2012620

福田くみ子議員の一般質問

福田議員

発言通告に従って順次質問してまいります。市長並びに教育長、所管部長の前向きでわかりやすいご答弁を期待いたしまして質問に入ります。
 さて、はじめに市長の政治姿勢について伺います。市長はこのほど、次期市長選挙への出馬表明をされましたが、市民の関心の高い3つの課題について、どのようなビジョンを持って闘われるのか見解を伺います。
1点目に脱原発と再生可能エネルギーへの転換についてです。宇都宮市は、国内で最も古い日本原子力発電東海第2原発から約60キロ地点にあります。脱原発を訴える地元東海村の村上達也村長は、「事故から1年余りたっても新しい政策や体制を何一つ決めず、再稼働だけ進めている。この国に原発を保有する資格はない。」と断じ、東海第2原発の廃炉を訴えています。エネルギー政策について国が、方向性を決めるのはもちろんのことですが、ドイツのメルケル首相が、福島原発事故後間もない昨年6月に「2022年までに国内全原発廃止」へと政策転換できたのは、地方の環境が整っていたことが大きいと言われています。地方が自ら「脱原発」を表明し、再生可能エネルギーへの転換に積極的かつ具体的に取り組むことが求められていると思います。昨年6月議会でもお聞きしましたが、あらためて明確に「脱原発」の意思表明と、再生エネルギーへの転換について市長の見解を伺います。

市長

 福島第一原子力発電所の事故により、これまで、当たり前のように供給されていた電力が計画停電により停止するなど、日々の生活の中で様々な不便を強いられましたことから、私たちは、再生可能エネルギーへの転換や省エネルギーの必要性を改めて重く受け止めたところであります。 このような中、本市におきましては、地球温暖化対策の観点から、再生可能エネルギーの重要性に以前から着目しており、これまで、市有施設への太陽光発電システムの設置や、住宅用太陽光発電システムの設置費用補助などを行ってまいりました。
 今後は、再生可能エネルギーが新たなエネルギー供給源として、市域に広く普及していきますよう、更なる普及促進に取り組んでまいります。 また、原子力発電を含めた今後の国におけるエネルギー政策のあり方につきましては、国民生活や産業振興などの社会経済に、大きな影響を及ぼすものでありますことから、国民的な議論を十分に重ね、判断していくべきものと考えております。

福田議員

 2点目に、LRTについてです。3月議会でも荒川議員が紹介した通り、地元清原といえども、住民の意見はLRTの導入に決して賛成多数ではありません。清原ビジョン策定にあたってのアンケート結果では、直通バスの増便を望む声が41,1%に対して、LRTの整備に期待する声は、35,6%となっていることからも明らかです。また、1日も早い東西基幹交通の整備が望まれていることも認識すべきです。これまで、市が進めてきたオープンハウスなどの啓発にもかかわらず、一番の地元住民がこうした状況であることを踏まえれば、この議論の決着を1日も早く付けて、直通バスの増便をふまえたBRTつまり連節バスなど、LRT以外の交通システムについて踏み込んだ検討に入るべきだと考えます。市長は、どの時点で結論を出すおつもりですか、また、住民投票で民意を問うべきかと考えますが、見解を求めます。

市長 

 本市におきましては、超高齢化社会の到来などに対応しながら、将来にわたり、発展し続けていくために、バス、地域内交通などの公共交通や、自動車、自転車などのあらゆる交通手段を相互に連携させた「誰もが利用できる 環境にやさしい 交通ネットワーク」の構築に取り組んでおり、その実現に向けましては、市民の皆様の理解と協力が必要不可欠でありますことから、昨年より、オープンハウスの開催などの市民説明に取り組んでおります。
 このような中、延べ69日間開催したオープンハウスに、4千人を超える大勢の方に来場いただき、「高齢化社会に向け 公共交通は必要不可欠」などといった、さまざまなご意見をいただいたところであり、今後は、市民説明の第2ステップとして、各地区市民センターにおいて開催いたします市民フォーラムなどにおきまして、さらに多くのご意見を伺ってまいりたいと考えております。
 議員ご質問の「どの時点で結論を出すのか」につきましては、新交通システムの導入に向けまして、まずは現在進めております市民説明におきまして、東西基幹公共交通の「必要性」、求められる「機能」や「役割」などにつきまして、分かりやすく説明し、市民理解の促進を図ってまいりたいと考えております。
 また、「住民投票で民意を問うこと」につきましては、本市における住民投票は、地方自治法に基づく、住民による直接請求、議員提案、そして、市長提案のいずれかによる「住民投票条例案」を市議会におきましてご審議いただき、議決を経た上で実施できるものでありますが、本市といたしましては、新交通システムにつきまして、市民が判断できる十分な情報を提供することが重要であると考えておりますことから、今後とも、あらゆる機会をとらえて情報提供に努め、市民との幅広い対話を通して、市民の意見を把握するとともに、市議会のご意見も十分伺いながら対応してまいりたいと考えております。

福田議員再質問

LRTの件ですけれども、何時ということには残念ながらお答えをいただけなかったのですけれども、どこまで説明するのか、「理解を得るまで」、何の理解かというのがよくわからない、つまり、LRTが優位だということに理解が得られるまで、つまり、LRT賛成のほうが多数になるまで説明をするおつもりなのか、という気がしてなりません。一つ申し上げておきたいのは、「公共交通が必要だということは、皆さんほんとうによく理解しています。ほしいというのは市民の願いです。車がなくても買い物にいける、病院に行ける、そういう体制を早く作ってほしいというのが、民意だと思うのです。そこを私は強調しておきたいと思いまして何時までということをもう一度市長にお聞きしたいと思います。

市長再答弁

 議員が只今お話されたように、高齢化社会あるいは少子社会を見据えて、宇都宮がゴールとする、目指すまちづくり、その中で、総合的な公共交通の構築は必要不可決であります。これは議員と同じ考えでありますが、その手法については、様々な考え方やご意見があるものと思いますので、そのご意見や、あるいはアイデア、提案なども、これから説明会の中でお聞きしながら、総合的な公共交通のあり方について、また、東西公共交通のあり方についてもご説明をして、結論を出していきたいと思いますので、ただダラダラと長く説明を繰り返し、繰り返しするのではなくて、しっかりと公共交通のあり方を簡潔に、しっかりと皆さんのご意見を、なおかつ拾い上げて進めてまいりたいと思います。

