2014年12月9日

福田くみ子議員の一般質問


福田くみ子議員

発言通告に従い順次質問いたします。おそらく今期最後の質問になると思いますので、市長の政治姿勢では、私の政治信条でもあります、暮らしと福祉最優先の市政について、これまでの質問の中から総括的に伺いたいと思います。

 そこでまず、新自由主義による昨今の格差と貧困の広がりを市長はどの様に認識しておられますか?格差と貧困の社会病理は、極めて深刻なものと考えますが、市長の見解を伺います。

 地方自治体の役割は、住民福祉の向上にあります。突き詰めれば、住民の命と暮らしを守ることが自治体の一番の責務であると言えます。格差社会においては、ますます、その役割は重要になっています、また、地方自治法に定められた、住民自治に基づく市政運営にこそ地方自治の面白さ、やりがい、醍醐味があります。国の言いなりではなく、住民の意思に基づく市政運営がどこまでできるのか問われていると思いますが、市長の見解を伺います。

 そのような中、次の3点について改めて市長の見解を伺います。

 第1に、国保についてです。国保は国民皆保険制度を支える社会保障制度です。「稼げなくなったら国保」という実況の中、所得200万円以下が7割という国民健康保険の健全な運営のためには、国の補助金の割合を引き上げ、他の医療保険と比較してもあまりに負担の重い保険税を引き下げる必要があります。本市の一般会計からの被保険者1人当たりの法定外繰入額は、中核市平均の2分の1程度です。これを平均まで増額して保険料を引き下げてはと思いますが、市長の見解を伺います。

 

市長

「暮らし・福祉最優先の市政について」でありますが、「昨今の格差と貧困」につきましては、国におきまして、貧困と格差のない社会の実現に向け、経済再生を通じが「雇用の拡大」や「所得の上昇」などの恩恵が国民生活に広く行き渡るよう、様々な政策にとりくんでいるところであり、今後、このような国の取組により、誰もが夢や希望を叶えることができる社会が実現されるよう、期待しているところであります。

 

「住民の意思に基づく市政運営について」でありますが、私は、議会と執行部が車の両輪として十分に議論しながら、市政運営を行っている中にありまして、「市民意思の尊重」はもとより、長期的な展望に立った「計画行政の推進」など、「宇都宮市自治基本条例」に定めた6つの原則に基づき、市政運営に取り組むことが基本であるとの認識のもと、これまでも広く市民の意見を伺い、市政に反映させていくため、「まちづくり懇談会」の開催や、パブリックコメントなどを実施し、施策・事業に取り組んできたところであります。

 今後とも、この6つの原則を基本に、「全ての市民が幸せに暮らせ、持続的に発展するまち うつのみや」の実現を目指し、引き続き、市政運営に取り組んでまいります。

 

 「国民健康保険」についてでありますが、国民健康保険は「社会連帯の精神に基づき、共同してリスクに備える仕組み」として、「社会保険方式」で運営することを基本とする相互扶助の制度であります。

 このため、市町村国保におきましては、保険給付の財源といたしまして、国や県の公費が2分の1投入され。残りの2分の1は被保険者からの保険税により、賄うことが原則となっております。こうした中、本市におきましては、非正規労働者や年金受給者などの低所得者が多いといった国保制度が抱える構造上の問題に対応するため、被保険者の負担軽減に最大限努めるとともに、一般財源の過度な投入は、一般市民に負担を強いることとなりますことから、被保険者と一般市民に間の負担のバランスを十分に考慮した上で、一般会計からの法定外繰入を可能な限り行っているところであります。

 今後とも、「保険税収納率の向上」「医療費の適正化」など、保険者としてより一層の経営努力を行い、国保財政の健全化に努めてまいります。

 

福田くみ子議員

 第2に、非婚のシングルマザーへの寡婦控除適用に関して伺います。そのうち、保育料については、「子ども・子育て会議」の中で検討するとのことでした。子ども子育て会議の資料によると、「市民税額を基に算定する保育料は、婚姻暦の有無で差が生じることから、婚姻歴のない「ひとり親世帯」への支援策の一つとして、保育料算定にあたり、本市独自に軽減を実施する」との記載があります。そこで、どの様な算定方法となるのか、モデル世帯、例えば年間所得200万円で2歳児一人の母子世帯の場合の年間の負担軽減額、対象人数について答弁を求めます。また、市営住宅入居資格の所得及び家賃についての適用の見通しについて、合わせて市長の見解を求めます。

