2010年12月7日
荒川議員の一般質問

【荒川議員】
 発言通告に基づき質問します。明快な答弁を求めます。
 第1に市長の政治姿勢について。1点目は、人口減少時代のまちづくりとJR宇都宮駅東口開発について伺います。
市長はよく100年後の宇都宮と言っています。それに連られて、議員である私もつい「100年先まで人口や産業を増やすことが宇都宮の発展・成長なのかな」と市長の催眠術にかかりそうになります。しかし、ハッと目をさませば、いま日本も宇都宮も人口減少時代を迎えようとしています。いま、予測されているのは、日本は2105年に4,459万人、今の人口の1/3になるとしています。日本の場合、自然現象による人口減少ではなく、経済的な理由等による出生率の低下が原因です。少子化対策がきちんと実行できれば、1.75人くらいまで上昇するとされていますが、出生率が2を超え、再び人口増加に転じることは予想しにくく、日本での長期的な人口減少は避けられないとされています。その日本では「人口減少=衰退」というイメージが強く、「だから人口増加が必要だ」「だから開発を」と自治体の各計画はここに基本が据えられています。しかし、こうしたいわば20世紀型の発想は既に終りを迎えているのではないのか。冷厳な人口減少を前提条件にとらえ、人口がたとえ減っても生活の質が低下しない、場合によっては生活の質が向上する様な計画を模索する時代、いわば21世紀型まちづくりの時代となっているのではないのか。そこでJR宇都宮駅東口開発計画は、バブル期の1980年代に立てられ、この間2度も破綻し、まだ懲りずに、これまでのハコモノありきのコンセプトをほんの少し化粧直しをして再び進めようとしています。
 私は、こうした計画ほど、人口減少時代のまちづくりの発想に転換して見直すことが、巨額の税金の浪費を生まずに市民のいまと未来の利益に合致するものと考えます。

この開発計画のシンクタンクは「みずほ総合研究所」とのことですが、こうした所は、大企業やゼネコン、大銀行奉仕のために税金を使わせるように自治体を導くのが使命です。永遠に
20世紀型まちづくりなのです。
そこで市長に質問します。
100年先までの宇都宮と市民のために、巨額の事業費は市民のくらし安心・福祉充実の基盤づくりに回し、ハコモノありきの現計画はリセット。しっかりと人口減少時代を見据えた計画に練り直しませんか。答弁を求めます。
 また、ちなみに市長は、100年先の宇都宮の人口は何人くらいになると予測してものを言っているのですか。伺います。

【市長】
 私は、「人口は都市の活力」であると考えており、人口減少が予測される今だからこそ、様々な施策をとおして、人口を増加させることが重要であると認識しております。そのためには、子どもから高齢者まで、多くの市民がいきいきと暮らせるまちをつくり、定住人口を増やしていくとともに、多くの人に来てもらえるような魅力をつくり、交流人口を増やすことが重要であると考えております。

【荒川議員再質問】
  人口減少時代のまちづくりと駅東口の開発計画でありますが、人口減少時代に入っているということについては、市長の考えとは一致しますよね。どうでしょうか。

【市長】
 議員ご指摘のとおり日本の総人口がもう減少時期に入っております。これからよほどの政策があたらない限り、人口が爆発的に増えて回復するというのはなかなか難しいとそのように思っておりまして、議員と一致するところで、宇都宮もこのまま放っておけば人口が減っていくということは当然だと思っております。

【荒川議員再質問】
 そこでは一致すると、しかし何をやるかでちょっとというか大きく違うようであります。市長が言うように、人口を増やすために、宇都宮が元気になるために、いろいろ取り組むのはそれでいいと思います。そういうことで取り組んで、市長は、先ほど言ったように、100年後というようによく口癖のようにいろいろ言っておりますけれども、100年後の人口については答えがなかったのですが、これはどんなふうに見込んでそういうことを言っているのですか。どれくらい市長が言うように、一生懸命頑張れば人口
減少が抑えられると言っているのですか。

【総合政策部長】
 人口は確かに推計上では減っていくという状況が見込まれるところですが、市政を私ども市長とともに担うものとして、やはり宇都宮市に活力を持たせるというのは人口が大きな要素があるということで、市政のスタンスとしては、そういう人口増加に向けたあるいは維持あるいは交流人口、そのまちの活力につながる、こういったものを市としては実施していきたいと考えてあのような答弁をしているところでございます。

【荒川議員】
 宇都宮駅東口地区整備懇談会は第3回を数えています。いま、公共施設の導入機能等について検討している様ですが、市民目線に立って5点質問します。①この開発検討に市民の血税をどれだけ投入するのかの前提なしの論議の様だが、総事業費、公共施設部分はそれぞれいくらと見込んでいるのか。

【市長】
「宇都宮駅東口地区整備における総事業費と公共施設導入費用」につきましては、宇都宮駅東口地区整備事業は「広域的な交流を促進するシティセールスと賑わい拠点の創造」を新たな基本目標とし、市内外から多くの「人・もの・情報」が集まり、本市の交流人口の増加に寄与するような立地施設の検討を進めているところでありますが、その総事業費や公共施設整備費につきましては、今後、具体的な施設整備計画を固める中で、明らかにしてまいります。

【荒川議員】
 ②交流広場を提案していますが、既に市都心部にはオリオン広場、二荒山前、城址公園とそれぞれ特徴ある3つの交流広場があります。このほど「平日下回る休日の通行量」などという衝撃的調査も発表されました。思い切った都心部集中が必要であり、更なる都心部落ち込みを誘う分散・分裂広場は3重・4重投資のムダではないのか。

【市長】
 「交流広場への投資」につきましては、この交流広場は、まちが建物のみに囲まれた閉鎖空間となることを避け、地区全体の魅力を高めるために必要な施設でありますことから、山本議員のご質問にお答えいたしました通り、立地施設の検討とあわせ他の既存広場との役割分担を考慮しながら魅力ある広場空間の確保に努めてまいります。

