2013.12.09
福田くみ子議員の一般質問・答弁

福田くみ子議員

まず初めにLRTをめぐる問題について伺います。市民の民意とLRT計画についてです。昨日まで「LRT導入の是非を問う住民投票」を求める直接請求の署名運動が行われました。その取り組みの中で、LRT計画について市民の思いはさまざまですが、「よくぞ聞いてくれた」とばかりに、署名に応じる方がほとんどでした。その中には市民感覚からの意外なアイデアやもっと早くに聞きたかったと思う提案もあり、市民の声に耳を傾けることの大切さをあらためて思い知る機会になりました。その一筆一筆に込められた、市政参画と意見表明への願いを市長は、重く受け止め、市政運営に生かしてほしいと考えますが、市長の見解を伺います。

 

市長

私は就任以来、市民の皆様からの声に真摯に耳を傾けながら市政運営に取り組んできたところであります。特にLRTにつきましては、平成22年度より2回にわたるパンフレットの全戸配布や、市民の皆様に私も直接ご説明をいたしました。市民フォーラムの開催、そしてさらに地域ごとの説明会やオープンハウスの実施など、あらゆる機会を通しまして、市民説明を行い、市民の皆様から直接ご意見をいただきながら、市民理解の促進に取り組んできたところであります。今後とも市民の理解が深められるよう、分かりやすい丁寧な説明を行うとともに、市議会のご意見も十分に伺いながら、LRTの早期実現をめざしてまいります。

 

福田くみ子議員

2点目に公共交通政策・都市計画とLRT計画についてです。LRTの計画は、長年の間にその目的も様変わりして来ました。市東部地域の「渋滞解消」は、長年の悲願です。市東部地域の道路整備に関して、H131213日、当時の福田富一市長と県との間で、覚書が交わされ、県が新鬼怒川渡河道路を、市が新国4から清原工業団地への橋を整備するとの約束が交わされていました。この覚書は、いつの間に反古になったのでしょうか。ご答弁を求めます。

 

市長

 本市の東部地域につきましては、清原工業団地に始まり、隣接する芳賀・高根沢工業団地などが順次立地し、宇都宮テクノポリスセンター地区が開発されるなど、産業人口の集積に伴い、自動車交通が増大し、交通問題が重要な課題となってまいりました。そのようなことから、道路整備に関する覚書につきましては、地域の円滑な交通を確保するため、二つの橋と三つの道路を、県・市が連携し、整備することとしたものであります。現在この覚書に基づきまして、県においては新鬼怒川渡河道路や、国道408号真岡‐宇都宮バイパスを、本市においては瑞穂野通りの整備を進め、道路ネットワークの確立に向けて、着実に取り組んでいるところであります。

 

福田くみ子議員

9月の荒川議員の一般質問でも明らかになったように、この10数年にわたりLRTありきの市政運営が、市民目線での公共交通の整備とまちづくりを遅らせてきたのではないですか。もし工業団地開発と都市計画の整合性をはかる観点から、この道路整備が速やかに行われていれば、当の昔に渋滞はもっと緩和されていたのではありませんか、答弁を求めます。

 

市長

 

 

福田くみ子議員

 次に、先日の発表を受けて、最新のLRTの検討状況について伺います。その中で、LRTの利用が確実に見込まれる利用者数について、工業団地の企業や学校等へのヒアリング調査の結果が報告がされました。その中で、自動車通勤の人の3,6%が、LRTへ転換が見込まれるとのことですが、それでJR東側LRT導入目的である渋滞解消となるのでしょうか。市長のご見解を伺います。

 

市長

 自動車からLRTへの利用転換見込みにつきましては、小平議員、荒木議員のご質問にお答えいたしましたとおり、LRTの需要予測の精査に向けて実施いたしました「企業ヒアリング」の調査結果から、最低限の転換の見込みとして、3.6パーセントと試算したものであり、この数値に基づく自動車交通への影響につきましては算出しておりませんが、「モビリティマネジメント」によるLRTへの利用転換の促進や、交差点の改良、信号処理の最適化による交通容量の拡大策の実施などによりまして、交通の円滑化を図ってまいります。

 

福田くみ子議員

 また、計画では、既存道路への整備を基本とするとのことですが、片側2車線道路の場合、1車線を鉄軌道で占有してしまうと、渋滞が予測されるばかりか、救急車や消防車などの緊急車両などへの対応はどうなるのか、宅急便など荷下ろしの際の車両、トランジットセンター以外の停留所へのタクシーの客待ちなど、課題が多く、現実的ではないと考えるがどうか、さらには、道路を拡張する可能性もあるのでしょうか。また、鬼怒川を渡る橋は、計画ではLRT専用の橋ですが、自動車用の橋もあわせて整備する可能性はあるのか、市長のご見解を伺います。

 

市長

 現在、進めております軌道の導入空間の検討内容に基づき、道路管理者や交通管理者と協議を行いながら、必要となる「道路機能の維持」「交通円滑化の対策」を講じてまいりたいと考えております。

 また、「道路の拡幅」や「鬼怒川の端における車道整備の可能性」につきましても、導入空間の検討と併せまして、具体的な計画をまとめてまいります。

 

福田くみ子議員

この項の最後に、この間の署名運動の中で出てきた、市民からの疑問に明確に答えていただきたいと思います。1点目は、計画が具体的になるにつれて、事業費は増える可能性は無いのか、あるのか、あるとすればどれくらいが許容範囲と考えているか。2点目に、赤字運営になったとき市は、どこまで補填するのか、3点目に、継続的運営を保障するため減価償却費はどのように扱われるのか、市長のご見解を伺います。

 

市長

 これまでの調査におきましては、LRTの優先整備区間であるJR宇都宮駅東側の事業費につきまして、約260億円と試算しているところでありますが、現在、芳賀町への延伸区間も含めた需要予測の精査や、施設整備計画などの検討を進めているところでありまして、今後、事業費を精査してまいります。

