2014.3.5
荒川議員 代表質問・再質問・再答弁
 

荒川つねお議員

 市議会日本共産党を代表して質問を行います。明快な答弁を求めます。

 第1に、市長の政治姿勢について2点伺います。

 まず、消費税増税・アベノミクス・社会保障負担増の中で、市民のくらしをどう守るのかについてです。

 消費税増税8兆円、年金切り下げをはじめとする社会保障の負担増・給付減などを含めると、10兆円という史上最悪の大増税・負担増が1ヶ月後には実施されようとしています。これは、現役世代にも年金者世帯にもズシリと重いものです。約1ヵ月分の給料や年金が消える事態に、子育て世代も大打撃。教育費にあえぐ家庭からも、年金生活者からも悲鳴が上がっています。1年限りの給付金では助けにならないとの声も。4月からの消費税増税は、消費税法附則18条に基づいて中止すべきではないでしょうか。

 安倍首相は、昨年10月「景気は上向いた」と消費税増税を表明しましたが、アベノミクスは早くも失墜し始めています。政府統計でも経済状況は悪化を見せており、増税を見越した駆け込み需要は予想を下回り、直近の給料も18ヶ月連続減少など景気回復は掛け声倒れです。その上、アベノミクスによる円安の影響で、電気代や灯油代、食料品などの値上げラッシュが続き、市民の家計は疲弊しています。

 ここへ、今国会に提出されている医療・介護「総合確保推進」法案に見られる社会保障改悪が襲いかかれば、市民のくらし、いのちはどうなってしまうのでしょうか。

 ところが、佐藤市長の施政方針では、アベノミクスを手放しで褒め、「今後は経済の好循環が国民生活に波及する」とまで期待しています。消費税増税を前提とした「社会保障と税の一体改革」を、全世代を対象にした社会保障制度の構築などと無批判に受け入れています。

 佐藤市長に伺います。そのような甘い見方で51万市民の生命と暮らしが守れると思っているのですか。答弁を求めます。

 

市長

 現在、国が進めております経済政策や社会保障と税の一体改革は、景気回復を通じた賃金の上昇や、雇用の拡大、更には、持続可能な社会保障制度の構築など、国の発展や市民生活の維持・向上に必要なものであると認識しております。

 このような中、消費税率の引き上げにつきましては、市民生活や企業活動に少なからず影響があるものと考えておりますことから、全国市長会等を通じて、国が行う経済対策が地域経済はもとより、市民所得の向上につながるよう、国に対し提言を行うとともに、本市といたしましても、「生活困窮者への自立支援事業」や、「若年者などへの雇用対策等の充実」、更には、「市内企業の事業資金の安定確保」や「中小企業における公共事業の受注機会の拡大」などに取り組み、引き続き、市民生活の安定や地元企業の育成に努めてまいります。

 

荒川つねお議員

 また、市長は、新年度より、今までも高すぎる国民健康保険税の値上げを予算化しています。市民合意のないLRT予算や、再開発と称してゼネコンやデベロッパーのための超高層マンション建設の予算など、不用不急の大型公共事業は大胆に見直し、くらし・福祉応援に回すことこそ、市長の言う「市民福祉の最大化を図る」ことではありませんか。

 市民がいま、佐藤市長に求めているのは、安倍政権の悪政から市民を守る防波堤となる市政執行の決意であると思うが答弁を求めます。

 

市長 

 本市におきましては、昨年突入した「超高齢化社会」や、近い将来迎える「人口減少社会」にありましても、市民生活の維持・向上を図り、将来にわたり持続的に発展できるよう、「ネットワーク型コンパクトシティ」の形成や「都市力・財政力」の強化に向け、都心部や各地域における「拠点形成の促進」や、LRT等の「総合的な交通ネットワークの構築」、健康寿命の延伸を目指した「健康づくり」、中小企業の振興をはじめとする「地域経済の活性化」などに重点的に取り組むこととしたところであります。

 このような施策・事業を着実に推進し、地域で経済が自立的に活性化する「地域循環型社会」、そして、本市の貴重な財産が次世代に継承される「持続型社会」の構築を目指し、全力で市政運営に取り組んでまいります。

 

荒川つねお議員

 次に、LRT導入計画の現局面と予算・まちづくり・市民との合意形成についてです。

 先に行われた臨時議会では、LRT導入の是非を問う住民投票条例案が否決されました。この結果は、LRT導入という本市の中核事業計画に対して避けて通れぬ民意把握と合意形成への重要なプロセスを先送りしたことであり、51万市民の中では何ら決着していません。理由薄弱なまま住民投票を拒否した佐藤市長や住民投票を葬り去った議員の方々の行為は、LRT事業推進への市民の認知の機会を自ら放棄したものでありました。かくして、新年度予算には、10億円を超えるLRT導入への予算が計上されるに至っています。

 さて、LRT導入計画の現局面は、平成25年度同予算において、LRT導入空間・利用者数、事業費、整備運行計画、営業主体等の検討、軌道事業の特許取得に必要となる計画原案作成等を含む新交通システム事業化計画策定調査が遂行されることになっていましたが、本年度中に終わらず、平成26年度に繰り越された時点です。

 平成26年度は、その調査結果をもとに、法定協議会の設置と運営や路線測量・道路・軌道構造物等設計業務委託等のLRT建設予算を執行し、平成27年度にはLRT建設に関する国交省への特許申請など、工事着工へまっしぐらの始まりの局面となっています。

 しかし、現局面でのこうしたなし崩しのLRT建設予算へのシフトなどは絶対に許されません。なぜなら、平成25年度の予算による調査が繰り越され、LRT導入計画の実像を市長は示すことができず、我々議員も市民もお目にかかってはいないのです。