【荒川議員】
 ③新たに検討する公共機能として「子育て」「市民団体」「環境」など6点を提案しているが、どれもこれもわざわざ駅東口の新しいハコモノに入れなければならない必然性はなく、むしろ、市中心部の空きテナント・店舗の活用がふさわしいと思うがどうか。

【市長】
 「新たに検討する公共機能の駅東口導入の必然性」につきましては、「情報発信」や「産業振興・支援」のほか、駅直近という立地を生かした多様な市民ニーズへの対応などのため必要と考えており、新たな視点も加え、検討を行うとともに、その導入にあたりましては、十分な絞り込みを行っていく予定であります。

【荒川議員】
 ④市文化会館・東コミセン・県文化センター・マロニエプラザ、教育会館など既存施設と新たなコンベンション施設の利用が相乗効果を発揮すると言うが、実際には競合するのではないのか。

【市長】
 「コンベンション施設の文化会館などの既存施設との競合やリニューアルによる分散型」につきましては、前提となる駅東口整備の中核施設といたしまして、さまざまな調査や分析をもとにシティセールス効果が高く、市内に不足している幅広い規模の学会や会議などの開催に対応可能な、会議機能を中心としたコンベンション施設を公共の中核施設の最有力候補として考えているところでありますが、今後、さらなる需要見込みの把握や経済波及効果などの調査・分析を行いながら、中核施設の検討を深めてまいります。

【荒川議員】
 ⑤県との協力共同が見えない。同じものを2つ作る必要はなく、既存施設の有効利用とリニューアルで分散型コンベンションにすれば、駅東口でなくても可能ではないのか。以上答弁を求めます。

【市長】
 コンベンション施設と市内文化施設などとの関係につきましては、主たる用途や施設の特徴や規模、立地特性などの観点から、それぞれの適切な役割分担が図れるよう、引き続き検討してまいります。

【荒川議員】
 この項の質問の最後に「人口減少時代のまちづくり」を視野に入れなければ、この計画による「21世紀のまちづくりをリードする産業・情報・交流の新たなゲートシティに」なる横文字をからめたスローガンが心地よく響くでしょう。
 しかし、毎日毎日をきびしい不況の中で生き抜こうと頑張っている市民には、この計画がいかに市民不在かはお見通しです。ハコモノに頼らぬ100年先まで持続可能な市民に愛される駅東口づくりをテーマに、もう1つの懇談会を立ち上げてもいいと思うがどうか、答弁を求めます。
 またその時があれば、私は胸を張って駅前森林公園ミヤ・セントラルパーク構想を語りたいと表明するものです。

【市長】
 「もう一つの懇談会立ち上げ」につきましては、昨年11月に設置いたしました、学識経験者や経済界、公募市民の方々などから構成される、「宇都宮駅東口地区整備推進懇談会」におきまして、引き続き、様々な角度から、幅広いご意見をいただきながら持続的に発展可能な駅東口整備の実現に向けた検討を進めてまいります。

【荒川議員再質問】
 いずれにしてもこの間3回の整備懇談会では、コンベンション施設などもどんなふうに導入するのかなどというのも、札幌とか岡山とか、つくばとか、ちょっと宇都宮とは比較にならないようなところでうまくいっているよなどということを出したりしながら、しかも文化会館などの稼働率を、大ホールは80%、小ホールは89%、マロニエプラザも、こんなことはないと思うのですけれども、大展示場は61%などと、大変稼働率が高くて、だからコンベンション施設が必要なのだとか、ちょっとその論議の仕方というのが乱暴すぎるのではないかというのが1点です。
 それから、事業費も示せないで、好き勝手にとにかく税金はいくら使ってもいいですからコンベンション施設について提案してくださいと、こんなでたらめなやり方はないと思うのですがどうでしょうか。

【総合政策部長】
 文化会館とか、今回設置を予定しております、計画しておりますコンベンション施設につきましては、そもそも機能が違うということがありまして、他の稼働率もいいということもありますし、そういったものをやる隙間というよりも、どちらかというと、そういう施設がないと そういったことを踏まえまして、宇都宮市の立地性からするといろんな調査結果から、コンベンション機能が有力であるということで、今のようなコンベンションを中核市として位置づけて検討しているところでございまして、また今、その検討状況でありまして、施設規模とか機能を含めて、どのような全体像を示せるかどうかということはまだ経過途中でございまして、その中で事業規模を出すということはちょっとあまりにも乱暴な話でございますので、順次そこらの中身を固めながら、逐次明らかにしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。以上です。

【荒川議員】
 2点目は、2012年度実施に向けた厚労省の介護保険制度見直し案についてです。
 厚労省社会保障審議会介護保険部会がこのほど取りまとめたこの見直し案は、介護大幅負担増・給付減らしのメニューがずらりと並び、「お年寄りから生きる意欲を奪うのか」と市民の大きな不安が高まっています。
 意見書が示したそのメニューの主なものは、調理・買い物・掃除など生活援助中心の要支援や軽度の要介護の人は保険の対象外か利用料を1割から2割に倍増、ケアプラン(介護サービス計画)作成の有料化、施設は24人部屋の室料も全額自己負担、低所得者の施設入所利用料軽減の対象者の制限、年金320万以上の人は2割負担へなどとなっています。介護保険の施行から10年に当って日本共産党国会議員団の行った事業所のアンケート調査でも負担が重くサービス利用を抑制している人がいるとの回答が7割を超し、訪問介護事業者の7割が人材不足、特養ホーム待機者が多いなど深刻な状態が浮き彫りになっています。「介護の社会化」とは真っ向から反する事態です。にもかかわらず、今回の厚労省見直し案が、「65歳以上の保険料が5,200円程度までアップするのが嫌なら利用者負担増とサービス給付縮小が必要」などというのは高齢者への脅かし以外の何者でもありません。1ヶ月5,000円を超す保険料が少額の年金に頼る高齢者の負担限度を超していることは明らかです。「軽度」と言われる高齢者でも、必要な介護を取り上げられれば症状の悪化や在宅生活が困難になる例は山ほどあります。負担増かサービスの後退かと二者択一を迫るのではなく、必要な介護の保障の手立てをとるのが政府の責任です。長年にわたって社会に貢献してきた高齢者は「国民・市民の宝」のはずです。宇都宮の介護保険者としての市長が今回のこの介護保険大改悪に対してどのような態度でのぞむつもりでしょうか。答弁を求めます。

