2016年12月15日  


  福田くみ子議員一般質問



福田議員
  
 市長の政治姿勢について伺います。


 1に市長選挙についてですが、佐藤市長は選挙結果をどの様に受け止め、4期目の市政運営に生かしていかれるのかまずお聞きいたします。




佐藤市長


 福田議員の質問にお答えいたします。

 「市長の政治姿勢について」のうち「市長選挙について」でありますが、このたびの選挙におきまして、私は、312年の実績とともに、今後、本市が直面する少子高齢化、人口減少社会におきましても、持続的に発展し、高い年力を備え、日本をリードし、世界から注目される「未来都市うつのみや」の実現を公約として掲げ、多くの皆様に、私のまちづくりに懸ける想いを訴えてまいりました。

 その結果、市民の皆様から4期目の市政運営に対して負託をいただいたものと受けとめております。

 この負託に誠心誠意、お応えするため、市民、地域、企業、行政が本市の目指す将来の姿を共有しながら、一体となって、まちづくりに取り組み、今を生きる市民の皆様、そして、将来を担う子どもたちのために、夢のある「未来都市うつのみや」の実現に向け、邁進してまいります。




福田議員

 2にLRT事業について伺います。

 1点目に市民合意についてです。市長選挙の際のNHK出口調査では、LRT事業について賛成38%反対62%、下野新聞の出口調査でも賛成35%反対54%との結果でした。この事業に対して市民合意がないことがはっきりしました。市長は市からの情報が十分に届いていなかった、間違った情報によるもの、説明の在り方が問題だったとの見解を示しておられますが、それは事の本質を隠し矮小化した市民へのごまかしではないでしょうか。
 説明を聞けば聞くほど疑問が大きくなる、また明らかになればなるほど、市民利益と矛盾する事業であることを市民は見抜いています。莫大な投資に対する効果への疑問、そして市民の声に耳を傾けずLRTありきの進め方に対する市民の審判です。これまで住民投票で民意を問うべきチャンスを
3度も踏みにじり、民意の確認を怠ってきた結果でもあります。
 国交省への軌道運送高度化実施計画の認定申請は、住民合意が前提であったはずです。国交省への実施計画の認定申請において、住民合意についてどのような内容が記されたのかお聞きいたします。また、あらためて市民合意を確認するまでは、着工は延期すべきではありませんか。市長の見解を求めます。


 2点目に住民への説明を優先するとのことですが、市民が知りたいこと、事業のリアルな実態を包み隠さず明らかにすることが肝要です。東側計画の建設費458億円以外に、LRT建設のために生じてくる関連事業費、さらには市債1854000万円の借入金償還以外に毎年発生してくると思われる財政負担はどのようなものがあるのか、どれくらいになるのか明らかにしてください。筆頭株主が宇都宮市である株式会社ライトレールが赤字になった場合、当然宇都宮市が責任をとることになると考えるがどうか。市長の見解を求めます。


 この項の第3に福祉・暮らし・子育て・教育など本市の優先すべき課題について伺います。経済政策やハード面の整備と比べて、福祉やくらしの満足度が低い状況は、第5次総合計画の評価の中の市民満足度にも如実に示されています。市長選挙でも、教育・福祉・医療優先を訴えた金子候補への支持が僅差まで迫ったのは、ここに共感をする市民の意思表示でもあります。この声に市長はどう答えますか。見解を求めます。


 

佐藤市長


 「LRT事業について」でありますが、LRTにつきましては、「ネットワーク型コンパクトシティ」を支える、総合的な公共交通ネットワークの要として、必要不可欠な都市の装置でありますことから、その早期実現に向けまして、積極的に取り組んでいるところであります。

 しかしながら、今回の市長選挙を通じましては、根拠のない不正確な情報により、本質が隠され、疑問や不安を感じられた方々を目の当たりにしたところでありますことから、本市のまちづくりやLRT事業につきまして、正しく理解していただけるよう、積極的に市民説明を行ってまいります。 

議員ご質問の「計画認定申請における住民合意」につきましては、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づき、「軌道運送高度化実施計画」を国に申請するに際して、LRT事業を本市が行うことにつきまして、二元代表制のもと、議論を重ね、議会の議決をいただいたところであります。

なお、この議決以外の住民合意に関する記載は、求められておりません。

次に、「着工の時期について」でありますが、着工に向けましては、「工事施行認可」の申請にあたって、これまでと同様に、事前に議会への説明を行い、申請後道路管理者意見に関する議会の議決を経ることとなります。

 事業のスケジュールにつきましては、こうした手続きを含め、100年先も誇れる。魅力ある施設整備をするための検討期間等を踏まえながら、丁寧に進めてまいります。

次に、「LRT建設のために生じる関連事業費について」でありますが、これまでも、ご説明してきましたとおり、JR宇都宮駅東側の優先整備区間における概算事業費につきましては、宇都宮市域分「412億円」、芳賀町域分「46億円」、合わせて「458億円」と算定し、公表しているところであります。

関連事業費といたしましては、魅力ある施設整備を行うための駅前広場の作りこみなどがあり、これらに検討を進める中で、お示ししてまいります。

 次に、「毎年発生する財政負担について」でありますが、「軌道運送高度化実施計画」におきまして、毎年発生する費用といたしまして、芳賀町分を含めた、軌道や車両等の施設の維持管理費を「約9千万円」算定しております。 

 この費用につきましては、宇都宮ライトレール株式会社から市、町に支払われる「施設使用料」により、全額、賄うこととなります。

次に「宇都宮ライトレール株式会社が赤字になった場合の責任について」でありますが、本市といたしましては、宇都宮ライトレール株式会社が赤字とならないよう、利便性の高いバスネットワークの構築やモビリティ・マネジメントなど、公共交通利用促進策を推進してまいります。

 次に、「福祉、くらし、子育て、教育など本市の優先すべき課題について」でありますが、私は、これまでの312年における市政運営にあたりまして、本市における課題を的確に捉え、重点化・優先化を図りながら、福祉、子育て、教育をはじめ、経済、都市基盤など、様々な分野における、取組を進めてきたところであります。
 こうした取組に対する平成27年度の市民満足度を総合計画の柱ごとにまとめましたところ、「健康・福祉・安心分野」が約32パーセント、「産業・経済分野」が約26パーセント、「都市基盤分野」が約29パーセント、となっており、「健康・福祉・安心分野」における満足度は、他分野と比較しても、低くない状況にあります。