福田議員再質問

 早く結論を出していただきたいということと、私の前の議員の方の質問にもありますけれども、これをよく見させていただきましたけれども、16ページあるうちの後半の6ページについては、LRTが優位だということを、一生懸命説明する内容になっています。ぜひ、このパンフレット、BRTも平等に取り上げるという意味から、もう一回作り直していただきたいなという要望を申し上げて次の質問に移りたいと思います。

福田議員

 3点目に、JR宇都宮駅東口を緑と防災の拠点にすることについて伺います。東日本大震災以降、多くの市民の価値観には大きな変化があったといえます。駅東口地区整備推進懇談会の答申は、大震災以降はほぼ内容がまとまった後、3回のみしか開かれておらず3.11以降の市民要求と価値観の変化を的確に反映したものとはいえません。相変わらず、開発ありきの箱モノ中心の提案は、人口減少時代にも見合う提案とは言えません。  
近い将来、さらに大規模災害が予測される中、外から人を呼び込むための施設に大金をつぎ込む時代ではないことはもちろん、災害に強い町づくりを緊急課題として、最優先で進めるべき時と考えますが市長の見解を求めます。
 昨年、災害対策特別委員会で、新潟県長岡市の市民防災センターを視察させていただきました。中越大地震を始め、多くの災害に見舞われてきた長岡市は、市民防災の拠点として、平常時は防災学習・研修拠点施設、子育て支援施設として活用、災害時には災害対応の拠点となる市民防災センターを設置しています。宇都宮駅東口は、このような防災拠点としてうってつけの場所です。中心市街地に、新たにこれだけの広さを確保することは難しく、市民はもちろん帰宅困難者の避難にも充てることができます。防災基地として機能する多目的建物と、防火水槽、非常用飲料水、非常用トイレなどを備えた、数千人単位の市民が、一時的に避難生活が可能なテントも設営できます。平常時には、緑豊かな公園として、また建物は、防災教育やその他の多目的に使えるスペースとして活用します。宇都宮駅東口を緑と防災の拠点として整備することを提案したいと思います。市長の見解を求めます。

市長 

 まず「災害に強いまちづくり」につきましては、本市はこれまで、学校や橋梁などの公共施設や木造住宅の「耐震化」をはじめ、災害時の迅速かつ正確な「情報伝達体制」や、要援護者の支援体制の構築など、「安全・安心なまちづくり」を重要な課題として捉え、積極的に進めて来たところであります。
 更に、昨年の大震災を踏まえまして、新たに「緊急時のメール配信サービス」の稼動や、「木造住宅の耐震建替補助」を導入するとともに、「学校耐震化工事」の前倒しなど、取り組みの更なる充実、強化を図り、ハード、ソフトの両面から、「危機管理体制の強化」や、「災害に強いまちづくりの再構築」に取り組んでいるところであります。
 本市におきましては、「宇都宮市地域防災計画」に基づき、防災体制を構築しており、昨年の大震災のような大きな災害に対しましても、既存の施設を活用することで、対応できるものと考えており、JR宇都宮駅東口地区につきましては、ネットワーク型のコンパクトシティの中核となる都市拠点として、広域的な交流を促進する拠点形成を目指し、事業を進めております。
 事業の推進にあたりましては、「宇都宮駅東口地区整備推進懇談会」からの提言を踏まえまして、緑あふれる都市環境の形成や防災などに配慮した施設整備に努めてまいります。

福田議員

 次に、地産地消の再生可能エネルギーへの転換について伺います。
 再生可能エネルギーにあえて地産地消と付けたのは、再生可能エネルギーの普及開発は、自然循環を基本に取り組むことで、地域循環型社会の形成につながると考えるからです。
 日本共産党では、「地域にある資源でエネルギーを生み出し自然環境を守る、地域振興を図る」と言う2つの目標を同時進行で達成することを掲げた高知県梼原町の取り組みを視察する機会を得ました。
 梼原町は、新エネルギービジョンや総合振興計画「森林と水の文化構想」を策定、CO2対策などの環境負荷の低減による「資源循環型社会づくり」への基本理念や基本方針を明確にし、「森林づくり基本条例」梼原町バイオマスタウン構想など、「環境と共生のまちづくり」の理念と方針の具体化を進めてきました。2008年には環境モデル都市として、「生き物にやさしい低酸素なまちづくり宣言」を発表、「将来世代が安心して暮らせるか否かは、我々の行動にかかっている」という認識のもと、良好な生物生存環境を持続しつつ、地域活力を発展させる「エネルギーの自給自立」の実現を目指しています。1999年に定めた町の新エネルギービジョンに基づき、風力発電、太陽光発電、小水力発電、森林資源の循環利用に力を入れ、現時点で町内の自然エネルギーによる自給率は28.5%まできています。宇都宮市でも梼原町の「地域にある資源でエネルギーを生み出し自然環境を守る、地域振興を図る、と言った2つの目標を同時進行で進める」考え方におおいに学ぶべきものがあると考えますが、市長の見解を求めます。

環境部長 

 再生可エネルギーにつきましては、温室効果ガス排出量の削減につながる貴重な地産地消エネルギーでありますとともに、今後、持続的な産業活動を行う上で、積極的な活用が図られるべきものであると考えております。
 まず、「梼原町におけるエネルギーの地産地消の考え方について」でありますが、環境モデル都市である梼原町につきましては、町の91パーセントが森林であるなど、本市とは地理的条件が大きく異なるものでありますが、「地域資源によるエネルギーの供給」を通した「自然環境を守る」ことと、「地域振興を図る」ことの両立につきましては、町の特性を踏まえた優れた考え方であると認識しております。
 本市におきましても、「第2次宇都宮市環境基本計画」に人と自然と経済活動の共生に取り組む施策を位置付けており、環境と経済の好循環が図れるよう、取り組んでいるところであります。