【保健福祉部長】
「介護保険制度改定にどうのぞむのか」についてでありますが、国におきましては、社会保障審議会介護保険部会におきまして、介護保険制度の現状と課題を踏まえ、平成24年度からの第5期介護保険事業計画に向けた制度の見直しの議論が行われ、意見書がとりまとめられたところであります。見直しの基本的な考え方といたしましては、地域における医療・介護・福祉を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取組や、給付の効率化・重点化などを進め、給付と負担のバランスを図ることで、将来にわたって安定した持続可能な介護保険制度の構築が必要であるとされたところであります。
 現在、国におきましては、提出された意見書を踏まえ、介護保険制度のあり方を検討しているところでありますことから、本市といたしましては今後の国の動向を注視してまいります。

【荒川議員】
 2012年度の介護保険見直しに向けていかに厚労省案が市民の願いと実態からかけ離れているのか。きめ細かな実態調査を行うべきと考えるが、その計画について伺います。

【保健福祉部長】
 「実態調査について」でありますが、本市といたしましては、第5期介護保険事業計画の策定に向け、日常生活圏域ごとの課題や保険料の水準、さらには、保険料とサービスとの関係などについて、市民の皆様の動向を把握するため、年度内には調査を開始する予定であります。

【荒川議員】
 3点目に、TPP交渉参加について、農業王国うつのみやを標榜する佐藤市長の認識と対応について質問いたします。関税の原則撤廃をめざすTPPへの参加は、日本農業に壊滅的な打撃を与え、国民の食の安全と安定的な食料供給を根底から破壊します。農水省では、農業分野の関税を完全撤廃すれば日本の食料自給率は、14%まで低下し、米の自給率は1割以下になってしまうと試算しています。日本は、すでに平均12%まで関税を下げており農業について鎖国どころか、アメリカに次いで世界で2番目の開かれた国になっています。地球規模での食料不足が問題になっているときに、輸入依存をさらに強める方向は、「亡国の政治」と言わざるを得ません。
 被害はそれにとどまらず、TPPに参加しない場合の雇用減を81万人としていますが参加した場合の雇用減を340万人と、参加した場合の4倍以上にもなるとしています。TPPへの参加は、日本農業を破壊するだけでなく、疲弊している地域の経済の破壊を進め、雇用破壊を進めるものに他ならないと考えます。そこで、1点目に、佐藤市長はTPP参加について、どのような見解をお持ちですか。

【市長】
 「TPPについて」でありますが、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPにつきましては、締結国間の全ての関税を原則として撤廃するなど、日本の国際経済協調の進め方を大きく転換するものであり、様々な影響が生じるものと認識しております。
 その影響につきましては、関係省庁の試算が示されたところでありますが、いずれも前提条件が統一的でないことや影響の波及範囲が明確でなく、国民の混乱や不安を招く事態となっております。

【荒川議員】
 2点目に、菅総理大臣は、TPP参加と農業の再生の両立をさせるとしていますが、それは実現可能と思いますか。

【市長】
 「TPP参加」と「TPP参加と農業再生の両立」につきましては、現段階におきまして、国から基本的な材料が示されていないことから、判断できる状況ではないと認識しております。
 私といたしましては、まずは、国において、国民に対して詳細な情報提供を行うとともに、徹底的な国民的議論を喚起すべきと考えており、今後、あらゆる機会をとらえて、このことを強く訴えてまいります。
 また、「食と農林漁業の再生推進本部」などの国の議論の推移を十分に注視していくとともに、農業改革の基本方針などにつきましてつぶさに内容を検証してまいります。

【荒川議員】
 3点目に、宇都宮市はTPP参加による影響額をどれくらいになると試算しているのか答弁を求めます。

【市長】
「TPP参加による影響額」につきましては、極めて概算でありますが、国の前提条件にならうと、農業生産額におきましては、米が77億円、麦が27千万円でともに99パーセントの減少、市内総生産におきましては、118億円から160億円の増となるものと試算しているところであります。

【荒川議員】
 質問の第2は、医療・福祉の充実についてです。
 1点目に、国民健康保険の負担軽減についてです。
 私は416年、この質問が32回目です。その中で市民の生命と健康を守る立場から国保行政について21回取り上げてきました。
 国保法第1条、「国保は社会保障である」ことを瞳のように大切にし、単なる市民相互の助け合い制度ではないことを指摘し、高すぎて払いきれない国保税の引き下げをはじめ、負担軽減を求めてきました。悪質滞納者ではないのにお金の切れ目が生命の切れ目になりかねない資格証発行やマル短表記の短期保険証を修学旅行に持参しなければならない子どもの辛さを取り上げ、必要のない表記はやめよと訴えてきました。国保税減免申請制度の周知と適切な適用を求め、平成9年度は年間わずか1件だったのが平成21年度には340件までになりました。国保税軽減のための一般会計からの繰入れも今年度は画期を迎えました。この16年間の中で、国保行政は市民の願いにそって1歩ずつでも前進していると実感するものです。
 しかし、本市の国保行政にここで満足しているわけにはいきません。「国保は社会保障」にはまだまだ距離がありすぎます。
 そこで、この101日に国保証の切り替えがあり、医療窓口10割負担の資格証発行世帯が3,372世帯にのぼっていますが、これらの世帯は全て悪質滞納世帯と言えるのですか。資格証発行してはならない特別の事由のあるなしの確認手続きが全て行われているのか、まず伺います。

【保健福祉部長】
「国民健康保険の市民負担軽減について」でありますが、「資格証明書」につきましては、国民健康保険法により、特別の事情もなく、国保税を1年以上滞納している世帯に対し、交付することとなっております。交付にあたりましては、文書や電話、また世帯への訪問などあらゆる機会を捉えて特別の事情の把握に努めており、その上で、納付や相談に応じていただけない場合に、」やむを得ず資格証明書を交付しております。

