200999

●福田くみ子議員

 発言通告に従い順次質問いたします。市長及び所管部長の前向きな御答弁を期待いたします。

  はじめに、保健福祉行政についてのうち新型インフルエンザについては時間の関係で削除いたします。

 まず市長の政治姿勢についてのうち、選挙結果を受けての市長の所感を伺います。830日投開票がおこなわれた衆議院総選挙では、国民の暮らしや平和を壊してきた自民公明政権が大敗を喫し、民主党が過半数を大きく上回る308議席を獲得しました。日本共産党は、「2大政党」「政権選択」という大キャンペーンの中で、現有議席を確保するにとどまりました。しかし、この選挙戦で沸き起こった風は、「これまでの政治を変えてほしい」という切なる有権者の願いの表れであり、自公政権ノーの風だと捉えています。またそれは日本の政治を前に動かす大きな前向きの一歩です。

 そこで、市長は自民党・公明党の支援を受ける首長として、今回の厳しい国民の審判をどのように受け止めておられますか?また、自公政権のどのような点に対する批判と考えていますか?さらに、市政との関係ではどのような変化が求められているとお考えですか、市長の見解を伺います。

 

◆市長

 まず、「市長の政治姿勢について」のうち、選挙結果を受けて」についてでありますが、このたびの選挙に当たりましてはいずれの政党や候補者も、国民の生活を第一に考えた政策を掲げながら、全力を尽くして戦ったところであり、選挙の結果につきましては、厳しい社会経済状況の中で、多くの国民が、将来の生活に対する不安や、現政権への不満の転換を求めた結果であると受け止めております。

 今後、国におきまして、選挙戦を通して主張されてきた様々な政策につきまして、活発に議論されていくものと思われますが、本市といたしましては、これまで以上に国政にかかる情報収集などに努めながら、本市の市政運営への影響を見極めたいと考えております。

 その上で、地方自治体の長といたしまして、様々な変化に適切に対応し、市民の幸せや、生活の安定を最優先に考えた市政運営に努めてまいります。

 

●福田くみ子議員

 次に「所得税法第56条」について市長の見解を伺います。所得税法第56条は、白色申告の事業者の場合、「生活を一にする配偶者とその親族が事業に従事した際、対価の支払いは必要経費に算入しない」としています。このため、家族従業者の給料については、税法上、必要経費として計上することが認められず、事業主の所得とみなされ、課税されています。事業主の所得からは配偶者86万円、家族50万円が控除されますが、家族従業者が働いた分が正当に反映されているものとはいえません。

「所得税法第56条」は第1に、憲法違反です。憲法第11条「基本的人権」、13条「個人の尊重」、14条「法の下の平等」、24条「両性の平等」、29条「財産権」などに照らしても、重大な問題があります。第2に、女性差別撤廃条約にも違反します。第3に、給料とみなされないためにさまざまな社会保障も不利になっています。年金は満額でも月額63千円、社会保険のように病気や出産のときにもらえる所得補償がありません。

 さて、一方で所得税法57条では、「青色申告」の場合、専従者の給料を必要経費と認めるとされていますが、これは問題の本質を解決するものではありません。もともと、青色申告制度は、一定の帳簿書類を備えつけ、記帳をしたものに対し、税法上各種の特典を与えようというもので、第56条の例外として認めてきたものです。財務省によれば、所得税法56条の目的は、意図的に「所得分割」を行い、納税額を低くするのを防止することにあります。一部の意図的・脱法的な「所得分割」を防ぐために、実際まじめに働いている家族の給与まですべて否定することは、家族従業員の人格を否定するものです。

 世界の主要国の多くでは、自家労賃を必要経費と認めています。国際的にも異常な制度を改め、家族従業者に労働の対価としての正当な報酬を実現し、中小業者・家族従業者の暮らしと営業を守ることは、地域経済を守るうえでも重要な課題となっています。以上を踏まえ、所得税法第56条の廃止を国に強く求めることについて、市長の見解を伺います。

 

◆市長

 次に、「所得税法第56条について」でありますが、所得税につきましては、個人所得の適正な把握と公平な税負担を確保するために所得税法におきまして、様々な規定が定められております。

 所得税法第56条は、個人商店や農・林業者などの事業所得者につきまして、事業と家計の区別があいまいである場合が多いことから、恣意的な所得の分割による税負担の軽減を防止するために、家族に支払った給与は事業主の必要経費に算入しないと規定されているものであります。

 ただし、所得税法第57条におきまして、「青色申告」の制度が規定されており、適正な記帳と帳簿書類の保存を行うことで家族に対して支払った給与を専従者給与として経費に算入することができ、また、その金額を事業者専従者の給与とされることが規定されております。

 このように、個人の事業所得等に関しましては、第56条と第57条の両規定によって的確な申告納税制度が確保されているものと認識しております。

 議員ご質問の「所得税法第56条の廃止を国に求めること」につきましては、所得税法は国税に関する法律であり、いかに事業者の所得を正確に把握し、公平に課税するかにつきましては、国において総合的に検討すべきものであり、また、議論がなされていることでもありますので、本市といたしましては、国の動向を見守ってまいりたいと考えております。

 

●福田くみ子議員

 次に、地域経済を守る公契約について伺います。市が結ぶ契約や雇用に関わって、「ワーキングプア」を生み出すようなことがあってはならないと考えます。また、公共サービスや公共事業の質の向上と従事労働者の処遇の改善は車の両輪であることから、「公契約ルール」の確立が求められています。国・自治体の民間委託労働者は全国で約1000万人,既に日本の労働者の5人に一人が「公契約労働者」になっているといわれています。内需主導の真の景気回復が期待されているとき、公契約労働者の処遇改善は、地域の資金循環や産業連関の力を向上させ、地域経済を活性化することが期待されます。

