2013.6.20
福田くみ子議員の一般質問
福田くみ子議員
発言通告に従い順次質問いたします。今回の質問は、アベノミクスで、本当に景気が良くなるのか、株価が乱高下する事態になっても強気の姿勢の安倍首相ですが、実体経済を良くする立場から、雇用の劣化を食い止め、無駄遣いをやめ、安心できる政治の実現のために、質問したいと思います。わかりやすいご答弁をお願いいたします。
市長の政治姿勢についての1点目に職員給与の減額について伺います。私は、たびたび議会で行政改革の名のもとに行われる、行き過ぎた職員削減や非正規職員への置き換えについて、結果的に市民サービスの低下を招くことや、職員が生きがいを持って働き続けることができないほどの状況に進展している状況を、心の病の増加や、長期病休率などの点から指摘し続けてきました。
私の調査によれば、職員1人当たりの人口は、10年前の2002年では、116,4人だったのに対し、2012年には、なんと150人・約1.3倍です。ちなみに、中核市の平均は、127.6人です。メンタル不調者の割合は、2002年には0.6%2012年には1.65%約2.75倍に上がっています。そのような厳しい状況を市長はどのように認識されているかまず伺います。
また、これに追い打ちをかけるような給与の引き下げは、役所全体のモチベーションを下げ、働き甲斐を損ねるものです。そればかりか、公務員の給与は地域経済に大きな影響を与えます。日本全体の一人一人の所得が上がらなければ、実体経済もよくなりません。この後の質問でも取り上げますが、だからこそ国でも公共工事の労務単価の異例の引き上げを行い、建設業界にも要請したのではないですか。
市長におかれましては、国の言いなりではなく、市民を守りその守り手である市職員の暮らしを守る、職員の給与は守りぬく強い気概をお示しいただけないでしょうか。見解を伺います。
市長答弁
まず、本市の職員数につきましては、毎年度、業務を精査し、「民間活力の活用」や、「事務の合理化」などを通じまして、正規職員が担う業務を削減する一方で、市民ニーズの変化などにより、業務量が増加した分野には増員を図るなど、毎年度、適正な職員配置に努めているところであります。
また、職員のメンタルヘルスにつきましては、本市が、今後も質の高い行政サービスを市民に提供していくうえで、職員の心身の健康の確保は、不可欠でありますことから、平成25年3月に策定いたしました、「第2次宇都宮市職員心の健康づくり計画」に基づきまして、職員が働きやすい職場環境づくりに向けた取り組みを着実に推進し、総合的なメンタルヘルス対策に取り組んでまいります。
職員給与についてでありますが、地方公務員の給与につきましては、地方公務員法のもと、各自治体が自主的に決定すべきものでありますが、このような中、本年3月に地方交付税法が改正され、職員の給与削減を前提とした、地方交付税の削減が避けられないことから、市民サービスの低下を招かないためのやむを得ない措置といたしまして、渡辺議員、郷間議員のご質問にお答えいたしましたとおり、本年7月から9か月間、職員の給与を臨時的に減額せざるを得ないと判断したところであります。
福田くみ子議員
第2に、TPP交渉参加による、宇都宮の農業と、食の安全への影響について伺います。
TPP交渉は、今の日本社会の形を変えてしまうほどその影響は、計り知れません。しかし、ここでは、農業と食の安全について絞って伺います。
TPP参加による農産物への影響について栃木県の試算では農産物9品目および林産品1品目計10品目について、生産減少額は1088億円約40%減少と発表されました。そこで、まず、本市の生産減少額は、いくらか伺います。また、農業王国宇都宮を自負する市長は、これについてどのような見解をもたれたか、宇都宮の農業のこれからの展望をどのように描かれているか伺います。次に、TPP参加で懸念されるのは、農業所得と自給率の減少ばかりではなく、安全性の問題があります。
ベトナム戦争に使用された枯葉剤を作った多国籍バイオ化学メーカー・モンサントは、農業分野におけるアメリカの世界支配をささえる企業と言われています。一方ヨーロッパでは、儲けのための知的財産権の乱用などによって、批判の的となっている会社です。
TPP参加によって、こうした巨大な多国籍企業の、これまでは日本では認められなかった遺伝子組み換えの種子や農薬の流入は避けられません。
安全な食料の確保と、自給率の向上は、安倍首相のいう、大規模化や第6次産業化では、太刀打ちできないことは明白です。遺伝子組み換えではない農作物を守り、農薬や科学肥料を使わない「いのち」の農業を核とした環境保全型の地産地消農業で食の安全を守る取り組みについて市長の見解を伺います。また、本市においても、このような観点の農業政策をすすめる事について見解を伺います。
市長答弁
「TPP交渉参加による、宇都宮の農業と食の安全への影響について」でありますが、「本市の生産減少額」につきましては、JAを通して、出荷・販売された生産額を基に、関税の即時撤廃など国が仮定した算出条件に倣い、試算した場合、米が32億円、麦が2億円、畜産関係が7億円の合計41億円の減少となります。
なお、生鮮野菜などの農産物は、関税が低く、影響が小さいことから、本市資産の対象外となっております。
「資産に対する見解及び今後の展望」についてでありますが、「農業王国うつのみや」を目指す本市にとりまして、この試算結果は、厳しいものでありますが、これまで、「生産力」、「販売力」の向上のほか、農業の大切さを理解し、守り育てていく「地域力」の向上に向けまして、「学校給食を通じた食育の推進」や「地産地消推進店を活用した地元農産物の消費拡大」に取り組んだことにより、地産地消に対する市民意識が高まるなど、地元農産物を市民みんなで買い支える環境が整ってきたものと考えております。
今後は、これまでの取組みに加えまして、「攻めの農業」といたしまして、情報通信技術を活用した「農業の高度化」や他産業との連携による「6次産業化」に取り組み、本市農業の競争力をより一層高めるとともに、「守りの農業」といたしまして、市民が一丸となって農業・農村を守る環境づくりに取り組むことにより、攻守両面から持続可能な農業の実現をめざしてまいります。