福田議員

 また、この10数年全国の地方自治体では、地域の特性を生かした創意あふれる再生可能エネルギー導入への取り組みが加速しています。宇都宮市でも、1999年に新エネルギービジョンを策定したものの、豊かな自然条件がありながらも立ち遅れてきた感があります。原発事故によりさらなる加速が望まれます。そこで、1、新たなエネルギービジョン及び具体的な数値目標を掲げた実施計画を策定すること、2、新たに新エネルギー推進室を設け、専門的に推進する体制を作ることについて市長の見解を求めます。

環境部長

 現在、国におきましては、「エネルギー基本計画」の見直しを進めているところであり、本市といたしましては、国のエネルギー政策に係る動向や社会情勢を見極めながら、本市の地球温暖化対策を着実に進めていけるよう、「新エネルギービジョン」の内容を含め、具体的な数値目標を掲げた新たな実行計画の策定に向け、準備を進めております。
 久保井議員のご質問にお答えいたしましたとおり、地球温暖化対策をはじめとする環境施策を庁内横断的に推進してきたところであり、引き続き、庁内各課の連携を図り、それぞれの役割や専門性を生かしながら新エネルギーの利活用の推進に取り組んでまいります。

福田議員再質問

 梼原町も1999年に国の法定のビジョンということで、新エネルギービジョン、どこの地方自治体でもビジョンを策定したのだと思います。例えば、群馬県の太田市でもそうだと思うのですけれども、宇都宮市もやはり1999年に、ビジョンをつくりました。策定しました。その後どういうふうに実践的に活動してきたか、動いてきたか、ということで、かなりその部分で差が出できているなと、その過程の中で、進めてきた中で、例えば、環境モデル都市として指定をされて、それで補助金を得て更に飛躍的に進めていったという経緯があるかと思います。そういう中では、やはり宇都宮市は遅れてきたなという気がすごくするのです。そういう意味で、今、特に公共施設の屋根に設置することについて、この7月から固定価格買取制度が始まることで、公共施設への設置は、環境が大きく改善したと思うのです。そういった環境の変化に対応して、もっともっと積極的に進めるべきだと思うのですけれども、そういう環境の変化に対した、今までの延長線上ではない検討というのが進められているのかどうか、お聞きしたいと思います。

環境部長再答弁

 さきほどご答弁申し上げましたとおり、ご指摘があったように、今、環境エネルギーをめぐるいろんな動きというのも、速さを含めて大きく変化をしてきていると思います。そういうことでございますので、国のほうでもエネルギー基本計画、こちらの見直しも進めているということでございますので、私どもといたしましては、そういう動きを見極めながら、新しいエネルギービジョンこういうものを含めていろいろ検討をしているところでございます。

福田議員再質問

 新しいエネルギービジョンの考え方のもとに、数値目標も含めて、計画の中に入れ込んでいくというご答弁いただきましたけれども、ぜひ積極的な目標をその中に入れ込んでいただきたいと思います。原発の問題にしても対岸の火事ではもうないはずなのです。そういう意味では、災害対策という観点からも多くの議員さんも質問しておられましたけれども、避難所にもなる公共施設の屋根に、進めていただきたいと思いますし、県の取り組みをやっているからいいということではなくて、やはり県都として全県を牽引していく、こういう立場に宇都宮はあると思います。そういう意味では、いろんな所で市民発電所が、市が直接発電所を作ったりとか、そういう取り組みが、全国の取り組みが大きく進んでいる中で、調査研究ということではなく、実質的に動ける計画を策定していただくことを心から願って、次の質問に移ります。

福田議員

 この項の3点目に、太陽光発電の飛躍的普及について伺います。宇都宮市は、日照時間が長く太陽光発電は有効です。長野県飯田市は、市民出資の電力会社を設立し、公共施設の屋根を20年間という長期で提供し太陽光発電パネルを設置、電力を固定買い取りする契約を結んでいます。また、一般家庭への太陽光発電パネル設置に対し初期投資0円、月額定額で9年間支払い、10年目からは譲渡となり発電分がすべて収入となる、「おひさまゼロシステム」の取り組みは、大変喜ばれています。宇都宮市でも、避難所の非常用電源としても期待される公共施設への太陽光発電パネルの設置と一般家庭への設置を大きく進める2つの創意あふれる制度を導入することについて市長の見解を伺います。

環境部長

 飯田市における「おひさまゼロシステム」につきましては、市民の設置費用の軽減を図るための仕組みといたしまして、NPO法人を前身とする地元民間企業がリースと同様の販売形態をつくり、その企業に対し、地元金融機関が低利の融資を行うものであり、本市といたしましては、この方式を含め、太陽光発電の普及を促進する施策について、引き続き、調査・研究を進めてまいります。
 今後とも、エネルギーの地産地消を踏まえながら、低炭素都市づくりや地域活力の創造に取り組んでまいります。

福田議員

次に、被災地がれきの広域処理について伺います。
 膨大な瓦礫処理は、被災地の復興にとって最重要の課題であることは、言うまでもありません。国は、「災害廃棄物の広域処理推進ガイドライン」で、福島県以外の災害廃棄物については、「放射性物質に汚染されたおそれは限りなく低い」として、一般廃棄物として処理しようとしています。政府は瓦礫のうち、特別に管理が必要な指定廃棄物は、1s当たり8000ベクレル以上放射性セシウムを含むものとしています。これを超えるものについては国が処理することとなっていますが、これ以下のものについては一般廃棄物と同様の扱いとされ、まともな対策が講じられていません。そもそも3,11の事故以前は、原発事業所から出た廃棄物のうち、100ベクレルを超えたものは、放射性廃棄物として遮断型の最終処分場で厳格に保管されることとされていました。現在の8000ベクレルという基準は、昨年6月の段階で原子力安全委員会が「当面の考え方」として示したものに準拠して審議されただけのものです。また、放射性廃棄物の場合は、原因企業・東京電力が責任を取るべきであり、ここでも国は責任の所在を曖昧にしたままです。このように広域処理が進まない最大の障害は、政府が放射性物質への対策を真剣に行っていないことにあります。このようなかで、環境省がいくら安全性を強調しても、基準の考え方、放射線量の正確な測定、運搬時の安全性の確保、バグフィルターによる放射性物質の除去率、周辺環境への影響など、市民から多くの懸念が出されているのは、当然のことです。
 住民への合意形成には、こうした懸念に応える合理的な説明が必要であり、本来は政府自らが果たすべきです。少なくとも、瓦礫を受け入れるにあたって宇都宮市は、矛盾に満ちた国のガイドラインをそのまま鵜呑みにするのではなく、市民に対し納得のいく説明ができる主体的な考え方を示すことが必要です。例えば、山形県では、受け入れに関する指針では、環境省の基準の半分以下を示しています。また、大阪府では、焼却前の放射性セシウムの濃度の目安を1sあたり100ベクレル以下とする基準を示しています。
 以上のようなことから、被災地瓦礫の受け入れにあたって @市独自の安全基準を示すことについてA住民合意を得るための市民との話し合いや説明の機会を設けることについて、市長の見解を伺います。