 LRTの事業採算性につきましては、今回のヒアリング等の調査により把握された確実に見込むことのできる最低限の需要に基づき、収入を試算したところ、採算性の見通しが高まったものと受け止めており、今後、需要予測の精査とあわせまして、より詳細に採算性の検討を行ってまいります。

 次に、「減価償却費」につきましては、「公設型 上下分離方式」を採用することにより、軌道や停留場などの施設を公共が整備・保有することから、これらにつきまして、運行を担う営業主体の「減価償却費」の発生は想定しておりません。

 

福田くみ子議員再質問

 3.6%の人たちが車からLRTに変える、それで渋滞解消ができるのかという問いに対して、明確なご答弁はなかったのですけれども、もともと事業推進の大きな目的ではなかったのでしょうか、この渋滞解消というのが。そこのところを明確に、ご答弁をお願いします。

 

総合政策部長

 東部地域における交通の問題については、先ほどの道路空間、道路の覚書の部分でも触れましたけれども、重要な課題と捉えておりまして、それの解決する手段の一つとしてLRTについても位置づけたところでございます。

 

福田くみ子議員再質問

 そういうふうに大きな課題として位置づけているということは間違いないですか。ということは目的の一つというふうに捉えてよろしいですか。

 

総合政策部長

 ご指摘の通りだと思います。

 

福田くみ子議員再質問

 午前中の荒木議員の質問のご答弁にもありましたけれども、この渋滞解消ができるかどうか、この効果が明らかでないということが、これまでの論戦の中で明らかになってきたと思うのですけれども、先ほどのご答弁でも、これから精査していくというお話でした。いまだに明らかになっていないというふうに捉えてよろしいですか。

 

総合政策部長

 現在、道路の中の、どのようにLRTが場所を走るのか、それから交差点の処理をどういうふうにしようか、それから信号の処理をどういうふうにしようか、まず市の素案として整理をしている段階でして、今後、道路管理者あるいは県道を通るものですから、県道管理者とか、いろいろな方々と協議をしながら、最終的にはまとめていく予定でございます。現時点では、今素案を市がまとめている段階でございます。

 

福田くみ子議員再質問

 道路を拡幅する可能性はという質問に対しましても、今後、道路の使い方、どういうふうにどこに引いて、どういうふうに駅を作っていくか、今後具体的にしていく、その中で、拡幅の必要性とか、そういうことについても具体的にしていくと、拡幅の必要性についても含めて具体的にしていくということでよろしいですか。

 

総合政策部長

 現在様々な可能性を検討しておりまして、そういったことも含めまして検討している段階です。

 

福田くみ子議員再質問

 事業費はこれから増大していく見込みがあるのか、これに対しても、今後精査していくというご答弁でした。今の計画でも、駅東の計画、260億円、それにプラスしてこれから芳賀まで延伸していく、またそれの需要見込みの一つとして、確実な見込みとして、一日に8000回ぐらい、これは市民の数に直すと、往復で8000人ですから、つまり4000人ですよね、利用する方は。そういうことに対して、これから事業費もどこまで含まれるか分からないわけですけれども、かなり大きな事業費をかけるということは間違いないと思うのです。具体的に一つお聞きしたいのは、広大なトランジットセンターなどの図がパンフレットには書かれています。このトランジットセンターの敷地やその他の関連事業費についてというのは、今どんな検討がされているのか、教えてください。

 

総合政策部長

 トランジットセンター等の関連施設につきましても、一番基本となりますのは、どれだけのお客さんが乗ってくれるか、それで、どれだけの車両が必要になってくるのか、どういった誘導柵を設けるのか、そういった総合的な検討が必要でして、最終的に、国のほうに特許を申請する計画の中身をまとめていく、そういったものを法定協議会のほうに市としての素案を出していきたいと思っておりますが、その段階までには明らかにしていきたいと思っております。

 

福田くみ子議員再質問

 物を作ったり、事業を行う時には、一般的には市場調査をして、需要があるものを作ると、もう一つは、良い物を作ったからどうぞ買ってくださいという二つ。一つ目はマーケットインというのだそうです、二つ目はプロダクトアウトというような話を聞きましたけれども、宇都宮市のやり方は、いい物を作ったから買うべきですよ、作るからどうぞ乗ってくださいというやり方なのだなというのを感じます。民間の事業だったら、こういうこともありだと思うのです。それでやっぱり買ってもらえなかったなということは責任は明確に会社にあるのだと思うのですけれども、民主主義と住民自治という観点からすると、本当に、こういう公共事業には、このプロダクトアウトという手法というのは、私は不向きだと思います。

 先ほどの質問の中で明らかになってきたのは、一つは目的に沿うかどうか、効果があるかどうか、という検証がまだ不明確である、それから、事業費もどこまで膨らむのか、まだ検討段階である、そして、その赤字を補填するかどうか、そういうことも不明確である、そういうことを諸々考えていくと、いかにこの事業がずさんな事業で、ずさんな計画だということを私は感じざるを得ません。そしてやっと机上の計算から市民の方の、利用者の方に軸足を置いた実態調査、それが子の間の企業への調査だったというふうに思っているのですけれども、市長はもう着工する時期まで公表しているのです。本当にこれは拙速なやり方だと思いますけれども、詳細なことについては、「これからだ・これからだ」という事業というのは、私は勧めるべきではありません。そういう段階での着工の時期まで明確にして、市民置き去りの市政運営はぜひ改めていただきたいと申し上げて次の質問に移りたいと思います。

 

福田くみ子議員

 次に社会保障と国民健康保険をめぐる問題について質問いたします。

 戦前の1938年に成立した国民健康保険法は、相互扶助の精神が盛り込まれていましたが、1957年には国民皆保険計画が発足し、1958年には国保法が全面的に改正され、1961年から国民皆保険体制が整備されました。これ以来国保は、「相互扶助」から「社会保障」へと発展をしました。国保は、国民皆保険制度を支える役割を担っています。国保があるからこそ、皆保険が成立しています。他の公的医療保険の対象とならない人はすべて国保に加入することとなっていて、無業者や高齢者が多いと言った特徴があり、負担能力が高くない人が多く加入しています。そこで、国保法に基づき「国保は社会保障の一環である」と言う視点から国保行政をすすめることをまず確認したいと思います。市長のご見解を求めます。