「環境保全型の地産地消農業で食の安全を守る取組み」についてでありますが、安全・安心な農産物の供給にあたりましては、特別栽培米に取り組む農家の増加や地域ぐるみで減農薬・無農薬栽培に取り組む動きが市内全域で広がりを見せておりますことから、こうした「環境保全型農業の取組み」を支援するとともに、生産工程や生産履歴情報の管理など、「安全・安心を市民が確認できる仕組み」の導入を更に進める必要があると考えております。
また、市民の皆様が、安全・安心な農産物を容易に手にすることができる環境作りが必要でありますことから、今後も「地産地消」の取組みが重要であると考えております。
「食の安全の観点の農業政策の推進」についてでありますが、市民の職の安全に対する意識の高まりを受け、食に関する「安全・安心」も付加価値の一つとなっておりますことから、引き続き、生産工程や生産履歴管理の徹底を図るなど安全・安心な農産物の安定供給に取り組むとともに、海外に対し競争力を持った農産物として、輸出にも対応できる「攻めの農業」を展開できるように進めてまいります。
福田くみ子議員
次に、誰のためのLRTかについて質問いたします。
私は、この計画にどうしても賛同できないのは、住民の理解と納得が不十分であにも拘らず、LRTありきで進められていることです。
まちづくりと一体で進めるといいながらも、市長のめざすネットワーク型コンパクトシティ形成ビジョン策定の論議はこれからですし、車社会からの脱却とはいっても、全体の交通体系が見えてこない中では、現実には車から乗り換えられるかというとそうは思えない。LRTの計画ルートのお膝元の清原でさえも少し離れれば「わざわざLRTに乗って、街に出ないよ」という声が多く聞かれるのが現状です。
広い宇都宮で、1路線の事業に巨額の税金を投入するだけの効果があるのか、納得が得られているとは思いません。事業費が半分以下のBRTでも、いいのではないか?という素朴な疑問が残っています。
なぜ、そのように性急に進めていくのか、自民党安倍内閣の進めるアベノミクスの3本の矢の一つ、公共事業にじゃぶじゃぶお金を注ぎ込む政策の地方版ではないでしょうか。
そこで、1点目に荒川副市長にお尋ねいたします。国交省では、LRTと同様に次世代型BRTを推進していますが、仮に宇都宮市がLRTではなく、BRTを選択した場合、LRTと比較して、どのようなメリット・デメリットがあると考えますか、見解を伺います。
2点目に、市長は基幹交通で拠点をつないで、ネットワーク型コンパクトシティを形成すると説明してきました。しかし、LRT計画は、3000世帯もの住宅団地清原台団地を通りません。市民の足として人にやさしい公共交通が何故、3000世帯もの市民が暮らす拠点を通らないのか。まさに市民置き去りの計画ではないでしょうか。理解に苦しむところです。そこで、現計画が清原台を通らない理由について市長の見解を伺います。
総合政策部長答弁
まず、「BRTのメリット、デメリットについて」でありますが、BRTにつきましては、LRTと同様に、道路の中央などに専用の空間を確保し、連節バスが走行するシステムであり、そのメリットといたしましては、軌道や電気施設などの整備を伴わないことから、LRTに比べ、整備費用が抑えられることがあげられます。
一方で、LRTにつきましては、朝夕のピーク時やイベント開催時などに対応した高い輸送力を備え、郊外部においては、専用軌道を走行することにより速達性の向上が可能となります。
また、停留場での乗り降りなどのバリアフリー対応や、さらには、地域の拠点化の促進など、まちづくりの効果が期待できるものと考えております。
中でも、最も大きな違いといたしましては、LRTは、JRや東武鉄道など、既存の鉄道への乗り入れによる将来的な拡張性を有しており、本市が目指す公共交通ネットワークの東西基幹公共交通として、LRTが最も適したシステムであると考えております。
「LRTのルートについて」でありますが、本市におきましては、鉄道やバス、地域内交通などのさまざまな交通手段が効率よく連携した総合的な公共交通ネットワークを目指しており、そのネットワークの要となる東西の都市軸結ぶ基幹公共交通として、LRTの導入を目指しております。
そのルートの設定につきましては、機能的な公共交通ネットワーク構築の観点から、広域的な交通の結節点であるJR
福田くみ子議員再質問
LRTについてですけれども、なかなか地元でも自治会レベルではんみんなで賛成というふうにはなっていますけれども、一人一人の意見を聞くと必ずしも本当にそうなっていない、多くの方たちがやっぱりこれじゃ乗れないよねと。宇都宮というのは放射状に今までの宇都宮はあって、それからそこ住宅が散在しているのです。そこに対して、1本軌道敷きを引くことでみんなが利用できるそして、それが都市の基幹交通としてどれだけ機能していくかという点ではまだまだ見えてこない。私自身も本当に見えてこないところですので、そういう意味では、皆さんの声をもっともっと聞いてほしい、とういうふうに思っています。
福田くみ子議員
次に公契約をめぐる問題について伺います。
まず、第1に建設労働者の賃上げについて伺います。日本共産党では、景気回復は、賃上げと雇用の確保でこそ実現するとの経済提言を掲げ、国会質問でも重ねて取り上げてきました。こう言った状況を受け、3月29日、国土交通省は前年比で、15%増とした公共工事設計労務単価を発表するとともに、建設業界団体に技能労働者の賃金引上げを要請することを発表しました。
宇都宮市では、5月28日新単価による引き上げを4月1にさかのぼって対応するとの特例措置を公表しました。
国交省の要請の内容は、技能労働者への適切な賃金水準の確保について具体的には、@法定福利の適切な支払と社会保険等への加入徹底に関する指導Aダンピング受注の排除B新労務単価の早期適用の3点です。
そこで、市長は、これらを踏まえ下請け業者の賃金にも確実に反映されるようどのような具体的対応をとるのか、伺います。
第2に公契約条例について伺います。私はこれまで、公契約条例制定を求めて2009年9月、2011年3月に一般質問で、そして、討論の際なども、折に触れ取り上げてまいりました。2009年9月に、千葉県野田市が全国で初めて条例制定にこぎつけ、これまでに川崎市、国分寺市、前橋市、山形市、秋田市、愛知県,佐賀市、札幌市など全国の自治体に広がりを見せています。