 今回の総選挙では、働く者が物のように使い捨てにされる…いわゆる派遣切りに象徴される雇用のあり方が争点の一つになりました。人間は将来に夢や希望を持ってこそ、力を発揮し、よい仕事ができます。公契約労働者にも「ディーセントワーク」−働き甲斐のある人間らしい仕事の確立が求められています。

 さて宇都宮市では今年8月より、建設工事における最低制限価格及び低入札調査基準価格を国の基準に上乗せして引き上げる内容の見直しを行いました。この見直しは、「ダンピング受注を防止し、下請け企業へのしわ寄せ防止や工事品質の確保、地域経済の活性化や雇用環境の改善」のためとしています。8月に新しい基準にもとづき入札が行われた建設工事は40件で平均落札率は89.7%となっています。価格の底上げは図れたものと思いますが、「下請け業者へのしわ寄せ」や「工事品質の確保」についてはどのように検証するのでしょうか。この一ヶ月間の取り組みについて市長の見解を伺います。

 

    理財部長

 「地域経済を守る公契約について」のご質問にお答えいたします。

 まず、「『下請け業者へのしわ寄せ』や『工事品質の確保』の検証について」でありますが、本市では、昨年8月から、最低制限価格の算出にあたり、労働者の賃金や、工事品質に関わる資材費などの経費である直接工事費を国の基準に独自に上乗せし、引き上げを実施したところであります。

 また、議員ご案内のとおり、本年8月には、本市を取り巻く厳しい経済情勢を踏まえ、安全対策などにかかる経費であります共通仮設費におきまして、4月に改正された国の基準に上乗せした最低制限価格の引き上げを行い、さらなる公共工事の品質を確保するとともに、地域経済の活性化や、雇用環境の改善に努めてきたところであります。

 現時点では、見直し後の契約実績が少ないため、評価は困難でありますが、見直し前の基準と比較し、落札率は、約2.8ポイント上昇しており、工事品質の確保や雇用環境の改善につながるものと考えております、

 今後、落札状況や工事成績などを分析し、検証を行ってまいります。

 

●福田くみ子議員

 さて、日本の建設業は4次,5次といった重層下請け構造になっており、現場労働者の賃金は下請けほど安いのが常識になっています。今回の本市の入札見直しは、元請にとっては、明らかに底上げが図られました。しかし、2次3次などの末端の下請け事業者や労働者の賃金や利益がきちんと確保される保証はありません。

公共工事では、予算決算及び会計令によって工事の契約の予定価格は「総額について定めなければならない」「単価についてはその予定価格を定めることができる」となっており個別労働者の労働者の賃金を決めることにはなっていません。2000年の150臨時国会で「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が成立し、「建設労働者の賃金、労働条件が適切に行われるように努めること」という付帯決議がつけられました。これによって、施工台帳が数次に渡る下請けまで明らかになったことは大きな前進ですが、「労働者の賃金」は、依然明確ではありません。

 そこで公共工事の入札・契約において労働条項を盛り込むことを提案したいと思います。1つ目に、公共工事の品質確保を目的とした労働条項を含ませた総合評価方式とすることです。総合評価方式は「公共工事の品質確保を目的とする」との理由で導入されたものです。元請受注業者がいかに優れた技術提案を行っても施工レベルでコスト削減、利益第一主義では、下請け業者には品質を確保できない低価格発注を押し付けることになります。そして,最終的に工事施工に携わる業者が労働者にまともな賃金・労働条件すら保障できない極限の低価格受注になるようでは、品質の確保はできません。総合評価落札方式に労働条労働項を含ませる取り組みについて市長の見解を伺います。

 

    理財部長

 次に、「品質確保を目的とした労働条項を含ませた総合評価落札方式について」でありますが、総合評価落札方式は、価格だけでなく、技術力、社会貢献度や労働安全対策などを総合的に評価し、最も優れた者を落札者とする方式であり、低価格での受注を防止するため、最低制限価格の見直しにあわせて、低入札調査基準価格の引き上げを実施したところであります。

 また、来年度には、法令遵守をはじめ、品質管理や雇用・労働などの社会的責任を果たしている企業を認証する「宇都宮まちづくり貢献企業の認証」を評価項目に加え、総合評価落札方式のさらなる充実により、公共工事の品質の確保に努めてまいります。

 

●福田くみ子議員

 また2つ目に、受注会社との契約時に労働条項に関する指導文書をつけることを提案します。「函館方式」と呼ばれる方法で適正な工事の留意事項として、契約時に「適正な賃金」を支払うよう求める文面と、労務単価表が掲載された指導文書を渡すものです。あくまで、指導文書で元請受注業者を拘束するものではありませんが、発注者としての意思を示したものです。「函館方式」の導入について市長の見解を伺います。

 

    理財部長

 次に「『函館方式』の導入について」でありますが、本市では、契約書や建設工事共通仕様書において、受注業者に対し、労働関係諸法令などの遵守について義務付けているところであります。

 「函館方式」につきましては、企業の自由な経済活動へ及ぼす影響が大きいと考えられますことから、導入は困難と考えて降りますが、今後引き続き、受注業者に対し、下請代金支払の適正化、ならびに施工管理の徹底などを指導してまいります。

 