 

市長

 「非婚のシングルマザーへの寡婦控除適用について」のうち、まず、「保育料の算定方法について」でありますが、婚姻暦のない「ひとり親」につきまして、本市独自に、税法上の寡婦控除相当額を所得控除分として差引き、市民税額を再計算し、保育料に反映してまいります。

 次に、「モデル世帯の年間の負担軽減額と対象人数について」でありますが、2歳児ひとりを扶養する年間所得が200万円の母子世帯におきましては、年間で、6万円程度の負担軽減となり、また、保育料の算定に当たり、市民税額の再計算を行う対象人数につきましては、100人程度となるものと想定しております。

 

 「市営住宅入居資格の所得及び家賃への適用」につきましては、ひとり親家庭への支援の観点から、検討してまいります。

 

福田くみ子議員

 第3に子ども医療費助成制度の中3までの対象拡大について、子育て支援全体として効果的な方法を検討されるとのことですが、お金のあるなしで受けられる医療に格差がない、これは最大で最高のセーフティネットです。これ以上に効果的な施策はないと思いますがいかがでしょうか?

 

市長

「こども医療費助成制度の中学3年生までの対象拡大について」でありますが、本市のこども医療費助成制度は、子育て家庭の安心感の向上など、子育て環境の整備を図るものであります。

 今議会におきまして、こども医療費助成制度にかかるご質問にお答えしましたとおり、現在、国や地方において人口減少対策が課題となっており、本市におきましても、人口減少対策推進本部設置し、現在の施策事業の課題を洗い出すとともに、出生数の増加を図るための施策などの検討を始めたところであり、こども医療費助成制度も含め、様々な角度から、検討を進めてまいります。

 

 

福田くみ子議員

次に、誰のためのLRT建設計画かについて伺います。

なぜ計画ルートでは、3,000世帯もの大型住宅団地である清原台を通さないのか理解に苦しみます。以前にも同様の問いかけを致しましたが、納得のできる説明はいただけませんでした。今期最後の質問ですのであえて再度伺います。LRTが清原台を通れば、まちは活気を取り戻すでしょう。速達性を求める企業の要望にだけ応え、北関東一の住宅団地が置き去りにされることに住民は納得していません。市民のための公共交通であるならば、清原台を通し、まちを生き返らせる装置に何故しないのですか?市長の見解を求めます。

次に荒川副市長は、経済効果を強調し「企業に選ばれる」魅力ある街づくりを力説されていますが、企業にとっての魅力ある街とはどんな街なのか見解を伺います。また、想定される税収効果で、清原工業団地従業者が1,000人増加とありますが、どのような前提で示されているのか、根拠をお示しいただきたい。さらに、新たな沿線開発を見込んでいるとのことですが、コンパクトシティの形成とは、矛盾するのではないでしょうか。見解を求めます。

 

総合政策部長

 まず、「導入ルートについて」でありますが、LRTのルート設定に当たりましては、「機能的な公共交通ネットワークの構築」の観点から、中心市街地の活性化や拠点間の連携・強化に配慮したルートなどを総合的に勘案し、「桜通り十文字付近から宇都宮テクノポリスセンター地区まで」の約15キロメートルの区間・ルートを設定したところであります。

 

「企業にとっての魅力あるまちについて」でありますが、本市が企業から選ばれる都市となるためには、企業活動を支えるための道路や交通など、社会基盤の充実をはじめ、人口集積があること、また、まちの賑わい、文化などの独自性があることなど、人・モノ・情報が活発に交流するまちづくりが必要であると考えております。

 本市といたしましては、こうした魅力や活力あふれる都市の姿として、LRTを中心とした公共交通ネットワークが構築された「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成を目指してまいります。

 また、「従業者増加の根拠」につきましては、清原工業団地の従業者が平成20年には約12千人であったものが、リーマンショック後の平成24年には約11千人に減少し、従業者数の差が1千人程度であったことから、この従業者数が回復した場合を前提条件として試算したものであります。

 

「沿線開発とコンパクトシティ形成の関係について」でありますが、本市は「ネットワークコンパクトシティ形成ビジョン」におきまして鉄軌道の駅やバス停などから歩いて移動できる範囲に一定の人口を集積していくことを目指しております。