さて宇都宮市では、これまで「法整備がなされていない状況にあり、国の動向などを見守っていく」と繰り返してきました。しかし、前段の質問でも取り上げたように、国も問題意識を持って、公務労働の賃金引き上げという点で、動かざるを得ない状況になっているといえます。また、自治体においても公契約条例制定の動きが広がる中で、本市のこのような理由は、すでに覆されたのではないでしょうか、市長の見解を求めます。
さて、本市では、一部入札において2006年11月より総合評価方式を採用しています。公契約条例とこの総合評価方式は、入札にあたって、価格のみを唯一の基準とするのではなく、自治体が入札制度を通じて社会的価値を実現することに着目している点で同意義の制度と言えますが、これまでの取り組み状況と事業評価について市長の見解を伺います。
さて、公契約条例は、公正な競争・公正な労働の実現や自治体発注の仕事でワーキングプアを作らないこと、公共サービスの質の確保などを目的とし、公共調達にあたっての基本的な考え方を明らかにしたり、従事する労働者の賃金や労働条項を設けた条例です。指定管理者制度によるアウトソーシング化や、行革による職員削減・非正規化が急速に進められる中で、建設工事はもちろん公共調達のあらゆる分野で、力を発揮するだけでなく、地域の雇用の拡大、地域経済の活性化、ダンピングや談合の防止、環境や安全性の確保を目的にしています。総合評価方式を先進的に取り入れて7年、そのノウハウを生かし発展させた、公契約条例の早期制定について市長の見解を伺います。
理財部長答弁
まず、「建設労働者の賃金引上げについて」でありますが、本年度、国におきまして、技能労働者の賃金水準の確保や下請企業との適切な請負契約の促進などを目的として、労務単価が大幅に引き上げられた中、本市におきましては、労務単価の引き上げを4月1日に遡って適用する特例措置を実施したところであります。
この特例措置の実施にあたりましては、市内の全ての建設業団体により構成されている、「宇都宮市建設産業団体連絡協議会」を通じて、構成団体や各業者に対し、周知徹底を図るとともに、協議会との意見交換会の場などにおきまして、適切に対応するよう、直接、要請を行ったところであります。
今後とも、適切な賃金が確保されますよう、適宜、実施状況について意見交換などを行ってまいります。
「公契約条例の考え方について」でありますが、公契約条例は現在のところ、中核市では、高知市や川越市など4市におきまして、施行または策定中であります。
公契約条例につきましては、自治体が発注する契約において、労働者の適正な労働条件や工事品質の確保などを図るための方策の一つであると受け止めておりますが、本市におきましては、適正な労働条件は、基本的には労働基準法や最低賃金法など、労働基準法や最低賃金法など、労働関係諸法令が遵守されるとともに、本市が取り組む実効性のある対策により、確保されるものと考えております。
このようなことから、本市におきましては、仕様書による労働基準法などの遵守の義務付けや、市内業者の育成のための地域要件の設定、さらには、低価格入札によるダンピング防止策としての最低制限価格の引き上げなど、様々な対策を実施しているところであります。
「総合評価落札方式の取組と評価について」でありますが、本市におきましては、高い技術力が求められる建設工事を対象に価格面とともに、技術力を総合的に評価する総合評価落札方式を平成18年度から導入し、平成24年度末までに、148件の工事を実施してまいりました。
ご質問の「総合評価落札方式の評価」でありますが、施工能力をはじめ、市発注工事の成績評定点や「宇都宮まちづくり貢献企業認証」の取得状況などを評価項目として盛り込むことにより、技術力の高い業者が選定され、工事品質の確保による社会資本の充実が実現され、さらには市民サービスの向上に大きく貢献しているものと考えております。
「公契約条例の制定について」でありますが、自治体が独自に労働賃金などを盛り込んだ公契約条例につきましては、最低賃金法などの関係諸法令が整備されている中、これら法令と二重規定となる課題や「賃金は自治体が独自に定めるべきものではない」などの指摘があるところであります。
このような中、本市といたしましては、労働条件に係る基準は、国・都道府県・市町村に共通するものであり、国全体で統一すべきものであると考えておりますことから、今後とも、国の動向を注視するとともに、条例制定市での効果などを見極めながら、調査・研究を進めてまいります。
福田くみ子議員再質問
まず、新労務単価引き上げについてですけれども、先ほど、直接要請をしたところだというお話を聞きました。私はホームページで、「入札参加者の皆様へ」という文書がありまして見てみました。その4番のところに、技能労働者の賃金水準引き上げについてと大変サラリと3行で書いてあるのです。知っている人でないと見落としてしまうかなというような印象を大変持ちました。先ほどのご説明の中では、下請け業者の人たちにもきちんとこの意味やどれくらい上がるのかということもきちんと伝える方策をとるべきだと思うのですけれどもいかがでしょうか。
理財部長再答弁
先ほども申し上げましたとおり、業界のほうには、直接申し入れということでしておりまして、さらに一般的には、市のホームページを通じまして広く周知をしていることであります。以上です。
福田くみ子議員再質問
質問にちゃんと答えてください。下請けの業者さんにもきちんと意味が分かるように周知してくださいというお話なのです。もう一度お願いします。
理財部長再答弁
下請け業者の方々にも十分周知がされるように、ホームページ、これは一番効果的な周知手法かなと思っております。また、業界を通じまして、各業界、団体、それから事業者、それからまたそれにつながる下請けさんということで周知をするように、これからも申し入れさせていただきます。
福田くみ子議員再質問
下請け業者の一番下の方というのは、一人親方の方なんかもいらっしゃって、きちんとパソコンでホームページ見るかなということもありますので、そのへんのところもきちんと通るようにしてください。それと同時に、この意味が、社会保険加入についての改善を目的にもしているのですけれども、そのへんについては、ここにあまり触れられていないのです。ほとんど触れられていないのです。そのへんのところはいかがでしょうか。
理財部長再答弁
