2009年6月15日、荒川つねお議員の一般質問・答弁から抜粋
「その時、市長はサイパンだった」について
【荒川議員】
発言通告に基き質問します。明快な答弁を求めます。
第1に、市長の政治姿勢について。「その時、市長はサイパンだった」についてです。
既に、今議会で他の議員も質問しました。新型インフルエンザ流行の国際的な緊張のもと、WHOが警戒水準をフェーズ5に引き上げた5月30日、本市初の新型インフルエンザ対策本部会議が開催されましたが、本部長の市長は欠席でした。「その時、市長はサイパンで市発注業者らとゴルフ等に興じていた」この新聞報道に、私達市民は唖然とさせられました。そして、市長の言い訳にもならぬ言い訳に、市議会日本共産党は直ちに「50万市民の生命と健康を預かる者としてあってはならぬこと」「一緒に外遊したメンバーに市受注企業の社長や幹部が3人もいる。市発注業者との癒着構造そのもの」と重大性を指摘し、この問題での市民への公式な謝罪と反省、市発注業者との癒着についての説明責任を求める申入れを行いました。市長は、議会の全会派で構成していない各会派代表者会議では陳謝しましたが、市民に向けては何も語らず、今議会に至ったことはきわめて残念な政治姿勢であることを厳しく指摘したい。市民からこの報道直後、こんな声が届きました。「危機管理監にインフル対策本部の初会議を任せて外遊するくらいなら、本部長は危機管理監がなればいい。市長はいらない」今回の市長の行為への市民の怒りの声にどう答えますか?改めて市長の答弁を求めます。
【市長答弁】
荒川議員の御質問に、順次お答えいたします。
まず、「市長の政治姿勢について」のうち、「サイパンへの渡航について」でありますが、
「市長の行為への市民の声」につきましては、南木議員の御質問に、お答えいたしましたとおり、今回の渡航は、より慎重な対応が必要であったものと痛感しており、議員の皆様、さらには市民の皆様からのお叱りを真摯に受け止め、心から、反省しているところであります。
【荒川議員】
さて、今回の市長の行為とその後の対応で、最も問題なのは、市発注業者とのただならぬ癒着構造にあります。2008年度だけで約17億5000万から4000万もの受注実績のある企業の社長や幹部らと一緒に外遊する。これは、国内、市内で一緒にゴルフをしても大問題なのです。つまり、これは市長が守るべき政治倫理を逸脱した行為に他ならないのです。下野新聞のコラムにも書かれました。「瓜田に履を入れず、李下に冠を正さず」50万市民の長として、この戒めを守れず政治不信を生み出した責任は重大です。この問題の説明責任を果たし、政治不信の解消をきちんと果たすべきです。
ついては、市民の前に、外遊に同行した市発注企業に関わる3人とは誰か、またそれにかかわる20年度発注の契約は何だったのか、公表すべきと思うがどうか。また3人と言われる市からの受注企業の社長や幹部には、自ら名乗り出てもらい、市受注業者としての企業倫理上の反省を示すよう促すべきではないのか。答弁を求めます。
【市長答弁】
次に、「同行者名などの公表」についてでありますが、今回の渡航は、全く私的なものであり、また、個人の情報でもありますことから、この場でお答えすることは適当でないものと考えております。
しかしながら、同行者とは、市の契約に関する話をしたことは一切なく、私の私的な付合いと、入札とは、何ら関係はありません。
次に、「同行者に反省を」についてでありますが、今回の件は同行した私の責任であり、同行した私の友人達は、一連の報道等により、大変後悔しているものと思います。
今回の私の行動により、皆様に、御迷惑と御心配をおかけしましたことを深くお詫びするとともに、今後は、これまでにも増して、気を引き締め、市政運営に取り組んでまいります。
再質問・再答弁
【荒川議員】
それでは再質問をしたいと思います。
まず市長の外遊問題でありますけれども、これは起きたときから疑問に思っていたことがありました。それは、その時、副市長はどうしたのかということです。市長がこんな大事な時に外遊をするという事に対して、副市長は市長をサポートするものとしてどういう対処をしたのか。市長は反省を述べていますけれども、副市長に反省はないのか。その点についてまずお聞きしたいと思います。
【副市長答弁】
只今の荒川議員の再質問にお答えいたします。当然副市長として市長をサポートするのが役割でございます。全く同様に反省をしておるということでございます。
【荒川議員】
インフル問題は文字通り危機管理の問題で、こんなことでは困るという事だけは指摘しておきたいと思います。市長と一緒に反省をしてやり直してもらいたいと思います。