 市長は、臨時議会でも言明した市民への丁寧な説明を早くも反故にするつもりですか。

 市長が現局面で真っ先にやるべきことは、平成25年度予算に基づく、新交通システム事業化計画策定調査の全容を市民の前に明らかにし、LRT計画の実像に対し、市民との合意形成を図ることではありませんか。当然、合意形成が確認できるまで、平成26年度のLRT建設関連予算は、法定協議会関連も含めて取り下げるべきです。市長の答弁を求めます。

 

市長

 LRTにつきましては、「ネットワーク型 コンパトシティ」の形成を支える総合的な公共交通ネットワークの要として、必要不可欠な都市の装置であると考えており、平成28年度の着工を目指し、平成27年度には、都市計画決定や軌道事業の特許取得、工事施工認可などの法的手続きを進めてまいりたいと考えております。

 こうした取り組みを円滑に進めていくため、新年度におきましては、路線測量や道路・軌道の設計業務をはじめ、宇都宮市圏 交通実態調査や「地域公共交通 総合計画」等の策定、市民理解の促進業務など、LRT整備に関する予算案として、102,000万円余を計上しているところであり、これらの業務に精力的に、取り組んでまいりますとともに、業務の進捗に応じて、引き続き、具体的でわかりやすい市民説明を進めてまいります。

 

荒川つねお議員

 次に、まちづくりのビジョンなきLRT推進についてです。

 駅東側にどの様な新たなまちを出現させ、市街地のさらなる膨張をさせるつもりですか。

 駅西側大通りわずか3kmにLRTを通すだけで宇都宮の既存市街地をどの様にコンパクトシティを実現させるのですか。明快な説明を求めます。

 次に、JR東武区間LRT利用者予測は、通勤・通学者毎朝3,800人、沿線施設への来場利用者1日当り690人、計1日わずか4,490人の利用に過ぎないこともこの間明らかにされました。ここに約300億円ものLRT建設投資は、自治体財政原則を踏みにじる壮大なムダづかいとならないのか、答弁を求めます。

 

市長

 次に、「LRTによるコンパクトシティの実現について」でありますが、都市拠点となる中心市街地におきましては、総合的な公共交通ネットワークの要となる「東西基幹公共交通LRTの導入」や、商業・業務機能などの都市機能の高度な集積を図るための「市街地再開発事業」や栃区画整理事業等の「都市基盤整備」など、様々な施策を推進し、本市の目指す、「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を図ってまいります。

 次に「LRT建設への投資について」でありますが、これまでにお示ししてまいりました最低限の需要につきましては、企業ヒアリング等によりまして、特に通勤・通学時において確実に見込むことのできる利用者とそれに基づく収入を試算したものであり、東部地域の住民や工業団地意外の企業従業者の需要は含まれておりません。

 今後は、芳賀町域を含めた工業団地従業者の利用意向を広く把握するための「従業者アンケート調査」を実施してまいりますとともに、新年度におきましては、広域的な交通実態をはあくするための「交通実態調査」を実施するなど、需要予測や採算性の見通しについて精度を高めてまいりたいと考えております。

 

荒川つねお議員

 第2に、地域が元気になる公共事業に!の1点目、公契約条例の制定についてです。

 東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、住民の安全を守り、地域経済活性化のための公共事業が強く求められるようになりました。

 それは、財政に過大な負担をかけない事業であり、住民の福祉や生活の利便性に役立ち、災害や既存施設の老朽化から住民の安全を守る事業です。これらは主に、地域建設業者が受注することにより、雇用効果が大きく、投下された資金が地元の労働者を通じて、地域内を循環します。何よりも災害対応能力を保持できることが期待されます。

 ところが、この間、ダンピング受注や入札不調などが顕著となり、最低制限価格等の算定方法や公共工事設計労務単価等の運用に係る見直し等、公共工事発注契約をめぐり、重い課題が突きつけられています。

 私は、こうした今だからこそ、本市も公契約条例の制定に真剣に向き合う時だと思います。

 条例制定により、元請業者に基準賃金以上の支払責任を持たせることにより、下請業者への安値発注ができなくなり、重層下請構造の改善につながります。公共事業の現場で働く労働者への賃金が条例で定められた下限以上に引き上げられることにより、地域に経済効果はもとより、何よりも人材確保につながります。低価格競争の激化による受注金額の低下は、現場労働者の賃金にしわ寄せされてきましたが、下限設定されることにより、価格競争に一定の歯止めがかけられます。公正な競争環境をつくり、公共物の品質確保、住民サービス向上に結びつきます。

 これまで、この場からの各議員の条例制定の求めに対しての答弁は、「適正な労働条件の確保は労使間で決められるもの。国の法整備がなされていないので、国の動向を見守る」と、まるで壊れた蓄音機のような答弁に終始してきました。しかし、もうその答弁は通用しません。

 公契約条例制定に真剣に取り組む自治体が続出しています。本市も真剣に制定を検討すべき時ではありませんか。市長の答弁を求めます。

 

理財部長

 公契約条例につきましては、現在、野田市をはじめ7自治体において制定されているところであります。

 このような中、本市におきましては、適正な労働条件は、基本的には、労働基準法や最低賃金法などの労働関係諸法令が遵守されるとともに、適正な労務単価の設定や最低制限価格の引き上げなど実効性のある対策により、確保されるものと考えております。

 また、公契約条例の特色は、自治体独自の労働賃金などを盛り込むところにありますが、公契約条例は、最低賃金法などとの二重規定になることや、公契約の業務に従事するか否かで賃金格差が生じることなどの指摘があり、さらには、政府見解として、「賃金等の労働条件は、国内法令に反しない限り、労使が自主的に決定することとされており、賃金基準を新たに設けることについては、幅広い観点から慎重な検討が必要である」との考え方が示されているところであります。

 こうしたことから、本市といたしましては、引き続き、社会経済情勢に応じた適正な労務単価の設定など、実効性のある対策を講じるとともに、国の公契約に関する考え方について注視してまいりたいと考えております。