環境部長

 国では、広域処理の対象とする可燃物の放射性物質濃度の目安を、本市の導入している焼却炉におきましては1キログラムあたり240ベクレル以下としております。
 この目安は災害廃棄物のみを焼却し、焼却灰に放射性物質が濃縮された場合におきましても、国が示す埋立基準の1キログラムあたり8,000ベクレルを超えない値として設定されたものであります。
 この埋立基準値は、IAEA「国際原子力機関」におきましても、評価されている基準であります。
 栃木県におきましては、県内での災害廃棄物の受入れを促進するため、「栃木県災害廃棄物の受入れに関するガイドライン」を定めておりますが、この中で放射性物質濃度につきましては、国と同様の1キログラムあたり240ベクレル以下としているところであります。
 また、本市といたしましても、災害廃棄物を受け入れる際には、市内の家庭ごみと混ぜて焼却することで、焼却灰の放射性物質濃度が高濃度になることはないものと考えており、焼却から埋立まで、安全・安心に処理が可能であると考えております。
 このようなことから、本市といたしましては、栃木県の行う広域処理に協力するとの立場から、栃木県のガイドラインの基準に基づき、広域処理を進めてまいります。
 本市といたしましては、広域処理を進めるには、住民の皆さまにご理解とご協力をいただくことが重要であると考えておりますことから、これまで各処理施設の運営協議会等との意見交換を行ってまいりましたが、今後とも、住民の皆さまに対し、栃木県と共に丁寧な説明に努めてまいります。

福田議員再質問

 今のご答弁だと、国の示した基準とかガイドラインというものが、宇都宮市は何の疑問もなく、そのとおりだということで受け入れているという思いがするのですけれども、実際にその今までの基準の中で、100ベクレルと8000ベクレルの謎ですね、そのへんのところについて市はどのように説明されるのかというのが、大変私は疑問です。やはりそのへんのところの元々の大元、国の基準の示したところのそういった矛盾がある中で、私は、基本的に言い忘れましたけれども、一日も早い復興のためには、本当に被災地に行きますと、仮設住宅の近くにがれきの山があるわけです。何とか栃木県は被災地に一番近いという話ももちろんありました。その中では、県都ということでは積極的にこれをどう受け入れていくのか、検討して一日も早く始めていただきたい、そういうところで発揮をしていただきたいというふうにすごく思うのですけれども、主体的な見解がきちんとあって、それを市民に説明しないと、なかなか難しいのじゃないかなという気がしているのです。この間、エコパーク板戸、クリーンパーク茂原、屋板の南清掃センター、の焼却場の運営協議会で、意見交換があったそうですけれども、それは何人ぐらい参加されて、どんな意見が出されたのか、ご答弁いただきたいと思います。

環境部長再答弁

 意見ということでございますけれども、やはりこの安全性の問題といいますか、その部分、あるいはこれもご答弁申し上げましたけれども、風評の被害という不安、こういうご意見等ございましたが、がれきの広域処理につきましては、一定のご理解は得ているものと受け止めているところでございます。それから、相手といいますか、こちらは協議会等の役員さん、こういう方にご説明を2回ほど意見交換会をしているところでございます。

福田議員再質問

 今のお話だとやはり、協議会の役員の方を対象にした意見交換会だったというふうにおっしゃっておりますけれども、この件でいろんな人が心配だとか懸念をもっているのは、やはり子どもさんを持っていらっしゃる若いお父さん、お母さんが多いのかなという気がしています。放射線による影響というのは少なければ少ないほど言い訳です。8000ベクレル以下で今までの研究の中でこれしか殆ど影響がないからいいのだということではなくて、少なければ少ないほどいいし、今までの基準、今までの放射性廃棄物としたら100ベクレルを超えるものは厳格に管理されていたのに、今になったらそれを燃やして8000ベクレル以下だったらいいよというのは、どうしても説明がつかないし、理解ができないのだと思うのです。そこのところで、じゃあ市はどこが安全だというふうに確信を得て、これを進めたいのだという情熱、理解してもらいながら一刻も早く進めたいというその情熱が伝わなければ、やはりなかなか市民の理解は得られないのじゃないかと、そこを心配しているのです。それで自主的な数値、基準を持っている自治体がいくつかありますけれども、そういった自治体の考え方というのが一つ大変参考になると思うのです。被災地のがれき、一体どれくらいの放射線量があるのかなと見たときに、100前後なのですね。ということは100ベクレル以下のものだけ受け入れるよということは私は有りではないかというふうに思っているのですけれども、そのへんいかがでしょうか。

環境部長再答弁

 1キロあたり100ベクレル、こちらの基準というのは、これはこの放射性廃棄物を安全に再利用できる基準ということで国が出している基準でございます。今般の240ベクレル、こちらは1キロ当たり8000ベクレル、こちらは今回の事故後に国のほうから特措法に基づいての指定基準ということでございます。今ご指摘ございましたが、現地ではやはり100ベクレル前後だというふうなことでございますが、いずれにしても100とうことで限ってしまいますと、100を超えたもの、こちらについては再利用が利きませんので、超えた部分の廃棄物はやはり、焼却ができないことになってしまうということもございまして、そのへんのところも考慮しているというところでございます。

福田議員再質問

 細かい話になってしまうのでこれで終わりにしますけれども、いずれにしても、市民に対する説明というのも、やはり協議会だけではなくて先ほどもお話しましたけれども、全市民を、誰でも来ていいですよという形の意見交換会とか、そういうのをぜひ私はやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