次に、市長と同行した3名のいわゆる受注業者の社長や幹部の問題でありますけれども、市長はこの間の答弁で、私的な付合いだと、こういう事で、入札には関係はないのだと言っています。氏名も明らかにしないという事なのですが、市民も私も、(外遊に同行した)8人の名前を明らかにしてくれなどと言っていないのです。市民の税金で17億5千万から4千万もの仕事を発注し、受注をしていると、こういう人については、これは個人的な関係などという事では決して市民は納得しない。こんな事になれば文字通り政治不信をどんどん助長する、こういうことになると思うのです。文字通り市長も公人、そしてこれだけの仕事を請け負った企業の社長や役員もこれも公人です。そういう点からこれは明らかにする必要があるのじゃないですか。それは市民への第一にやる説明責任だと思うのですがどうでしょうか。
【行政経営部長答弁】
只今の荒川議員の再質問にお答えいたします。
今回の同行者の情報は、市長の私的な行動から派生する情報でありまして、情報公開制度上の個人情報に該当するので公表することは適当ではないものというふうに考えております。
【荒川議員】
情報公開などということではなくて、市長も何らやましいことはないと、こういう事を言っているわけです。そういう中で、市長は個人的に、自らこういう人と行きましたと、こういう事を言うことはむしろ先程言いましたように、政治倫理上からもこれは当然やっていい事ではないですか。市長どうなのですか。この問題は逃げないで答えてもらいたいと思います。
【市長答弁】
荒川議員の只今の再質問にお答えいたしたいと思います。
今行政経営部長から申し上げましたが、今回何ら恥ずかしい事、やましい事は事実上しておりません。しておりませんので私としては、個人情報的なものがなければ当然議員の皆様方にも説明できますが、個人情報保護という法律がある以上、私から申し上げることはできません。
【荒川議員】
私達議員には「市議会議員の倫理に関する条例」というのがあります。その中では「市民の厳粛な信託を受けた地位にあることを認識をし、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、常に良心に従い、誠実かつ公正にその職務を行う」のだと、こういう事が促されています。「また議員の品位と名誉を害し、市民の信頼を著しく損なう行為はしないこと」と、こういう事も議員倫理条例には定められています。市長の倫理条例というのはないと思うのですが、今の議員のところを市長に置き換えた場合、やっぱり今度の問題というのは、官民の利害に絡むことが疑われる、市民から疑われるようなこういうことなのです。市民感情にそぐわない行為で片づけられない、こういう問題なのだと思うのです。だからこういう立場で、文字通り今度の問題は自らの政治倫理に反していた、先程言いましたように、ことわざの戒めも破ってしまった、じゃあこういう認識はあるのですか。市長お願いします。
【市長答弁】
只今の再質問にお答えいたします。
先程申し上げましたとおり、同行した仲間におきましてもやはり一市民であります。その市民が守られる権利というのはいくつかあるか思いますが、情報の保護というのも、その市民の権利であると思います。その権利を、私が首長というだけで法律を犯して公表することはできないものと再度お答えをいたします。
【荒川議員】
これは個人情報を守るというよりは、文字通り、かばっている、こんなふうにしか市民も受取れません。そこでもう少し伺いますけれども、読売新聞の報道では「受注実績のある建設・解体業者」も含んでいた、こんなふうな報道もあります。受注業者と一緒に言った事ははっきりしていると思うのです。じゃあ名前は出せないにしても、当然今は契約などについては、入札結果などについては、情報公開の窓口でも見られるわけです。これは情報非公開ではありません。そういう点ではざっくばらんにお聞きしますけれども、今度の一緒に行った3人の中には現職の議員も含まれていたのではないのですか。それと合わせて今言ったように、情報非公開ではないのだから、情報公開もその点ではできるのではないのですか。どうですか。
【行政経営部長答弁】
先程も私の方からご答弁申し上げましたが、今回の市長の私的な行動から派生する情報でありまして、市長にとっても、同行者にとっても情報公開制度の個人情報に該当いたしますので、本市が公表したりすることは不適当との通りです。
【荒川議員】
都合の悪いことは行政経営部長が答えて、情報公開を盾にとっているというのは、おそらくこんなことでは、市民のこの問題での政治不信は、そして疑惑はどんどん広がってしまう。私は市長のためにそのことを心配をしたいとこのように思うのです。
もう一点、この問題でお聞きしますけれども、今度の問題でこういうような受注企業に関わって市長がそういう人たちと一緒に行った、これは重大な問題だと思うのです。これは「入札適正化委員会」というのがありますが、当然こういうところで、市民に疑われるような行為が行われたわけですから、当然この入札適正化委員会ではこういう事に対して、係わりのある契約が本当に適正に行われたのかどうか、今言った、そういう市長との日常的な深い結びつきが関係しているのか、していないのか、この問題で明らかになったわけですから、これは入札適正化委員会で当然検討の対象になると思うのですが、これは行政経営部長どうですか。