 

荒川つねお議員

 次に、小規模工事等契約希望者登録制度の拡充についてです。

 市議会日本共産党は、地域経済の土台を支えている中小業者の官公需の受注拡大によって、循環型地域経済を活発にするため、この制度を提案し、その充実を一貫して求めてきました。

 平成24年度の実績を見ますと、60万円以下の小規模工事の内、制度該当工事として契約した件数は全体の43%。57%は、工事内容が容易でない、緊急な工事、その他の理由をつけて登録外業者に流しています。小破修繕に至っては、制度適用発注はわずか24%です。

 こんな事態を見て見ぬふりをした事務を行っていたのでは、この制度は中途半端のままで本来の役割は果たせないのではありませんか。もう少し詳しく見てみると、特に発注割合の少ないのが、教育委員会学校管理課、住宅課、公園管理課等です。以前にも指摘しましたが、小規模工事をまとめて登録外業者に発注したり、緊急工事だからと言っても、小規模工事なのですから、それに対応できる登録業者を募ればいいわけです。また、緊急に頼む業者には小規模工事等契約希望登録業者に登録させればいいわけです。この制度発足以来全く改善の努力が見られぬこれらの発注課には、登録外業者との慣れ合いさえ感じられてしまいます。

 そこで、市長に伺います。

 小規模該当工事は、小規模工事等契約希望登録業者に100%発注することを大原則とすることはできませんか。

 また、こうした事態を生んでいるのは、発注金額が60万円以下と低すぎるからです。発注工事金額をこの際130万円以下まで引き上げたらどうでしょうか。これにより、登録業者が増え、受け皿が広がり、小規模工事においても公正で透明性のある契約が確保されると思うがどうか。

 また、公共工事設計労務単価などの特例措置や資材高騰等の影響などが小規模工事の発注にもきちんと配慮されるのか、以上3点に答弁を求めます。

 

理財部長

 この制度につきましては、市内の小規模事業者を積極的に活用し、業者の育成と市内経済の活性化を図ることを目的に、市が発注する一件が60万円以下の小規模な工事や小破修繕を対象として実施しており、登録業者数と発注件数が年々増加しているなど、受注機会の拡大につながっているところであります。

 ご質問の、まず、「登録業者に100パーセント発注することについて」でありますが、60万円以下の小規模工事等につきましては、その全てを登録業者へ発注することを基本としております。

 このような中、工事への緊急対応や、資材調達が困難である等の理由により、登録業者から履行できないなどの申し出がある場合がありますが、引き続き、履行可能な工事の発注が拡大されますよう、周知徹底を図ってまいります。

 次に、「発注工事金額を130万円以下までに引き上げることについて」でありますが、当該制度は基本的に、内容が軽易で、かつ履行の確保が容易であるものを対象としていることなどから、他の自治体と同様に、60万円以下と設定しているところであります。

 次に、「労務単価の特例措置等の適用について」でありますが、小規模工事等につきましても、特例措置などが適用となりますことから、最新の労務単価で積算するなど、適切に対応してまいります。

 今後とも、発注金額も含め、より良い制度となりますよう、調査・研究してまいります。

 

荒川つねお議員

 次に、商店版リフォーム助成制度について、その実現を求め質問します。

 「気持ちも店もパッと明るくなる。こんな施策は初めてだね」群馬県高崎市が昨年4月に創設した「まちなか商店リニューアル助成事業」が業者の間で大評判になっています。市長が名付けたのが「商店版リフォーム助成」。全国からの視察が相次いでいるとのことです。

 同事業は「店舗の改装」や店舗などで使用する備品の購入に対し、その費用の1/2を助成するもの。補助上限は100万円です。対象は、商売を営んでいる人、これから営業を開始しようとする人です。

 本市でも、うつのみやのまちなかを面白く活気あふれるものにしたい。そのためには、市内の小さな店が元気になることです。個別の今ある店が魅力的な店舗になってこそ、まちが元気になります。

 本市では、平成24年度より住宅改修補助制度(住宅リフォーム助成制度)が開始され、2512月末までに635件の利用があり、補助額に対する経済波及効果は30倍に達しています。これに続き、「商店版リフォーム助成制度」が導入されれば、商業の活性化、地域の活性化、地元中小業者の仕事興し、そして市税の増収にさらに大きくつながります。  本市でも、まちなかの商店の商売を応援するこんな制度があってもいいのではないでしょうか。市長の答弁を求めます。

 

経済部長

 まちなかの商店が元気になることは、商業の活性化はもとより、地域経済の活性化に繋がりますことから、これまでも、中心商業地の空き店舗解消を目的として、出店を希望する方に対し、「中心商業地出展等促進事業計画」による支援を実施してきたところであります。

 本市では、持続的なにぎわいの創出には、出店した店舗が、長く継続して営業すること、さらには、商店街の一員として、様々な活性化事業に取り組んでいただくことが重要であると考えております。

 そのため、新たに、補助金を活用して出店した店舗が、安定した経営を行うため、来店者の客層やニーズ等の実態に応じた店舗改装を実施する際の補助制度を追加したところであります。

 この制度は、閉店後2年から5年以内の改装という条件がありますことから、今後の利用状況を勘案するとともに、ご提案の事例なども参考にしながら、中心商業地、さらには、地域経済の活性化に努めてまいります。

 

荒川つねお議員

 第3の保健福祉行政に入ります。

 まず、介護保険改悪への市民の不安にどう対処するのかについてです。

 安倍内閣は今国会に医療・介護改悪法案を提出しました。中でも介護保険法改定は2000年に制度発足以来、初めてとなる大改悪が目白押しです。要支援12の高齢者が利用する訪問介護や通所介護を、国の基準とする介護保険サービスから切り離し、市町村ごとの丸投げの事業に移すことは、どこでも平等に受けられる国民の権利を覆すものです。また、年金収入の差でサービス料を2割負担に引き上げるなどは、社会保険制度の原理の逸脱です。さらに、特別養護老人ホームの入所を要介護3以上に限定することは、入所を待ち続ける高齢者・家族にとってあまりにも過酷ではないでしょうか。これらの問題について、市長の見解をお尋ねします。