 また、市政全般に対する市民の総合的な評価といえる、市政世論調査の「宇都宮市に好感を持つ市民の割合」につきましては、就任時に、約8割でありましたところ、平成27年度には、9割以上まで高まったところであり、市民から、高い評価をいただいております。

 今後、この宇都宮をさらに磨き上げ、今を生きる市民の皆様と、将来を担うこどもたちのため、日本の中でひときわ光り輝く「未来都市うつのみや」を築いていくために、最優先で取り組むべきテーマとして、「教育・健康」、「安心・安全」、「観光・交流」、「経済・産業」、そして「交通」、これら5つに「未来都市うつのみや」を、公約として掲げ、市民に訴え、このたびの市長選におきまして、4期目の市政運営をお預かりすることとなりました。

こうした市民の皆様からの負託に応えるためには、公約に掲げた、5つの「未来都市うつのみや」を現在、策定を進めております、「第6次宇都宮市総合計画」にしっかりと反映するとともに、市民、地域、企業、行政が本市の目指す将来の姿を共有しながら、一体となって、まちづくりに取り組んでまいります。




福田議員

御答弁ありがとうございました。

 今回の一般質問において、市長選挙直後ということもありまして、多くの、とりわけ、LRT推進をする議員の皆様から、市長の後押しをする発言が次々とありました。それだけ今度の市長選挙の結果、これは大きな衝撃だったのかと受け止めているところです。

LRT事業を疑問視する、結果としては、もちろん佐藤市長が勝った、負けたということでは勝たれたわけです。そこは認めます。ただ、この中で半数近い市民の方がノーという審判を下したこと、私は、そこをしっかりどう受け止めて、これからの市政運営に佐藤市長が反映されるのか。それがなければ、明るい未来がないのではないか、その立場から再質問に当たりたいと思っております。

先ほど福祉、くらし、子育て、教育など本市の優先すべき課題についてのところでご答弁あったのですが、どういうふうなまとめ方で計算されたか、細かいことはわかりませんが、今現在の市民の暮らしの状況について、勤労者の賃金は5連続で減少している。そういう中で年金が切り下げられる法案も通りました。高齢者の医療や介護保険なども負担増があったり、不安は本当に増していくばかりというのが今の実感ではないでしょうか。

今回の一般質問の中でも、子どもの貧困の問題、教育の問題、また、この後に私も質問しますが、就学援助の問題、保育所の整備が急がれる問題、子育て世代包括支援センターなども、看板はつきましたが、よく見たら、体制は今までと何も変わらないという実態も明らかになっています。また、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域包括支援センターの強化なども急がれる課題としてあるわけです。

そういう中で、こうした切実な願いが、LRTの建設によって圧迫をされていかないという自信が市長はおありでしょうか。


佐藤市長


 福祉、教育、さまざまな課題で不安を抱かれている方が多いというお話が今、議員からありました。不確実な全く根拠のない数字や表現によって不安をあおってしまう。そういうことは我々としては断固許せません。それを前提に、これから不安を抱く方がしっかりとした情報をもとに、さらに安心して生活できるまちをつくることが、我々、私、議会の仕事であると思っています。

そのために何ができるか。福祉や教育に力を入れていくのであれば、きちんと宇都宮市が稼ぐ力、これからも持続できる社会をつくっておかないと、そうした必要なものに回すことができない、手厚くすることができないことになりますので、まずは、宇都宮市が100年先まで持続できるまちをしっかりとつくっていくこと、その中で合わせて、並行して福祉や教育、あるいは市民の皆様から求められるさまざまなサービスを付加していくことが我々の仕事であると思っています。

 ぜひ、議員にも一緒に汗をかいていただきたいと思いますし、そのような情報をともに市民の皆様方にご理解をいただいて、よりよいまちを、我々議会、そして、市民の皆さんの力を持ってつくってまいりたいと思います。




福田議員

事業のリアルな実態を明らかにしてほしいということも合わせて申し上げているのですが、LRTの事業に関して、公共交通の充実は必須課題だと私自身も認識しておりますし、LRTの優位性も認めているところです。

 しかし、1日に片道でいうと8,000人しか利用しない。この1路線に数百億円の投資に市民が納得するのか。費用対効果が見込まれないという判断が、今度の選挙の結果にあらわれているのだと思っているのです。建設費の458億円、国が半分、地方が半分、市民目線で考えてみると、どちらも税金であるという点は同じなのです。市の負担はたったこれだけですという説明はあちらこちらでされているようですが、こういう説明はリアルさを欠く説明だと思っています。

それで、先ほど建設費の負債以外の毎年発生すると思われる年間の財政負担で9,000万円、これはライトレール株式会社からの使用料ですべて賄われるという御答弁がありました。それで間違いないですか。


田辺建設部長


 使用料の算定そのものが、そもそも維持管理費、保全の金額をもとに算定していますから、全てその使用料で賄えるということです。




福田議員


 市は、先ほど、内藤議員も取り上げられていた公共施設の維持管理、これから資産を持てば持つほど、維持管理に当然お金がかかっていくわけです。公共施設の建築物の長寿命化などでいかに削減していくかというのも、大きな一つの課題かと思っています。

そういう中で、市は、少なくとも458億円相当の資産を新たに抱えることになるわけです。資産としてはそういう、412億円という声もありますが、それでもいいです。当然この資産を抱えていくことになって、その維持管理費が毎年の9000万円の使用料の中で賄っていけるというご答弁だったのですが、それに加えて、今度は必ず更新が必要になってくるわけです。民間企業なら、当然持っている試算に対して減価償却費という形で計上されていくわけですが、これは公共事業だと、公共施設の建設なのだという立場から、そういう考え方はないと聞いているのですが、しかし、100先の誇れる宇都宮を標榜される市長であれば、30年、40年先の更新の時に係るお金をどう負担していくのかも見込んでおられると思いますが、その辺はいかがでしょうか。


田辺建設部長

 
 当然長期にわたりましては、大規模な改修なども発生いたします。それについては、毎年の使用料などの見直しも当然将来にわたっては想定されます。現時点では、通常の維持管理、また、多少の規模の維持管理は見込んでいますが、今言ったように、将来的にはまたそれについても協議しながら見直していくという部分はあります。