 

保健福祉部長

 国民健康保険は、国民健康保険法第1条に規定されておりますとおり、社会保障制度であり、社会保障制度改革推進法や社会保障制度改革国民会議の報告書にも示されておりますとおり、社会連帯の精神に基づき、共同してリスクに備える仕組みで、社会保険方式で運営することを基本とする相互扶助の制度であります。

 

福田くみ子議員

 さて、国民健康保険の被保険者世帯は、雇用環境の悪化と、団塊世代の定年退職などにより、構成世帯が大きく変わり低所得層の割合が大きくなったこと、同時に国や県の定率負担が、削減されてきたことが原因で、国保財政は逼迫、被保険者の保険税の過重負担という問題を引き起こしています。ですから、安定的かつ持続的な国保運営のためにも、国保税負担を抑制するためにも、国の定率負担を1984年の水準にもどすことを含め、定率負担の大幅引き上げを国に求めるべきではないでしょうか、市長の見解を求めます。

 

 

保健福祉部長

 昭和59年に国の定率負担の引き下げが行われたところでありますが、これは退職者医療制度が創設されたことに伴うものであり、新たに被用者保険からの交付金が交付されることになりましたことから、実質的な交付水準は維持されております。

 

福田くみ子議員

 さて、今議会には来年度からの国保税の税率改定の議案が提案されております。平均で6,2%、所得200万円で夫婦と子どもの3人の世帯で現行税額318,400円が、343,900円となり25,500円の負担増になります。実に、所得に対して12,4%もの税負担です。

来年4月からは、消費税が5%から8%に上がります。同様のモデル世帯で、消費税増税による負担増は、年間数万円にもなるとの試算です。多くの国民が景気の回復を実感できない上に、消費者物価の上昇、消費増税と言うタイミングでの国保税の増税は、負担の大きさに耐えられなくなる被保険者世帯が急増することは、容易に予測されるところです。2つの増税による負担増で、滞納が増え、医者にかかれない世帯が増えるなど国民皆保険の崩壊が進むこと、さらには、地域経済への悪影響も懸念されますが、市長の見解を求めます。

 

保健福祉部長

 国民健康保険税の税率改定につきましては、国民健康保険運営協議会におきまして、被保険者の負担額や保険料水準を十分考慮し、慎重に協議をいただいた結果、「税率引上げ」との答申をいただいたところであり、本市の税率改定後の保健税額につきましては、中核市平均や県内市町村平均を下回っている状況にあります。

 

福田くみ子議員

 また、消費税率5%から8%への増税による増収分5,1兆円のうち500億円を国保税の25割の法定軽減の拡充に当てるとのことです。これによって、宇都宮市では、2割軽減、5割軽減世帯はそれぞれどれくらいふえると見込んでいますか、明らかにしてください。

 

保健福祉部長

 国の試算によりますと、新たに2割軽減に該当する世帯と、2割軽減から5割軽減に拡充となる世帯はそれぞれ約200万人ずつ増加すると推計されており、本市におきまして、これを被保険者数の比率で算出しますと、それぞれ約7,500人が増加するものと見込まれます。

 

福田くみ子議員

 この項の最後に、国保広域化された場合の保険税について伺います。2010年の通常国会で国民健康保険法が改正され、都道府県による国保広域化支援方針の策定が盛り込まれました。そこで、広域化のねらいとメリット、デメリットについて市長は、どのように考えているか伺います。

 

保健福祉部長

 国の広域化等支援方針によりますと、広域化のねらいとメリットにつきましては、保険財政の安定化と保険税の平準化が図れることとされております。

 しかしながら、市町村ごとの医療費や保険税水準が異なりますことから、調整の必要性が指摘されており、全国市長会からも国に対して、財政基盤の強化を図り、都道府県と市町村の適切な役割分担のもと、持続可能な制度となるよう、要望しているところであります。

 

福田くみ子議員

 厚労省は、国保広域化に当たって、保険料の算定方法を法令で定め「都道府県単位の運営主体において、一般会計からの繰り入れを行う必要は生じない仕組みとする」としています。県単位化することで、法定外繰り入れは無くなるのか、保険税は上がることは無いのか、あがるとすればいくらあがるのか明らかにしてください。

 

保健福祉部長

 国におきましては、一般会計からの繰入や保険税の算定方法など具体的な内容につきまして、今後検討されると伺っております。

 

福田くみ子議員再質問

 一つだけ明快にお答えいただきたいのですけれど、国保法の第1条には、社会保障及び国民健康に寄与するために国保がある、運営されるべきだというふうに書かれているというふうに認識していますけれども、国保法の中には、そのように書かれていると、それは共通認識と捉えてよろしいですか。

 

保健福祉部長

 その通りだと認識しております。

 

福田くみ子議員再質問

 国の負担の問題ですけれども、定率負担の分が削減をされてきたのが、今の財政を大変不安定にしていると私は申し上げたのです。いろんな付け替えがあったことは確かなのですけれども、この定率負担というのは、やっぱり財政を安定的に、継続的に運営していくためには、大変重要だと私は思っています。定率負担について削減されたのは間違いないか、そこだけちゃんと答えていただけますか。

 

保健福祉部長

 59年に国の定率負担が下がったというか、ご質問の意図は、医療費全体に対して、これまで50%の国負担があったものが、59年の見直しによりまして、医療費全体から自己負担分の3割を引いた残り7割に今度50%という形になったということでございまして、先ほどご答弁申し上げましたように、これは退職者医療制度が創設されたことに伴うということでございまして、新たに被用者保険からの交付金が、療養給付費交付金という形で入っております。このような形が交付されておりますので、実質的な交付水準は維持されていると考えております。