【荒川議員】
 国保税の申請減免について、国保世帯77,359世帯、滞納世帯20,955世帯に平成21年度なっていますが、他市を見ても340世帯は少なすぎます。制度の周知と適切な適用にまだ欠けていると思うがどうか。

【保健福祉部長】
 減免制度の周知につきましては、広報紙やチラシによる周知をはじめ、市やハローワークの窓口におきましてもきめ細かく説明しております。
 平成22年度からは、これまでの減免制度に加え、国の法改正に伴い、倒産や解雇などにより失業された方に対する新たな軽減制度が創設されましたことから、11月末現在で1,240件を適用しており、今後とも、制度の適切な運用に努めてまいります。

【荒川議員】
 国保一部負担金減額制度の積極的活用についてです。この間、NHKで「病人にはなれるが患者さんになることができない」事態が広がっていることが報道されていました。下野新聞の「雷鳴抄」でも医療費、患者負担3割が重く、診療抑制や治療中断の実態が取り上げられています。窓口での医療費負担がどうしても困難な人のために、この制度は国保法44条にも本市規則にも、きちんと定めがあるにもかかわらず、その適用を本市では一貫して拒んできました。国はこのほど制度の適切な運用を全国の自治体に求める通知を出しました。そこで、この医療費一部負担金減免制度の適切な運用が本市において今後は計られるのか、答弁を求めます。

【保健福祉部長】
 「医療費一部負担金の減免制度の運用について」でありますが、本年9月、国から、減免制度の運用について基準が示されたところであります。 その内容は、入院治療に限り支払が困難となる場合に適用するものであり、世帯の収入が生活保護基準以下であって、預貯金の額により生活保護に該当しない方を対象として、国保税の滞納の有無に係わらず病院での支払を減免するものであります。
 現在、本市の事務取扱要領では、入院に加え、通院にも適用し、」世帯の収入基準についても国より緩和しておりますが、国保税に滞納がないことを条件としているなど、一部適用条件に総意がありますことから、今後につきましては、現行の事務取扱要領を基本としながら、国の基準のうち、本市の基準を上回る部分を取り入れた見直しを行い、制度の適正な運用を図ってまいります。

【荒川議員再質問】
 医療福祉の充実についてですけれども、医療費の一部負担金の減免制度と脳脊髄液減少症の問題でありますが、国保については、申請減免も一部負担金減免制度も周知徹底はチラシなどで徹底しているということですが、一番、国民健康保険に入っている人との関係では、納付書と一緒に送られてくる国保税の冊子があるわけですけれども、これには減免制度についてもこの医療費の一部負担金減免制度についても、そういう制度がありますよと、これは一言も書いていないのです。困っている人は相談してくださいだけなのです。そういう点ではぜひ納付書と一緒に送られる小さな冊子ですけれども、これにも制度の周知についてはそこの面でも周知をして全被保険者にそれがわかるように、まずそれをやってもらいたい。

【保健福祉部長】
 議員ご指摘のとおり、保険税の減免、または医療機関での窓口での一部負担金の減免制度、これらにつきましては別途、各被保険者の方々に必要に応じて周知に努めているところでありますが、周知のあり方にきましては、今後とも検討させていただきたいと思います。

【荒川議員】
 2点目に介護サービスのあり方では、まず地域包括支援センターについて質問します。
 同センターは、ほぼ中学校区単位に25ヶ所で高齢者福祉の拠点として、介護保険のみならず、総合相談、包括的、継続的ケアマネジメント、虐待防止、権利擁護等の機能を担う、言わば高齢者とその家族の駆け込み寺としての心強い役割を果たしています。そこに働くスタッフの24時間体制の献身的な仕事ぶりに頭が下がります。
 本市では、委託型として当時の在宅支援センターから移行しています。その委託料は基本分が4人の人件費に概ね1,600万円、事務費に400万円、それに加えて人口加算、単独施設加算、地域支援事業による実績払いから成り立っています。
 そこで、私の調査によると、市の委託事業にも拘らず、赤字分を本体事業所からの繰入れをしているのが6ヶ所(平成21年度決算)あります。また委託料の人件費で納まっている所は僅か3ヶ所にすぎません。同センターのスタッフはその重責を担うにふさわしい経験と力量のある人を配置する必要がありますが、500万円以上の人件費の人は26%しかいません。その原因となる1人当り400万円の人件費委託料はひどすぎるのではないでしょうか。
 北九州市など市直営で運営している自治体もあります。それを考慮に入れれば、今後のさらなる機能強化が求められており、人件費委託料をその仕事にふさわしい額に引き上げるべきと思うが答弁を求めます。

【保健福祉部長】
 「人件費の引き上げ」につきましては、本市での地域包括支援センターの運営に係る委託料は、人件費と物件費を合わせたものであり、その額は、県内市町との比較においても、同水準であり、適正なものと認識しております。

【荒川議員】
 団塊の世代が高齢期を迎える2025年を目途に、地域包括ケアシステムの構築が求められています。こうした中で、地域包括支援センターにその仕事をさらに押し付けるのではなく、一緒にそれぞれの所で地域福祉を担い、援助する行政の責任ある人的体制を確立することが必要と考えるがその対策について伺います。

【保健福祉部長】
「地域包括ケアシステムの構築に向けた人的体制の確立について」でありますが、地域包括ケアシステムにつきましては、現在、国において検討されているところであり、人的体制につきましても、今後の国の動向を踏まえ検討してまいります。

【荒川議員】
 食の自立支援事業についてです。高齢者の在宅生活を維持するために、この配食サービスはなくてはならないものです。ところが、年次別利用実績を見ますと、平成12年度の235人から平成18年度の987人へとニーズは確実に伸びましたが、それを境に平成21年度には437人へと急減しています。これは介護保険第3期の制度改悪で給付抑制が一段と強化された時期と一致しています。本市もそれに右へならえをして、この事業でも再アセスメントなるものを導入しています。いずれにしてもこの利用実績の急減は利用抑制を強いた証明であり、その陰で多くの高齢者が在宅生活に支障をきたしたり、或いは自費負担にあえいでいるのではないのか。自ら立てた見込量くらいはまず早急にサービス利用を回復すべきと思うが答弁を求めます。