 

保健福祉部長

 現在、国会に、介護保険制度改正案が提出されたところであり、これによりますと、「要支援者に対する介護サービスの市町村事業への移行」につきましては、要支援認定者がこれまで同様に、既存の介護事業所からのサービス提供が受けられることに加え、軽度の方は、NPOや民間企業、ボランティアなどからのサービス提供が受けられる内容に、また、「費用負担の公平化」といたしまして、一定以上の所得のある利用者の自己負担を引き上げる一方、低所得の方の介護保険料の軽減を拡充するとの内容に、「特別養護老人ホームへの入所」に関しましては、要介護12の方であっても、認知症などにより、常時、見守りや介護が必要な方などにつきましては、引き続き、入所を認めるとの内容になるものと、認識しております。

 

荒川つねお議員

 法案の狙いは「軽度者」の利用削減・抑制で、公的介護保険のお金を抑え込むことです。日本共産党はこのような安倍内閣が口実にしている「制度持続」のための真の解決は、国庫負担を直ちに10%増やし、介護保険が始まる前の50%まで引き上げることと提案しています。

 軽度者の利用抑制には、利用者からは「生活が成り立たなくなる」、認知症の患者と家族からは、「重度化が進む」、介護事業所からは「要支援はずしは大打撃」、介護職員は「人材増えず、賃下げも」等々、懸念が強まっています。 そこで市長に、市民の不安をどの様に受け止め、国の介護保険改悪にのぞみ、対処してゆくのか、答弁を求めます。

 

保健福祉部長

 今回の見直しにつきましては、団塊の世代が75歳以上となる、2025年を目途に構築を目指す、「地域包括ケアシステム」を見据え、介護予防をはじめとするサービスの充実を図るとともに、公平かつ継続した制度運営を目指したものと受け止めております。

 今後、国におきましては、市町村が円滑に制度改正に対応できるよう、介護保険法に基づいたガイドラインを示すこととしており、引き続き、国の動向を注視してまいります。

 

荒川つねお議員

次に、民営化まっしぐらの保育園で何が起こっているか、その対応について伺います。

昨年12月、市内の認可私立保育園で2歳児クラス13名中9名に対し、発達障害を疑い、「保育士増員の補助が受けられる発達支援児の認定を受けるか、退園かの選択を迫る」との新聞報道には、大変驚き愕然といたしました。児童福祉法24条では市町村の「保育に欠ける児童への保育義務」が、また39条では保育所が「保育に欠ける乳幼児又は幼児を保育することを目的とする施設」であると規定されています。そこで、この問題での保育の義務を負う本市の対応と結果について伺います。

 

子ども部長

「新聞報道における民間保育所での対応」につきましては、保育所の対応が不適切でありましたことから、施設長に対して、保護者との信頼関係の構築や、発達支援児の認定にあたって、慎重かつ丁寧な保護者対応などを行うよう指導をしたところであり、理解していただけたものと認識しております。

 

荒川つねお議員

次に、発達支援児の受け入れについて、民間と公立では温度差があり、民営化まっしぐらで進めてきたことによる、保育の質の低下の表れではないでしょうか。市長の見解を求めます。宇都宮市では、個別に配慮の必要な保育所入所児童に対し、保護者からの申請に基づき、審査のうえ認定がされ、認定児2名に対し1名の保育士加算の補助が受けられます。昨年12月現在で、合計107名の児童が認定を受けています。そのうち、たった13施設となってしまった公立保育園では発達支援児107名中59名約55%を受け入れ、入所児童における発達支援児の割合は、3.1%、一方私立保育園及び私立認定こども園は66施設で48名の受け入れにとどまり、入所児童数における発達支援児の割合は、0.8%となっています。圧倒的に公立保育園に偏って保育されているのです。このような状況の中で公立保育園のさらなる民営化は、発達支援児の保育の権利が奪われかねないと危惧しますが、市長の見解を求めます。また、増加傾向にある、発達支援児への対応について早期発見・早期支援など対応策の拡充が求められていると考えるが、市長の見解を求めます。

 

子ども部長

 「発達支援児の保育所での受け入れ」についてでありますが、民間保育所におきましても、円滑に受け入れができるよう、専門家を招いての「発達支援児・  担当保育士研修」や実際の症例を使った「グループワーク研修」などを定期的に実施し、保育士のスキルアップや受け入れ体制の充実・強化に取り組んでいるところであります。

 さらに、民間保育所における発達支援児保育を促進するため、発達支援児3名に対し1名の保育士加算でありました。

 「発達支援児 保育事業費補助金」につきまして、今年度から、2名に対し、1名の加算とすることで、発達支援児に対してより手厚い支援ができるよう取り組んでいるところであります。

 次に、「発達支援児への対応」についてでありますが、発達に何らかのつまずきがある、いわゆる「気になる子」といわれる児童が年々増加している状況にあり、平成23年度から、早期発見、早期支援の強化を図るため、心理相談員と保健師が中心となり、児童の行動観察を行い、担当保育士等に支援方法などについて助言や指導を行う「ここ・ほっと巡回相談事業」を実施しているところであります。

 さらに、個別に支援の必要な児童は、子ども発達センターへの相談や療育指導につなげるなど、児童一人ひとりの発達状況に応じた対応ができているものと考えております。

 今後とも、保育士等の支援技術の向上を図りながら、就学前の子ども一人ひとりの健やかな育ちを支えるため、引き続き、支援してまいります。

 