福田議員

現時点での見積もりが毎年9,000万円の使用料の中で維持管理費も賄える。しかし、大規模な修繕などが発生してくれば、必ず市民負担になってくるわけです。
 私が心配しているのは、それだけの大きな施設を抱えることによるリスクです。そこは必ず発生してくるのではないか。いわゆる民間企業とは違うから減価償却費はないのだ。しかし、今までの宇都宮市の公共施設の考え方に、こういった公共交通を全部抱え、資産として持つことはなかったわけです。これは全く新しい発想だと思うのですが、そのへんの説明はきちんとしたと言うのでしょうが、なかなかその辺の理解はきちっとされてなかったのではないかというのは1点あります。

同時に、将来的に起きてくるであろう大規模改修、車両の更新などにかかる市民負担、そういう見通しも、それはリアルな事業の実態として示すべきではないですか。


田辺建設部長

 
 この手法は、上下分離方式で、下については、公共のインフラで行政が責任を持っているところです。建設費は行政が負担しますが、通常の返済も含めて、通常の公共施設と同様に扱って、その中で対応していくものであります。

また、今言われました通常の維持管理費は、運行に合わせての維持管理費については、先ほど申したように、運賃収入から発生します使用料をすべて充てるということであります。


福田議員


 いろいろな手法はあるのだと思うのです。その中で上下分離方式、私は、はっきり言って、上下分離方式で運営会社が赤字になるのはあり得ないと思っているのです。そうではないのですか。

 ではそこからどれだけ、本来なら減価償却費も含めた使用料をいただくのが通常の考え方ではないかと思いますけど、いかがですか。




吉田副市長

 
 議員おっしゃったとおり、新しい発想が必要なのだと思います。公共交通もやっぱり改革が必要なのです。改革の政党だと私は信じているのですが、改革が必要なので、改革しなければだめなのです。それが上下分離方式なのです。このままではだめだと。先ほど公共交通の充実が大事だとおっしゃったのですが、公共交通を充実にするためにはこのままではだめなので、改革が必要です。改革するためにどういう方法がいいのか。どういうものを導入するのがいいのかということで、我々は上下分離方式を導入しました。

 減価償却費をさんざんおっしゃっているのですが、減価償却費というのは、そもそも民間企業は投下した資本の回収のために設けるものなのです。本来キャッシュフローは生じてないのですが、投下した資本は資本費として計上されるので、経費に算入できない。それでは調子悪い。それで、後年度以降に減価償却費という形で、キャッシュフローはないのですが、経費として算入することによって、投下した資本を回収しているわけです。

 我々、市の行政はそうではなくて、最初に出したお金は、この議会の場で議論していただいて、458億円と出して、それで議会の議決を得て出しているので、投下した資本を後々回収する必要は全くないのです。だから、そのようなものはキャッシュフローは当然ないので、計上する必要はないし、それをライトレール株式会社からもらう必要は全くないのです。

 確かに30年後、50年後、ひょっとしたら、大規模改修あります。そのときはそのとき、またこの場で議論して、そういう支出をしていいかどうかを議論していただいたうえでやるのです。それは公共の役割なのか、民間がやるべきなのかをちゃんと議論した上でやる。我々は上下分離という方法を選んで、これは公共がやるべきだと、ここから先は民間がやるべきだと判断したわけです。

 
福田議員

 
 吉田副市長の話も、それは考え方の一つとしてわかります。考え方の一つとしてなのです。

 ただ、市民は先ほども申し上げましたとおり、これだけの大きな資産を抱えていくわけです。それと、市民がどれだけ便益を受けるか。それによって、必要かどうか、欲しいかどうか、それを市民は判断するのだと思うのです。その上に立って、これだけの大きな資産を抱え、物をつくり、お金も投下すると。一方で、では、便益を受ける人がどれだけいるのか。その判断の中で、私の判断としては、これは投下するお金が大きすぎるのではないか。同じ便益を受けるためにほかの方法がどれだけ検討されたのか、これが大事だと思っていたのです。

 それは市民に対しても問うべきだったのです。3回も何で住民投票を回避してしまったのかという話になってくるのです。

 実施計画の認定申請の内容の中に住民合意の記載は求められていないから書いてないということなのです。しかし、住民合意というのが大前提なのです、これは、言ってみれば。

 これまで、市長は、大変な時間と労力をかけて丁寧に説明してきたわけです。私たちは何度も論議してきました。説明した結果、住民合意、得られたのですか。その住民合意を得られた確認はどうするのですかという論議をあきれるほどしてきました、この議会の中で、違いますか。それで、その答弁はいつも丁寧に説明していきますと、こういうお話でした。

 しかし、どうでしょうか。そういうことを行ってきた結果として、今度の選挙でやはり半数近くの人がノーを突きつけた。私はここをちゃんと見るべきだと思うのです。

 数年間こういう論議を繰り返してきて、住民投票を拒否して、それで、そういうものを市民は見ているのです。それで、誤った情報によって、わずか、市長選挙何週間あったのですか。1週間です。一、二カ月です。選挙はその中で市民の民意が全部裏返った。それはちょっとね、いかがかなと思います。それは何年もかけて市民の中に出かけていって丁寧に丁寧に説明をしてきた職員の方にもとても気の毒なお話だと思っております。

 こういうやり方に対しての市民の審判だったという見方は、市長は全然なさらないのですか。質問です。

 
佐藤市長


 先ほど議員からも12年間丁寧に丁寧に説明をしてきたと評価をいただきました。

 ところが、今回の選挙でわかったことは、それだけ12年間積み上げてきました。また、選挙においても、こうして、4度LRTを争点にして審判をいただきました。にもかかわらず、先ごろの選挙の不確実な、あるいは根拠のないビラ等で市民の皆さんが惑わされた。それで、12年間の説明も省みて、ここできちんともう一度精査して、新たな説明をしなければならない。今回そのように考えたところであります。

 今回この事業に当たっての施行認可を申請するまでの時間が、結果的にはおくれることとなりました。運輸審議会等さまざまな手続きで遅延が生じたことがあって、その分がこれから先に先送りをされることになって、工事の着工がおくれるわけですが、それをうまく利用して、さらに今回のビラによって不確実な、あるいは真実ではない数字、表現によって惑わされた方に丁寧に、ご理解していただくための説明をしようとするものであります。