●福田くみ子議員

 この項の最後に、公契約条例の制定について伺います。公契約制度とは、「公契約のルールの確立」によって住民本位の自治体作りを進めるものです。具体的には、公共工事や公契約の契約制度のあり方に、品質の確保と同時に適正な労務賃金や働き甲斐のある職場−ディーセントワークを実現するための「契約ルール」を作ることです。公務公共業務のコスト削減ばかりを追求すれば、結局人件費削減となり「官製ワーキングプァ」を大量に生み出すことになります。「ワーキングプァ」が担う公務公共業務は住民に何をもたらすのか,今改めて問われています。いかに現場が努力しても、不安定で入れ代わりが激しく、そのために業務が切り分けられマニュアル化せざるをえません。職場の人員体制や、公務員の身分保障などを根本から崩し、公務労働の中立・公正・安定・継続性を損ない、結果として住民サービスの低下をもたらします。同時に、自治体での雇用の流動化と処遇面での劣化を推し進めるものとなっています。公の施設に導入された指定管理者制度の再公募にあたっては、期限付きの不安定雇用を大量に作り出しました。民間の財産である公の施設の委託が「安ければ安いほどいいのか」を問い直す時が来ています。このような情勢を踏まえ,公契約条例の制定について市長の見解を伺います。

 

    理財部長

 次に「公契約条例の制定について」でありますが、公契約条例は、適正な労働条件の確保を主な目的としておりますが、労働条件は、労働関係諸法令に基づき、労使間の協議で決められるものであり、国の法整備がなされていない中、市独自での条例制定は難しいものと考えております。

 

    福田くみ子議員

 次に安心して共働きができる保育行政について伺います。

宇都宮市では,2008年4月には40名、10月には184名、年度末の3月には326名が待機児童としてカウントされています。さらに、その裏に広がる潜在的保育需要は高まる一方で、入所を希望する児童数は200810月には642名、20093月には750名に達しています。ちなみに20093月に入所を希望した750名のうち入所できたのは47名です。

 男女共同参画以前の問題として、若い世帯に広がる貧困や失業により、共働きを望む世帯が増え、当然のことながら保育需要はさらに増しています。そこでこれまで、宇都宮市は保育需要をどのように予測してきたのか、その根拠は何か、また、どのように対応してきたのか、まず伺います。

 

    子ども部長

 「保健福祉行政について」のうち、「安心して共働きができる保育行政について」のご質問にお答えいたします。

まず、「これまでの保育需要の予測とその根拠、保育需要予測への対応」につきましては、平成17年度に策定した、向こう10年間の「保育園の整備方針・整備計画」において、待機児童は発生しているものの、少子化の進行により、保育需要は減少していくものと予測したところであります。

 当面の待機児童解消策につきましては、保育所の増改築にあわせた定員増を行うとともに、地域の核となる基幹保育園に位置づけ、在家庭への支援を含む保育の質の維持・向上に努めてまいりました。

 

●福田くみ子議員

 また制度改変では、保育対象を「希望するすべての児童」に拡充することも検討されています。「保育に欠ける」範囲が狭められてきたにも拘らず、待機児童は解消されない中、今後の保育需要をどのように見込んでいるのか市長の見解を伺います。

 

    子ども部長

 次に、「今後の保育需要の見込み」についてでありますが、昨今の急激な社会状況の変化に伴う女性の社会進出に加え、平成25年度には、保育を希望するすべての子育て家庭に対する保育サービスの実施が予定されておりますことから、今後ますます保育需要は増大するものと考えております。

 

●福田くみ子議員

 次に待機児童解消の柱は、保育所の増設を基本にすべきと考えます。街中や空き店舗の改修など、その場しのぎで安上がりの対応では、子どもの生活と発達を保障することはできません。また、儲からなければ撤退も自由な営利追求の企業保育所は、東京近郊のハッピースマイルの突然の撤退という出来事が問題を露呈したといえます。保育所整備は、地域の子育てセンターとしての役割を担えるよう、保護者の利便性からも、地域に根ざしたものとすべきです。以上のような観点を踏まえ、今後の保育所整備の考え方を伺います。

 

    子ども部長

 次に、「今後の保育所整備の考え方について」でありますが、現在、見直しを進めております「保育園の整備方針・整備計画」におきまして、地域の保育サービスの維持・向上を図り、本市全体の保育の質を高めるなど、公立保育所が果たすべき役割について明確にするとともに、待機児童の解消に向け、地域性や適正配置などに十分配慮しながら、民間保育所の新設や改築に併せた定員増を図り、保育所の計画的な整備に努めてまいります。

 

●福田くみ子議員

 また、2001年度からの「入所定員の弾力化」は、児童福祉法の最低基準を満たしていることを条件に、4月当初は定員の115%まで、5月以降は125%まで、10月以降は無制限に、ただし新年度明けの4月には115%以下に戻ることを条件に認められています。ところが、本市では084月時点で、115%を超えている園は公立・民間合わせて71園中約3割にのぼる21園となっています。市東部に位置する、ある民間保育園では、同4月時点で143.3%となっています。増大する保育需要にきちんと応えず、国の規制緩和の範囲をさらに超え、ズルズルと詰め込みをすすめてきた本誌の責任は重大です。このような基準を超えた入所が常態化していることについて市の指導責任が問われますが市長の見解を求めます。

 

    子ども部長

 次に、議員ご指摘の「定員の弾力化を超えた入所の常態化」につきましては、育児休業明けの再入所や、兄弟等の同時入所などの特別な理由により、緊急かつ一時的に受け入れることによるものであると考えております。