 

福田くみ子議員再質問

 定率負担の考え方について聞いているのです。やはり全体の医療費に対して、40%だったのが、これが、保険給付費というのは全体の医療費の7割になるわけなのですけれども、それに対して40%というふうに定率負担が変わったというのは間違いないですか。よろしいですか。

 

保健福祉部長

 医療費全体に対して、これまで45%の国負担だったものが、議員のご説明のように、医療費全体から自己負担分を除いた残り7割に対して50%は変わりましたが、先ほどの答弁のとおり、それは、医療費給付費交付金という形の中で交付されておりますので、実質的な水準は維持されていると考えて降ります。

 

福田くみ子議員再質問

 なかなか認識が一致しないので、またこれは常任委員会のほうでやりたいと思いますけれども、国全体の医療給付費、地方に出している医療給付費というのは、1984年当時は約10兆円あったのものが、今約1兆円減っているそうです。そういうことから考えても、必ずこれは減っているはずなのです。そのへんを国に求めていかなければ、国保は安定した運営にはならないと考えています。

 宇都宮市でも平成22年から、新しい基準による法定外繰入れという事を始めています。これはそもそもどういう目的で繰入れが始まったのでしょうか。確認をさせてください。

 

保健福祉部長

 議員のほうのご質問にもございましたように、国保の財政につきましては、構造的な問題をはらんでおります。例えば、以前は、自営業者であったり、農林業者がたくさん入っておられた制度でございますが、近年にかけましては、非正規労働者とか年金受給者、そういう方々が入っておりまして、そういった構造的な問題を解消するために入っているものもございますし、障がい者の現物給付に伴う国のペナルティ相当の分も入っておりますし、今回の国民健康保険の運営協議会におきましても、今後市民の健康づくりに資する、そういった視点での一般会計の繰入れになっております。

 

福田くみ子議員再質問

 つまりそういう低所得者層が多いことによる福祉的な繰入れというふうに考えていいかと思うのです。その時と比べて、被保険者の経済状況とかは良くなっているとお考えですか。

 

保健福祉部長

 経済状況云々といいますと私もよく分かりませんですが、国民健康保険の運営協議会におきまして、今回の保険税率の改定につきましては、先ほどご答弁をさせていただきましたけれども、今回の改定にあたっても、中核市平均さらには県内市町村の平均を下回っているということでございまして、国保の被保険者の負担も十分可能であると、そのような形のご意見もいただいた結果だと思っております。

 

福田くみ子議員再質問

 そういうご答弁だったら、これから滞納者が増えたり、それから一番大事なのは、医療を受けられない人が増えるようなことはないとお考えですか。

 

保健福祉部長

 先ほどご答弁申し上げましたとおり、運営協議会におきましては、国保、被保険者の負担も可能であるというご意見もいただいております。また同じ国保運営協議会の委員からも、負担やツケを先送りすれば、その分余計に増税しなければならなくなる、そういったご意見もいただいた結果でございます。保険税額につきましては、中核市平均や、県内市町を下回っている状況でございますので、そのように受け止めております。

 

福田くみ子議再質問

 先ほどから部長の口から運営協議会答申をいただいたというところが、逃げ道になっているような印象を受けざるを得ません。やっぱり保険者は宇都宮市だと思います。私は宇都宮市の国保の被保険者を含めた全ての人たちが、すべて必要な医療がきちんと受けられる制度にするためにはどうあるべきか、という事を、宇都宮市が責任を持って考えていく、それが政策だと思います。すべて運営協議会のせいにするのはいかがかなと思いますのでそのへんだけ申し上げて次の質問に移ります。

 

福田くみ子議員

 次に、生活保護費引き下げの影響と本市の対応について伺います。本市の生活保護受給世帯数は、リーマンショック前の2007年と比べ1.5倍を超えており、デフレ不況が続く中で生活が維持できない厳い状況に陥る世帯はいまだ増加傾向にあります。

このような中での今回の生活保護費削減は、食費や光熱費など日常の暮らしに欠かせない生活扶助費の基準を今年8月から3年かけて引き下げ、扶助費670億円、6.5%を減額するというものです。減額対象は受給世帯の96%にのぼり、最大では10%、とりわけ多人数世帯である子育て世代に影響が大きいとのことです。

こんどの引き下げで、40代の夫婦と小・中学生の4人世帯で、月額でいくらの引き下げになるのか、こうした子育て世帯への影響をどのように受け止め、どのように対応するのか市長のご見解を伺います。

 

保健福祉部長

 一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか見極めるため、「全国消費実態調査」などを基に検証を行い、地域差や近年の物価動向を勘案し、生活扶助基準の見直しを行ったところであり、また、激変緩和の観点から、3年間をかけて段階的に最大10%の減額を行うとしたところであります。

 生活扶助費引き下げ額について、40代夫婦と小・中学生の4人世帯につきましては、改定前の平成257月における月額182,040円に対しまして、最終年度である平成274月におきまして、163,830円と18,21010%減額になるところであります。

 

福田くみ子議員

 影響は受給者だけに止まりません。それは、低所得者の暮らしを支えている国や地方自治体のさまざまな制度の適用対象の「目安」として連動する仕組みとなっているためです。

非課税限度額の改定については、来年4月からの消費増税を踏まえ、2014年度は改定見送りの方針が決まったようです。とはいえ、1年先送りされるだけで、ことの本質は変わりません。影響を受ける制度は、小中学生への学用品代や給食費を支給する就学援助、保育料や医療・介護の保険料の減免制度など数十にも上ると言われています。最低賃金も生活保護基準を下回らないことが、法律で明記されています。生活保護費の削減は、地域経済へも大きく影響するといわれる所以です。