 今回選挙で決着をつけるということで、私もその土俵に乗らせていただいて勝ったわけですが、もし、今回相手候補が選挙に勝ったことになれば、市長になるわけですから、公約どおりに中止に向けて努力されたと思います。

 私も、今回その土俵に乗って市長選挙において市長に当選させていただきましたので、死に物狂いこれは絶対にやっていきます。これが私が公約として掲げたものでありますので、公約を守るために、これからしっかりと説明を繰り返しながらも事業を推進してまいります。


福田議員


 正しい情報、誤った情報というお話がありましたので、ちょっとお話いたしますが、西側計画について、全体計画を提示しろという声も、私もしましたし、たくさん出ています。

 平成15年当時に110億円、桜通り十文字付近までとして、その後の検討していないということで、ご答弁をいつもされていると思うのです。私は、それそのものもおかしいと思うのです。だって、まちづくりにどうして必要な装置だと言いながら、全体計画を示さないでいるのは、一つ行政の怠慢だと思います。

 もう一つ、誤った情報ということで言えば、この間のオンブズパーソンのシンポジウムのときも、副市長、西側、簡単に計算すれば90億円程度かなという発言をされました。それから、市長も、選挙の中で大谷まで延伸しますとかいうお話もされているようです。こういうのこそ、私は、誤った情報がひとり歩きしていく原因にもなっているのではないですか。

 それで、こういう中で事業費が増大していくと、市民サイドから見るのは、私は、常識の範囲だと思います。デマとか、誤った情報という指摘は、私は当たらないと思います。事業費全体を示していない中では、この誤った情報という根拠もないと私は思っているのです。90億円とか、110億円の根拠もないでしょう。どうですか、副市長。

  
櫻井副議長

 福田議員、発言通告書の内容で再質問をお願いします。


福田議員

 
 事業のリアルな実態を明らかにしましょうという議論の中で、458億円の話の続きです、これは。


手塚総合政策部長

 
 交通を所管している総合政策部長です。

 西側のLRTの延伸について、今年度から来年度にかけまして、さまざまな調査を進めていきたいと思っております。現在、西側についていろいろな課題について把握をした上で、来年度は各課題の対応策を固めて、その中で概算事業費も見積もって、そういう段階が来ると、LRTの宇都宮市の現時点での15キロメートル区間も含めた全体事業費が明らかになってくると思います。その時点でお示ししていきたいと思っています。


福田議員

 
 こういう中でいろいろな進め方の結果として、私は、今度の選挙はもっと大きく捉えるべきだと思うのです。

 今度はそういう意味では、着工を前にした市長選挙の中で、市民は意思表示の機会を得たのです。今まで意思表示できなかった、する場面がなかったのです。住民投票を求めてきたけど、全部つぶされて、これが今回の市長選挙の出口調査の本質だと思います。そこをしっかり見るべきだと思います。

 そういう意味で、今度は同じ轍を踏んでほしくない。市民の声をしっかり聞きながら、本当に新しいまちづくりを市民の皆さんと共有しながら進めていただきたい。共有されていなかったというのが今度の結果です。

 今度は、そういう意味で、私は、市長が改めて住民投票を提案して民意を確認すべきだと思いますが、どうでしょうか。住民投票を提案すべきというのは、私は当初の質問でもしています。入っています。


副議長


 項目には入っておりませんが、住民投票は。


福田議員


 住民合意を確認するまでは着工を延期すべきではありませんかと書いてあります。関連のうちでしょう、これくらい。そういう閉ざされた論議が狭く狭くするのです、市民の理解を。答えてください。


田辺建設部長

 
 今議会でもずっとお話ししておりますが、間違った情報で出た結果と捉えていまして、これについては、我々も、これまで隅々まで市の考え、また、正しい情報が行き渡っていなかったと思っておりますので、これから丁寧に一人一人に対しまして説明をしてまいります。それによりまして、十分な理解を得た上で進めていきたいと思っております。

 また、住民投票については、これまでも十分議会の中で審議いただきまして、その結果、しないとなっています。これはこの事業そのものが国・県・町、有識者や関係者と十分に検討を行って進めていく事業でして、そのことが適切であると判断しています。

 また、本市の目指すまちづくりについては、多岐にわたる情報を正確に把握した上で判断していくものでありますから、画一的な話はないということで、このような進め方になっているところであります。


福田議員


 時間がなくなりましたので、大変残念ですが、次に進みたいと思います。
 
 次に教育行政について伺います。


 第1に義務教育における保護者負担の軽減について伺います。憲法26条 義務教育は無償とする 教育基本法 第4条 義務教育については、授業料はこれを徴収しない、とされています。教科書が無償配布されているものの算数セットや裁縫道具・書道具・鍵盤ハーモニカなどの教材費、給食費、PTA会費、校外学習費、修学旅行費など学校で徴収されるもの、さらには指定体育着、制服、部活動費など保護者負担はばかになりません。

 勤労者の実質賃金が5年連続で減少し子育て世代の多くが、非正規雇用で将来不安を抱える社会状況の中では義務教育における保護者負担のあり方を見直すことが重要と考えます。また、18歳以下の子どもの実に6人に1人が貧困状態にあるといわれている中で、国においては子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行され、公でも民間でも様々な角度からの支援が進められています。その中でも公が真っ先に取り組まなければいけないのが教育の格差の解消ではないかと考えています。そこで、義務教育における保護者負担を軽減する取り組みについて市長及び教育長の見解を伺います。

 なかでも、給食費の全額あるいは一部補助、また多子世帯への補助をする自治体が広がっています。学校給食に関わる経費の負担について、学校給食法では、運営にかかる経費については設置者負担、その他の経費は保護者負担としています。
2015年の全国教職員組合の調査によると、給食費の補助を行っている自治体は、回答のあった1,032の自治体のうち199自治体、そのうち45の自治体では全額補助を行っているとのことです。2011年の前回調査時から実に4倍に広がっています。給食費の補助について市長の見解を求めます。