 国の定める、入所定員を超えて受け入れる弾力的な運用に当たりましては、入所児童1人当たりの基準面積など、児童福祉法の基準を遵守し、保育の質が低下しないよう適切な保育を行っているものと認識しております。

 

●福田くみ子議員

 またこのような安上がり保育の背景には、政府が進めてきた福祉構造改革の一環としての保育予算の切り縮めがあります。その決着点が今度の制度改変です。市長は、自治体と利用者に大きな負担を押し付ける保育予算のカットと制度改変にきっぱりとものを言うべきと考えますが見解を伺います。

 

    子ども部長

 次に「保育予算のカットと制度改変に対する考え方」についてでありますが、新たな保育制度の内容が明らかになり、地域を支え、国を支える子どもたちの健全な成長の維持・向上につながらないような場合には、その是正について、栃木県市長会や全国市長会を通じて国に働きかけてまいりたいと考えております。

 

●福田くみ子議員

 またこの近くには、市も認める10年近い実績のある認可外保育所もあり、常時25名前後の児童を保育しています。本市での認可を希望していましたが叶わず、来年度から上三川町で認可保育所としての移転が決まっています。

国では待機児童対策として、認可外保育所の底上げによる認可保育所の増設も促してきましたが、待機児童の受け皿となってきたこうした事業者の他自治体への流出を、どのように考えているのか伺います。

 

    子ども部長

 次に、「認可外保育所を運営する事業者の流出」についてでありますが、本市において運営が行われていた認可外保育施設が市外へ移転することにつきましては、保育資源の流出となり、本市にとりまして損失であるとものと考えております。

 本市におきましては、待機児童の解消に向け、より良い保育を行っていただける多くの事業者に、保育事業へ積極的に参画していただきたいと考えております。

 

●福田くみ子議員

 また、実績のある認可外保育所の底上げを図り、認可園としていくことは、家庭的保育所を増設するより何倍も速いと考えます。認可外保育所は、保護者から徴収する保育料と僅かな補助金のみの苦しい運営を余儀なくされております。認可外に通う子どもも同じ宇都宮の子どもです。保護者の経済的負担の軽減と保育環境および労働環境の改善のためにも、早急に認可に向けた支援を行うべきです。市長の見解を伺います。

 

    子ども部長

 次に、「「認可外保育所に対する認可に向けた支援」についてでありますが、認可外保育施設につきましては認可保育所を補完する役割を担う施設として位置づけ、運営費に対して財政支援を行っているところであります。

 今後は待機児童が増加すると予測される地域において、認可保育所としての施設用件を満たした意欲ある認可外保育施設に対しまして、認可が可能となりますよう、施設整備や保育の質を向上させるための必要な支援を検討してまいりたいと考えております。

 

●福田くみ子議員

 次に「誰もが必要な医療を受けられる国民健康保険について」伺います。現在、国民健康保険運営協議会では、「国保税の税率の見直し等について」諮問を受け、論議が進んでいるところです。是非とも、誰もが必要な医療を受けられるよう、建設的な答申を期待したいと思います。

 さて国民健康保険財政は、1984年「行政改革」の名のもと、国庫負担金を総医療費の45%から38.5%に引き下げたこの時期から、全国的に国保税の値上げに拍車がかかり、滞納が増大してきました。これまでも、指摘してまいりましたが、宇都宮市では、保険税も滞納率もトップクラス。一方では、一般会計からの政策的繰り入れは最低クラスです。高すぎる国保税が滞納率を引き上げ、さらに保険税を引き上げるという悪循環を断ち切るためには、一般会計からの政策的繰り入れを増やし、払える保険料に引き下げるべきだと求めてきました。

 さて、平成2223年度の国保財政の見通しについて市は、約13億円の歳入不足になるとの見通しを示しています。国保運営協議会では、現状での被保険者の負担増となる国保税の引き上げは無理であるとの判断から、税率は現状維持との方向となっています。その場合、一般会計からの繰り入れ増額は必至となるものと考えますが市長の見解を伺います。また、国保運営は今後ますますひっ迫することが予想されますが、一般会計からの政策的繰り入れを含め、市民の命と健康を守る国民健康保険をどのように守ろうとしているのか、市長の見解を伺います。

 

    保健福祉部長

 「保健福祉行政について」のうち、「誰もが必要な医療を受けられる国民健康保険事業について」のご質問にお答えいたします。

 まず、「一般会計からの繰り入れ増額に対する見解と国民健康保険をどのように守ろうとしているのかについて」でありますが、国民健康保険は、国民皆保険の中核を担う重要な制度であり、今後とも、安定的な運営を図る必要があると認識しており、これまでも、国の基準などに基づき、一般会計からの繰り入れを行うほか、より一層の収納率の向上や医療費の適正化などに取り組むとともに、国への財政支援の要望などを強化してきたところであります。

 しかしながら、国民健康保険は、年々、高齢者や無職者の加入割合が増加しており、税負担能力の低下や医療費の増加などにより、国保財政がひっ迫することが懸念されているところであります。

 このようなことから、国保の安定的な運営に向け、本年8月、国民健康保険運営協議会に、税率の見直しを含めた財政の健全化策について諮問したところであり、現在、同協議会におきまして、一般会計からの繰り入れも含め、審議がなされているところでありますので、その答申を待って、判断してまいります。

 