不十分ということの評価でございますけれども、これは、これからも業界と直接意見交換をする場もございますので、そういう場でいろんな策とういか申し入れをさせていただきます。
福田くみ子議員再質問
これは急いでやっぱ広げていただきたいし、全体が宇都宮の工事の質とか労働環境も良くする発端になってくるのだと思うのです。ですからぜひお願いします。それを徹底するのには、特別な支援や指導体制、それから本当に下請けの業者さんの労務単価引き上げられていますかという調査とか、そういうものがされなければ、本当に上がったかどうかつかめないかと思うのです。そのへんの体制はどうでしょうか。
理財部長再答弁
直接各業者のもとでそういう活動がされているかと、そこまでの調査権は私どもは持ってございません。業界とそういった事業者で構成される団体とを通じまして、また人によりまして、各事業者と現行観察していただくということでございます。そういうことで進めてまいります。
福田くみ子議員
立ち入って調査をしろと言っているのではなくて、労務単価が上がることはやっぱり労働者にとって利益なわけです。その面がきちんと上がっていますかという報告を上にさせるとか、そういう制度を作らなければ、なかなか実際に効果があったかどうかわからないじゃないですか。それをそうやってつかむのですか。把握するのですかと言うことなのです。もう一度お願いします。
理財部長再答弁
答弁繰り返しになりますけれども、各事業者までの調査権というものをわたしども持っていない中で、当然、賃金引上げ、これは必要なことでございますので、これからも団体等との意見交換の場において現行観察しながら引き上げられるように、努めてまいります。
福田くみ子議員再質問
ラチがあかないので、次にいきますけれども、要するに、調査しろと言っているのではなくて、本当に効果があったかどうかを実証する、把握をする義務は、私は市にはあると思います。ぜひそのへんのところは他市の例なんかも参考にしながら、やっていただきたいと思います。
公契約条例のほうですけれども、先ほど例に出しました野田市ですね。野田市が各自治体に、この条例を制定するにあたって、やっぱりいろんな法律との関係でハードルがあるとういうふうに野田市もわかっていてかなりいろいろ調べました。それについてここでは、ひとつひとつやっていられないので飛ばしますけれども、法整備についての問題点というのは全部クリアしていると、こういうふうに言い切っているのです。その論点とかそういうものをまとめたものを野田市は各自治体に、その時点に、皆さんの参考までにと送ったそうです。これは法整備はなされていないというのは国の責任です。でも国のやるのをもう待っていられないということで野田市がはじめた事なのです。ですから宇都宮市もぜひその野田市の事例を参考に、法的な問題と言うのをクリアしているという立場を勉強していただきたいと思いますけれど、その野田市が自治体に送ったという資料は宇都宮にも送られてきているかどうかわかりますか。
理財部長再答弁
所管にきているかどうか、私も確認してございません。申し訳ございません。
福田くみ子議員再質問
ホームページでも取れますし、私も持っていますので後ほどお届けいたしますからぜひ参考にして研究していただきたいと思います。労働法などにおいても、全部それを論破するだけの根拠というのがあると私は思っておりますのでぜひ前向きなご検討をよろしくお願いいたします。
福田くみ子議員
次に、市職員OBの再就職をめぐる問題について2点伺います。
1点目は、市の外郭団体の要職についている市退職職員のパワハラについてについて伺います。
市のある外郭団体は、市のあっせんによって団体の要職に就いた人物が、長期間にわたってのパワーハランスメントで職員を抑圧、また、アルバイト女性に業務外の仕事をさせ他の職員にしわ寄せが及ぶなどの職権乱用とも言える行為を重ね、職場に混乱を引き起こしています。こうした行為そのものが労基法違反になる恐れがあるばかりか、職場の混乱は、職員の労働意欲を損なわせひいては、市民サービスの低下につながる重大な事態です。外郭団体におけるこのような事態は、団体の健全な発展を阻害するばかりではなく「能率的な行政の確保」も危ぶまれます。そこで、まず再就職のあっ旋を行った市は、このような外郭団体での市退職者によるパワーハランスメントなどによる混乱をどのように把握しているか、そして、どのように対処したか伺います。
この項の2点目に、「退職職員の再就職に関する取扱要綱」について伺います。この要綱は、市が再就職の「あっせん」をすることを前提としたもので、市退職職員の就職支援の色合いの濃いものです。あっ旋とは「間に入って双方をうまくとり持つこと」です。第4条では、「団体からのあっ旋依頼書に基づき、適用対象者のうち、再就職を希望する者の中から依頼書に適する知識、技能、経験、その他能力を備えた者をあっ旋するものとする」あります。しかし、多くの自治体では、2007年の国家公務員法の改正に伴い、透明性・公平性を確保し、市民の信頼を得ることを目的とした基準作りが進んでいます。こうした時代背景の中で、他市ではあっ旋という形で関与している所はあるのでしょうか。また、宇都宮市が、積極的に再就職の支援に重点をおいた「あっ旋」を行うことについて、市長の見解を伺います。
また、この要綱は、「当該依頼書に適する知識、技能、経験、その他の能力を備えた者をあっ旋する」とありますが、外郭団体の主体性や意向はどのように反映されるのか見解を求めます。
この外郭団体で起きている事態からは、市の一方的なあっ旋が、外郭団体の主体性と健全な発展をも阻害することにつながっているのではないかと危惧するところです。このような労使間のトラブルは、外郭団体だけではなく、民間の福祉法人でも起きており、市退職職員の社会的役割とモラルが問われています。職を求める側と、人材を求める側双方の要求を効果的に実現し、市民から信頼される市職員の再就職のあり方について市長の見解を求めます。
行政経営部長答弁
まず、「議員ご指摘の法人における問題について」でありますが、上司から部下への指導の際の言動について、パワーハラスメントや職権乱用があったとの指摘を受けた旨の報告があり、所管部局におきまして、双方への事実確認を行ったところ、指定管理者としての業務改善や利用者サービスに関する指導があり、その指導についてお互いの認識に相違があったことが原因であると考えております。