【保健福祉部長】
「食の自立支援事業について」でありますが、この事業は、在宅の高齢者のうち、体重減少が著しく、栄養状態が悪い方やけがや病気などにより自力での調理が困難な方に対して、身体状況や家庭環境を考慮し、週に一定の限度を設けた上でホームヘルプやデイサービスなどの食に関する他のサービスと組み合わせてご利用いただいているものであります。
 これまでも市民の皆様には、「高齢者サービスのしおり」などによりお知らせしてまいりましたが、今後につきましては、より一層分かりやすいパンフレットを作成するとともに、地域包括支援センターなどと連携を図りながら事業の周知に努めてまいります。

【荒川議員】 
 子ども・子育て新システムをめぐって質問します。
 民主党政権が来年の通常国会に法案提出をめざす「子ども・子育て新システム」に、保育園の父母や関係者、国民から「公的保育を壊さないで」と反対の声が広がっています。
 新システムは「幼保一元化」を目玉に、「すべての子どもに質の高い幼児教育・保育の保障」などを掲げていますが、その中心は公的保育制度の根幹である自治体の保育実施責任をなくして、保育を親の「自己責任」とする前政権から引き継いだ方向です。とりわけ、幼稚園と保育所を一体化した「子ども園」の入所は、現在の市町村に申し込む保育所の仕組みを保護者が自分で探して契約する「直接契約」にします。政府の検討会では、入所時の選抜を基準の公表などの条件をつけて認めることまで検討しています。利用料も応益負担にし、認定時間を超えた分は全額自己負担、独自の教育内容や体操、音楽等の課外活動の追加料金を認め、入学金や受験料の徴収も検討されるなど、事実上の自由価格化です。これでは、障がいのある親子、低所得者家庭が排除され、負担増から利用をあきらめる子どもが放置される事態も懸念されます。親の収入による選別と格差を乳幼児期の子どもたちに広げることは絶対に許すわけにはいかないと思いますがいかがでしょうか。
 そこで伺います。親の収入にかかわらず、どの子も平等に良い保育が受けられ、安心して働きたいとの市民の願いに、「子ども・子育て新システム」は応えられる施策となりますか。市長の見解を求めます。 

【子ども部長】
 国の子ども・子育て新システム」におきましては、「例外のない公的保育サービスの保障」や「質の確保された公的保育サービスの提供」など、市町村の責務が明確に示されており、事業者も含め、子ども・子育てを社会全体で支援する体制を整備することにより、すべての子ども・子育て家庭に必要な良質のサービスが提供されていくものと考えております。
 しかしながら、この「新システム」におきましては、「直接契約」や「利用者負担のあり方」、多様な事業者の参入による「サービスの安定と質の確保・向上」など課題もありますことから、利用者を始め、事業実施主体である自治体や関係団体の意見が反映されるよう十分な協議が行われ、「すべての子どもへの良質な生育環境を保障し、子どもを大切にする社会」や「仕事と家庭の両立支援で、充実した生活ができる社会」を実現していく必要があると考えております。

【荒川議員】
 この「子ども園」と本市の保育所整備の方針・整備計画との関わりについてです。
 国の進めようとしている新システムにおける「子ども園」構想に対して、幼稚園、保育園双方から、営利企業を積極的に参入もさせ、日本の保育や幼児教育の到達点を無視したものだとの反発が一斉に起きているのはご承知の通りです。
 そこで伺います。本市は待機児童「0」をめざす保育所整備計画の中で「認定子ども園」によって500名を解消する計画となっています。その実施は主に、平成25年以降となっています。新システムの「子ども園」に収斂されてしまうことになれば一大事です。本市の待機児童「0」計画に支障をきたします。
 
ついては、本筋の児童福祉法24条に基づく公的保育制度の堅持・拡充による保育園の新・増設に切り替える手直しをすべきと思うが答弁を求めます。

【子ども部長】
 本市の整備計画に位置づけております「認定こども園」につきましては、認可幼稚園と認可保育所がそれぞれの良いところを活かしながら、その両方の役割を果たすことができる幼保連携方の「認定こども園」を想定しております。
 「新システム」における「こども園」につきましては、現在、既存の「幼稚園」・「保育所」などが、制度上すべて「こども園」に移行する形態や、そのまま存続し「こども園」と併存する形態など、国において複数の案が検討されているところであり、「認定こども園」との位置づけ・関係も不透明でありますことから、「宇都宮市保育所等の整備方針・整備計画」につきましては、今後、保育制度改正の方針や具体的な内容が明らかになった時点で、必要に応じ、適切な見直しを行ってまいります。

【荒川議員】
 脳脊髄液減少症について伺います。脳脊髄液減少症とは、スポーツや交通事故などによる強い衝撃が原因で脳脊髄液が漏れだすことにより頭蓋内の脳が沈み込み、その影響で頭痛やめまい、首の痛み、動悸、吐き気、全身のだるさ、不眠などの症状が引き起こされる病気です。一見、自律神経失調症やうつ病と症状が似ているうえに、MRICTでも判断がつきにくく、医療機関でも認知度が低いため、誤診されることも多いのが現実です。現在、この病気の統一的基準も国の認定もないため、治療できる病院も少ないうえに、検査費用は保険適用が開始されたものの、治療については保険適用外です。そのために、診断が出るまで長い年月と、莫大な治療費が患者と家族にのしかかり苦しんでいます。
 また、不登校状態にある子どもの中にも脳脊髄液減少症の場合が多く潜んでいるとの調査結果が明らかになってきました。北海道教育委員会では、今年9月、小中学校で35人、高等学校で15人が脳脊髄液減少症との診断あるいは疑いがあるとの調査結果を発表しました。その他千葉、熊本、滋賀の4道県でこれまでに調査がおこなわれ合計で約300名の18歳以下の子どもが、この病気であることが分かりました。
 そこで第1に、国に対して一日も早く診断基準をつくり治療に対する保険適用を求めていくことについて。