 そうした中、LRT沿線におきましては、公共交通の利便性の高さを活かし、JR宇都宮駅周辺や既存の市街地、トランジットセンター周辺などにおいて、効果的な土地利用を図るなど、「ネットワーク型コンパクトシティ」の理念に沿ったまちづくりを進めてまいります。

 

福田くみ子議員

 次に改定介護保険は、高齢者のくらしを支えるものとなるのかに入ります。

 この項の第1に要支援サービスの新総合事業への移行について伺います。 

まず1点目に、新総合事業の事業費の上限を設けることによって、必要なサービスが受けられなくなるのではないかという点です。国が示したガイドライン案には、「費用の効率化」として3つの具体的手法まで示しています。1つは安上がりサービスへの流し込み、2つは要介護認定を受けさせない「水際作戦」、3つは介護サービスからの「卒業作戦」です。これに加えて、利用料の負担増など、自治体はあらゆる給付抑制策を総動員せざるを得なくなり、多くの高齢者が必要なサービス対象から外されることにはなりませんか?市長の見解を伺います。

2点目に、要介護認定の省略とチェックリストの活用は、要支援相当はもちろん要介護1相当の人の受給権侵害と状態悪化をも生み出しかねません。新制度では、高齢者が市町村や地域包括支援センターに介護申請をし、窓口の担当者が要支援相当と判断した場合、担当者が基本チェックリストという質問項目に答えさせるだけで、「新総合事業」に割り振ることが可能となります。要介護認定を受けることなく要支援に振り分けられることは、本来要介護相当の方が、受給機会を損ねる可能性はないのですか?市長の見解を求めます。

3点目に、専門家によらない安上がりなサービスへの流し込みは、結果的には要支援者の状態を悪化させ、重度化による給付費膨張をもたらすことにはなりませんか?さらには、既存の介護事業所に専門職以外の「雇用労働者」や「有償ボランティア」などを雇わせ「安上がりサービス」を推進することが、今でも劣悪な介護職の賃金・待遇のさらなる悪化を招くことにはなりませんか?市長の見解を求めます。

4点目に、新総合事業への移行は、条例で最大2年間の経過措置が認められています。問題が多いばかりか国の最終的なガイドラインが示されていない中、性急な実施は見送り、2年の間に先行事例なども検証し、でき得る限りマイナス面を取り除く準備をすることが望ましいと考えますが、市長の見解を求めます。

この項の第2は、特養入所を原則要介護3以上とする問題です。厚労省は、要介護1,2でも勘案事項に該当する場合は、市町村の適切な関与のもと、各施設に設置する入所検討委員会の議決を経て「特例入所」を認めるとしています。具体的には、「特例入所」について市は、どのように関与していくのですか。

現在要介護12の方の入所理由の多くは、介護者が不在とか住宅問題があります。したがって、勘案事項には、家族のサポートが期待できない場合も含め、広く判断すべきと考えますが、市長の見解を求めます。

この項の第3は、介護保険料について伺います。政府は、来年度から消費税増税で得た財源の一部を使い、65歳以上の介護保険料の低所得者軽減を行うとしています。具体的には、現行の標準6段階区分の設定を9段階に細分化し低所得階層を現行よりも軽減し、高所得層の負担増を求めるものです。本市では、現行ですでに9段階区分としていますが、さらなる細区分で所得格差に見合った保険料設定としてはいかがでしょうか。市長の見解を求めます。

 

保健福祉部長答弁

 「改定介護保険について」

まず、「新総合事業の事業費の上限について」でありますが、「新しい総合事業」につきましては、国が示す「ガイドライン案」におきまして、介護サービスの移行や既存の福祉サービスの組替えのほか、介護予防活動の支援を新設するなど、多様なサービス提供が可能とされており、これまでの専門家に加え、多様な担い手によるサービスが迅速に提供できることや、重度化予防のための地域での介護予防活動の支援が強化されることなどが盛り込まれております。

 その財源につきましては、介護予防給付費等の実績に、高齢者人口の伸びを乗じて、上限額を設定するとされておりますが、上限額を超えた場合も市町村の状況を確認しながら、個別に判断することとされております。

 