 2に就学援助制度の改善について伺います。学校教育法第19条 経済的理由によって就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対して市町村は必要な援助を与えなければならない、とされています。日本共産党議員団では、一貫して制度拡充と改善を求めてきたところです。

 今年
10月には党議員団として、就学援助制度の新入学学用品費について小中学校の入学準備に間に合う支給と、申請をためらわせる要因の一つとなっている民生委員の関与をなくすことについて要望書を提出したところです。12月定例会に提出されている補正予算では新入学学用品費を中学入学準備金として前年度・6年生の3月に支給することが盛り込まれ大変有意義な改善であると高く評価しているところです。


 そこで、1点目に今回見送られた小学校入学準備金についてはどのような検討がなされているか、見解を伺います。


 2点目に、全国の就学援助率は、平均で15%から16%程度です。自治体によって大きな格差があり宇都宮市では、8%から9%程度にとどまっています。この差についてどのような分析をされていますか、見解を求めます。今回この質問にあたり、全国の中核市に調査をかけていただきましたが、民生委員の関与を義務付けている中核市は、本市のほかにはいわき市のみで他にはありませんでした。改めて、民生委員の意見書の義務付けは廃止すべきと考えますが、市長及び教育長の見解を求めます。




水越教育長

 
「教育行政について」のうち、「義務教育における保護者負担について」のご質問にお答えいたします。

まず、「義務教育における保護者負担軽減の取組みについて」でありますが、本市におきましては、学校の教育活動に伴う経費につきましては、「公費・私費の負担経費区分基準」を定めており、授業のために必要な顕微鏡や地球儀などの教材につきましては公費負担とし、児童生徒が個人で使用するリコーダーや制服などの経費につきましては、保護者負担としているところであります。

この基準に基づき、各学校において、保護者負担の教材を購入する際には、校内に選定委員会を設置し、必要性・経費等を十分に検討するとともに、使用しなくなった物品の提供を保護者に呼びかけ、再利用を図るなど、負担軽減に取り組むよう、指導しております。

これを受け、各学校におきましては、実情に応じて、制服や体操着をはじめ、算数セットの再利用などに取り組んでいるところであり、今後とも、各学校への適切な指導を行い、保護者負担の軽減に努めてまいります。

次に、「給食費の補助について」でありますが、本市におきましては、学校給食の実施にあたり、前項に学校栄養士を配置し、地産地消を推進するほか、全校自校炊飯の実施など、独自の取組を行い、全国に誇れる学校給食を提供しているところであります。

 そのような中、学校給食の運営に当たりましては、給食の実施に必要な施設や設備の整備費、人件費、光熱水費等については市が負担し、子どもたちが食べる食材費のみを保護者負担としているところであり、各学校におきましては、できる限り保護者の負担を少なくする中で、地元の食材や旬のものを取り入れ、栄養バランスのとれたものを提供できるよう、献立の工夫を凝らしながら、実施しているところであります。

今後とも、給食の実施に必要な食材費につきましては、これまで同様、保護者の方に給食費としてご負担いただき、質の高い給食の実施に努めてまいります。




篠塚教育次長

「就学援助制度の改善について」の質問にお答えします。

まず、「小学校入学準備金の検討状況」についてでありますが、本市におきましては、小・中学校入学前の「入学準備金」につきまして、他市の状況等を調査し、支給方法などを検討してきたところであり、熊本議員にお答えいたしましたとおり、中学校入学予定者に対する「入学準備金」につきましては、今議会に補正予算を計上し、来年3月からの支給を予定しているところであります。

 この実施に当たりましては、現在在籍している学校を通じた手続きによって支給が可能でありますが、小学校入学予定者に対する「入学準備金」につきましては、就学前の申請となり、これまでの学校を通じた手続きができなくなるため、制度の周知や対象者の把握、支給方法などの課題がありますことから、引き続き、他市の状況なども踏まえながら、検討してまいります。

次に、「就学援助率と就学援助認定にあたっての民生委員の関与」についてでありますが、本市の就学援助率につきましては、ここ数年9%前後で推移しておりますが、中核市の状況を調査したところ、就学援助率が低い市におきましては、本市と同様に市民所得が高い傾向にあり、要因のひとつとなっているものと考えております。

 また、本市におきましては、就学援助の認定に当たりまして、前年の世帯所得による審査だけでなく、民生委員の所見を踏まえて再審査を行い、認定とする場合があるなど柔軟な対応を図っております。

さらに、平成26年度に、学校や「宇都宮市民生委員児童委員協議会」へのヒアリングを行ったところ、就学援助の認定にあたっての民生委員の訪問は、保護者と学校や地域、福祉行政が、相互につながりを持つきっかけにもなっているとのご意見をいただいておりますことから、現時点では民生委員の関与は必要であると考えております。

今後とも、他市の状況を把握し、関係者へのヒアリングを行いながら、就学援助と民生委員の関わり方につきまして、調査・研究してまいります。


福田議員


 就学援助制度の意義と役割、ここでは、経済的な理由で就学が困難な児童生徒、保護者に費用の一部は援助すると、宇都宮市のインターネットの中でも出てきます。経済的な援助が中心的な目的なわけです。そうすると、生活に困窮する家庭は、さまざまな周りの支援やかかわりが必要だからというのも、私はとてもわかるのですが、就学援助制度の目的に沿っていえば、あくまで経済的な援助が目的であって、そのほかの援助はまた別な制度であるべきだと思うのです。そのことによって、申請をためらうという事実があってはいけないのだと思うのです。全ての該当する世帯が民生委員とのかかわり云々を気にせずに申請ができるという状況をつくるのは、制度の本筋ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


篠塚教育次長


 まさしく生活困窮世帯のための就学援助制度だと思っておりますが、先ほどの答弁でも申し上げましたが、所得基準だけで認定をする、しないということだけですと、本当に生活実態に即した認定が出来ているのかという部分もあります。そして、民生委員の所見を参考にしまして、所得基準だけではない、救う認定にすることもありますので、それについては、昨年度ですと約20件ほどありますが、そういった方も援助も可能となる制度ですので、今後も、今現在では引き続いて行うように考えておりますが、ただし、そこの関係については、今後も関係者のヒアリング等も踏まえて調査研究していきたいというものであります。