【保健福祉部長】
「脳脊髄液減少症への対応について」でありますが、脳脊髄液減少症は、現在、国におきまして「障害者対策総合研究事業」の対象テーマ122件の一つとして、その診断・治療法の確立に関する研究が進められておりますことから、本市といたしましては、国の動向を見守ってまいりたいと考えております。

【荒川議員】
 市として脳脊髄液減少症の市民への情報提供を徹底することについては。

【保健福祉部長】
 本市では、脳脊髄液減少症に関し、ホームページにより市民に広くお知らせしているところであり、さらに、県のホームページでは、「対応可能な医療機関」のお知らせをしているところであります。

【荒川議員】
 本市においても小中学校で、このような身体症状がある子の実態調査を早急に行なうこと、さらには1日も早く治療が開始できる対策について答弁を求めます。

【保健福祉部長】
 「小中学校における実態調査」につきましては、毎年行っている保健調査や日々の健康観察などを通じて行っており、現在、本市の小中学校におきましては、「脳脊髄液減少症」と報告を受けている子どもはおりません。今後も、幅広く情報の収集に努め、市民の皆様に適切な情報提供をしてまいります。

【荒川議員再質問】
 確かにホームページではやっていますが、これもそれだけなのです。ホームページだけでは本当に限られるだけで、そういう点では、市の広報などでこの脳脊髄液減少症に関するものについてはきちんと周知をしてほしいと思うのですけれどもいかがでしょうか。

【保健福祉部長】
 脳脊髄液減
少症につきましては、ご答弁でも申し上げましたが、現在これは国で研究をされておりまして、その診断、基準等をこれからつくっていこうというものでありますので、ご答弁でも申し上げましたが広く情報を周知に努め、これらの情報については市民の皆様に情報提供させていただきます。宜しくお願いいたします。以上でございます。

【荒川議員】
 子宮頸がん等予防ワクチン接種の助成については、本日、実施とその内容がやっと打ち出されました。年度内の速やかな実施を求めます。ついては、 歳以外への対象年齢の拡大、(接種方法・肺炎球菌・ヒブワクチンについて)議会陳情にもあるリプロダクティブ・ヘルス/ライツの保障との関連などに対する検討はどの様になされたのか、伺います。

【保健福祉部長】
 「子宮頸がん等予防ワクチン接種助成について」でありますが、中島議員、」渡辺議員のご質問にもお答えいたしましたとおり、子宮頸がん予防ワクチンにつきましては、13歳から16歳までの女子が自己負担なしで接種できるよう、必要な予算を盛り込んだ国の補正予算が成立したところであり、本市といたしましては、年度内に、これら3種類のワクチンについて、自己負担なしで接種できるよう助成してまいりたいと考えておりますので、今週末に、国や県から示される具体的な内容を十分に精査し、今議会に補正予算案を追加提案して参りたいと考えております。
 次に、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの観点につきましては、子宮頸がん予防ワクチンなどの必要性や効果について、広く市民の皆様にお知らせし、今回のワクチン接種をきっかけとして親子で子宮頸がんの理解を深め、二十歳を過ぎてからは、定期的に検診を受診していただけるよう女性のライフステージに応じた健康支援に取り組んでまいります。

【荒川議員】
 分譲マンション住民支援についてです。
 分譲マンションに暮らす市民が本市においても増えています。老朽化したマンションも目だってきています。マンション居住をより快適なものとして発展させることは、まちづくりや市民生活の向上にとって重要となっています。しかし現実には、建物の維持・管理や分譲業者・管理業者とのトラブルなどがマンション居住者の大きな負担となっています。居住者は管理組合など主体的活動で問題を解決していますが、居住者の努力だけでは解決できない問題や、本来行政が取り組むべき問題も山積みしています。本市においてもマンション行政の改善が待ったなしの課題ではないのか。
 ついては、本市では現在、分譲マンションに住んでいる市民は何世帯何人いるのですか。この間の実態と課題・問題点をどのように調査し、把握し、支援が行われてきたのか、まず伺います。

【建設部長】
「居住者等の実態」についてでありますが、世帯数および人数の把握はいたしておりませんが、本市は、現在、約160棟、約1万戸のマンションが分譲されております。
 次に「課題と問題点について」でありますが、近年、全国的に、マンションの管理に適正化の推進に関する法律」が施行され、また、平成20年には、「マンションの建替えの円滑化に関する法律」が改正されております。
 本市におきましては、ホームページやパンフレットの配布、また、専門家を招いた「住宅相談会」を開催し、情報提供に努めているところであります。

【荒川議員】
 建替えに当っての高額な費用に耐えられない居住者への支援策、建物長寿命化、耐震化への支援策、公共設備部分の負担の軽減、分譲時の消費者保護の策定などについてお伺いします。

【建設部長】
「建替えに当っての居住者への支援等策」や「建物の長寿命化」、「公共設備部分の負担の軽減」についてでありますが、戸建住宅などとの公平性についての課題がありますことから、今後、他都市の状況等を見極めてまいります。
 次に、「耐震化への支援策について」でありますが、現在、相談窓口を設置し、耐震化の必要性について周知するとともに、指導・助言を行っております。
 次に、「分譲時の消費者保護について」でありますが、平成2110月に「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」が施行され、新築マンションなどの欠陥に対し、保険金が支払われるなど、消費者保護の強化が図られているところであります。
 今後とも、分譲マンションに係る支援につきまして、現行制度の周知。啓発に努めてまいります。