 次に「チェックリストについて」でありますが、今回の制度改正におきましては、「要介護1から5までの方」は従来どおり、要介護の認定を受け、介護保険のサービスを受けることができるものであり、「要支援12の方」は、介護保険のサービスを希望する場合には、従来どおり、要支援の認定を受けることで介護保険のサービスを受けられるとともに、新しい総合事業によるサービスも受けることができものでありますが、「新しい総合事業によるサービスのみを希望する方」は、「チェックリスト」を活用することにより、迅速にサービスを受けることができるものであります。

 

「新たな担い手によるサービスの提供について」でありますが、「新しい総合事業」におきましては、専門家によるサービスが必要な方は、従来どおり、既存の介護事業者による「訪問介護」や「通所介護」のサービスが受けられることに加え、「簡単な買い物」や「庭の手入れ」など多様なサービスの利用が可能となるものであり、利用者に対するサービスの低下や、既存の事業者への影響はないものと考えております。

 なお、国におきましては、介護職員の賃金引き上げのため、「処遇改善加算制度の拡充」について、検討しているところであります。

 

「経過措置について」でありますが、小林議員のご質問にお答えいたしましたとおり、「新しい総合事業」の実施に向けましては、「サービス種類の設定」や、「新たな担い手の確保」、「事業の周知」などの準備を整える必要がありますことから、引き続き、国の動向を注視しながら、経過措置の活用も含めた実施時期について検討を進めてまいります。

 「特例入所について」でありますが、今回の制度改正では、特別養護老人ホームの入所について、原則、要介護3以上の方が対象とされたところであります。

 要介護12の方につきましては、これまでも、県の指針に基づき、認知症や家族の状況などにより、入所の判断を行っているところであり、今後、県が示す新な指針の内容は、これまでとかわるものではないと伺っております。

 本市といたしましては、今後とも県の指針に基づき、適切に対応してまいります。

 

「介護保険料の設定について」でありますが、本市におきましては、これまでも、国の所得水準に応じた負担を求めるといった考え方に基づき、低所得者の軽減を図るため、9段階に細分化し、保険料設定を行ってきたところであります。

 このような中、国におきましては、今回の制度改正において、よりきめ細かな保険料となるよう、現行の標準6段階を9段階に見直すとともに、低所得者への更なる負担軽減を盛り込んだところであります。

 このようなことから、本市といたしましては、こうした国の考え方を踏まえ、適切な保険料を設定してまいりたいと考えておりますが、現在のところ、低所得者に対する保険料の軽減割合や新たな介護報酬が示されていないことから、今後とも国の動向を注視してまいります。

 

福田くみ子議員

次に認可外保育所での死亡事故について伺います。今年7月に起きた認可外保育所で生後9か月の乳児が宿泊保育中に死亡するという、あってはならない事故が起こってしまいました。安全だと信じて預けた保育所で起きたこのような事故は、多くの子育て中の父母、保育関係者ばかりかすべての市民に大きなショックを与えています。 

新聞報道によれば、ご両親は、看護師が常駐していないなど事前説明と実態が異なっていたとして現場責任者など5人を告訴し、市や国に対しても事故原因の究明を求めているとのことです。事故を繰り返さないためには、原因究明と検証が不可欠です。原因究明と検証についての今後の市の対応を伺います。

また、万が一認可保育施設でこのような事故が起きた場合、市としてどのように事故調査を行い、情報を共有し再発防止策をとるのか、また、認可外施設への対応との違いはあるのか、市長の見解を伺います。

次に、二度とこのような悲劇を繰り返さないために、認可外保育施設への指導監督を強化することはもちろんですが、同時に、事実上待機児童の受け皿となっている認可外保育所への条件整備と質の向上のための支援強化が必要かと思いますが市長の見解を伺います。

 

こども部長答弁

 「認可外保育所施設での死亡事故について」

まず「原因究明と今後の対応について」でありますが、今回の事案につきましては、児童福祉法や国の通知に基づく「保育所保育指針」や「認可外保育施設指導監督基準」などを踏まえ、特別立入や関係者からの聞き取りなど、事実確認や調査等を行っているところであります。

 今後の対応につきましては、警察等の関係機関と連携しながら、適切な対応を行ってまいります。

 