こうしたことから、その解決のため、相互理解を図るよう助言したところであり、今後とも、法人を指導・監督する立場から適正な運営に向け、責任を果たしてまいります。
本市におきましては、退職管理の適正確保を目的として、「再就職に関する取扱い基準要綱」を定め、本市が出資する団体などから、要綱に基づき豊富な行政経験や知識を有する人材が必要であるとの要請があった場合には、当該団体から職務内容や求める人材を十分お聞きしたうえで、ふさわしい人材をあっせんしており、各団体の円滑な事業運営に寄与しているものと認識しております。
あっせんにより再就職をした市OB職員につきましては、関係法令等を遵守し、適正に業務を遂行しているものと認識しております。
今後とも、出資団体等の自主的・自立的な事業運営が図られ、より効果的な団体運営につながるよう、当該団体にふさわしい人材のあっせんに努めてまいります。
福田くみ子議員再質問
先ほどのパワハラの問題ですけれども、パワハラというのは厚生労働省がどんなものがパワハラかということをきちっと定義を定めました。そのことについては、「同じ職場で働く者に対して職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて精神的、身体的に苦痛を与える、また、職場関係を悪化させる行為」というふうにあります。先ほどのご答弁だと、それの原因についてというお話はありました。原因だけでなくやっぱりどんなやり方、今の厚労省の定義によれば、人間関係の優位性などに立って、範囲を超えてということはもちろんあります。それは最終的に認定するのはもちろん労働局とかいうことになりますけれども、その中でもやはり厚労省がこの定義を策定した時の円卓会議ですね、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」というところで定義は決められたのですけれども、そこの一番最後に「合わせて行政はパワハラに関する問題の現状や課題、取組み例などについての周知啓発を行い、そして合わせてパワハラ問題の実態を把握し、明らかにすべし」というふうに掲げられています。いま本当にいろんなところでパワハラの問題、それで職場を追われるか方、自殺に追い込まれる例などもたくさん聞いて降ります、そういう面では、原因究明だけではなく、やっぱりどのような人間関係を築いていくのかというところまで踏み込まなければ、やはりそれがパワハラだったかどうかなどというのもよく分からないと思います。それはこれからの調査にお任せしたいと思いますし、それから労働組合としてもやっているそうなのでお任せしたいと思います。同時に私が問題にしたいのは、こういう問題を起こすというか、パワハラと思われるような行為をするような人をあっせんしたことということは市の責任は大きいのだというふうに思っています。先ほどのご答弁の中では、あっせんということに対してやっている市もまだたくさんありますよというお話でした。また私もいろいろ調べましたけれども、再就職の基準ないし要綱を作っている中核市、新しく作ったところなどは、私が調べたところでは11市があっせんという言葉は使わずに「公正・透明性の確保」
ということを主眼にした要綱を作っています。そのほかにも私が入手したところでは、計37市の要綱とかそういうものがインターネットなどを通じても公表されています。やはり「公平性・透明性」ということを主眼においたものに変えていくべきではないかというふうに考えていますが、ご答弁を求めます。
行政経営部長再答弁
議員ご指摘のパワーハラスメントと疑われるというお話でございますが、今回の件につきましては、指定管理業務を行ううえで、業務上にいくつかのミスがあったと、そのミスに関して、ミスを是正するような指導を行う中で、指導を受けたほうがパワーハラスメントにあたるというような気持ちになったということで、基本的にはやはり、業務を適正なものに直すということの指導ということですのでこれはご答弁でもお答えしましたが、相互にやっぱり理解するという職場環境が必要なのかなというふうに考えております。また、要綱につきましては、取扱い基準要綱を定めておりますが、本市の場合、毎年10月の条件ですが、再就職をした人たちを公表しております。こういった透明性を確保する上で、要綱に基づき再就職なさった方につきましては、再就職先とお名前までも公表していますので、現要綱で引き続き適正な人材をあっせんしていければというふうに考えております。
福田くみ子議員再質問
この問題がパワハラだったかどうかとうことは、ここで私は論じません。というのは、やっぱり労使間の中で進んでいることですし、内容について深く突っ込んでいっても。ただパワハラだと思われる行為だったことは間違いないと思って今回取り上げています。同時にもっと大事なのは、私は、この取扱い要綱、団体からのあっせんの要望があったことに対して、市がそれに応えるような形で希望者の中から選定をされるというふうにおっしゃっていましたけれども、この手続きの流れをちょっと詳しくご説明いただけないでしょうか。
行政経営部長再答弁
あっせんの流れでございますけれども、当然、その職につきまして、次の年度、どういった人物がふさわしいかということで各団体のほうからお話を伺ってその職と職の内容、私どもは退職する予定者につきましては、再就職の意思または希望があるか、そういったものを事前に把握しております。そういった中でこれは当然11月から12月1月いわゆる人事異動の作業の中で、職、内容にふさわしい方を希望者の中から選んであっせんすると、そういう流れでございます。以上でございます。
福田くみ子議員再質問
普通たとえば就職をするというときには、公募をして、それに対して希望する人がいて、面接なり試験なりを行って、お互いの意向とかそういうものがかみ合えば就職決定というふうになるのだと思うのです。しかし、このあっせんのしくみの中では、お互いに市が入ることによって、そのお互いの要望や思いとか、どんな仕事をしたいとか、というのも含めてですけれども、そういうのがされるような就職面接用のような機会というのは設けられていますか。
行政経営部長再答弁