環境部長再答弁

 まずは先ほど申しましたこの三つの施設の周辺の協議会組織の方にまず十分ご説明し、その後で、そこの自治会の皆様にご説明する機会を求めて行きたいと思っております。そして、試験焼却或いはその先というふうに進んでいくかと思いますが、随時そういうふうなデータの公表につきましては、ホームページ等いろんな機会を通じまして各市民の方にお知らせをして行って安全性を確認していただければというふうに考えているところでございます。

福田議員再質問

 最終的には、がれきを引き受けるのだと思うのですけれども、そういう意味では、説明も速やかにどんどん広くやっていただきたいという要望を申し上げまして次に移りたいと思います。

福田議員

 次に「地域内交通」の課題と清原地域の生活交通整備について伺います。
 1点目に、「地域内交通」の課題についてです。「地域内交通」は2008年の清原さきがけ号の本格運行を皮切りに、交通不便地域を中心に今年度4月時点では、4地域が本格運行を2地域が試験運行を、さらには9地域が導入に向け勉強会や検討を進めています。宇都宮市のこうした動きは、導入した地域からも、利用者からも多くは喜ばれているものと受け止めています。しかしながら、利用が今一つ増えないなどそれぞれの課題もあります。実際の運行範囲と、利用者の行きたいところ、つまりはニーズとの間にあるギャップが、利用を抑制してはいないでしょうか?市は「地域内交通」という言葉を使っていますが、どのような範囲を「地域内」と言うのか伺います。
 また、今の連合自治会程度のエリアではニーズの面でも、運営上も無理があるのではないでしょうか。思い切って宇都宮市を5つ程度のエリアに分けて運行してはいかがでしょうか。この点について、市長の見解を伺うとともに、全市に拡充するにあたって、今後の課題は何か、見解を伺います。
 この項の2点目に、清原地域の生活交通の整備について伺います。清原地域は、南北に10キロと細長く生活圏も大きく違います。全市に先駆けて清原台と板戸地域がすでに、導入されていますが、清原南部地域でも導入を求める声は大きくなっています。市長の見解を伺います。

総合政策部長

「地域内交通を全市に拡充するにあたっての今後の課題について」でありますが、これまで、清原地区の「清原さきがけ号」をはじめとして、市内郊外部の5地区6路線で運行を開始し、利用者数も増加するなど、その取り組みは着実に広がりを見せているところであり、今後は、隣接する地域の地域内交通や路線バス、鉄道などの他の公共交通との連携強化などが、重点的に取り組む課題であると認識しております。 
 次に、「清原南部地域での地域内交通の導入について」でありますが、地域内交通の導入にあたりましては、地域に根付いた、身近な公共交通として、親しみを持ってご利用いただくため、地域にお住まいの方々が、その必要性に共通の認識を持ち、地域の実情に即した運行計画を策定していただくなど、主体的に取り組んでいただくことが必要であると考えております。
 こうしたことから、清原地区の南部におきましても、「清原さきがけ号」や、「板戸のぞみ号」と同様に、地域内交通の導入に向けた取り組みが広がりますよう、機運の醸成やニーズの把握などの地域の主体的な取り組みを引き続き支援してまいります。 
 本市におきましては、「誰もが利用できる 環境に優しい公共交通ネットワークの構築」を目指し、公共交通空白地域の解消に向け、市民の最も身近な公共交通である地域内交通の導入に取り組んでいるところであります。
 まず、「『地域内』の範囲について」でありますが、地域内交通につきましては、通院や買い物などの日常生活に密着した移動手段でありますことから、その範囲につきましては、日常の生活圏が基本となると考えております。
 次に、「地域内交通のエリアについて」でありますが、本市では、利用される方々のニーズや地域特性に、よりきめ細かく対応するため、地区市民センター等を中心とする市内郊外部14地区において、それぞれに地域住民が主体となった地域内交通の導入を推進しているところであります。
 運行エリアにつきましても、地域における運営組織がアンケート調査などにより、利用者ニーズを的確に捉えながら設定しており、医療機関や商業施設などについては、地域外においても必要に応じて目的施設として設定し、運行を行っているところであります。

福田議員再質問

 新聞報道によりますと真岡市で「いちご号」ですか、いちごタクシーというデマンドの乗り合いタクシーが始まりました。まだ試験運行だそうですけれども、爆発的に広がりまして、利用が大変増えているという報道がつい先日載っていたのですけれども、多分真岡地域は、事業費を聞きましたら4000万の事業費で、全域を網羅する形で運行しているというお話を聞きました。それを見ても、やはり今の地域、もちろん、先ほどのご答弁にもありましたように、生活圏域というのが地域内という認識だというお話がありましたけれども、そうなってくると、主体的に取り組みをしている地域からかなり出て行くわけです。そうなってくるとお隣との連携というのが、先ほども課題だとおっしゃいましたけれども、大変重要になってくるのだと思うのです。そうすると大変入り組んできて、大変分かりにくいというようなイメージがあるのですけれども、それならばやはり、生活圏域というところで、五つぐらいに分けて、そこでやったほうが、自由に行き来ができるのではないかなという気がするのですけれども、いかがでしょうか。

総合政策部長再答弁

 今の生活圏の中での運行そのものが、まずは軌道に乗っていただくのが重要であると考えております。それに伴いまして、バスでありますとか鉄道でありますとか、こういった他の公共交通機関と時間の調整であるとか、そういったものがうまく連携できることが一番重要でありまして、他の地域と連携も当然の如く空白地域が繋がっているところもございますので、そういう意味では、隣の地域内交通と連携がとれて、更に先ほども申し上げました、バスとか鉄道等、他の公共交通機関と接続ができる、こういったものが地域内交通として、公共交通の空白となっている地域での大切なことであると思っておりますので、そのような形での取り組み、さらには安定的に、この運行がなされることが一番重要でありますので、そういう意味では、広域になることによって、かえって安定にならないということも、場合によってはございますので、そのへんの部分も含めて今後は検討していく必要かなと考えております。

