割を果たせるよう、供給体制の確保に取り組んできたところであります。

 病児保育事業の実施に当たりましては、看護師の配置や子どもの病気によって隔離することができる観察室などの専用スペースの確保が必要であるほか、利用者の変動が大きく、安定した利用が見込めないことから、全国的に病児保育事業者の確保が難しい状況となっているところであります。

 このような中、本市におきましては、医療機関のご理解、ご協力をいただき、子ども・子育て支援事業計画に定める供給目標数5,145人分に対し、6施設6,370人分の供給体制を確保したところであります。

 議員ご質問の南部への病児保育開設と病児保育の今後の展開につきましては、今年度中に見直しを予定している子ども・子育て支援事業計画の改定作業の中で、南部地域への設置の必要性も含め、今後の事業展開について検討してまいります。


水越教育長

 
 学校給食についてのご質問にお答えいたします。

 本市におきましては、将来を担う子どもたちの豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力などを育成するため、学校給食を重要な柱と位置づけ、食育の推進に取り組んでいるところであります。

 そのような中、学校給食の運営に当たりましては、学校給食法に学校の設置者が負担すべきと規定されている費用であります。給食の実施に必要な施設、設備の整備費や、人件費に加え、光熱水費を本市が負担し、子どもたちが食べる食材費のみを保護者が負担しているところであります。

 本市におきましては、地元の食材や旬のものを取り入れ、栄養バランスのとれた質の高い給食が提供できておりますことから、現時点では、これまで同様、引き続き、保護者の方に食材費のご負担をいただきたいと考えております。

 議員ご質問の無償化実施のための費用につきましては、平成28年度に徴収している保護者負担の給食費として、年間約208,000万円となっております。また、学校給食費の一部助成を含めた無償化につきましては、財源の確保が大きな課題でありますとともに、各学校が地域や学校の実態を考慮しながら、それぞれの特色を生かして取り組んでいる給食への影響も懸念されますことから、今後、国の動向や他自治体の取り組みにつきましても、注視してまいります。


福田議員

 
 1点だけ再質問させていただきたいのですが、先ほど一部補助という話もありました。

 私の調査ですと、今年度無償化をしている自治体、たぶん文部科学省でも今回調査をしたということなのですが、まだ公表されていません。わからないのですが、独自の調査によれば、現在、83自治体に、去年の大体倍に拡大しているのです。また、1,741自治体のうち417の市町村、これが半額補助や、あと、多子世帯の補助などという形で一部補助を導入している。

 私は、全体の半額補助というよりも、今の子どもの貧困などを考えていくと、まずは多子世帯の補助が入り口かと考えているのです。小中学生3人子どもがいるとなると、1か月に15,000円近く給食費を持っていかれるわけです。大変な話だと思います。大変な話だと思います。その辺の可能性についてはいかがでしょうか。


水越教育長

 
 私どもも、全国的に半額補助や多子世帯に対しての一部補助という状況は把握しているところですが、先ほども申し上げましたとおり、本市といたしましては、学校給食法に定められておりますとおり、給食費は保護者負担という原則に基づきまして、食材費のみを負担していただいているという基本的な考え方で進めておりますことから、現在は、この方法を維持させていただきたいと思いますし、今後とも、全国の動向や国の動向を見守っていきたいと考えております。


福田議員

 
 食育という観点からも、私は、給食は大変重要な施策だと思います。208,000万円もかかると考えるのか、208,000万円でできると考えるのかは、考え方次第だと思います。

最後にLRT事業について伺います。

 第1に富山市への市民見学会に2000万円の経費で400名の市民の方にLRTの視察を計画、既に清原地区から12名の方が参加されたとのことです。このような機会は、市民誰でも参加できるように公募で公平に行うべきではないでしょうか。この市民見学会の趣旨と目的、市民参加の機会均等について市長の見解を求めます。

 第2に市街地開発組合の財政調整基金119億円を市と県が折半しそれぞれがLRT事業に充てるとしています。しかし、もともとは市民・県民の税金でありすべてをLRT事業に注ぎ込むことは、理解は得られないと考えますが、市長の見解を求めます。