●福田くみ子議員

 2点目に生活保護基準すれすれの低所得者も含め、医療を受ける権利を保障するための具体的対策について、一部負担金減免制度と、保険税の申請減免制度について伺います。

 先日、ご相談にみえた年金暮らしのご夫婦の収入は、夫の年金約180万円のみ、月額約15万円の収入です。介護保険料や、市民税など天引きされて手元に入るのは、約13万円。家賃3万3千円、光熱水費など約2万。夫は心臓病をはじめ手術も必要な複数の病気を抱え、妻もメニエルや高血圧など医者通いは欠かせません。月に2万円前後の医療費がかかります。この世帯の国民健康保険税は107500円です。8ヶ月に分けて払いますから、一ヶ月約13,500円。こういった必要経費を引くと残り約4万円で、二人分の食費・交通費・被服費などすべてをまかなう生活です。生活保護のお世話になりたくないと、頑張ってきました。しかし、長年にわたる病院の窓口で払う一部負担金と、国保税の重さに押しつぶされようとしています。まさに国保が命を削っていると言わざるをえません。

 このように、年収200万円以下の保険税負担はとりわけ重く、滞納世帯の約7割を占めています。保険税を払うと医者にかかれない、医者にかかれば、食べるのを我慢するしかない状況です。このような世帯を救うには今は生活保護しかありません。累積滞納金はいずれ、そのまま、不能欠損として処理され、収納率を引き下げることにもなります。

 医療機関の窓口で支払う一部負担金を減免するためには、国保法第44条に基づく「一部負担金減免制度」があります。本市の場合低所得の基準がないために、適用の範囲は災害によって大きな被害を受けた世帯などごく一部に限られ、このような貧困世帯は対象とはなっていません。宇都宮市での実施状況と、今後、貧困世帯を対象とするなど積極的運用について市長の見解を伺います。

    保健福祉部長

 次に、「一部負担金の減免制度について」でありますが、この制度は、法の規定に基づき、災害による被災者や生活困窮者に対し、医療機関の窓口で支払う自己負担額を減免する制度であり、本市におきましては、阪神・淡路大震災で被災した方を対象に5件適用したところであります。

 今後の運用につきましては、現在、国で、減免基準に関して、「一部負担金の適切な運用に係るモデル事業」を実施しており、平成22年度中には、一定の基準が示される予定となっておりますことから、その動向を見ながら、適切に対応してまいります。

 

●福田くみ子議員

 また、国保税の申請減免制度の運用を定めた「宇都宮市国民健康保険税減免取扱要綱」によれば、貧困を理由とした国保税減免基準は、「前年所得との比較で減少した場合」と「生活保護法の適用を受けたもの」に限られます。もともとこの所得でギリギリ頑張っていた人は、対象とならないため滞納世帯が増える要因にもなっています。そこで、国保税減免の対象を生活保護基準の1.5倍の所得程度まで拡充するよう「宇都宮市国民健康保険税減免取扱要綱」を改正してはいかがでしょうか。市長の見解を伺います。

 

    保健福祉部長

 次に、「保険税減免取扱要綱の改正について」でありますが、「保険税の減免制度は、失業などにより、前年に比べ大幅な収入の減少となり、保険税の納付が困難になった場合に適用するものであり、その取扱につきましては、国の通知により、所得金額などで画一的に行うことは適当でないとされておりますことから、要綱の改正は難しいものと考えております。

 本市といたしましては、雇用状況の悪化に伴い、失業などで新た国保に加入した方などに対し、積極的に減免制度の周知を図っているところであり、昨年度の63件に対し、今年度は7月の当初課税以降、8月末までに191件の減免を行ったところであり、引き続き、制度の周知に努めてまいります。

 

●福田くみ子議員

 保健福祉行政の3点目に、障がい児の日中一時支援事業の拡充について伺います。障がい児の日中一時支援事業は20年度までに10施設において定員75名の受け入れが実施されています。障がい児にとって放課後の時間をどのように過ごすかは、家族の負担軽減はもとより、発達の上でも影響が大きいことから、利用日と対象年齢の拡大は関係者の強い要望でもあり、日本共産党市議員団としても毎年予算要望していたところです。今年度より、のざわ特別支援学校に通う小中学生については、知的障がい児厚生施設「晴明」において社会福祉法人「鳩巣会」が定員5名で、富屋特別支援学校に通う知的障がいの小中学生については、同学校内において社会福祉法人「すぎの芽会」が定員10名で、新たに受け入れが開始されました。対象も知的障がい児についても、条件付ながら中学1年生まで拡充されたことは大変大きな前進として受け止めています。先日、両施設を視察にうかがったところ、子どもたちも生き生きとした表情で過ごしており、指導員の方々も温かい目で子どもたちと接している様子を目の当たりにしました。あらためて障がい児の活動の場を保障することの大切さを実感したしだいです。しかし、利用できるのは、のざわ特別支援学校の生徒においては週2日、知的障がい児においても週3日から4日が限度です。また対象年齢も、中学生の一部をカバーするのがやっとです。一般の学童保育と同様に、希望すれば毎日でも利用が可能であるという環境を1日も早く整えることは、遅れている障がい者の権利を前進させるうえで重要だと考えます。そこで、今後の放課後支援事業の拡充のスケジュールをどのようにお考えか、市長の見解を伺います。

 

    市長 

 次に、「障がい児の日中一時支援事業の拡充について」でありますが、現在、本市におきましては、特別支援学級に通学する障がい児を対象に、放課後や夏休み中の日中の活動の場を提供いたしますとともに、介護されているご家族の一時的な休息の場を確保するため、放課後支援型の日中一時支援事業を実施しているところであり、順次、その場所を拡大し、現在は12か所で実施しているところであります。