福田議員再質問

 広域になると逆に安定的ではなくなるかもしれないというお話もあったのですけれども、私は逆だというふうに考えていたのですけれども、時間もなくなるので、最後に1点だけお聞きしたいのですけれども、生活圏域ということであれば、例えば清原の南部の場合に、生活圏域としては、例えば瑞穂野地域との連携とか、一緒のものをつくるとか、ということが考えられるかと思うのですけれども、そのへんの構想についてはどんな見解をお持ちでしょうか。

総合政策部長再答弁

 今議員がおっしゃりましたとおり、清原南部の地区につきましては、瑞穂野もしくは、場合によっては真岡というようなところもあろうかと思います。また南部といいましても、東のほうの氷室地域につきましては、逆に清原台のほうとのつなぎ、もしくは123号線沿いの公共交通とのつながりといったものが、ご希望の地域ということになってくるのかなと思いますので、その部分についてはやはり、それぞれの地域の特性等を勘案しながらつないでいくことでもありますし、それぞれの地域にお住まいの方々のご希望に添うような形での運行が大事なことであると思いますので、南部地域でどんな形でのご意向があるのかそのへんを確認をしながら支援をしていきたいと思っています。

福田議員再質問

 ぜひその地域については、地域内という冠はちょっと誤解を招くかなと思うので、できればそれははずしていただいて、柔軟な地域設定を考えていくというところでの、その区域の人たちにご説明していただければと思っております。

福田議員

 次にエコシティ宇都宮をめぐる問題について質問します。日本共産党では、これまでこの問題について、ごみ減量政策の角度から、市民の税金の適正な使い方の角度から、一般質問や常任委員会で、何度も取り上げてきました。さて、補助金の返還をめぐって県は、市を相手に19659万円の損害賠償請求訴訟を起こす議案を可決、提訴するとの局面を迎える中で、前の質問者と重複する部分もあるかもしれませんが、私なりの角度から問題点を明らかにしていきたいと思い改めて質問いたします。
 まず、この問題のそもそもですが、なぜこのような事態を招いたのか、リスクの高い事業なのだから仕方がないことなのか釈然としません。市長は相変わらず、「市はやるべきことはきちんとやってきた」と繰り返しておられますが、市には何の責任もないとお考えなのですか?同時に国や県には、責任はないのか?市長の見解を伺います。

環境部長

 本市といたしましては、循環型社会の形成を図るため、「宇都宮市一般廃棄物処理基本計画」におきまして、民間事業者による事業系生ごみの資源化事業を重要な施策として位置づけており、国の「バイオマスの環づくり交付金」制度は、地域におけるバイオマスの総合的利活用システムの構築に必要な取り組みを支援するため創設されたもので、本市の目的にかなうものであることから、株式会社エコシティ宇都宮による食品残渣の資源化事業につきまして、この制度を活用したところであります。

福田議員

 次に「バイオマスの環作り交付金」という国の補助事業そのものが、大変ずさんで甘いものではなかったかという点です。交付金の実施要領によれば当該事業おける採択要件は「市町村が今後『バイオマス利活用地区計画』の策定が見込まれる」ことのみであり、自治体の計画との整合性だけが問題にされ、事業計画そのものについては、パブリックコメントも第3者の意見聴取も必要ありません。無理な計画でも採択されてしまうようなずさんで甘い「補助事業」ではなかったか、リスクの高い事業にも簡単に多額の補助金を出しても、県・市が保険となって、国にとってリスクは回避できる。この「バイオマスの環作り交付金」という補助事業が国の極めて無責任な事業であることを指摘し、国の責任も明確にする必要があると考えますが市長の見解を求めます。また、採択の際、審査・指導にあたった宇都宮市は、計画のずさんさを見抜けなかったのか、責任を問われてしかるべきではないですか合わせて答弁を求めます。

環境部長

 事業実施にあたりましては、国の「バイオマスの環作り交付金実施要綱」に基づき、エコシティ宇都宮から提出された事業実施計画につきまして、市が必要な指導、調整を行ったうえで、県による内容審査などを経て、最終的に国が審査をし、補助金の交付を決定したものであり、適正であったものと認識しております。

福田議員

 次に、エコシティ宇都宮の再整備は何故認められたか大変疑問です。再整備計画は、むろん市、県、国まで報告はされ認めたうえで進められたのではないのですか?その再整備が途中で資金繰りに行き詰まるというのは、これまた甘い見通しの計画を認めたのか、それとも実態を把握できなかった他の理由があるのですか?いづれにしても市補助金等交付規則第10条には補助事業の状況報告の義務が定められており、必要な監査はできたはずです。また、県補助金等交付規則第12条には事業の遂行の一時停止を命ずることもあると定められており、補助金を返還出来なくなる事態に至る前に手を打つことは本当にできなかったのか、補助金を受ける事業者に対し、まともな企業倫理を求めてきたのか、納得のいく説明を求めます。
 
また、事業者に代わって市民の血税を補助金の返納に充てることはあってはならず、このような事態をまねいた原因を徹底的に調査し裁判に臨むこと、教訓を導き出すことを求め、市長の見解を伺います。

環境部長

 本市におきましては、国の要綱に基づき、エコシティ宇都宮に対しまして、事業実施に係る技術的な助言や指導を行うとともに、施設の安定した稼動に向けて、小中学校の給食残渣の搬入のほか、食品関連事業者や収集運搬業者に対する食品廃棄物の再生利用等の周知を図ってまいりました。
 また、会社からの運営管理状況報告に基づき、施設の状況の的確な把握に努め、施設に不具合が生じた際や施設改修の際におきましても、早期の復旧や事業再開に向けて様々な指導・支援を行ってまいりました。
 このような中、事業の継続が困難となった事態に至ったことは誠に残念なことであると考えておりますが、エコシティ宇都宮に対する補助金の返還請求につきましても、宇都宮市補助金等交付規則などに基づき、行ってきたものであり、市としての対応は、適切であったと考えております。