厚労省では、今年520日の全国係長会議では、「他制度への影響は、各自治体で適切に判断して対応する」ようにと、地方自治体に課題を押し付ける無責任な説明をしています。本市での来年度以降影響を受ける制度はどれくらいあるのか、また、どのように対応するのか市長のご見解を伺います。

 

保健福祉部長

 国におきましては、生活扶助基準の見直しが他の様々な制度の運用にも関わっており、他の制度への影響に配慮が必要でありますことから、できる限り、その影響が及ばないことを基本に対応を行うこととしております。

 現時点で、本市におきまして、生活扶助基準と関連がある制度は、国民健康保険の申請免除の要件など47件あり、そのうち、来年度以降影響のあるものが20件程度であり、その取り扱いにつきましては、制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、サービスの質の低下とならないよう検討を進めているところであります。

 

福田くみ子議員

 とりわけ、こんどの引き下げで大きな影響を受けるのは、保護受給者も含め、子育て世代です。本市の就学援助制度は、保護受給世帯と保護基準の1,3倍以下の所得の準要保護世帯が対象となっています。子育て世代の厳しい生活状況を反映して、就学援助を受ける世帯が増え続けているにもかかわらず、2011年度から、対象となる世帯の所得基準が1,5倍から1,3倍に大きく引き下げられたばかりです。アベノミクスで、株価はあがっても給与所得は一向に回復の兆しは見えてこない中での、度重なる制度の縮小は、多くの子育て世帯を困難に追い込むことになります。そこで生活扶助基準の引き下げによって就学援助の対象から外れる人は、どれくらいいるのか、また、影響を受ける世帯に同様の援助が必要と考えますが市長の見解を求めます。

 

保健福祉部長

 今回の国の生活扶助基準額の見直しにつきましては、これまでの基準額に、近年のデフレ傾向が反映されていなかったことから、適正化を図ったものであり、また、受給されている方の生活水準が、急激に変化することのないよう、影響を一定程度抑えるため、3回に分けて段階的に行うとしたもので、最低限度の生活に必要な額に設定されているものと考えております。

 「就学援助制度」における「生活扶助基準の見直しにより対象外となる児童生徒数について」でありますが、本年7月現在の就学援助認定者3,523人を対象に、新しい生活扶助基準を反映させて試算したところ、対象外となる児童生徒は16人であり、これは、認定者全体の0.45パーセントとなります。

 また、本市の就学援助制度につきましては、生活扶助基準と関連がある他の制度と同様に、制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、その取扱いについて検討しているところであり、「影響を受ける世帯への援助の必要性」につきましても、この中で検討を進めているところであります。

 

福田くみ子議員再質問

 就学援助のことについて伺います。影響を受けて制度から外れる方が今のところ16人というお話ですけれども、16人の方への就学援助の費用というのは、いくらぐらいになるかお分かりでしょうか。

 

教育次長

 大体、世帯の所得にもよりますけれども、援助する額というのは6万円から10万円ぐらいの経費を援助していると計算されます。

 

福田くみ子議員

 そうすると例えば10万円だったとしても、16万円だったら160万円万円ですねという話ですけれども、額が問題ではないのですけれども、子育て世代は食べ盛りの子どもを抱えて、これ以上切り詰められない、一体どこを切り詰められたらいいのか、という声が聞こえてきます。子育て世代の受給者は、大体親が病気だったりとか、働けないなどの世代が多いかなと思うのですけれども、午前中の質問で、生活保護の子どもたちへの学習の支援のお話がありました。就学援助というのは、そこからちょっと上のボーダーの世帯も対象になるわけなのです。私は宇都宮の財政力をもって、この16名の人たちが救えないはずはないと思うのです。この制度だけではなくて、いろんな支援策があるかと思うのですけれども、やはり要になる就学援助制度、この額の引き下げが、これによって行われないような方向で検討していただきたいとお願いを申し上げます。

 

福田くみ子議員

 次に寡婦控除のみなし適用について伺います。死別や離別によってシングルマザーになった女性に適用される寡婦控除が、非婚の母に適用されないのは、不合理であることは、一目瞭然です。

2011年の全国母子世帯調査によると、母子世帯の平均年間就労収入は、死別世帯256万円、離婚世帯176万円、非婚世帯160万円と、非婚の母子世帯の生活がとりわけ困難なことを物語っています。また、親世代の経済格差が、子ども世代に再生産されることは、これまでの実態からも問題視されており、1日も早い対応が求められています。そこでまず、本市の場合非婚の母子世帯は、何世帯くらいあるのか伺います。

 

子ども部長

 平成253月末の児童扶養手当の受給資格認定者における非婚の母子世帯数は、377世帯であります。

 

福田くみ子議員

また、寡婦控除の有無によって負担に差が出てくるのは、本市の場合、住民税、所得税、保育料、市営住宅の家賃が考えられます。たとえば、保育料の場合、年収200万円、2歳の子どもを扶養しているケースだと年間いくらの負担額の差が出るのか伺います。また、みなし適用を行った場合、対象となる世帯は、それぞれ何世帯くらいあるか伺います。

 

子ども部長

 2歳の子を扶養している年収200万円の方で、社会保険料等の一般的な額を控除した場合、約21万円となっております。

 また、現在、保育園に入所している非婚のひとり親家庭の中で、寡婦控除をみなし適用した場合に、保育料が減額となる世帯数は、23世帯となっております。

 

福田くみ子議員

最後に、一刻も早い本市独自の非婚の母子世帯への寡婦控除のみなし適用について、また、国に対し、非婚の母親に寡婦控除が適用となるよう税制改正を求めることについて市長のご見解を伺います。

 

子ども部長

 今井議員のご質問にお答えいたしましたとおり、寡婦控除は、社会状況の変化に応じ、順次その対象が拡大されてまいりましたが、非婚のひとり親につきましては、適用対象外となっているところであり、本市の保育料につきましても、寡婦控除は適用していないところであります。