 こうした中、中学生までのニーズを踏まえ、本年5月には、新たに中学生を対象といたします「日中一時支援事業放課後型」を富屋特別支援学校で開始するとともに、既存施設の利用状況を踏まえ、受け入れることが可能な施設におきましても、中学生を対象とした事業を開始し、より多くの障がい児が利用できるよう事業の拡充を図ってきたところであります。

 議員ご質問の、「今後の日中一時支援事業放課後型の拡充スケジュール」についてでありますが、事業の拡充にあたりましては、利用者の希望が最も多い週3回の利用ができるよう、まずは、実施か所の拡大に努めてまいりたいと考えております。

 

●福田くみ子議員

 また、富谷特別支援学校での日中一時放課後支援事業は、生活訓練棟の2階の一室を借りて実施しているため、冷房はもちろん、冷蔵庫もなく夏休み中の生活の場としては、不適切と言わざるをえません。子どもたちの放課後及び長期休みの生活の場としての環境整備を早急に整えるべきではないでしょうか。市長のご見解を伺います。

 

    市長 

 また、「生活の場としての環境整備」についてでありますが、議員ご指摘の富屋特別支援学校におきましては、「生活訓練棟」の利用を基本としておりますが、当該施設は冷房設備がないことから、夏休み中期間中は、同校内の冷房設備のある「機能訓練室」で事業を実施したところであり、冷蔵庫につきましても、学校側との設置場所の調整が終了し、現在は利用されております。

 この「日中一時支援事業放課後型」の実施にあたりましては、障がい児が快適な環境で利用することが重要であると考えておりますことから、今後とも、事業者と綿密に連携を図りながら、快適な環境の確保に努めてまいります。

 

●福田くみ子議員

 次に持続可能な社会をめざすより積極的な環境行政について伺います。

はじめにごみ減量について2点伺います。1点目は、このほど県が明らかにしたレジ袋の有料化をごみ減量に繋げる取り組みについてです。県ではこの9月から、参加企業の公募を募り、協定を結び、来年早々から有料化を実施する方針を明らかにしました。私は2008年の6月議会において、「レジ袋」の削減とごみ減量化について質問いたしました。宇都宮市では、ごみ発生抑制の意識啓発に有効である点から、「レジ袋」の有料化やポイント制など実施しているスーパーなどをエコショップとして認定することで後押しするとのことでした。あまり積極的ではない背景として、レジ袋がごみ袋として活用されている現状があります。レジ袋がなくなれば、ゴミ袋を新たに購入し、消費することになり、ごみの減量効果は期待できないとの考えです。福田知事は「最終目的は有料化ではなく、環境負荷の少ないライフスタイルにかえること」と述べていますが私も同感です。つまり発想の転換です。行政側も発想の転換が必要です。

本市の場合、燃えるごみばかりではなく、ペットボトル空き瓶などの資源ごみ、危険ごみ、埋め立てごみなどすべてが半透明のごみ袋で出すことになっています。燃えるごみ以外のごみについて、それぞれ色違いの通い容器をステーションに設置してはいかがでしょうか。個々の家庭は、収集日にステーションに設置された通い容器に分別して入れておき、収集車は中身だけを集めて回ります。これならば、分別の確認も一目でわかりますし、ごみ袋は必要なくなります。初期投資はかかりますが、このような方法を導入している富士市などでは大きな効果を上げています。

「レジ袋有料化」をごみ削減に生かす取り組みとして、またごみ削減の意識啓発としてこのような方法の導入について市長の見解を伺います。

 

    環境部長

 「持続可能な社会をめざすより積極的な環境行政について」のご質問にお答えいたします。

 まず、「レジ袋有料化をごみ削減に生かす取り組みとしての通い容器の導入について」でありますが、レジ袋の削減はごみの発生抑制や地球温暖化対策を推進する上で大変有効な取り組みでありますことから、現在、県では、「とちぎレジ袋削減推進協議会」を立ち上げ、レジ袋の有料化に向け取り組んでおり、本市といたしましても、その趣旨を踏まえ、今後、県との連携を図りながら、レジ袋の削減とごみ減量化に努めてまいりたいと考えております。

 議員ご提案のごみ袋から「通い容器」へ転換につきましては、本市では約14千箇所のごみステーションのうち、8割以上が道路を利用しておりますことから、容器を設置することは、スペースの確保、交通への支障、収集後の維持管理など様々な問題の発生が予想され、導入は難しいものと考えております。

 

●福田くみ子議員

 次に生ごみの資源化について伺います。宇都宮市では、重さにして燃えるごみの約2分の1を占める生ごみの資源化が大きな課題となっています。コンポスト、電気式生ごみ処理機など一般家庭への購入補助、学校給食残渣の飼料化実験や大型生ごみ処理機の導入、果ては「エコシティ宇都宮」の稼動で、急遽方針転換するなど、その方向性は定まりません。

 とりわけ、学校給食残渣の資源化における大型生ごみ処理機の導入については、2005年に2校、2006年に2校計4台が稼動を始めたばかりで、導入から2年足らずでその後の計画を取りやめ、残りの89校の生ごみは20084月から、すべて「エコシティ宇都宮」に搬入となりました。学校への生ごみ処理機の導入は、環境教育の上でも有意義であり、フル活用すれば地域の生ごみも処理できる可能性ばかりか、生ごみ減量の意識啓発に大変有効なツールとなる可能性があります。急な方針転換は大変遺憾であり、市民の納得は得られないのではないでしょうか。この事業の評価や検討はどのように行われ、方針転換はどのように決定されたのか、市長の答弁を求めます。

 