 次に「認可保育施設で事故が起きた場合の事故調査や再発防止策と認可外施設への対応との違いについて」でありますが、認可保育施設及び、認可外保育施設におきまして、事故が発生した場合には、法令等に基づき、実地の指導等を臨時に行い、状況や要因を把握した上で、安全が確保された保育が提供されるよう問題改善や再発防止に必要な指導を行うこととしております。

 また、同様な事故等が再び発生することが無いよう、すべての施設に情報を提供し、発生防止の対応を求めることとしており、認可保育施設と認可外保育施設における事故への本旨の対応は同様であります。

 次に、「認可外保育施設への条件整備と質の向上のための支援強化について」でありますが、新制度に向けて認可外保育施設からの移行が想定される地域型保育事業につきまして、市の認可事業として、設備及び運営基準を条例に定め、一手に水準を確保するほか、認可施設・事業の確認基準において、事故発生時の対応や、再発防止のための指針を整備することなどを条例に規定し、施設の設置者に対しまして安全対策の強化を求めたところであります。

 今後につきましては、指導監督体制の強化や認可外保育施設職員を対象とする事故対応・リスクマネジメント研修の定期的な開催などにより、更なる保育の質の向上を図るとともに、現在、国において重大事故の情報の集約や分析の在り方などについて検討が進められておりますことから、これらを参考にしながら、保育施設等における安全対策の強化に努めてまいります。

 

福田くみ子議員

 次に子ども・子育て支援新制度について6点伺います。

第1に小規模保育では、定員規模が小さいことを理由に保育所に比べて、保育者の資格要件が緩和されていますがその結果施設・事業によって保育に格差が持ち込まれることになります。このことを市長は、どのように受け止め、市民に説明するのですか、見解を求めます。

第2に、市町村の責任の所在が異なる施設・事業が併存することになりますが、具体的にどう違うのか、利用者への説明が決定的に不足しています。具体的に説明すべきではないでしょうか。児童福祉法24条1項に基づく保育所は、現行と同様に市の責任で保育が実施されますが、これに対して同法24条2項に基づく保育所以外の認定こども園、小規模保育の各事業所では、保育料は同様の基準ですが利用者と事業者が直接契約となります。そこで1つ目に、2号3号認定のお子さんは、市に利用申し込みをして、利用調整を行うこととなっています。もし、それに対し不服がある場合、保育所と、直接契約の他の保育施設、保育事業では、対応に差は生じないのですか?また、保育料滞納した場合は、どうなりますか?2つ目に、保育所を希望しても入れず、やむなく小規模保育などで保育を受けることとなった場合、引き続き保育所入所の権利はあるのですか?

第3に保育利用料について、実費徴収や上乗せが認められていますが、その内容はどのようなものになるのですか?保育の公平性の観点から保育に必要なものについては、費用は徴収すべきではないと思いますが見解を求めます。

第4に、市がこれまで行ってきた障がい児・乳児加配、給食調理員の加配などの単独事業は、保育の水準を維持するためには、不可欠と考えますが見解を求めます。

第5に、小規模保育を利用のお子さんの3歳以降の保育について市はどのように対応をするのですか、見解を伺います。

6に新制度は、その目的に保育の質の向上を掲げていますが、そのためには保育士が長期に見通しをもって働き続けられる職場環境の整備が欠かせません。新制度は、保育者の処遇改善につながるのか伺います。

 

こども部長

 「こども・子育て支援新制度について」につきましては、幼児期の学校教育と保育を保障するものであり、認定こども園や幼稚園、保育所、小規模保育事業など、いずれの施設や事業を利用した場合でも、共通の仕組みで給付が受けられる制度であり、市町村が実施主体となって、教育・保育サービスの量と質を十分に確保し、保護者がそれぞれの家庭状況に応じて利用施設等を選択する仕組みであります。

 まず、「小規模保育事業について」でありますが、小規模保育事業を含む地域型保育事業は、保護者の多様なニーズに応えられるよう創設されたものであり、指導・監督や保育従事者に対する研修を定期的かつ継続的に確保されるものと考えております。

 次に、「市町村の責任が異なる施設・事業の併存について」でありますが、入所する施設や事業によりまして、契約の違いはあるももの、新制度の実施主体となる市町村におきましては、保育の必要性の認定を行い、保護者の希望に応じた「利用調整」や希望が叶わなかった場合への利用可能な施設・事業への「あっせん」などを行うこととされておりますことから、市町村の責務に違いはないものと考えております。