 このような中、国の「社会保障審議会」におきまして、ひとり親家庭の支援策のあり方が、論議されており、今年8月に公表された中間とりまとめの中で、寡婦控除が適用されない非婚のひとり親家庭の保育料が高くなるとの問題提起に対しては、寡婦控除事態を見直すべきとの意見や、みなし適用を望む意見があったが、寡婦控除の趣旨や考え方に留意する必要がある旨の提言がなされているところであります。

 また、「子ども・子育て支援新制度」における保育料につきましては、国の「子ども・子育て会議 基準検討部会」におきまして、今後具体的に検討されることとなっておりますことから、本市の保育料につきましては、国における議論や検討結果を踏まえ、本市「子ども・子育て会議」の中で議論をいただきながら、みなし寡婦控除適用も含め検討してまいります。

 また、国への税制改正要望につきましては、国の議論や動向を見守ってまいります。

 

福田くみ子議員再質問

 端的にお答えいただきたいのですけれども、婚姻歴のあるなしで、今の制度上の不公平というのは、明らかだと思うのですけれども、市長はどういうふうにお考えになるか。

 

子ども部長

 税制度と思いますけれども、税制度そのものにつきましては、国のほうで、検討すべきものと考えておりまして、市のほうで独自に変更できるものではないと考えておりますので、その問題に対しての言明する立場にはないと考えております。

 

福田くみ子議員

 国のほうにお任せするということなのでけれども、今ある税制度によって、宇都宮独自の策で不利益も受けているわけです。実際に。保育料がこれだけ高い、年間ですと21万円、それに、住民税、所得税、調べましたところ、住民税が70,200円、所得税だと29,500円、控除がないとかかるのです。合計でと、99,700円です。それに先ほどの21万円を加えると、約31万円ほどの負担があるわけです。逆に今度は寡婦控除を受けている方は、年間、所得税が12,000円かかるだけなのです。約30万円もの差があるのです。これは、税制そのものは国が変えるものです。だけれども、自治体として、要望はできますよね。実際にこういうふうに不利益を受けている人たちがいるのです。だから直してくださいという、それはできるのだと思います。それも国の動向を見て何もやらないというのでしょうか。

 

子ども部長

 税の制度そのものの問題でございますけれども、実際に国の税制調査会で、寡婦控除を含めた控除全体、いわゆる所得控除のあり方という部分で、それぞれの個人のライフスタイルに関係なく中立的な立場でという、そういった議論が実際になされております。現在国のほうで、今後の所得控除のあり方というのが、議論されているという状況にありますので、今回につきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、国の動向を見守ってまいりたいということでございます。

 

福田くみ子議員再質問

 大変悲しい答弁でがっかりいたしました。自治体というのは国と対等なわけです。だからこそ、自治体というのは、そこに住んでいる住民の方たちの福祉の向上のためにいかにあるべきか、それが政策だと思います。そういうことが現に今起こっているのにもかかわらず、税制が悪いからしょうがないのだという立場だととらえますけれども、それでいいですか。

 

子ども部長

 先ほど答弁で申し上げましたように、保育料の問題につきましては、実際に今国のほうの「子ども子育て会議」の中で、利用者負担のあり方についての検討がされているという状況でございます。保護者負担の部分についてどうするかという質問でございますけれども、その中では、やはり所得の少ない人に対する、どういう対応をするのか、そういったものもこれから議論になってくると聞いております。そういったことから、その中でどんな結果が出るのか、そのへんを見た上で、市のほうとしてこれから適用の内容等、どういう方について負担を少なくしていくのかとか、そういった部分の内容についても検討していくと考えております。

 

福田くみ子議員再質問

 私は自治体としての自立性・自主性の問題で質問しているのです。非婚の母となることそのものが、すごく重大な決断だと思うのです。今どんなに子どもが大事だと思って非婚のまま子どもを産むことを選択した女性というのは、ある意味貴重な存在だと思います。今少子化が進む中で、そしていろんな虐待の事件が起こる中で、やっぱり子どもは大事という視点から、自ら子どもを1人で育てていこうという決断をした女性に対して、自治体はもっと暖かくあるべきだと思いますので是非早急に検討をしていただきたいと要望申し上げます。

 

福田くみ子議員

 次に保育をめぐる問題について質問いたします。

まず1点目に待機児童の定義について質問いたします。横浜市の待機児童がゼロになったとの驚きのニュースによって待機児童の定義について自治体によって解釈にばらつきがあることが、浮き彫りになっています。宇都宮市では、今年4月時点で2年連続で待機児童がゼロと公表されていますが、9月の厚生常任委員会の際の質疑で、認可外保育所に通う児童、一時保育の児童は待機児童としてカウントしていないことが明らかになりました。

認可外保育所は、認可保育所に入りたくても入れずやむなく預けている人もいるはずです。また、補助金は年々減少し認可園と比べて保護者負担金も重いのが現状です。

また、一時保育でもやむなく一時保育でしのいでいる、あるいは入所できなかったために育休を延長する人などもいると聞いています。これらの児童は、当然待機児童に含めるべきではないでしょうか。市長のご見解を伺います。

 

子ども部長

国の「待機児童の定義」におきましては、保育所への入所の申込みがあった児童のうち、「保育に欠ける要件」があるにもかかわらず、保育所に入所できていない児童を対象とし、「認可外保育施設において保育されている児童」や「特定保育、いわゆる一時保育をされている児童には含めないこととされており、本市における待機児童は、その定義に基づき、算出しているところであります。

このような中、国におきましては、自治体ごとに「待機児童の定義」の解釈に一部ばらつきがみられることを課題として捉え、「子ども・子育て支援新制度」の導入にあわせて、その定義を見直すこととしており、本市といたしましては、その動向を踏まえながら対応してまいります。

 