いまの話ですと、一般的に就職する場合、就職希望者と雇用主が面接をするというお話だろうと思いますが、このあっせんにつきましては当然、市はあっせんをさせていただきますので、両方からお話を伺うと、必要があればそういう面接はあろうかと思いますが、現時点では、具体的なそういう面接の場をいっせいに設けるということではなくて、市がお話を聞いてそれに合致するような方を選んであっせんをしているという状況でございます。以上です。
福田くみ子議員再質問
そのへんにいろんな意味でのトラブルの原因が私は起きているのではないか、私が具体的につかんでいるのは、ここの他にも福祉関係のところとかあるのですけれども、そういうのはやはり、職場の求めている人材が本当にその人かどうか、たとえば、実際にあっせんをした方をその外郭団体の理事会が断ったと、変更を求めたとか、そういうことってありますか。
行政経営部長再答弁
理事会でというお話でございますけれども、その職によって様々に職員は変わりますので、理事会で選ばれるような方で、いわゆる拒否になったという方はこちらでは聞いておりませんが、たとえば任期途中でおやめになった、そういう方は、中にはいらっしゃいますけれども、議員ご質問のような事例については、こちらでは聞いておりません。
福田くみ子議員再質問
ですから、団体のほうの意向というのは、最初にここはこんな職場です、こういう仕事ができる方を求めますということは最初に、市に形的にはそういうことになっていますから、それに対して市があてがった方というのは、断るとか、何か不満があるとか、ちょっと違うぞと、そういうことがあったとしても、団体の要望なり、団体の意向というのが入れられるような状況ではないと思うのですけれどもいかがでしょうか。
行政経営部長再答弁
そういうためにも、事前に団体のほうから職ですとか、どのような人材、またこちらは多くの希望者をみておりますので、やはりそれにふさわしい方を十分ある意味補償的な意味でお勧めすると言うことでのあっせんでございますので、決して団体の意向が全く入っていないというふうには考えておりません。
福田くみ子議員再質問
やはりお話を聞いていると、事実上市が先導して、市が上からポスト配分のように市が決めていくというのが、実態ではないかなと思うのです。やはりそれは最初の質問でもお話しましたけれども、理事会そのものもいろいろ見ましたけれども、問題が起こっているその団体については、理事会のメンバーは8人なのですけれども、その内2人が市の職員、出向している現役の市の職員が入っています。それにあと2人が退職をしたあっせんによって決まった方、その他に民間の方と思われる方が4人、つまり、半分がまるで市が丸抱えのような理事会なのです。ですから理事会で拒否するというようなことはおそらくないでしょう、そういうふうに思っています。そういう中で、実際にこういった職員の方たちが、どんな思い出仕事をされているのか、そういうことを考えていくと、団体の自主性をきちんと担保した上で、団体が何十年も歴史を持ちながら、そこで自主的に発展をしていく、正常な健全な発展というのが、それでは阻害されてしまうんじゃないかという危惧を大変持っているわけです。
それでその外郭団体ですけれども、宇都宮では「外郭団体の見直し基本計画」というのを作りましたね。これ平成18年ですか、16年から18年までの3年間の計画ということで作りました。その中では、最重要課題の中で書かれているのが、「市の関与の見直し」というところが最重点課題というふうに書かれています。「人的関与の見直し」各団体の自主性、自立性をこれまで以上に発展させていく観点から、派遣職員の必要性を再検討し、見直しに取り組みます」と「理事会への民間人の登用など、新たな勧誘方策についても検討していきます」と。この中で、書かれているのは「団体の自主性、自立性をこれまで以上に発揮させていく」と、それが最重要課題だよというふうに書いてあって、市の関与をなるべく少なくしていく、「団体の主体性、自主性に十分配慮する」ということが、最重点課題の一番に書かれているのです。この改革によってこれが達成されたというふうにお考えですか。
行政経営部長再答弁
以前は再就職をされた方以外に、市から職員も団体に派遣していたという次代がございます。そういったものを改めて見直して現在市職員の派遣をいわゆる引き上げております。そういった中で、各団体の職員の方の自主性、自立性を高めてもらうということで、結果としては、各団体一生懸命頑張っておやりになっているかなというふうに思っております。
福田くみ子議員再質問
まだまだ私は、こういう意味では、市民レベルから見ると、市の再就職支援の色合いの強いこの要綱というのは、もう今では理解されない中身ではないかというふうに考えていますし、一定の成果はあったと思っているというご答弁ですけれども、この「あっせん」という要綱が、外郭団体をも縛ることになっているというふうに考えておりますので、そのへんのところをぜひ、前向きに今後、検討していただきたいと考えています。 くみ子議員
次に生活保護行政について伺います。大阪市北区のマンションで、餓死ししたと思われる母子の遺体が見つかりました。12年前の宇都宮で起きた2歳児の餓死事件を思い出させる事件です。母子の部屋は、電気・ガスが止められており、現金も見当たらなかったと言います。この親子は、生活保護の窓口にも訪れてはいませんでした。
今国会では、生活保護を申請しにくくする法案が審議されていますが、今、政治がすべきことは、必要な人の2割程度しか受給していない現状を必要な人が受けられるようにすることではないでしょうか。雇用環境の悪化と進行する格差社会の中で自己責任論が強まり、異常ともいえるマスコミの生活保護バッシングの中で、苦しくても申請するのを躊躇する人が、増えているのが現実です。これ以上の、悲劇を繰り返さないために、あえて質問いたします。
さて質問の1点目ですが、申請権の保障について伺います。当然生活保護に該当すると思われる方が、自分ひとりで1,2回窓口に行ったが、年金の記録、給与明細、通帳の写し、アパートの契約書、車検証、ハローワークの証明などさまざまな書類の提出を求められ申請に至らず返されたとの話を何度も聞いています。これらの書類は、申請にあたって必要な書類なのか答弁を求めます。また、相談を受け付ける面接官は、本人の状況を正確に聞き取る重要な役割ですが、どのような資格が必要なのか、また、どのような役割と権限があるのか答弁を求めます。