【荒川議員】
 地域の雇用を担い、地域経済を支える中小企業・業者がますます危機に瀕している中で、地域を元気にする支援策と仕事興しへの市長の構えが問われています。
 そこでまず、本市の公共工事、役務提供、物品購入における公契約の適正化に関して伺います。
 公共工事では、日本特有の重層的な下請負構造が放置され、現場で働いている労働者の賃金は、下請に行くほど低くなります。民間委託や指定管理の職場では、入札で業者が代わることで、解雇や一層の労働条件の引き下げ、正規から臨時、非正規への置き換えが進み、公共サービスの質の確保が難しい事態もあります。「公務・公共サービスは安ければ安いほどいい」との流れがそれに拍車をかけています。そこで、本市の公契約において、公共工事における受注者に対する下請業者が、また、清掃・警備・管理業務等に携わる業者も、そこに働く労働者の適正な労働条件及び当該業務の質が確保された、安定した経営に基づいて成り立つことを十分考慮した契約を保障すべきと思うが本市のこの対策はどのようになっていますか。

【理財部長】
 「公契約の適正化について」でありますが、本市におきましては、低価格入札による品質の低下や、労働者の労働条件の悪化を防止することを目的に、建設工事や業務委託に最低制限価格制度を導入し、導入後も、本市を取り巻く厳しい社会情勢を踏まえ、最低制限価格の引き上げを行い、品質や、適正な労働条件の確保に努めているところであります。

【荒川議員】
 支払遅延防止策についてです。元請会社による一方的な価格設定や支払遅延による下請け業者に不利が生じるトラブルが起こっています。深刻な経済危機は、今まで以上に親会社や元請業者に物言えず、次の仕事の確保のために我慢をせざるを得ない状況が業者訪問の中でも見えてきています。受注業者と下請け業者との対等・公正な契約締結が肝要であり、建設業法や下請代金支払遅延等防止法の遵守を求めるのは当然ですが、本市としても、下請け代金支払の遅延を防ぐ対策を立てるべきと思うが答弁を求めます。

【理財部長】
 「支払遅延防止策について」でありますが、本市におきましては、受注者に対し、契約書や建設工事共通仕様書により、建設業法及び下請代金支払遅延防止法などの諸法令の遵守を義務付けるとともに、契約締結時には、下請業者に対する速やかな代金の支払いや、市から工事代金の前金払いを受けた場合、下請業者に対しても前金払いとして支払うよう直接指導しております。

【荒川議員】
 行政自らが地域に仕事をつくりだすことが求められています。地域を元気にする経済対策として住宅リフォーム助成制度はその決定打です。この制度は全国175自治体に広がり、住民ニーズにも応えた地域経済循環型の制度導入への効果はどこでも大きな評価を受けています。二の足を踏む迷いがあるならどうぞ、秋田県や岩手県宮古市などへの検証を行っていただきたい。市民のタンス預金も動き出すと言われる制度創設への市長の決意のほどを伺います。

【理財部長】
 「住宅リフォーム助成制度の創設について」でありますが、住宅リフォームの推進は、良質な住宅ストックが形成され、良好な居住環境の創出に繋がるとともに、地域経済の活性化などにも効果があるものと認識しております。
 このため、本市では、専門家を招いた「住宅相談会」などにより、住宅リフォームに対するアドバイスを行うとともに、パンフレットの配布など、その不急促進に努めているところであります。
 議員ご質問の「住宅リフォーム助成制度の創設」につきましては、市民ニーズや既存住宅ストックの状況などについて、引き続き調査・研究してまいります。 

【荒川議員】
 中小零細業者への官公需の受注拡大について、小規模工事等契約希望者登録制度の拡充について伺います。この制度は、発注側の市にも受注者の顔が見える、不具合の時の際も早く対応できる双方にとって安心して仕事ができ、元請として直接請負代金を受け取ることができる点で、市内零細業者の経営を直接支える意義はとても大きなものがあります。
 そこで制度発足以来今日までに、その発注量、発注額はどのように推移してきたのか伺います。また、小規模工事に該当しながら制度活用されなかった契約は小破修繕も合わせてどの位ありますか。この制度の新年度の拡充と発注の見通しをどのように見込むのか答弁を求めます。

【理財部長】
「小規模工事等契約希望者登録制度の拡充について」でありますが、まず、「発注量及び発注額の推移」につきましては、平成14年度の制度創設以降、増加傾向にあり、当初約400件であった件数は、平成21年度には約700件に、約5,000万円であった発注額は約1億円となっております。
 「制度が活用されなかった契約及び制度の新年度拡充と発注見通し」につきましては、小規模工事や小破修繕の発注にあたり、制度を活用できなかった工事は、小規模工事において約3割であり、小破修繕においては、窓ガラス破損や漏水など緊急性を要する工事が多いことなどから約8割となっております。
 今後、更に、この制度が活用されるよう、制度の周知徹底を図り、小規模工事登録業者の受注機会の拡大に努めてまいります。

【荒川議員再質問】
 宇都宮の地域経済を元気にする中小企業の関係ですが、住宅リフォーム助成制度はもう何回もここでも質問しておりますが一体あと何ヶ月、何年検討するつもりなのですか。

【建設部長】
 今までも議員おっしゃるように、何回かご質問をいただいております。これまでも中核市の導入状況、あるいは実績・課題などについて調査をしてきております。また中核市以外の各市町の導入状況につきましてもホームページなどで今調査をしているところでございます。

【荒川議員再質問】
 今、建設部長に答弁をいただきましたけれども、これは建設部長でも場合によっては理財部長でもなくて商工関係です。その部長さんに本当だったらこれはやってもらいたい中身なのです。これはこの前の福田議員のときにもやりましたけれども、これは経済対策なのです。私たちが求めているのは。緊急のこういう大変な状況の中での。これも未来永劫これを続けなさいなどということで私たちは提案しているのではありません。今の本当に仕事がない中で、仕事をきちんと興していく、こういう点で、もう既に調査をしていればわかっていると思うのですが、経済効果が5倍にも6倍にも10倍にもなるような、こういうことになっているから、経済対策として、今とにかく必要なのだとこういうふうに言っているのですが、住宅ストックの優良なのはどうか、それもいいのですけれども、経済対策としてこれが有効なので求めているのだと、ここを理解できますでしょうか。商工観光部長、経済対策として答弁をお願いしたいと思います。