福田くみ子議員

 次に小規模保育事業の認可基準について伺います。安倍政権が「待機児童解消加速化プラン」の柱に位置づける小規模保育事業の基準案が先に取りまとめられました。小規模保育は、定員6から19人で原則0から2歳の保育を提供する事業です。保育所が運営する少人数の分園の移行を想定したA型、「保育ママ」のC型、中間のB型の3類型が示されています。A型は、保育者全員が有資格者ですがB型は、半分が無資格でもよいとされ、C型は、研修を受ければ資格は必要ありません。基準を緩和したことについて、厚労相は、「低年齢が対象」「保育所と連携を前提としている」と正当化していますが、保育施設の死亡事故の多くが0から2歳児に集中している

事を見ても、見過ごせない緩和です。

 厚生労働省の発表によると、2010年から2012年までの3年間の0から2歳の保育所での死亡事故は、認可園では13件、無認可園では31件で、無資格者の多い無認可園で

の事故が圧倒的に多くなっています。2010年に郡山市の無認可園で起きた死亡事故は、当時1歳の幼児がうつぶせ寝の状態で放置、それだけでなく、頭から足まで、子ども用の毛布をかぶせ、さらに折り重ねた大人用の毛布が頭に載せられていました。「赤ちゃんの急死を考える会」の小山義夫さんは、過去3年間の死亡事故について「明らかに保育の専門性の欠如や社会常識が欠落した人的状況下で起きた事故が含まれている」と指摘しています。

市内の認可保育園では、発達障害が疑われる子どもに、「認定を受けないならば、転園を」迫っているとして、トラブルとなっているようですが、こういった子どもへの対応についても、保育士としての高い専門性が求められています。

 面積基準についても、小規模保育を含む地域型保育事業全体が、地域の実情に応じて決定できる「参酌基準」とされており、自治体任せです。屋外遊技場は、代替地があればよくビルの一室でも実施することができます。

 こうした基準の緩和は、保育の質の低下につながる問題と考えますが、市長はどのように受け止め、どのように対応する考えか、ご見解を伺います。

 

子ども部長

 子どもの健全な育成を図るにあたり、保育を必要とする子どもに適切なサービスを提供するためには、保育の質を確保することが重要であると認識しております。

 小規模保育事業につきましては、「子ども・子育て支援新制度」におきまして、市町村が認可する事業として新たに創設されるものであり、その基準につきましては、国の「子ども・子育て会議」の中で保育の質の確保や、既存の事業者の新たな制度への以降のしやすさなどについて議論され、現在の案が提示されたところであります。

 本市におきましては、主に、認可外保育施設からB型の小規模保育事業への移行が想定され、職員の配置基準は、現在の認可保育所に求められる基準に1名を追加配置するとともに、保育士を職員数の2分の1以上にするなど現在の認可外保育施設に求められている3分の1以上の基準を上回る内容が盛り込まれております。

 さらに、認可や給付の対象となり、権限に基づく指導・監督など行政が関与する機会の増加や、公費による継続的な収入が見込まれ、運営の安定化が図られるものと認識しております。

 今後につきましては、国から示される基準の内容等を踏まえ、本市の「子ども・子育て会議」におきまして議論をいただきながら、市としての基準を検討してまいります。

 

福田くみ子議員再質問

 待機児童の定義について伺います。これまでも保育園の整備が希望者の増加になかなか対応できなかったというのは、やはり、本当の意味での需要調査というのがやられてこなかったからかなと認識しています。その中で今、認可外は含めないというご答弁ですけれども、国の待機児童の定義を見てみると、そのおっしゃっているところは、地方公共団体における単独保育施策(いわゆる保育室、家庭的保育事業に類するもの)において保育されている児童とありますけれども、そこの部分を根拠としておっしゃっているのでしょうか。

 

子ども部長

 「やむをえない事由により、保育所以外の場で適切な保育を行うために実施している」という中で、今の基準というか、要件が入っていると認識しております。そういった意味で、只今申し上げました、「やむを得ない事由により保育所以外の場で」というそこの部分に該当すると考えております。

 

福田くみ子議員再質問

 「やむを得ない事由」というのは、私の推測ですけれども、他に保育所がなかった、

あるいは、認可園に申し込んだけれども入れなかったという人が含まれているとおもうのですけれどもいかがですか。

 

子ども部長

 認可外に入っているか方、確かに議員がおっしゃるような方も含まれている可能性というのは十分にあると思っています。ただ、待機児童そのものにつきましては、今どういう状態にあるかということを、全国的な一律な標準の中で、数を出しているという状況でありますので、待機児童そのものは、国のほうの基準の中で取り扱っているということでございます。

 

福田くみ子議員再質問

 全国一律というのは、このペーパーですけれども、それでも実際に実情を調べてみると、いろんな温度差があるというのが、今度の調査で明らかになってきていると思うのです。横浜などでも、急にあんなに待機児童がいたのに一気にいなくなったというのは、まさにこの定義の違いによってカウントの仕方がかなり変わって、絞り込まれたというのが実態としてあるわけなのです。それを考えると、本当の意味での保育の需要というものをつかもうとすれば、私は、そういった方々もきちんと待機児童としてカウントしていかなければ本当の需要というのはつかめないと思います。ましてや認可外の保育園に預けている世帯では、本当に高額な保育料の負担もあります。また先ほどのような、私の調べたとことによりますと、認可外の保育所の中で、有資格者の割合を調べてみましたけれども、今のところ、そこで保育に従事している方が102人、有資格者がそのうち40人というところが出ています。認可保育園でも、先ほどの調査にもあったように、専門性がどれだけ高いかということが、今の子どもたちへの対応を具体的に直面した時に、かなり差が出てくるのを私は感じています。先ほども言いましたけれども、今宇都宮市で起きている問題、いわゆる学習がいとか、発達障害とかがあるお子さんへの対応というのは本当に専門性が求められていると思うのです。そこのところをきちんと手当てをすることで、学齢期に達したお子さんたちが落ち着いて授業が受けられる、きちんと育ちが保障されるというところに私はいくのだと思っております。