 議員ご質問の「利用調整に対して不服がある場合」や「滞納があった場合」、「やむなく小規模保育事業などで保育を受けている場合」につきましては、これら「利用調整」や「あっせん」を行い、保護者が必要とする教育・保育が受けられるよう努めてまいります。

 次に、「保育利用にかかる実費徴収と上乗せ徴収について」でありますが、標準的な保育をうけるために必要な費用につきましては、公定価格で定められている給付費で賄うこととなっており、それ以外に、児童が個人専用として使用する日用品や文房具などの費用は「実費徴収」として、また、基準を超えた職員配置など、保育の質の向上を図る上で特に必要があると認められる費用については、「上乗せ徴収」として保護者に負担していただくことが可能となっております。

 これらの費用につきましては、事業者が使途を明確にし、保護者の同意を得て認められるものでありますことから、負担に見合ったサービスが適切に提供されるものと考えております。

 次に「市の単独事業について」でありますが、健やかな子どもの育ちに必要な環境づくりのための人材の育成・確保を図り、保育の質の向上に効果的な市単独事業につきまして、新年度予算編成の中で、検討しているところであります。

 次に、「地域型保育事業を利用する子どもの3歳以降の保育について」でありますが、卒園後の受け皿を担う保育所や認定こども園等の連携施設への入所、あるいは、連携施設以外への入所を希望する場合の「利用調整」や「あっせん」により、引き続き、保育を保障してまいります。

 次に、「保育者の処遇改善について」でありますが、新制度におきましては、職員の勤続年数や保育経験年数等に応じて、施設に対する給付費におきまして、最大15パーセントを加算する処遇改善の仕組みが設けられる予定であります。

 また、本市におきましても、保育士確保対策の一環といたしまして、職場環境の充実につながる取組を検討してまいります。

 今後とも、全ての子育て世帯が安心して子育てができる環境を整えられるよう教育・保育サービスの充実に努めてまいります。

 

福田くみ子議員

  次に学校教育をめぐる問題では、35人学級の効果について伺います。

財務省がこのほど、公立小学校の1年生で導入されている「35人学級」を見直し1学級40人に戻すよう文科省に求めています。教育上の明確な効果が見られず、別の教育予算や財政再建に財源を振り向けるべきだと主張しています。財務省が「効果がない」としている根拠は、いじめなどの発生頻度が他の学年との比較で、減ったかどうかを分析。35人学級は、長年にわたる教育関係者、多くの国民の運動によって2011年、実に31年ぶりに実現したもの。宇都宮市としては、毎年500人にも及ぶ指導助手を市単で雇用し、教育の水準の向上に努力しています。国の支出が減らされれば、市の持ち出しはさらに増え、水準が維持できなくなります。多くの保護者、教育関係者から「教育の現場の実態が全く分かっていない」と批判が相次いでいます。

そこで、財務省の言い分を覆すべく35人学級の効果について市長及び教育長の見解を伺います。

 

教育長

近年、学校教育におきましては、学習や生活の面で、児童生徒一人一人に応じたよりきめ細かな指導が求められているところであります。

また、小学校1年生につきましては、入学間もない数か月にわたり、集団行動をとれず、話も聞かないなどのいわゆる「小1プロブレム」の問題が起きているとともに、特別な配慮を必要とする児童生徒が増える傾向にあり、教職員一人一人の負担が増加しているところであります。

こうしたことから、国におきましては、一人一人に応じたきめ細やかな指導を行うため35人学級を平成23年度から第1学年に導入し、翌年度からは、第2学年におきましても実施しているところであります。

議員ご質問の35人学級の効果につきましては、本市小学校1年生における不登校と暴力行為の発生数は、きわめて少ない状況であるとともに、いじめの発生件数は、導入以前に比べ、大幅に減少しております。

また、学校現場からは児童一人一人に目が行き届くようになり、学級の指導とか、「漢字・計算などの基礎基本の定着が十分に図られるようになった」などの声が数多く聞かれているとともに、教育委員会による学校訪問の折にも、小学12年生が以前と比較して、きまりやマナーを守り、落ち着いて学習している状況などが見られますことから、35人学級の導入は、極めて効果的であると考えております。