 
福田議員


 就学援助制度の目的に照らして、先ほど発言したように、全ての援助を必要とするところに届く制度にしていくのが一番大事なことだと思います。

 他市の状況を詳しく見てみると、民生委員からの聞き取りを行っているところもあるのです。でも、それは必要に応じてなのです。いろいろな世帯が違ったり、そういう疑問が起きたときに、例えば所得基準を上回っているが、本当に必要なのかどうか。そういう特別な調査をする必要があるときに民生委員にお願いするところが多いように見ましたが、そういう方向はどうなのでしょうか。


篠塚教育次長


 確かにそういう自治体もあるのは、こちらも調査でわかっておりますが、どの辺が必要に応じてなのか。必要に応じてというのはどの辺まで判断すればいいのかということも考えなくてはならない部分であると思うますので、そこら辺のやり方についても、今後、引き続き研究していきたいと考えております。




福田議員


 全ての必要な家庭に行き届くためには、ぜひ、そのへん、余計なものは取り払いながら、ストレートに支援がいく制度をお考えいただきたいと思っております。

 次の項目に移りたいと思います。

 循環型社会の形成についての項に入ります。

この項の第1に循環型社会の形成の位置づけについて伺います。循環型社会形成推進基本法は、環境基本法に基づき2000年に成立しました。環境省が作成している法体系によれば、環境基本法という上位法の下に循環型社会形成推進基本法があり、さらにそのもとに廃棄物処理法があります。自治体がごみ処理基本計画を作るときは、第1に環境基本法に基づき、ごみ処理にともなう環境への悪影響を回避するための措置をとる必要があることは言うまでもありません。さらに循環型社会形成推進基本法で明記されている3Rの基本原則をふまえて計画は作成されるものと認識しています。

 本市では、今年3月H28年度からH42年までの長期的な方向性を定めた一般廃棄物処理基本計画を策定しました。そこで1点目に一般廃棄物処理基本計画における循環型社会形成推進基本法の位置づけについて、市長の見解を伺います。

この項の第2に生ごみ減量化の積極的取り組みについて伺います。焼却ごみのうち約4割を占める生ごみの減量化は、焼却ごみを減らすうえでネックとされてきました。

環境省は、今年1月、廃棄物処理法に基づく基本的な方針をリサイクルより優先度の高い2Rの促進を強調する内容に変更し、食品ロスの削減に力点を置くという方向性を明確にしました。また、農林水産省、環境省などは、昨年7月に食品リサイクル法に基づく新たな基本方針を策定し、食品廃棄物等の発生抑制目標値を設定する対象事業者の範囲を、食品関連事業者以外の学校給食施設、直営の社員食堂、百貨店、ビルの所有者などにも広げました。

 そこで
1点目に、食品ロス削減を効果的に進めるには、市役所横断的な取り組みとすることが必要と考えますが、市長の見解を伺います。

 2点目に、生ごみの資源化についてです。ごみの排出削減によって、無駄な支出を抑えると同時にごみを資源としてとらえ、ごみを分別することによって、新たな財源を生み出すことができる積極的な取り組みが不可欠です。そこで生ごみの資源化について、どの様な検討がなされているのか、まず、伺います。

また、事業系生ごみとして焼却されている学校給食残さについて、本市では中学校への処理機の導入を進めた経緯があります。しかし、エコシティ宇都宮の事業破綻で本市の生ごみ資源化の方向性は混迷し現在に至っています。中学校という場所は、循環型社会の構築のための教育・啓発の場としても、生ごみ資源化をモデル的に進めるための規模としても有効な場所であると、今でも考えておりますが、市長の見解を伺います。

 昨年7月の食品リサイクル法に基づく新たな基本方針では、事業系の生ごみに関する市町村の処理料金設定について、3Rを進めるため、「コストの透明化等を一層促進するものとする」として、生ごみの排出事業者が自治体の焼却施設での焼却処理に走らないよう処理費用に見合った処理料金の見直しを求めています。小規模事業者への過大な負担とならないよう配慮をしたうえで、事業系生ごみの処理料金の適正化について市長の見解を伺います。


柴田環境部長


「循環型社会の形成について」のご質問にお答えいたします。

まず、「循環型社会形成の位置づけについて」でありますが、本市におきましては、低炭素社会・自然共生社会に配慮しながら、持続可能な循環型社会の形成を目的として、平成28年3月に「宇都宮市一般廃棄物処理基本計画」を策定し、その目的の達成に向けて、「ごみの発生抑制の促進」、「適正な資源循環利用の推進」、「適正な処理・処分の推進」の3つの基本方針のもと、ごみの減量化・資源化や、適正処理に係る取組を着実に推進しているところであります。

 議員のご質問にあります「循環型社会形成 推進基本法」は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を実現するため制定されたものであり、本計画の基本方針の考え方におきましても、「3Rの推進」や、「環境負荷の低減」など、法の趣旨を、十分反映しているものと認識しております。

 次に「生ごみ減量化の積極的取り組みについて」でありますが、生ごみは、本市の焼却ごみの4割を占めており、ごみの減量化を進めるに当たり、生ごみの削減が課題となっておりますことから、発生抑制や資源化に重点的に取り組んでいるところであります。

 議員ご質問の「食品ロス削減の取組」につきましては、ごみの大半を占める食品ロスの削減を進めるに当たり、市民や事業者、学校などの様々な主体による発生抑制の取組が重要であると認識しております。

 こうしたことから、環境分野はもとより、教育や福祉、経済などの各分野が連携し、学校や幼稚園、保育所などにおきましては、食べ物や生産者に感謝し、食べ物を大切にする「もったいない」のこころを育む食育・環境教育の充実を図り、さらに、本年9月からは飲食店や小売店なその事業者と連携した食品の食べ切り・使い切りを推奨する「もったいない残しま10!」運動を展開するなど、食品ロス削減に向けて、全庁一丸となって積極的に取り組んでいるところであります。

 次に、「生ごみの資源化について」でありますが、家庭系生ごみ資源化の取組につきましては、生ごみ処理機補助制度の活用促進や廃食用油の再生利用により、生ごみの資源化を推進するとともに、事業系生ごみ資源化の取組につきましては、生ごみを多量に排出する大規模事業者に対し、個別訪問指導などを通して、民間の堆肥化施設を活用した資源化の誘導を行ってきたところであり、今後は、こうした取組を強化し、更なる生ごみの資源化に取り組んでまいります。