 そういう意味でも、「認可外」ということではなくて認可保育園を整備するという立場に立った保育所整備のあり方というのが私は大事だと思いますし、求められているのだと思うのです。 新制度ですけれども、新制度のほうに移行すると、今度はこういった認可外の保育園に行っているお子さんに対しても、いろんな直接契約制度が導入されたりで、多様なところはあるけれども、たくさんのお金を払えばいい保育は受けられるけれども、そうじゃない人はこっちで頑張ってくださいと、そういう状況が必ず起きてくると思いますので、今後も認可保育園を整備するという立場に立って整備の計画を立てていただきたいと思うのですけれど、最後にご答弁お願いします。

 

子ども部長

 これまで宇都宮市といたしましては保育所の整備計画というものを定めまして認可保育所の整備を進めてきました。現在、新たな制度に変わるにあたりまして、ニーズ調査ということで、市民の皆様が、どういうサービスあるいは、保育所に対する希望持っているのか、そのためにどれだけの整備をしなければならないのかというのがまず基本になります。そこに先ほど申し上げました小規模保育等の地域の中で一定の供給体制が必要だという部分を補完するというかそういった意味合いでそれぞれの市民の方が求めるサービスを選択できるというそういった制度になると考えておりますので、保育所の整備等、基本的に認可保育所の整備ということでは考えております。

 

福田くみ子議員

 次に学校への監視カメラの設置について伺います。9月議会において、学校の安心安全対策として防犯カメラの設置が検討されているとのことが明らかにされました。全国では、都市部など一部の学校で、設置されてはいるものの、一定の犯罪抑止力は認めつつも教育的観点や、費用対効果への疑問などから設置に反対の声が多いことも事実です。 

学校という安全であるはずの狭い空間の中で、カメラで監視されるのは異常です。日常的に撮影され記録されるのは、「不審者」ではなく子どもや教職員であり、保護者や来校する市民の姿です。確かに、犯人探しには役立つかもしれませんが、成長期の柔らかな心の子どもの心に与える影響は、計り知れません。「みだりに撮影されない自由」つまり肖像権やプライバシーの観点から慎重にあるべきです。

費用対効果の点でも慎重な検証が必要です。

 品川区では、小中学校52校に326台、1校あたり5台から6台の防犯カメラが設置されていますが、設置費用は1台約150万円で、総額約4億8900万円、耐用年数は、5年から10年で、一大公共事業となっているとのことです。そのほか、日常的にデータ管理の手間や、維持費もかかります。不審者の侵入防止に数台のカメラを設置したところで、死角からの侵入は可能ですし、突発的に無差別に暴行を加える人にとっては、まったく抑止力にはなりません。むしろ、効果よりもリスクのほうが大きいと考えますが市長および教育長のご見解を伺います

 学校での安心・安全は、人の目でこそ守れるのではないでしょうか。また、人の目で守ることこそ教育的効果も期待できるのではないでしょうか。現在本市の小中学校には、学校業務職員はグループで動く機動班に編成され、日常的に各学校には半日のみの嘱託職員が配置されています。学校業務職員を以前のように終日学校に配置すれば、格段に人の目の守りは厚くなります。監視カメラは、人と人の絆を壊しかねませんが、地域の人や子どもたちともコミュニケーションの取れる生きた人の目を配置することで、絆は強まりひいては犯罪の抑止力にもなるのではないでしょうか?市長および教育長のご見解を伺います。

 

教育次長

 本市におきましては、教職員による坑内の巡回や来校者への声かけ、施錠の徹底など、日常的な安全確認を行うとともに、学校支援ボランティアの活用や、学校協力員に非常時の警察への通報を依頼するなど、地域と学校が連携した「人の目」を中心とする安全対策に取り組んでいるところであります。しかしながら、昨今、休日の建物への侵入や器物損壊の事件が発生していることから、より効果的な対策が求められており、全国的にも防犯カメラを設置する市町村が増えております。

 なお、学校業務職員につきましては、清掃や除草、学校行事の補助など、軽易な作業を行っておりますことから、現在の作業量から判断いたしましと、半日の勤務が適当であると考えております。

 今後とも、これまでの「人の目」による安全対策の取り組みを引き続き行うとともに、防犯カメラの設置なども含めたより効果的な防犯対策の実施につきまして、検討してまいります。

 

福田くみ子議員再質問

 人の目を厚くする方向でぜひ検討していただきたいと強く思うわけですけれども、カメラを設置しても必ず死角は生まれます。故意に何かを起こそうとする人は、いくらでもできるのです。ですから、ぜひ人の目でという方向でいただきたいと思うのです。そこで一つ質問なのですけれども、この検討は、どこでされて、最終的にどこで決めるおつもりか、そこを教えてください。

 

教育次長

 現在学校の管理を担当しております教育委員会のほうで検討しておりまして、最終的には、個人情報保護の審議会がございますので、そちらのほうにおはかりをして、答申を得た上で実施ということになると思います。

 

福田くみ子議員再質問

 この検討の際にぜひお願いしたいことがあります。現場の先生方や、保護者あるいは生徒の意見も聞くべきと思いますけれどもいかがでしょうか。

 

教育次長

 教育委員内で原案を作成する際には、そういったことにも十分声を聞いて案を固めて生きたいと思っております。

 

福田くみ子議員再質問

 特に懸念をするのは、保護者の方もいろんな方がいらっしゃいます。逆にカメラで撮ることによっていじめの防止になるのじゃないかという声も届いてきたので、私は余計に不安になっています。お互いに監視をしあうことになれば、子どもの心に与える影響は大変大きなものがあると思います。ですから保護者の方たちも交えて、子どもたちの意見も取り入れてということをぜひお約束していただきたいのですがいかがでしょうか。

 

教育次長

 先ほども申し上げましたけれども、原案を作成する際にはそういった配慮をすべき点について十分検討してその上で原案を作ってまいりたいと思っております。

 

福田くみ子議員

以上で私の質問を終ります。

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