【経済部長】
 ご提案の住宅リフォーム助成制度が具体化されることによりまして、地域の経済に一定の効果があるということについては、経済部のセクションとしても受けとめているところでございます。

【荒川議員再質問】
 少しまじめじゃないと思うのです。聞いていることにはもう少しまともに答えてもらいたいと思うのです。調査をして一定の効果がある?一定の効果があるのではなくて、私は切り札的な、地域の仕事興し中では、この仕事というのは経済効果があるのだと、これは全国どこに行っても、やっているところではこれは結論です。あちこちを見たなどと言って、本当にこれは見ているのですか?その点についてどんな調査をしてきたのか、その点の見方について答弁をお願いします。

【建設部長】
 どこに対してどの程度の調査をしているのかというご質問だと思うのですけれども、先ほど答弁をさせていただきました中核市におきまして、現在6市の中核市で実施をされております。未実施が35市でございますけれども、大きいところでは、金沢、宮崎市、市によりまして、目的がずいぶん変わってきております。例えば金沢市におきましては、住宅再生バンクというところに建物の空家の登録をしておきまして、別な人がそれを購入して自ら定住するために内部改築する場合には助成をする、そういうようなものと、また久留米市あたりにつきましてはエコの関係になると思うのですけれども、地球温暖化対策の推進という形で目的としてやっていると、そのほかにつきましても、当然地域経済の活性化という形で目的を盛ってございますけれども、その市によりまして目的が違ってくるという形で、こう認識しているところでございます。

【荒川議員再質問】
 先ほど私が言いましたようにぜひ宇都宮市より大きい秋田県、宇都宮市より小さいけれども宮古市、この住宅リフォーム助成制度の経済効果を次のときまでに良く調べてまだ実施できないときにはまたお聞きしたいと思いますが、きちんとした調査をやってもらいたいということを要望しておきたいと思います。

【荒川議員】
 質問の最後は水道行政についてです。
 私は本年6月議会において、この場から県企業局鬼怒水道からの受水単価の引き下げの協議にあたって、大口受水者として、県の高い水を飲んでいる市民の「10円でも20円でも引き下げて」という声をきちんと届けてほしいと質問しました。
 このほど、県企業局は1㎥あたりの料金単価を現行よりも21.05円引き下げ、90.11円にする方針を明らかにしました。県議会12月定例会に料金改定の条例案を提出し、可決されれば来年41日より実施する考えとのことです。本市の水道事業は厳しい経営状況にあるとはいえ、黒字決算です。県企業局受水単価引き下げ分は、市民の水道料金に還元し、くらし応援の姿勢を示すべきと思うが、その対処について伺います。
 以上で私の全質問を終ります。

【上下水道事業管理者】
 本市の水道事業につきましては、景気の低迷など、今後、厳しい経営環境を迎えることが予想されますことから、栃木県鬼怒水道用水供給事業からの受水単価の引き下げにつきましては、他の受水団体とともに、要望してきたところであり、それを受けて県では、この12月議会に料金改定の条例案を提出し、現在審議中であります。
 ご質問の「水道料金の還元」についてでありますが、本市では大正5年の通水開始から100年近くが経過し、老朽化した施設の改築更新や、災害に強い水道事業を構築するための耐震化への対応などがさらに求められておりますことから、水道料金につきましては、事業運営に係る全体経費や将来に渡る収支見通しを考慮しながら、十分に検討してまいります。

【荒川議員再質問】
 水道行政ですけれども、もう既に新聞報道でもあるように、
12月議会にかかって可決をされればそういうことで入ってきます。それでは宇都宮に今度の受水単価が下がることによっていくらのプラスになるお金になるのでしょうか。まずそれをお聞きしたいと思います。

【上下水道事業管理者】
 先ほどの答弁の中で、大変申し訳ございませんが、単価の引き下げにつきまして、私「引き上げ」と申し上げましたが「受水単価の引き下げ」でございます。訂正させていただきます。
 それと今の再質問でございますが、今回の単価の引き下げに伴って約年間17千万円余の単価が引き下げられる予定でございます。

【荒川議員再質問】
 宇都宮の水道料金は中核市の中でもまだまだ高いものがあります。それと同時に今の市民の暮らしが大変な状況でありますので、10円でも20円でも引き下げてほしいとこれが水道を使っている市民の願いです。あわせて、やっぱりこれは全宇都宮の姿勢として、こういう市民が大変なときには水道でも福祉でも中小企業応援でも、どこでもとにかく市民の暮らしをみんなで応援するのだよと、こういうことを示す必要が今大事なのだと思うのです。それが今、大変な中で頑張っている市民を勇気付けることになると思うのです。そういう点ではこの受水単価の引き下げ分は水道料金の引き下げに回してもらいたいと思うのですが、もう一度その点での上下水道事業管理者の覚悟の程をお聞きをしたいと思います。

【上下水道事業管理者】
 まず私どもの答弁の中でも申し上げましたが、非常に100年以上も経過した老朽管が多数ございます。今私どもの水道事業はその老朽管をまず取り替える作業、並びに浄水場が二つほどございます、松田、今市浄水場、これも老朽化して、今市につきましては、非常に老朽化しております。それをまずやることを最前提にやっております。先ほど先生の中から、黒字経営だと言われておりますが、私どものほうは安全で安心な水を市民の方に配水するということを目的に、誠心誠意頑張ってまいります。その後料金についても経営状況を鑑みながら、考慮してまいります。どうぞご理解をいただきたいと思います。

【荒川議員再質問】
 17千万で老朽化した資本を整備するなどというのは、当然これはなかなか大変なことだと思うのですが、水の料金との関係では、資本費にまで料金に乗っけたら大変な話です。資本費には水道局の努力でやるべきでありまして、そういう点では受水単価が下がってきているのですから、今まで市民が高い水を飲んでいたのですから、今度は安く県はしてくれるというのですから、それは素直に料金のほうに反映をさせてもらいたいと、要望にしておきますが、宜しくお願いしたいと思います。



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