福田議員再質問

 今までのご答弁から一歩も出ていないところなのですけれども、いい加減な補助事業じゃなかったのか、ずさんな審査で多額の補助金が、事業者に言わせれば「つかみ金」というような事業じゃなかったのかという危惧を大変しております。情報公開でいろいろと見ましたところ、生ごみの処理というのは分別が大変ネックになっているとおもうのです。この分別の徹底というのは、基本中の基本で、これがうまくいかないために、どこでもなかなか大きな事業ができないというのが今までの流れだと思います。分別の徹底というのがこのエコシティの事業者の利用規定にもあるのですけれども、実際宇都宮全体の生ごみ、事業系生ごみの三分の一をエコシティが引き受けて、それを分別徹底したものを受け入れるのだということそのものが、私は無理があったのではないかと思います。また資金計画でも、14億円の大事業です。そこの中で自己資金は僅か5千万です。新しい技術をやるという点では大変リスクの高い事業じゃなかったのか、そういう点でも無謀な計画と言わざるを得ないですよね。生ごみの処理でこれだけ大規模な事業は珍しいと思うのです。県内の生ごみ処理の事業について見ましたけれども、宇都宮ほど大きな事業をやっているところは、鹿沼市の堆肥化センターというところなのですけれども、これは給食の残渣のみで、いわゆる事業系の生ごみなどは入れておりません。他のところは18トンとか4.9トンとか20トンとか、こういう規模です。それで分別を徹底しながらやっていくというのが当たり前の、この段階では当たり前の事業、ですから、元々本当にリスクの高い事業だったはずです。ですから慎重には慎重を期すべきものです。26千万円もの補助金が水の泡にならないように、どれだけ丁寧に審査したのか、採用に当たって県や国も審査をしたわけですけれども、その上でOKが出された、これについて最終責任というのは国にあると思うのですけれどもいかがでしょうか。

環境部長再答弁

 市としては市に応じた責任・役割を十分に果たしてきたと考えているところでございます。

福田議員再質問

 国にも責任があるのではないですかという質問なのですけれども、答えにくいと思うのですけれども、というか、ここが明確にならないと裁判にならないとは思うのですけれども、そのへんをもうちょっと明確に答えていただきたいのですけれど。

環境部長再答弁
 ご質問につきまして、今後、ご質問の中にもあったかと思いますが、次の展開のほうに事が動いてございます。そういうことでございますので、そこらへんの影響もございますので、答弁のほうは差し控えをさせていただきたいと思います。

福田議員再質問

 裁判になっていない時点だからこそ、市の主張はしっかりと公言していただきたいと思います。再整備計画の件ですけれども、ここがなぜ認められていたか、この点でも市の補助金規則第10条には、「状況報告の義務」というのがあります。これは、規則では「必要があるときに状況報告をさせる」ということがあります。また、財産処分の制限というのもありまして、補助金で買った財産についても処分するときは報告をしなくてはいけないという義務が、県の交付規則にもありますし、そういう意味では、補助金が無駄になることがないように、いろんなセーフティーネットが補助金交付規則の中にはあるわけです。3億円ものプラントが処理されて、補償金をもらって次の再整備にそのお金を充てるという時点のときに、例えば補償金がいくら入ったとか、再整備計画が果たしてうまくいくものなのかという審査・調査、そういうものは、市はきちんとやってきたのかどうかというのが大変疑問ですけれども、なぜ把握できなかったのか。お答えいただきたいと思います。

環境部長再答弁

 市といたしましては、会社からの運営管理報告、こういうものを通じまして、施設の状況の的確な把握に努めております。また施設の不具合、あるいは改修の際におきましても、復旧とか、事業再建に向けて様々な指導・ 支援を行ってきたところでございます。

福田議員再質問

 よく聞こえないので、明解にお答えいただきたいと思うのですけれども、差し押さえまでの休業中の、操業がやられていなかったので13ヶ月、この間、状況調査、報告あるいは、県と国の指導というのは、それぞれ何回ぐらいあったのか、お答えいただきたいと思います。

環境部長再答弁

 この間、回数についてはちょっと資料ございませんが、何回も指導してきたところでございます。

福田議員再質問

 事前の聴き取り調査によれば、年次報告というのがあって、その間に、何回か指導はしていますというお話はありましたけれど、その中できちんと文書のやり取りで、国までその報告が行っていたのかどうか、そのへんはきちんと明らかにしないと、一体何に、どこに問題があったのか、全然見えないです、これじゃあ。このままでは市民は納得できないと思います。再整備計画から破綻までの1年数ヶ月、市のこういった規則に基づいて、それぞれ県・国の補助金の取扱いに関るいろんなルールがあるわけですけれども、それにきちんと則って対応してきたとは到底思えないのです。そのへんのところをやっぱり明確にして、結果責任は誰がとるのか、何が悪かったのかということをこれ、明確にしなければ、ここをうやむやにしたままでは、教訓も引き出せないし、もちろん、裁判にものぞめないんじゃないでしょうか。いずれにしても、事業者が返還できない状況では、市が肩代わりするということは絶対許せないと私は思っていますし、そういう立場でのぞんでいただきたいし、調査もきちんとやっていただきたいと思いますけれども、最後にご答弁をお願いします。

環境部長再答弁

 これまでの市の取り組みといいますか、やってきたことにつきまして、そういうものを含めて、適正にやってきたということを含めて正当性を主張していきたいと考えているところでございます。

福田議員再質問

 福田知事が市長の在任中からすでに事前協議が始まっていて、その中でどのような下相談があったのか分からないですけれども、そもそも生ごみ処理は課題が多くて、とりわけ大規模なものは殆ど成功例がないと思います。そういう意味では大変無茶な計画を補助金のつかみ取りというような感覚で進めてきたのかなという疑いを持たざるを得ません。その中で、もしかしたら、癒着があったのじゃないかと、市の政策、市はこの事業を何とかうまく軌道に乗せていくために、市のこれまでの生ごみ(処理)の政策を、給食の残渣を中学校ごとに処理していくという大きな政策を転換してまで、覆してまで支援してきたわけです。挙句の果て、県が市を提訴する、このような事態になって、知事に市長は何か言いたいことはないのでしょうか。市は知事を高く評価していますけれども、この唐木という事業者は、知事の強力な支援者だという情報もあります。その闇の部分もきちんと明らかにしてこの裁判にのぞんでいかなければ、市民も納得しないし、また、裁判にも勝てないと思いますけれども、これについて一言市長からお聞きしたいと思います。