荒川つねお議員

最後に、保育所民営化路線と子ども子育て支援新制度への移行では、ますます市の保育責任は後退し、保育の質の低下と格差につながると危惧しますが市長の見解を求めます。

 

子ども部長

 民営化につきましては、公立・民間の役割分担等を踏まえた上で、多様化する保育ニーズに効果的・効率的に対応するため実施しており、民間のノウハウを生かしながら、適切な保育が提供されているものと認識しております。

 また、新制度移行後におきましても、発達支援児保育を含め、公立・民間にかかわらず、保育の質を確保しながら、身近な地域で支援する環境づくりに取り組んでまいります。

 

荒川つねお議員

 次に、市民の健康増進と特定健康診査等の取り組みについてです。

 厚生労働省の「老人保健法時代の基本健康診査について、受診率が高い市町村は1人当りの平均医療費が低い」や、「特定健診の受診率が高い市町村国保ほど前期高齢者1人当りの医療費が低い」という研究報告があるとのことです。これは、即住民の健康増進に直結することでもあります。

 さて、平成20年度よりスタートした本市の特定健診受診率は現場の皆さんの大奮闘にもかかわらず、平成24年度でも25.3%、市町村国保特定健診実施率33.7%を大きく下回る低迷が続いています。また市町村国保特定保健指導実施率は23.2%、本市は6%にとどまっています。国の目標設定に合わせた本市の第2期同実施計画の目標値60%に対する市長、担当部長のモチベーションは、私には感じ取れません。

 わが会派では、中核市最下位からスタートし、中核市平均を上回る34.6%の受診率向上に至った和歌山市の取り組みを昨年学んできました。その受診率向上には、当時の職員・関係者一丸となった取り組み、健診の委託先である医療機関の先生方の意見を重視し、検査項目には、本市にはない心電図、腎機能、貧血、痛風なども含めた血液検査等11項目の追加や、受診期間の延長やテレビ・ラジオ・大型バス側面大広告など、創意あるありとあらゆる広報活動の展開があります。そのベースには、文字通り、全受診対象者を視野に入れた活動がありました。

 そこで、常日頃市民の健康寿命を延ばすことを力説している市長に伺います。

 新年度は本市でも、まずは全国受診率を上回る特定健診受診率を実現するつもりがあるのか、ないのか。そして、そのためには、検査内容の充実で、受診し甲斐のあるように検査項目の大胆な追加、創意ある広報活動を保障する財源措置、現場職員の増員等についての市長の旗振りはいかに。あわせて答弁を求めます。

 

保健福祉部長

 特定健康診査につきましては、生活習慣病の発症や重症化を予防し、市民の健康寿命の延伸を図るうえで、重要であると認識しているところであります、

 このため、多くの被保険者に受診していただけるよう、健診未受診者に対する電話や通知による受診勧奨を行うとともに、身近な場所で受診できる地区巡回健診の日程拡大や、働く世代が受診しやすいよう、早期健診や協会けんぽ栃木支部との共催健診を実施するなど、受診機会の充実に取り組んでおります。

 こうした取り組みにより、平成20年度からの5年間の受診率の伸びは、全国平均や中核市平均の伸びを上回る5.3ポイントの上昇となったところであります。

 議員ご質問の「検査項目や広報活動、職員について」でありますが、「検査項目」につきましては、国の基準に基づいた身体測定や血圧測定などに加え、市独自の検査項目として、慢性腎臓病の早期発見のための血清クレアチニン検査や希望者には心電図検査、貧血検査などを実施しているところであります。

 また、「広報活動」につきましては、受診勧奨に向け、市広報紙への掲載のほか、「国保だより」の発行、スーパーや薬局などへの啓発ポスターの掲示、新聞やラジオによるPRなど、あらゆる機会をとらえ、取り組んでいるところであります。

 「職員」につきましても、こうした業務内容等に的確に対応できるよう、適切に配置しているところであります。

 今後とも、受診しやすい環境を整備するとともに、効果的な周知・啓発を継続するなど、受診率の向上に努めてまいります。

 

 第4に、市営住宅家賃減免制度についてです。

 この件については宇都宮市営住宅条例に基づく事務要領において、家賃減免の対象・減免額・期間などが定められています。しかし、入居者でさえもその内容は不明な人が多いのではないでしょうか。調査によると、市営住宅入居世帯は3,396世帯、その内、減免申請世帯は、なんとわずか98世帯となっています。家賃減免に関する事務要領第21号では、減免対象について「入居者及び入居しようとする者の収入が失職・その他の事情により、生活保護法による居宅の基準生活費より算出した額の100分の120以下である時」となっています。そこで伺います。98世帯の減免は少なすぎると思うが、その原因は何か。また、市営住宅入居世帯及び家賃滞納世帯について、この第1号に該当する減免対象になりうる世帯はそれぞれ何世帯あるのか、答弁を求めます。

 次に、県営住宅の家賃減免状況を調査すると、市内の入居可能戸数3,401世帯の内、772世帯もが申請により減免されています。減免となる対象所得基準は、「市民税が非課税と均等割世帯」となっており、高齢者も含めて極めて分かりやすい、理解しやすいものです。

 ついては、市営住宅においても、入居者に分かりやすい減免所得基準にすることで、条例の家賃減免の趣旨に則るものにすべきと思うが答弁を求めます。

 

建設部長

 市営住宅は、住宅に困窮している、所得の少ない方に住んでいただくためのものであり、その家賃につきましては、入居世帯の所得の程度に応じて低廉な額に設定されているところであります。

 このような中、本市におきましては、収入が著しく低額な方を対象に、生活保護を基準とした家賃の減免制度を設けているところであります。

 まず、「少なすぎる減免世帯の原因」についてでありますが、減免制度につきましては、入居説明会や毎年の収入申告のほか、滞納家賃の納付相談などにおいて、周知に努めているところであります。