 次に、「中学校における生ごみ資源化の取組について」でありますが、子どものころから食育や環境教育を行うことは、循環型社会形成における人づくりの一環として重要であると認識しております。

 こうしたことから、中学校におきましては、大型生ごみ処理機が導入されている4校につきましては、堆肥化事業を通して資源循環の輪を身近に学んでいるほか、全中学校におきまして、技術・家庭科などの授業を通して資源の有効活用や3Rの必要性、自然環境への影響などを学習しており、また、学校給食を通した食育などにより、食べ物を大切にする心を育むなど循環型社会の重要性に対する理解促進が図られてきているところであります。

 次に、「事業系生ごみの処理料金の適正化について」でありますが、本市の手数料につきましては、受益者負担の適正化を図るため、適切な計算により、受益者負担率100パーセントを基準として認定しております。

 事業系生ごみを含む一般廃棄物処理手数料につきましても、ごみ処理に係る費用から電力売払収入や資源物売払収入等を差し引いた原価に基づき、処理費用に見合った適正な料金としているところであります。

今後も引き続き、持続可能な循環型社会の実現に向け、市民、事業者、行政が一体となって、ごみの減量化・資源化に取り組んでまいります。 


 

福田議員


 一点だけ再質問させていただきたいのですけど、私は、ごみを減量化する取り組みは、分別をして、そして、分別をすることによって同時に啓発もできると思っています。それと同時に、それを資源化しなければ意味がないわけですから、資源化すること。

 気になっているのは、計画の中でも有料化という言葉が端々に組み込まれている。でも、私は、宇都宮市はこれまで分別することで啓発をして、ごみを抑制してくるという方向をきちっと堅持されていること、近隣の市町村が有料化や指定ごみ袋に走る中で、宇都宮市はその路線を守っていることは本当に高く評価したいと思っているのです。でも、今度の計画を見るとちょっとそういう文言が出てきているので、とても気になっています。

そういう中で、分別、啓発、資源化、そして、有料化しないことは、セットだと思っているのですが、その辺の考え方は同じなのでしょうか、どうでしょうか。

柴田環境部長


 まず、宇都宮市では、これまでごみ減量化・資源化の取り組みをしてまいりました。具体的に申し上げますと、平成18年から27年までの10年間におきまして、焼却ごみは、当時18万トンぐらいあったのですが、今は14万4,000トンで、およそ2割削減をしております。さまざまな取り組みをしておりまして、何より市民や事業者の方に3Rの意識を高めていただいた、これが結果だと思っております。

 議員ご指摘の計画の中に有料化という文言があるということですが、これは確かに減量化の一つ方策として、有料化という選択肢はあります。いくつか、私どもで研究しているところでして、有料化については、いろいろ課題もあるということでありまして、ただし、その選択肢として研究をするということは念頭に置かなければなりません。宇都宮市の基本の考えとしては、まずは、有料化の前にできる資源化・減量化の施策を優先して取り組むという考え方で進めてまいりたいと考えています。


福田議員


 ありがとうございます。

 人権に関する課題についての項に入ります。


 第1に宇都宮市人権施策推進指針について伺います。

 指針では冒頭、「人権とは人が人らしく生きていくために社会によって認められている権利であり、誰もが生まれながらに持っている、侵されることのない基本的権利です。」とし日本国憲法では、第11条の基本的人権をはじめ、個人の尊厳、幸福追求権、法の下の平等、思想・信条の自由、健康で文化的な生活をする権利、などが明記されていると述べています。そのうえで、人権が尊重される社会づくりの必要性を訴えています。さらに本市の現状について世論調査を行い、その結果からも人権意識が十分でない状態にあり市政の重要な課題であると指摘しています。

 この指針はH16年3月に策定されたものですが、策定から12年が経過し、各施策の随所にこの理念は反映されているものと思います。しかしながら、この指針は市政及び市民に十分浸透してきたとお考えですか、市長の見解を求めます。

さて、今年4月に起きた相模原の障がい者施設における殺人事件では、その犯人の障がい者への差別的な思想が、多くの人々に大きな衝撃を与えました。都市部では排外主義的な団体によるヘイトスピーチのデモがくりかえされました。身近では、子どもや高齢者への虐待、いじめ、DV、セクハラ、パワハラなど人権侵害に起因する問題は深刻です。こうした報道や身の回りで起こる人権侵害の事象に対し、大人である私たちが、きっちりと人権の意義や重要性を知識として確実に身に付け、人権感覚や人権意識を高めていくことが、現代社会の中できわめて重要になっていると感じています。

 そこで、2点目に宇都宮市人権擁護施策推進指針は策定から12年が経過し背景や課題も大きく変化しており見直しが必要と考えますが、市長の見解を伺います。 
 3
点目に子どもの権利についてです。子どもをめぐる人権侵害はいじめや虐待といった即命に関わる問題として対応が求められるだけに関係諸機関では、真剣な取り組みがなされているものと認識しております。一方で子どもにとって「人権」といっても抽象的な概念だけに理解が難しい側面や、大人にとっても虐待がしつけのつもりだったとの言い訳に象徴されるような既成概念は根強くあります。この様な状況の中で、子どもの権利について大人も子どもも正しい理解を広げることは喫緊の課題と考えます。子どもの権利についての市民理解をどの様に推進していくのか市長の見解を伺います。

この項の第2に多様な性を認め合う社会づくりについて伺います。性的マイノリティの人たちの人権擁護の動きが広がりつつありますが、まだまだ緒に就いたばかりでもあります。先日、性同一性障害を持つ当事者や家族で構成されるS-PECの講演会に参加する機会がありました。「LGBT」は、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの4つの頭文字であらわされておりこのほかにもさまざまなセクシャリティがあります。性のあり方は多様であり、虹色の様にグラデーションであり、国際的にはSOGI(セクシャル・オリエンテーション・性的指向、ジェンダー・アイデンティティ・性自認)すべての人を包摂する観点で捉えられるものです。したがって、LGBTの権利保障の課題は多数派である異性愛者にとっても決して無関係ではなく、あらゆる人の人権課題として向き合うべきものであることを改めて認識する機会となりました。
 