市長再答弁

 当時のことを詳細に私は分かりませんけれども、ただ一般家庭内の生ごみ処理の家庭内でのリサイクルとか、あるいは、小学校、中学校でやっておりましたオレンジとんちゃん事業と、様々な環境政策をやっていく中で、国が提案をしたリサイクル事業、これは、事業者だけ見つかれば、本当に素晴らしい事業だということで、誰もが承知をしていたと思いますし、当時の市も歓迎をしていたのではないかなと思います。その後については、的確に指導もしましたし、調査もしておりました。ところが残念ながら、こういう結果になりましたが、その当時も市長であった福田富一市長は、厳正に対応していたと思いますし、今後もそれを引き継いだ私といたしましては、しっかりと対応して、先ほど議員から様々な点でご質問いただきましたが、裁判がもし仮に始まれば、その中で市の正当性をしっかりと述べていきたいと思いますし、ゆめゆめ事業者に代わって宇都宮市がこの補助金の返還の金額を返済するということは決してしたいと思っておりませんので、そうした手続きをこれからも慎重に踏んで、もし仮に、裁判等があった場合には、対処をしていきたいと考えております。

福田議員

 次に、東部地域の諸問題について2点伺います。
 1点目に大型農産物直売所の設置についてです。清原地域は、宇都宮市全域の畑の作付の4分の1を占めトマトやナシなどを始め高品質で多様な農産物の産地です。また、一方では、工業団地や、大規模な住宅団地なども抱え、消費者ニーズは大変高いと言えます。しかし、清原地区には小規模の直売所しかないため、終日の販売体制や品ぞろえなど、消費者ニーズに充分こたえられず、せっかくの地域資源を十分生かしきれない状況です。農業王国うつのみやと言いながらも、担い手の育成は待ったなしの課題であり、高齢化に歯止めはかかりません。また、国はTPP交渉参加を強引に進めようとしています。このような中で、地産地消の新鮮で安全な農産物の直売所は、地域農業に活力を与え活路を開く拠点となるでしょう。清原地区の農産物や立地条件を充分生かし、農産加工及び販売などの機能を持つ大規模な直売所の設置を望む声は、以前にもまして切実になっています。地産地消を大きく進め、夢ある農業王国うつのみやの東の拠点として、大規模直売所の設置について、市長の見解を伺います。

経済部長

 農産物の販売だけでなく、飲食や加工機能、体験機能などを備えた大型直売所の整備は、農業者の生産意欲を高め、農家の活躍の場をつくり、消費者の「食」や「農」に対する理解を深めるなど、様々な効果があると認識しております。 大型直売所につきましては、平成21年度から、JAうつのみやと連携し、整備のあり方について、検討を行ってきたところ、人口規模、施設の整備や運営にかかる経費等の視点から、まずは、1か所整備することとしたところであります。 また、整備地域につきましては、既存の直売所の整備状況や距離、生産量や周辺の交通網など、総合的な視点から検証を行った結果、南部地域が適地であるとしたところであります。
 南部地域の具体的な場所につきましては、現在、実施主体であるJAうつのみやが、選定作業を進めているところであります。
 議員ご質問の、東部地域への大型直売所の設置につきましては、南部地域への整備の効果などを検証しながら、今後、調査・研究してまいります。

福田議員

2点目には、県農業大学校内の掩体壕の保存と活用について伺います。掩体壕とは、航空機を敵の攻撃から守るための格納庫で、旧日本軍が第2次世界大戦中に構築したものが現在全国に97か所残っています。県内では、県農業大学校の敷地内にある2基と大田原市のゴルフ場内に1基のみが残っています。当時、宇都宮東部に建設された旧陸軍宇都宮飛行場と旧陸軍航空廠宇都宮支廠には、当時は合わせて約2万人が従事、昭和16年から終戦までの短い期間でしたが、地域に大きな影響を与えてきました。2基の掩体壕は、これらの存在を示す数少ない証しです。これらの掩体壕をかつての戦争を振り返る歴史遺産として残していくことは、平和行政を推進する宇都宮市にとって、重要なことと思います。歴史遺産としての案内表示や見学しやすい最低限の整備など、県と協力しながら進めることについて、市長の見解を伺います。

教育次長

 栃木県農業大学校敷地内の掩体壕は、第二次世界大戦の歴史を後世に伝える戦争遺跡として貴重なものであると認識しております。
 そのため、本市におきましては戦災記録保存事業を実施し、その成果をまとめた『うつのみやの空襲』の中に記載するとともに、宇都宮百景に選定し、マップへの掲載や百景ツアーを実施するなど、広く市民に紹介してまいりました。 また、農業大学校では、業務に支障のない範囲で訪れた市民等に対し、資料の配布や公開を行っております。
 このような中、本年4月には市民団体から保存を求める要望があり、現在、他都市の掩体壕に関する資料の収集を進めるとともに、所有者である県とその保存と活用の在り方などについて情報交換をしているところであります。

福田議員再質問

 市民団体の方は実は宇都宮市の文化課に申し入れをしました後、県にも行ってくださいというアドバイスをいただきまして県のほうにも行きました。そうしましたら、県のほうは、農業大学校に要望したわけですけれども、農業大学校では農大に関る予算以外には使えませんと、当然のことなのですけれども、「市がまず主体的に、掩体壕を保存したいのだという認識をみんなで持ってください。まずそこがスタートです」というお答えをいただきました。もっともなことだと思いました。そういう施設があって、住民は影響を受けたという点では、やっぱり貴重なものだと思いますので、まずはその認識を文化課として、それから平和行政をすすめる他の今男女共同参画課になっていますか、そちらのほうと連携をしながら、その意思を固めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

教育次長再答弁

 ただ今、ご答弁でも申し上げましたとおり、掩体壕につきましては、第二次世界大戦の歴史を伝える戦争遺跡として貴重なものであると認識しております。現在、掩体壕に対する県の認識とか、あるいは掩体壕のこれまでの使われ方、あるいは保存状態、そういうものなどについて、県と情報交換をしながらやっているところであります。引き続き、検討を、情報を交換しながら、この件についてはすすめていきたいと考えております。



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