飯塚建設部長

 
 LRT事業についてのご質問にお答えいたします。

 まず、富山市へのLRT体験見学会につきましては、市民の皆様に実際にLRTを体験していただき、LRT事業への理解を深めていただくとともに、体験で得た気づきや感じたことを地域の方々と共有しながら、今後の地域のまちづくりに生かしていただきたいと考えておりますことから、地域のまちづくりを担っていただいている各地区の住民組織に参加者の選考や見学会のテーマ設定等につきまして、ご協力をお願いしたところであります。

 次に、市街地開発組合の基金についてでありますが、宇都宮市街地開発組合につきましては、宇都宮市域の工業生産力を増強するため、栃木県と宇都宮市が設置した一部事務組合であり、設置時や造成費の経費をそれぞれ支弁し、これまで、平出や清原の工業団地等の造成や分譲を行い、雇用創出や市民税の収入増加など、本市の発展に大きく貢献してまいりました。

 このような中、市街地開発組合の解散後の財政調整基金の活用につきましては、本年10月、組合議会から、LRT事業の着実な実施に向けて活用すべき旨の意見書をいただいたところであり、本市といたしましては、こうした意見や平出や清原の工業団地の分譲で得た利益であることを踏まえ、工業団地の付加価値向上に資するLRT事業に活用してまいりたいと考えております。


福田議員

 
 市民見学会についてですけども、本来ならば、ここまで進んでからやるというのはいかがなものかと考えます。思いつきで始まったことなのかしらと疑ってしまいたくなるような感じもしますけれども、検討段階で広く市民に意見を求めるべきときにやるような施策ではなかったかというふうに指摘はしておきたいと思います。

 ネットワーク型コンパクトシティの形成に必要不可欠ということで、公共交通の整備の一つとしてのLRTということで進めているわけですが、富山市などの実情を聞いてみると、LRTを走らせた終着点の駅そこのまちはLRT導入後であっても、市内で人口減少が一番大きいというような情報を私は聞いております。

 LRTがどれだけまちづくりに、あったほうがいいと思いますが、なくてもいいかなと私は思うわけなのです。効果の再検証をすべきだと思います。

 それで、これまで宇都宮市が市街地開発組合に対して支弁したお金というのは、確認しましたところ、19,392万円ということです。県と市と両方から出したと聞いています。これはあくまで市民皆さんの税金です。事業をやったことで得た119億円なわけなのですが、膨らんだわけですけれども、この基金を5体5で分ける根拠というのは何かあるのですか。


本橋総合政策部長

 
 財産の処分については、組合のほうの規定がありまして、お金の出し方を県と市それぞれ2分の1ずつという形でやっておりまして、処分に当たりましても、そういった考え方から折半という形になったものであります。


福田議員

 
 どこかに、法律や規定などに書かれているのですか。もう一回確認です。


本橋総合政策部長


 法律等には書いてあるものではありません。設立時の考え方をもって、その組合の規則に基づいて経費の出し方がありまして、処分については明確な規定はありませんが、経費の支弁の仕方から折半という形になったものであります。


福田議員


 そういう点でも、宇都宮市は、下水道の管理などはこれからもやっていくということでの、そういう議案も出されているようですが、例えば、119億円のうちの60億円、半分約60億円、つかみ金として入ってきたら、宇都宮市は何に使うのだろうか。

 先ほど言いましたけれども、例えば、20億円の給食費、給食費は毎年かかっているからいうのもあるかもしれませんが、先ほどの地域包括支援センターの地域支援コーディネーター30人を1,000万円で、それから、保健師20人、それで約5億円でできるのです、私の計算だと。そうすると、12年分です、60億円あったら。何に使うか、もっと私は議論が必要だと思うのです。

 地域包括ケアシステムの構築、子育て支援、まだまだやることが山積みです。全てをLRTに充てること、これは納得ができないということを改めて指摘申し上げまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。





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