次に、不正受給の対策について伺います。不正受給そのものは、許されることではなく
公平性の観点からも解決が求められています。
本市における不正受給の割合は、23年度で総額の1%、件数では288件とのことですが、このうち年金の無申告が55件、交通事故に係る収入が6件ありますがこの様なケースは、きめ細かな相談や指導が行われていれば回避できたケースが多いと推測されますが見解を求めます。また、稼動収入の未申告や過小申告の中には、高校生のアルバイトが多いと聞いていますが、本市の場合はどのようになっていますか。不正受給の対策は、未然防止が重要と考えますがその体制は充分だと考えますか、市長の見解を求めます。
保健福祉部長答弁
まず、「申請権の保障について」のうち、「申請にあたっての必要な書類について」でありますが、生活保護の申請にあたりましては、生活保護法に基づき、申請の意思のある方には、すべて申請書を提出していただいており、年金の記録や給与明細、通帳の写しなどの関係資料につきましては、保護決定までの間に要否判定に必要な収入や試算などを確認するため、提出を求めているところであります。
また「面接相談員の資格と役割・権限」につきましては、国の指針に準じて社会福祉主事相当の知識を有し、社会福祉に係る相談業務などの経験を有する者を面接相談員として採用しており、相談者の生活状況などを的確に把握し、要否判定を行う職員にその情報をつなぐなど、円滑に業務を遂行しております。
「不正受給の対策について」でありますが、まず、「生活保護受給者への相談や指導」につきましては、保護開始時に、「生活保護のしおり」や「不正受給防止のしおり」を活用し、収入申告の義務や罰則につきまして十分な説明を行うとともに、定期的な訪問調査におきまして、生活状況や収入の確認をしており、さらに、収入の見込みがある場合には収入申告の指導を徹底するなど、日頃から、きめ細かな相談や指導に努めております。
また、「稼働収入の未申告や過小申告」につきましては、平成23年度におきましては、不正受給288件中、157件であり、そのうち高校生アルバイトは3件であります。
「不正受給対策」につきましては、未然防止や早期発見が重要であると認識しておりますことから、年金受給権の調査や、課税調査を実施するとともに、訪問調査時におきましても、収入の状況の確認をしております。
さらに、昨年度から、不正受給にも厳正に対応するため、警察官OBを配置するなど、体制の強化を図っているところであります。
福田くみ子議員再質問
札幌市の姉妹が孤立死した事件とか、そういうことが起こるにつけ、大変心を痛めているわけですけれども、埼玉県の三郷市で、申請権の侵害、というのを初めて法的に認めた裁判の判決が出ました。それを見てみると、職員が女性に身内からの援助などを求めた上でなければ生活保護を受給できないと、誤って信じさせた、誤信させたから、申請権を侵害した過失があるというふうに判決文で述べているのです。私はこの誤った教示で、保護要件を欠くんじゃないかというふうに思い込んでいて申請を断念させるケースというのは、私は、たくさん宇都宮ではあるのではないかと大変危惧しています。先ほどもお話ししましたけれども、一番最初のところで言いましたけれども、こういう書類を持って来なさいと言われて、申請書を書きましたかと聞くと「書いてない」と言うのです。そのへんのところの誤った教示に対する対策について伺います。
保健福祉部長再答弁
本市といたしましては、申請意思のある方は全てに申請書を交付しておりますことから、相談者の申請権を保障しているものと考えております。
福田くみ子議員再質問
「申請意思のある方全てに」というふうに言い切っておられますけれども、申請するつもりで来たのに申請書を書いて来なかったという方は、たくさん私は知っております。たとえば、ケースでいうと、ご夫婦で8月31日に今まで受けていた生活保護を打ち切られました。9月3日に旦那さんが、ヘルニアの悪化で二人とも働けない状況にまたすぐなってしまったので、また、10月16日に生保の再申請に行きました。ところがラチが開かなくて、このケースは社協に行けというふうに指導されたそうなのです。社協に行って、向こうのケースワーカーにいろいろ相談しましたところ、どうみてもこれは生活保護しかないよというふうにおっしゃって、生活保護のケースワーカーのところに社協の職員の方が何度も電話をして40分も話をしたけれども、ラチが開かないと、そして私のところにお見えになった方がいます。その方と、仕方がないので12月22日に、私に支援要請をされたので、私が一緒に窓口にまいりました。すぐに申請ができました。状況が変わったわけではないのです。こういう例を見るにつけて、誰が判断したか、私が判断したのじゃないのです。これは。社協の職員さんも判断しているのです。こういうことが行われていることが、私は大変危惧していまして、悲惨な事件が起こらないうちに、このへんは徹底すべきではないかと考えています。ぜひそのへんのところを徹底していただきたいと思います。もう一度ご答弁をお願いします。
保健福祉部長再答弁
先ほどご答弁申し上げましたとおり、申請意思のある方はすべてに対しまして申請書を交付しているのが現実でございます。ただし、保護の要件に合致しない場合がございます。それは、生活ができる状態で、たとえば、収入資産があるとか、本人や家族でない方が来られている、そういう場合を除きまして基本的には、申請書を交付させていただいております。先ほどの議員ご質問のありました、お話ありましたけれども、私はすみません、具体的な事例につきましては存じ上げておりません。
福田くみ子議員再質問
具体的な事例については後で検証していただいて、ぜひ指導なり、対策どうなのかということを教えていただきたいと思います。
福田くみ子議員
次にD.V.対策について伺います。
配偶者からの暴力被害が後を絶ちません。
夫からの暴力から逃れ、平穏な暮らしを取り戻すために必要不可欠なものが住民票非開示です。
まずはじめに、これまでの実績と効果、課題についてどのような認識をされているか伺います。
他市から宇都宮市へ夫の暴力から逃れ、子どもたちを連れて逃げてきた女性は、元の住所地で住民票の非開示の手続きをとって、本市に住民票を移しました。ところが、1ヶ月もしないうちに、夫から「そんなところに住んでいたのか」と電話があり、恐怖におののきました。幸い元夫は逆上することなく現在に至っていますが、知られてしまったことのリスクは続きます。元の住所地の市役所を訪ね、どこから漏れたのか調べたところ、D.V.の相談窓口がある同じ児童家庭課の保育係から転出先が知られたことが判明しました。