    環境部長

 次に「事業の評価や検討、方針転換の決定方法について」でありますが、学校給食生ごみ資源化事業は、生ごみの資源化を図るため、大型生ごみ処理機を導入したもので、生ごみの減量化・資源化や地域内での地産地消の推進、また、身近な教材としての環境教育など一定の成果を上げたものと考えております。

 このような中、平成188月には、事業系生ごみの資源化を目的とした民間事業者による資源化施設が稼動し、すべての学校の生ごみの資源化が可能となるとともに、処理費用の軽減も図られますことから、平成19年度に「「宇都宮市ごみ処理基本計画」を改訂する中で、学校給食生ごみにつきましても民間事業者で資源化することと位置づけたところであります。

 

●福田くみ子議員

 またエコシティ宇都宮は、食品リサイクル法の施行に伴い、建設された民間の工場ですが、国から約26千万円という多額の補助金が投入されています。しかし、当初からトラブル続きで、現在大規模な改修が行われていると聞いています。大規模な生ごみ処理工場は技術的に難しく、故障や悪臭の発生など全国の自治体でもうまくいっているとはいえません。各家庭への意識啓発や努力で、減量及び資源化の余地があることも確かです。そこで今後のごみ減量と生ごみの資源化について、どのような方向性をお持ちか市長の見解を伺います。

 

    環境部長

 次に、「ごみ減量と生ごみの資源化の方向性について」でありますが、現在、消費・賞味期限切れ食品などの「もったいない生ごみ」の発生抑制、水切り励行の周知啓発のほか、生ごみ処理機などの購入に要する費用の一部を補助するなど、各家庭での減量化・資源化を推進しているところであります。

 今後は、持続可能な循環型社会の構築を目指し、策定を予定しております、新たな「宇都宮市ごみ処理基本計画」の中で生ごみの資源化を含め、ごみの減量方策につきまして検討してまいります。

 

090909 福田くみ子議員の再質問・再答弁

福田議員

 何点か再質問をさせていただきます。まず生ごみの資源化についてですが、私、これまでにも質問してきたのですけれども、学校への大型の生ごみの処理機の設置と民間の生ごみの処理工場に搬入する場合の単価ですが、処理費用ということで調べました。学校への大型処理機の場合には、1トンあたり約20万円かかるというお話なのです。設置費用が、これまで4校設置していて、1校あたり750万円ぐらいかかっています。というお答えでした。一方、民間の処理工場に搬入する場合には、トンあたり2万2千円というふうに聞いているのですけれども、これ、ちょっとおかしいなと思ったのですけれども、生ごみの処理施設は4校あるのですけれども、全部合わせますと、一日あたり21トン処理ができるのです。そうすると私の計算によると、処理費用は20万円というふうにおっしゃっていたのですけれども、約その5分の1、約4万円ぐらいで済むのじゃないかというふうに思います。そういう意味でも、もちろんそっちのほうが、単価が高いよと言われれば、それまでなのですけれども、今のエコシティが工場の改修などでうまく回っていないという現状なども含めると、どうみても私は納得ができないのです。やはり市民啓発やごみ減量に対する環境教育、そういうことも勘案すれば、やはり学校に設置していくという方向は、私は正しかったというふうに思っているのですけれども、そういうものがきちんと検証されずにいつの間にかこういうふうに変わっているということが一番私は問題だと思っていますが、そのへんの意思形成過程について、透明性が確保されていないという件についてお答え願いたいのですけれども。

 

環境部長

 再質問にお答えいたします。まず処理単価につきまして、福田くみ子議員さんのおっしゃるとおり、処理機につきましては20万円、民間事業所では22千円というのは間違いなくこの数字でよろしいかと思います。ただ処理費用につきましては、各学校に設置しております生ごみ処理機につきましては、大きいもので日量100`、小さいものですと日量30`でございます。その辺は訂正させていただきます。それと転換したときの意思決定につきましては、答弁でもお答えしましたとおり、19年度に向けてのごみ処理基本計画の改定の論議の中でこの件も議論いたしまして、こういう形に変更したという経緯がございます。以上でございます。

 

福田議員

 その経過ですけれども、誰がどこで転換したかということを明確にご答弁いただけますか。

 

環境部長

 計画の改定にあたりましては、関係各課の係長クラスまた課長クラス、部長クラスのそれぞれの段階がありまして、それぞれの段階でさまざま議論をして内容を固めていくという作業を行っております。どこの課というのはちょっと申し上げられませんが、関係のある課、財政部門それから行政経営関係、農務関係、さまざまあったと記憶してございます。以上です。

 

福田議員

 なかなか明快なご答弁がいつもいただけないのですけれども。委員会でもまた取り上げたいと思いますけれども、こういったいろんな大きな方向性を決める時に、やはりその意思形成の過程が大変不透明で、いつの間にか変わっているというようなことが大変さまざまありまして、その中身についてなかなか情報公開されないということが私はすごく問題だというふうに考えています。

 では次の質問に移ります。保育の問題です。入所率がどんどん上がっているということなのです。その入所率については、何回か質問をこれまでしてきたのですけれども、平成4年から平成20年までの資料を持っております。赤い棒グラフなので見えやすいかと思いのですけれども、こちらが平成4年です。平成4年の頃は、入所率が約80%でした。それが今、入所率は110%を超えているところです。このような棒グラフで見ていただくと一目瞭然、詰め込みの状況がわかるかと思います。そういう状況の中で、子どもたちの環境というのが、もう保育士はクタクタ、子どもはストレスが増大して、保育にも余裕がないことから、いつ事故が起きても不思議じゃないと、こういう状況になっています。こういうところで、先ほどのご答弁だと、ある保育園というふうに申しましたが、そこの入所率について、平成16年の4月、116%、17年の4月、146%、18年の4150%、19年4月116%、204143%、今年の3月においては173.3%です。これが緊急で一時的な措置としてしょうがないというふうに認めておいていいものなのでしょうか。その辺、再度ご答弁いただきたいと思います。