 また、減免の認定にあたりましては、入居者と面談を行い、生活状況を把握するなど、きめ細かに対応しているところでありますことから、減免の適用を受けているものと考えております。

 次に、「入居者に分かりやすい減免所得基準」につきましては、本市では、真に生活に困窮している入居者に対して、その生活実態に応じて、適正に対応できていると考えておりますことから、今後とも、家賃の減免が必要な方につきましては、制度の周知を図りながら、現在の基準により、適切に対応してまいります。

 

荒川つねお議員 

 教育行政に入ります。

 安倍政権による教育委員会制度改革案は、憲法に即して教育の自主性を守るためにつくられた教育委員会制度の根幹を改編し、国・首長、つまり政治勢力による教育支配を歯止めなしに拡大しようという危険な内容となっています。

 それは第1に、首長に教育行政全体についての「大綱的な方針を定める権限」や、これまで、教育委員会の権限とされてきた教育条件・人事方針など、教育行政の中心的内容を首長に与えるとしています。これでは、教育委員会は、首長の下請け機関となり、首長がその気になれば、どこまでも政治介入ができることになってしまいます。

 第2に、教育長について、首長が直接任命・罷免するとしています。現行法では、教育長は教育委員会が任免し、罷免もできますが、この仕組みを変え、教育長を首長の直属の部下にしようというものです。

 第3に、文部科学大臣の教育委員会に対する「是正要求」などの権限を強化。現行法では「教育権の侵害」が明瞭な場合でしか是正要求は出せないとされています。

 こうした内容が具体化されれば、首長が変わるたびに、その一存で教育現場が振り回されるという混乱が起こり、子どもたちが、その最大の被害者となるでしょう。日本共産党は、こうした安倍政権の教育委員会制度改革案に強く反対するとともに、教育委員会が、子ども、保護者、住民、教職員の声をきちんと受け止め、それを教育行政に反映させる機能を果たすような民主的改革を求めます。憲法が保障する教育の自主性・自立性・自由を擁護し、それを生かした教育改革のために力を尽くすものです。

 そこで、まず市長に伺います。本市の教育行政に、佐藤市長はこの様な政治介入を望んでいるのか見解を伺います。

 

市長

 私は、現行の教育委員会制度のもと、教育委員会が掲げる教育行政の重要事項や基本方針を十分理解し、連携を蜜にしてきたところであります。

 教育委員会のあり方につきましては、昨年12月の中央教育審議会の答申内容を踏まえ、現在、国におきまして、法案の提出に向けた議論がなされているところであり、その動向を見守ってまいりますが、教育委員会が合議制の執行機関として維持され、教育の政治的中立や継続性、安定性が確保されることは望ましいものと考えております。

 

荒川つねお議員

 次に、教育委員長に、今の教育委員会制度は、どの様な理念と目的のもとに発足したのでしょうか。そして、その理念と目的は、今出されている「教育委員会改革案」で保たれるとお考えでしょうか、見解を求めます。

 

教育委員長

 現行の教育委員会制度につきましては、文部科学省が示しておりますとおり、教育は、子どもから大人まで全ての個人の人格の完成を目指して行われるものであり、その内容が中立公正であることが重要であるとともに、特に、子どもの教育につきましては、子どもの健全な成長発達のため、学習期間を通じて一貫した方針のもと、安定的に行われることが必要であると考えております。

 このようなことから教育の政治的中立性や持続性、安定性を確保するため、首長から独立した合議制の執行機関として、教育委員会を設置する現在の制度が構築されたものと認識しております。

 現在、教育委員会制度改革につきましては、国で検討が進められておりますが、教育委員会が執行機関として維持されることにより、政治的中立性や安定性、持続性が確保されるものと考えております。

 

荒川つねお議員

 次に、学童保育の充実について端的に伺います。

 私は、昨年の9月一般質問で、子ども・子育て新制度に基づく本市の学童保育への対応についてお尋ねし、その際、本市では、年内つまり昨年中に利用希望者調査を実施するとの答弁でした。そこで、利用児童数がどの様に把握されたのか、まずお伺いします。また、それに適切に対応するとのことだったが、受け皿整備について、分割などの予算上の裏付け、厚労省専門委の報告の1クラス40人定員等の運営基準をベースと考えるのか伺います。

 

教育長

 まず、「利用者数の把握について」でありますが、昨年10月に、対象児童の保護者全員に対し、アンケート調査を実施しましたところ、利用児童数が約3割増加することが見込まれているところであります。

 次に、「1クラス40人の基準への対応」につきましては、現在、国におきまして検討中でございますが、国から示される運営基準に対しまして適切に対応してまいります。

 このため、引き続き、施設整備のほか、余裕教室の利用を進めるとともに、余裕教室がない場合には、特別教室等を一時的に利用するなどの対応策を講じ、平成27年度より、6年生までの児童の受け入れができるよう、対応してまいります。

 

荒川つねお議員

 次に、複数クラブにおける不正経理が生じた問題で、会計管理等の適正化に向け、新年度、どの様な新たな支援・対応が行われたのかお伺いします。

 

教育長 

 適正で、透明性の高い会計事務の確保のため、全クラブに対しまして、パソコンと会計ソフトを導入するとともに、社会保険労務士等へ委託する場合の費用の一部を支援することを新年度予算案に計上したところであります。

 

荒川つねお議員

 最後に大雪対策についてです。

 まず、今回の大雪で被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。

 市議会日本共産党は今回の記録的大雪を受け、市長あて、いち早く緊急申し入れを行い、3点の緊急要望を行いました。

 その内、農業被害対策については既に進んでいます。ついては気候大変動のもとで、今後も想定される雪害について、災害対策に位置付ける検討がなされるべきではないでしょうか。その際、除雪対策を市民の生活と安全確保を第一義的に確立すべきです。とりわけ、生活道路(歩道)の速やかな除雪で、歩行者、通学者、自転車通行者の安全確保を図るため、自主防災組織や、近隣事業所との協力協定、ボランティアの確保・組織化について、また高齢者世帯・障がい者世帯等への緊急見守りと支援体制について、どの様に今後取り組みをすすめようとしているのか、お伺いします。