 

福田くみ子議員

東部地域の諸問題について2点伺います。

第1に、宇都宮工業団地の今後の在り方について伺います。先般、工業団地総合管理協会から、「宇都宮工業団地内の緑地及び環境施設面積比率の緩和にかかる『工場立地法準則条例』の制定について」との要望が議長あて提出されました。

現在の宇都宮工業団地周辺は、一般住宅ばかりかパインミシンの撤退によって大規模ショッピングモールや団地・大規模なマンションができるなど、50年以上前の造成当時とは大きく様変わりしています。今後も周辺住宅地との共存関係を維持するには緑地面積比率の緩和は、望ましいものではないと考えます。市長の見解を伺います。

当該工業団地内の立地企業は、有害物質を取り扱う特定施設や産廃施設なども多く近隣住民は、環境汚染の懸念を大きくしています。周辺住民からは、産廃銀座になってしまうのではと、不安の声も上がっています。工業専用地域である区域には、事務所や卸・流通系の会社が多くなり製造業は約半数です。また周辺の工業地域や準工業地域は、ほとんど住宅地となっているのが実態です。このような実態を踏まえれば、用途地域の見直しも必要ではないでしょうか。様変わりした宇都宮工業団地の将来像について市長の見解を伺います。

 第2に、公園トイレの水洗化について伺います。日本共産党では、市民の皆さんに広く要望を伺うため、アンケートを実施したところ、50代のサラリーマンの方から、平出工業団地公園のトイレを水洗化してほしいとの要望が寄せられました。緑の相談所を擁するこの公園は、緑豊かな木々に囲まれ、近隣の事業所で働く方や近所の方はもちろん、この方のように営業の途中で車を止めて休息をとる方など、幅広い市民に愛されています。トイレは文化のバロメーターともいわれています。平出工業団地公園トイレの早急な水洗化について見解を伺います。

このほかにも市内の大規模な公園等で、水洗化されていない個所は、清原工業団地1号、2号、3号の各緑地と鬼怒川緑地運動公園などがありますが、これらの大規模公園等のトイレ水洗化の見通しについて伺います。

 

経済部長

 「宇都宮工業団地の緑地面積比率の緩和と将来像について」でありますが、本市におきましては、これまで、工業生産力を高め、地域の経済力の向上を図るため、宇都宮工業団地のほか、瑞穂野工業団地や清原工業団地などを整備し、産業基盤の集約化と効率的な土地利用を図ってきたところであります。

 工業団地は、本市経済の発展を牽引する高い生産性や付加価値生み出す機能性の高いものづくりの拠点として、将来にも、その機能を維持・充実していくべきものと考えており、今後とも、企業誘致や既存企業の定着促進を進めてまいります。

 議員ご質問の宇都宮工業団地につきましては、整備から50年以上が経過し、立地企業の撤退や製造業以外の企業の進出により、製造業の割合が減少している状況となっておりますことから、本市におきましては、工業団地のあり方等について検討を開始したところであります。

 緑地面積比率の緩和につきましては、立地企業の設備投資を促すための方策である一方、工業団地の周辺には、住宅やショッピングモールなどが立地しておりますことから、慎重に判断する必要があると考えております。

 

都市整備部長

 「平出工業団地公園」にあります「緑の相談所」内には、水洗化されたトイレがあるものの、休館日には利用できなくなることなどから、これまでも屋外トイレの水洗化を検討してきたところであります。

 平出工業団地内の汚水処理につきましては、公共下水道と違い、合併処理浄化槽を設置し、工業団地内の専用排水管へ接続することとなっており、屋外トイレは専用排水管より低い場所にあり、勾配が逆になるなど、接続が難しい状況でありますが、公園利用者の利便性向上のため、引き続き、検討してまいります。

 また、「鬼怒川緑地運動公園」につきましては、河川敷の公園であり、水洗化できないことから、利用頻度の高い運動場やバーベキュー場などに簡易水洗トイレを設置しており、「清原工業団地」の3箇所の緑地につきましては、駐車場や遊具があるなど、利用者の多い「清原工業団地3号緑地」に水洗化したトイレを設置しておりますが、その他の緑地につきましては、引き続き、利用状況を踏まえながらトイレの水洗化の必要性について検討してまいります。




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