 

こども部長

 再質問にお答えいたします。先ほどご答弁申し上げましたように、さまざまな要因があるかと思いますけれども、特に、産休明けの保育の需要、そしてまた兄弟入所、そういった特殊の事情というものも聞いてございますので、これにつきましては、そういった理由でもって、高率というような入所率になっているものと思っております。ただそういう中でも、保育士の配置基準あるいは、園児の一人当たりの面積、そういったものが十分重視された形での保育が行われているというふうに聞いてございますので、保育の子ども一人のサービス低下と、そういったものについては、懸念はないというふうに考えております。以上でございます。

 

福田議員

 これを、緊急かつ一時的というふうに呼んでいいものかどうか、まずそこのところをきちっとお聞きしたいと思います。

 

子ども部長

 再質問にお答えいたします。そういった数値、確かに常態化というような言葉を使われましたけれども、これにつきましては私どものほうでもこれを好ましいとは思ってございません。これまでも是正につきまして、指導してきたわけでありますけれども、これは今後とも早期の是正に向けて指導してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

福田議員

 だから、指導してきましたと言うけれども、結果的にこれは何年も放置されていたという状況は認めますか?

 

子ども部長

 放置を認めてきたというよりも、やはり保育ニーズでやむを得ずというふうに私どもは考えております。以上でございます。

 

福田議員

 保育のニーズだからと言ってどんどんどんどん詰め込みが行われれば、どういうことになるか、質の低下は当然ではないでしょうか。そういうことは考えないで、ニーズがあればどんどん受け入れて詰め込むということですか?

 

子ども部長

 再質問にお答えいたします。やはりですね、待機児童も非常に多い中で、そしてまた、先ほど申し上げたように、産休明けとかあるいは兄弟の入所、これは当然引き離すというわけにはいきませんので、そう意味ではこれはある一定、そういう事情もくみまして、やむを得ずと言いますか、慈善といいますか、そういった意味で、待機にはしたくないという中での措置でございます。以上でございます。

 

福田議員

 そういうことが結局何年も放置されておいて、これまでの質問の中でありましたけれども、いったい、待機児童、いつになったら解消できるんだ、これまで、保育需要をどのように調査をして、それがきちっとなかったから、こういう状況が結果的にとりあえず緊急的というまま放置されてきた、その大きな原因だと、私は考えますけれども、いかがでしょうか。

 

子ども部長

 再質問にお答えいたします。現在、保育園の整備方針整備計画がございますけれども、これは17年度に策定いたしました。その段階では少子化の傾向という、そういう予測がございまして、将来ともに、これは少子化の中で保育需要は減っていくだろう、減少していくだろうと、そう見込んだ結果でございまして、その中で当面その待機児童が発生しておりますけれども、この解消に向けましては、保育園の改築と合わせた定数増そういったものをしながら対応していきましょうとそういうような対応を考えたところであります。そんな中で、大きく昨今の経済環境の変化によりまして、女性の社会進出もございます。そういうことで、今回、現在私どものところで計画を見直しているという段階でございます。以上でございます。

 

福田議員

 最後に市長にお伺いしますけれども、私は母親の働く権利、子どもの全面発達を保障する、そういう権利を担うのが国と市の責任だというふうに思っています。それが実現できるような保育園整備計画をこれから見直すということですので、ぜひその立場に立って立てていただくという意気込みを市長の口からぜひお聞きしたいと思います。

 

市長

 福田議員の再質問にお答えいたします。議員の口からもありましたとおり、国と地方自治体の役割であると思っております。その中で、国の制度の中で当然行っていく保育行政でありますので、国に対して要望することは要望しながら、我々地方自治体としてできることを法に従って遵守しながら進めていきたいと考えております。また先ほどのご指摘の中でもありましたけれども、私どもといたしましては、このような経済状況に対応するためにも、何の努力もしないのではなくて、保育ママ制度等の対応もしておりますし、また保育の質の低下が起きないようにという努力はしっかりとしておりますので、その点については申しておきたいと思います。

 

福田議員

 最後に国保の問題でお聞きします。先ほど、一般会計からの繰り入れについて答申を待ちたいというお返事でしたけれども、これも時間がありませんので市長に直接お聞きします。保険者としての意思を聞いているのです。運営協議会の答申を待つ・答申を待つでは困るのです。やっぱり保険者は宇都宮市でございます。市長がそのトップでございます。その中で一般会計から13億円というお金を出す意思があるかどうかということは、国保運営協議会での論議も加速させることになると思うのです。運営協議会だけのことを待ちますだけでは議会軽視ではないでしょうか。ですから、市長にはきちんとお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

市長

 ただいまの再質問にお答えいたします。答申を待つ間にというお話がありましたけれども、諮問をさせていただいた以上はそちらの機関にしっかりと、周りからの、外野からの圧力等がないように審議をしていただけるように見守るとともに、行政、我々といたしましても、その答申を待つ間にしかるべき努力はしっかりと続けてまいりたいと考えております。

 

福田議員

 保険者は宇都宮市です。宇都宮市の意思大変重要だと思います。ですからその立場で市長にはお答えいただきたいと思います。以上です。

 

市長

 先ほど申し上げたとおりでございます。