 

建設部長

 生活道路の除雪対策につきましては、これまで、過去の積雪状況を踏まえ、除雪作業や融雪剤散布などの積雪対策を行ってまいりました。

 また、一部の自治会につきましては、融雪剤を配布し、道路への散布を行っていただいたところであります。

 しかしながら、今回の記録的な豪雪におきましては、地域によって除雪の対応に遅れが生じましたことから、今後、的確な情報の把握や積雪状況に応じた迅速な除雪対応の充実を図るとともに、除雪協力や融雪剤の配布について広く周知し、地域や自治会の皆様のご協力をいただけるよう、地域との更なる連携強化に努めてまいります。

 

 次に、「高齢者世帯・障がい者世帯等への支援について」でありますが、今回の大雪にあたりましては、本市といたしましては、老人福祉センターや泉が丘ふれあいプラザなど市有施設をはじめ、民間福祉施設の被害状況の確認を行うとともに、民生委員や地区社会福祉協議会、地域包括支援センターなどと連携し、見守りが必要なひとり暮らし高齢者など約170件につきまして、電話や訪問などによる声かけや状況確認を実施したところであり、雪かきを手伝うなどの支援も行ったところであります。今後とも、民生委員や地区社会福祉協議会、地域包括支援センターなどと連携しながら、高齢者や障がい者世帯の見守りや安否の確認に取り組んでまいります。

 

再質問・再答弁

 

荒川つねお議員

 LRTについて再質問をいたしたいと思います。今答弁をお聞きしましたけれども、こちらの聞いていることとの関係で、そのまま答えておられないこともありますので、改めてお聞きをしたいと思うのですが、平成25年度のLRT関連の予算と、26年度の予算、このLRT事業推進に向けての性格の違いといいますか、私は、25年度まではLRT事業を推進するための計画段階の予算ではないかと思うのですが、26年度は文字通り、LRT建設に向けたその始まりの予算、建設予算、こういうような性格を持っているのではないかと思うのですが、そのへんのことについてはどうでしょうか。

 

総合政策部長

 25年度に予定しておりました1億ちょっとの委託経費についてでございますけれども、元々そのLRT導入の実現に向けまして、地域連携の公共交通の計画とか、LRTに必要な計画をまとめていくための委託業務中心でございました。議員ご指摘のように26年度につきましては、やはり具体化に向けての測量とか、より事業の具体化に向けての性格が強まったのかなというふうには受け止めております。

 

荒川つねお議員

 今の答弁にもありますように、LRT建設についてはいろいろ反対をしている市民も多くいると、こういう状況でありますけれども、LRTについて、26年度予算というのは、文字通り建設に向かってシフトされた予算、今言われたとおりだと思うのです。そういう点では、今までLRTについては卵のようなものが、いよいよ雛鳥になって、そうしたと思ったらもう今年度予算から次の予算に向けて怪しい鳥「怪鳥」に大きく育っていくような、そういう始まりの成長段階の予算なのだと、このように思うのです。

 そういう中でもう一点お聞きしたいのは、宇都宮市の総合計画の実施計画の概要というのが議員に渡されましたけれども、これの26年から28年まで、これによりますと、新交通システムLRT導入のための3ヵ年間の概算事業費というのは、632,900万の事業費が載っております。今年は10億でしたけれども、これが、この25年から27年までで2億ぐらいだったのです。ですからそういう点では、本当に一気に63億まで行っちゃうのですけれども、この中身は何なのですか?

 

総合政策部長

 現在我々といたしましては、平成28年の着工に向けて着々と準備を進めているところでございます。今回策定いたしました実施計画につきましては、2627283ヵ年を含むものでございますので、一定の(  )における必要な経費を計上したものでございます。

 

荒川つねお議員

 文字通り、もう怪鳥に向けて今みたいに大変なスピードで、LRT推進に向けて、建設に向けて始まろうとしているわけですが、ちょっと待って欲しい。25年度の予算の中で、これは市が住民に説明している資料ですけれども、この中で、実際に建設をしていくためにまずやらなければならない法定協議会の設置が26年度、今年度予定されておりますけれども、それに向けて、先ほどの25年度の予算で、先ほど私質問で言いましたように、様々なルートであるとか事業費であるとかいろいろなものがハッキリするわけです。それで「地域公共交通総合連携計画」の原案までが25年度までの予算でできて、それに基づいて法定協議会になっていくのだと思うのですが、この原案はいつできるのですか。

 

総合政策部長

 25年度に予定しておりました議員ご指摘の今の計画作りにつきましては、25年度いろいろな関係機関との調整がありまして、26年度に繰り越させていただこうと思っております。この繰越後の考え方でございますが、できるだけ上半期といいましょうか、第一四半期にはまとめて生きたいと思っています。

 

荒川つねお議員

 ですから、いずれにしても今の話のように、この原案を作成したところで、LRTをどんなふうにしていくかというところで、少なくとも、今までのように、適当とは言いませんけれども、はっきりなかなか、例えば事業費だってもう500億や600億かかるはずなのに、383億だ、383億だと言っていたものが、じゃないものが出てくるわけでしょう、ここで。この25年度予算に基づく原案になればです。ですから、この原案ができたところで、これはさっき言ったように、計画をつくっているのと、実際に建設にシフトするのと、この大きな違いがこの26年度なのですから、この原案の作成が終わったところで、市民にその全体像はもちろん明らかにして、ここでもって、大いに合意形成のための努力をする。市の計画では、「市民理解の促進・市民理解の促進」などといっても、荒川副市長に聞けばわかるのですけれども、国交省で言っている市民合意や、計画の合意形成などというのは一言も言っていないのです。まずは合意形成を、その時点でしっかり図る。そこで合意形成ができれば、それは法定協議会や何かが入ってくるでしょう。いろんなルートに基づく測量なども入ってくるでしょう。だけどその前に、まさに質的な転換の時なのですから、この原案のところで、合意形成のために一生懸命やるべきじゃないのですか。まずここのところをきちんとすべきだと思うのですけれども、どうですか。