 そこで、1点目に本市ではH2
9年度には宇都宮市第3次男女共同参画行動計画の改定を迎えますが、新たな計画の中に多様な性を認め合う社会つくりをきちんと位置付けることが必要と考えます。市長の見解を求めます。

 2点目にトイレ表示の改善についてです。住宅設備大手のLIXILとNPO法人虹色ダイバーシティのアンケート調査では、LGBT527% トランスジェンダーの649%が職場や学校でのトイレの使用に困る、ストレスを感じるとの結果があります。学校や市所管の公共施設や公園における多目的用トイレを車いすマークだけではなく、誰でも使えるよう表示することで、すべてのマイノリティの人たちも気兼ねなく使えます。学校や市所管の公共施設や公園における多目的用トイレ表示の現状と対応について答弁を求めます。




斎藤市民まちづくり部長


「人権に関する課題について」のご質問にお答えいたします。
 
 まず、「宇都宮市人権施策推進指針について」のうち、「市政及び市民への浸透状況について」でありますが、人権施策推進指針は個人の尊重と法の下の平等という普遍的な視点から人権を相互に尊重しあい、その共存を図っていくことができる社会を目指し、人権に関する事業について総合的かつ効果的に実施するため、平成16年3月に市としての基本的な考え方や施策の基本方向について策定したものであり、地域社会、学校、家庭など市民が活動する様々な場での人権施策の推進や人権擁護に努めなければならない職業の従事者として市職員、教員などを掲げ、また、女性、子ども、障がい者など7つの分野を重要課題としたものであります。
市政の各分野におきましても、社会情勢の変化に対応しながら、これまでも、いじめや虐待、DVなどの事業を追加しましたことから平成16年度の取組は93事業であったものから平成27年度には128事業となるなど、この指針を踏まえた取組を拡充し展開しているところであります。

 
  さらに、これら本市の取組のほか、ヘイトスピーチの解消に向けた「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」の制定など、人権に対する社会的関心が高まっております。
 このようなことから、「市政に関する世論調査」の中の「一人ひとりの権利が守られているか」という問いに対し、「そう思う・どちらかというとそう思う」人の割合は、平成21年度は36.6パーセントであったものが、平成27年度には53.1パーセントと増加しており、市民の人権意識が高まっているものと考えております。
 
  次に、「人権施策推進指針の見直しについて」でありますが、人権施策推進指針は「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき策定したものであり、法律におきまして、地方公共団体は、法の基本理念にのっとり人権教育・啓発に関する施策を定め実施する責務を有するとなっており、基本的な考え方や理念に影響を及ぼす大きな社会環境の変化はなく、法律の改正も行われていないことから、引き続き現在の指針に基づき施策を展開してまいります。

  次に、「子どもの権利の市民理解」についてでありますが、本市におきましては、「人権施策推進指針」の中で、子どもの権利を重要課題のひとつとして捉え、「子どもの人権を尊重する意識啓発の推進」などを掲げており、また、「宮っこ 子育ち・子育て応援プラン」におきましても、「子どもの権利を守る環境づくりの推進」を位置づけているところであります。子どもの権利を理解するための意識啓発につきましては、市のホームページにおける周知のほか、子どもたちに対しては、人権について分かりやすく伝える「人権講話」を小学校で実施するとともに、いじめ根絶についての意識醸成を図るため、学校・家庭・地域が一体となって「いじめゼロ運動」などに取り組んでおり、また、広く市民に対しましては、児童虐待防止について理解促進を図るため、推進月間におけるキャンペーンの実施などに取り組んでいるところであります。

  今後とも、引き続き、これらの施策・事業を推進し、子どもの権利が広く理解されるよう取り組んでまいります。
 
  次に、多様な性を認め合う社会づくりについて」のうち、「(仮称)第4次男女共同参画行動計画での位置づけについて」でありますが、国の「第4次男女共同参画基本計画」や、県の「とちぎ男女共同参画プラン」におきましても、性的指向や性同一生涯への理解を深めるための人権教育・啓発の推進や相談・支援体制の整備が掲げられているところであります。

  平成16年に「性同一障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が施行されてから、当事者による活動の活性化など、マスコミにも取り上げられることも多く、男女平等及び多様性を尊重する社会についての関心は徐々に高まってきているものと考えております。

  本旨におきましても、今年度、多様な性についての啓発事業として、全市立小中学校に対する冊子の配布や、男女共同参画情報誌で特集を組んだところであり、「(仮称)第4次男女共同参画行動計画」における多様な性の位置づけにつきましては、宇都宮市男女共同参画審議会のご意見や市民意識調査などの結果を踏まえながら、今後、検討してまいります。

  次に、「公共施設における多目的トイレ表示の現状と今後の対応について」でありますが、多目的トイレは、車いす使用者が利用できる広さや手すりなどに加えて、オストメイト対応の設備やベビーチェアなどを備え、車いす使用者だけでなく、様々な人が快適に利用できるように整備されたものであり、本市のトイレ表示につきましてはどのような機能を備えたトイレであるかをわかりやすく絵文字で表示しており、一部のトイレにつきましては、絵文字に加え、「どなたでもご利用ください」という表示も加えているところであります。

  今後は、絵文字に加え、誰もが利用できるということを理解していただけるよう表示方法について検討してまいります。


福田議員

 時間もなくなりましたので、1点だけ再質問させていただきますが、指針についてですが、社会状況なども大きな変化もなく、法律も変わってないというお話だったのですが、先ほど男女共同参画行動計画の中でこれから検討していきますという回答をいただいたのですが、人権施策推進指針の重要課題の項目をずっと見ていくと、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人、感染症病患者とあと、同和問題と書かれていて、重要課題の項目にきちんと性的マイノリティなり、多様な性を認めあう社会というような文言を入れることが私は必要になってきていると思うのですが、その点だけお願いします。

 
斎藤市民まちづくり部長

 
 答弁の中で申し上げましたとおり、この人権施策推進指針の基本的な大きな考え方に基づいて、今、さまざまな施策を推進しておりまして、確かにその当時なかったものが現在いろいろな状況として起こっておりますが、それらに対しても、その基本的な考え方を市政においても十分に配慮しながら、具体的な取り組みを行っておりますので、今のところは現在の指針に基づいて、引き続き、推進してまいりたいと考えております。


福田議員


 以上をもちまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。




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