住民票非開示を実効性あるものにする必要を痛切に感じていますが、本市の対応について伺います。
市民まちづくり部長
DVは、被害者の生命の危機にかかわる大きな問題であり、DV被害者の安全を確保することが最も重要でありますことから、本市におきましては、国の指針に基づき、住民基本台帳事務における支援措置を実施しているところであります。
この支援措置は、DVやストーカー、児童虐待などの被害者本人等から申し出を受けて、警察や配偶者暴力相談センターなどの意見等により、支援の必要性が確認されたものにつきましては、住民基本台帳の閲覧や、住民票の写し、戸籍の附票の宇都宮市などの公布を制限し、加害者などが、被害者の住所を探索することを防止する制度であります。
この制度の実績についてでありますが、平成25年5月末現在DV被害者への支援措置を行っている件数は148件であり、ストーカー、児童虐待などのケースを含めた総数は236件となっております。
本市におきましては、この制度を適正に運用することにより現在、DV被害者等の住所などの情報が守られておりますことから、被害者の安全確保に効果があるものと考えておりますが、個々のケースに応じた情報管理をより一層徹底していくことが重要であると認識しております。
このようなことから、制度の実効性をさらに高めるため、住民基本台帳の情報を扱う関係部局のチェック機能の強化を図るとともに、職員の情報保護の全庁連携のもとDV被害者の安全が確保できるよう今後とも全力を尽くしてまいります。
福田くみ子議員再質問
この住民票非開示の問題は、縦割り行政という壁が大変大きくて、いろんなところで、ふとしたところから漏れてしまう可能性というのがあると思いますので、そのへんの徹底について、ぜひ横ですね、行政情報というのはとにかくたくさんありますので、横の連携を強化する具体的な対策をおとりいただきたいと思います。
福田くみ子議員
次に体罰をめぐる問題について伺います。市教育委員会が公表した体罰の実態調査結果によれば、市内小学校68校のうち6校6件、10人が、中学校25校のうち7校10件で32人の児童生徒が体罰を受けたと答えました。今回新たに懲戒処分相当とされる案件では、中学校の女子バレー部顧問の教員が、約1年の間にバレー部員10人に対し多いものでは、10回、計30回程度平手で頬や太腿をたたくなどの体罰を加えていたそうです。その上、冷めたお茶をかける、スパイクをフロアで跳ね返らせて体育館の2階まで届いたら、現金1万円、コートの4隅に置いた空き缶を倒したら現金を与えるなど不適切な指導をしていたとのことです。
教育者としての品性も問われる事例に唖然とし、怒りを通り越して悲しくなりました。いじめや、対教師暴力でも、むろん一般社会でも、相手がけがをするほど殴る、あるいは暴力を繰り返すというのは犯罪です。家庭内なら児童虐待です。そのうえ、お金を餌に技を競わせるなどというのは、あまりにも子どもを愚弄したやり方です。いじめや、対教師暴力では、すぐに警察に訴えるところです。そこで1点目に内容の重大さに比して、処分があまりにも軽いと感じますが、市長並びに教育長の見解を伺います。
さて、文科省では、大阪市の市立高校で体罰を受けた生徒が自殺した問題を受け、運動部活動の指導で、「勝つことのみを重視し、過重な練習を強いないことが求められる」という「勝利至上主義」を否定したガイドラインを策定しました。
そこで、2点目に「勝利至上主義」が何故問題とされているのか、また、宇都宮市では、どんなところに勝利至上主義が現れ、体罰根絶の取り組みをどのように具体化していこうとしているのか伺います。
さて、子どもに暴力をふるう教師でも、熱心さの裏返しと解釈して容認してきた現実は重く、根深いものがあります。教師の認識ばかりではなく、私たち大人の認識を大本から変えなければ、いじめも、体罰も、根絶することはできません。これまでも多くの方が、「人権意識を高めることが大事」と言ってきました。そして今度も、市教委の対応の中にも、「人権意識の高揚」といった言葉が繰り返し使われています。そこで3点目に、具体的にどのようにして「人権意識の高揚」を図ろうとしているのか、子どもの権利条約を活用した啓発をしてはどうか、また子どもの権利条例制定についての見解を伺います。
教育長答弁
まず、「内容の重大さに比した処分の軽さ」についてでありますが、今回のような、複数の生徒に対して体罰や不適切な指導が行われたことは誠に遺憾であります。
この件につきましては、市と県の教育委員会の合同調査において詳細な事実確認を行ったうえで、県教育委員会が懲戒処分の基準に基づいて厳正に処分を行ったものと受け止めております。
こうした中、部活動における「勝利至上主義」は、指導者等が勝つことのみに固執するあまり、過重な練習を行わせ、生徒が肉体的、精神的に疲弊してしまうなどの悪影響を及ぼしているものと認識しております。
そのため、これまでも、本市独自の「部活動指導者ハンドブック」を活用し、適切な部活動指導に取り組んできたところであり、また、保護者の理解が必要でありますことから、「部活動啓発リーフレット」を活用し、本来の趣旨について、周知啓発に努めてまいりました。
今後は、国のガイドラインを踏まえ、ハンドブックの見直しを行うとともに、校長会や中学校体育連盟と連携し、望ましい指導のあり方と体罰の防止について、指導を徹底してまいります。
「人権意識の高揚」と「子どもの権利条約を活用した啓発」についてでありますが、本市がこれまで実施してきた全小中学校の人権教育主任を対象とする研修会に加え、教職5年目、10年目など経験年数に応じた研修や各校で行われる校内研修などにおいて「子どもの権利条約」の趣旨を踏まえるなどして、人権意識の高揚を図ってまいります。
さらに、体罰を容認する大人の意識を変えていく必要もありますことから、市PTA連合会との意見交換会や学校の保護者会などにおいて意識啓発を図ってまいります。
また、「子どもの権利条例の制定」につきましては、今後とも、「宇都宮市人権施策推進指針」に基づき、子どもの人権尊重のための取組を進めてまいります。