 

総合政策部長

 今年度繰越せざるを得なかった事業でございますが、内容がまとまり次第、議員がご案内のように、今回のLRTの事業概要がまとまるわけでございますので、この内容をもとに、議会はもとより、市民の皆様に丁寧に説明をしてまいりたいと思っております。

 

荒川つねお議員

 だから、今言ったように、市民理解の促進だけじゃないのです。市民に説明をして、「まずはそれで行こう」という合意形成を図る、またそれを確認する、これが必要な今の局面なのじゃないですか。違いますか。

 

総合政策部長

 私どもといたしましては、これまで市民理解の促進に努めてまいりまして、十分その理解が進んできており、ただ局面・局面において、新しい情報についても説明する必要が発生しているので、丁寧に説明をしているところでございます。LRTの推進についてはご理解をいただいているものと思っております。

 

荒川つねお議員

 合意形成を本当に真剣に取り組む気は、今の話からはどうも感じられないのです。そこでもうひとつ、合意形成のことでお聞きをしたいと思うのです。この間荒川副市長もシンポジウムでパネラーを務めたようであります。私はそれには出ていないのですが、聞くところによると、そのパネラーの一人だったヴァンソン藤井由美さん、この人もいろいろ、パネリストとして発言などもしていたようであります。宇都宮市はよくLRTというと、ストラスブールの車両なんかを持ってきてやりますけれども、ストラスブールでの、これを作るまでの合意形成のための努力はどんな努力をされているのですか。今日は、藤井さんいませんので、荒川副市長、そのへんのところの宇都宮市との違いをちょっと説明してもらえますか。 

 

総合政策部長

 当日私どもの方は公務所用がありまして、講演会を聞いておりませんでしたが、各地域における合意形成については、それぞれの地域の状況に応じて、それぞれの自治体が工夫をしてやるべきものと思っております。

 

荒川つねお議員

 ぜひ、出席していた荒川副市長に聞いてみてください。文字通り、合意形成のところでは、ものすごい努力をしているのです。そういう中で、市民がこれはいいじゃないか、LRTでということになって、初めて行くのですよ。ストラスブールでは、市長は「やる」と言って当選しているのでしょう。その市長だってものすごい、合意形成のところでは、やってそれでもって、建設に入っていっているのです。お隣のグルノーブルなんかでは、やはり合意形成に10年もかかって、合意形成で一生懸命やって、その上にたって、住民投票をやって決めているのです。宇都宮みたいに説明だけで、「説明します、説明します」と言って、合意形成も何もないというのは、こんなところはないのです。そういう点では、この合意形成の問題でも、文字通り、今の現局面での説明だけではなくて、合意形成のために、やはり努力をしなければならない、それなしに、多くの市民は、建設予算などというのは認めません。納得できません。それでは。そういうことで、今のままでは、これは26年度予算の建設予算は、計上したり、これをなし崩し的にやっちゃおうなどというのは、これはダメだと、これははっきり言う以外にはないのです。言っていきたいと思います。

 

荒川つねお議員

 次に介護保険に入ります。先ほど部長のほうからも答弁がありました。いずれにしても、私が9月議会に聞いた時よりは、だいぶ介護保険の中身については、これからどんなふうに市町村に丸投げをされて、起こってくるのか、こういうところでは、明らかになってきたということが答弁でもわかりました。しかしそういう中で、一つわかってほしいのは、この間、この介護保険法の改悪について、もちろん、サービスを受けている人、その家族、事業者、そして、社会保障などの運動をしている人、こういう人たちは、「これじゃダメだ、これじゃダメだ」と言って、国に意見を上げて、そういう中で、先ほど部長が言いましたように、いろいろな所で、一歩国は退いてきたのです。それが先ほどの部長の答弁でした。そういう点では、この介護保険の問題については、もっともっと市民から、そして関係者から、意見を聞いて、そして国に意見を上げていく、まだ実際に始まるまでには1年あるわけですから、こういう姿勢が必要だと思うのです。
 そこでお伺いしますが、国民健康保険については、国民健康保険をどうするかということで、国保運営協議会というのがあります。介護保険については、国保運営協議会に匹敵するのはどこなのですか。

 

保健福祉部長

 国保運営協議会に匹敵するというお話、市のほうで何があるのかというご質問だったと思うのですが、今回の介護保険改正につきましては、議員ご案内のとおり、社会保障制度改革国民会議というのがありまして、それらのご意見を受けて、国が持っております社会保障審議会介護保険部会の中からご意見をいただき、そうした形の中で、現在国会にその法律案が上程されているとそういったこととして認識しております。

 

荒川つねお議員

 聞き方が悪かったかもしれませんが、私が言っているのは、宇都宮の話なのですけれども、宇都宮は、社会福祉審議会の高齢者分科会です。この介護保険の問題で、宇都宮の介護保険どうするか、こういうことで、市長に諮問をしたりすることも含めて、そこなのです。ところがこの25年度、1回も開いてないじゃないですか。この会議を。これで国に言えるのですか。それだけをお聞きします。

 

保健福祉部長

 社会福祉審議会の高齢者分科会というお話がありましたけれども、年に1回、全体会については開催させていただいております。今後国から詳しい内容、ガイドラインが示されますので、それを受けた形の中で、ご審議をいただく場面はあるかと思います。


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