【理財部長答弁】
再質問にお答えをいたします。
個々の、今回の議決を含めて、入札の適正化委員会、審査等ありますが、これは一つの談合等のマニュアル等に従いまして、これは信憑性の高い情報であるとか疑える情報とか、そういう中の要件の中で、そのうえで調査に値するかどうか決定してするものでございます。今回の本件につきましては、それに該当しませんという事で、今回の議会の議決案件、一つの地方自治法施行令或いは市の規則に基づいた入札の結果であると認識しております。以上でございます。
【荒川議員】
自ら説明責任も果たせないで、それで入札が適正に行われたかどうかなんて事は言えないと思うのです。そういう点では、この問題は、客観的にもうはっきりしているわけですから、入札適正化委員会で、関係する人の事情聴取ぐらいはこれは当然やるべきだと、指摘をしておきたいと思います。
最後に、この問題では前にこの議場で、「いそちゃん会」などというのが出ました。市の三役と議員と市からの受注の会社なんかが一緒になって「趣味のサークルだった」との答弁がありましたけれど、そういうのをやっていました。今回の市長のように仲の良い人で、そういう入札に関係する業者も含めて旅行に行きました。これは「いそちゃん会」と何も変わりがない。こういう事になると、
【市長答弁】
只今の再質問にお答えいたします。
何ら今後についても心配ございませんし、襟を正して更に慎重に行動をとって、議員の皆様方、また市民の皆様方の信頼に応える様、行動をとってまいりたいと宣言をいたします。
【荒川議員】
【荒川議員】
次に、中央即応連隊のジブチ派兵についてです。防衛省はソマリア沖海賊対策を名目に、海上自衛隊のP3C哨戒機の活動拠点となるジブチ空港警備に陸上自衛隊宇都宮駐屯地から中央即応連隊約50名を5月中に派兵しました。これに対し、市民の中から大きな不安と反対の声が上がっています。編成完結式が行われた5月16日には市民団体などが駐屯地に出向き、「行くな!!撃つな!!撃たれるな!! 中央即応連隊派兵は憲法違反」と派兵中止を求める申し入れを行いました。私も参加しました。
その理由の一つ目は、軍隊の派遣でソマリア沖の海賊問題は解決できないからです。昨年から各国が軍隊を派兵し、日本も自衛隊を派遣してきましたが、海賊は減るどころか増えており、ソマリアの内戦と貧困の解決がない限り、海賊問題は解決しないというのが国際社会の共通認識です。特に憲法9条をもつ日本が行うべきは、平和外交努力と民生支援です。現地ソマリアと周辺国への警察力強化への技術的、財政的支援です。にもかかわらず、国・政府与党は「海賊対処」派兵新法を成立させ、自衛隊に新たな任務を与え、恒久派兵に道を開こうとしています。 二つ目の理由は、中央即応連隊が派兵されているジブチ空港は、イラク戦争後、米軍とNATO軍がイラクやアフガンなど中東に軍事展開する拠点となっていることです。米軍は「海賊対処」だけでなく対テロ戦争やソマリア本土への空爆など様々な軍事行為と一体で活動しています。日本政府は国民には「自衛隊が行うのは海賊対処」に限定した警察活動などと言っています、しかし現地では、米軍やNATO軍など各国軍隊と連携、共同して任務を遂行することになっています。私たちの直接の防衛省への聞き取り調査では、宿舎は米軍基地を借りるとのことで、毎日米軍基地から空港に出勤する形となるとのことです。対テロ戦争の拠点に派兵し、平和憲法の下でジブチに、陸・海・空の三軍統合の海外軍事拠点が設営され、武器使用を伴うことによって戦端が開かれ、国民が協力を義務付けられてゆく恐れは十分です。戦後64年、今だかつてなかった事態です。「政府の行為によって再び惨禍が起こることのないように決意し」との平和憲法をもつ日本でこんなことは断じて許されないと思うがどうか。こんなことが続けられれば、日本と宇都宮がテロの新たな標的にされる危険が生じると思うがどうか。
また、市長は憲法を遵守し、市民の平和・安全に責任を負う立場から、政府・防衛省に対し、憲法違反の中央即応連隊の派兵に反対を表明し、宇都宮駐屯地からの隊員が撃ったり、撃たれないうちにジブチからの即時撤退を求めてほしいと思うが答弁を求めます。
【市長答弁】
次に、「中央即応連隊のジブチ派兵について」でありますが、中央即応連隊のジブチ派兵につきましては、アフリカ東部ソマリア沖・アデン湾における海賊行為に対処し、海上における人命や財産の保護などを行うために国策として派遣される海上警備行動と認識しております。
我が国では、主要な資源の大部分を輸入に依存するとともに、自動車製品の輸出など貿易産業が経済の重要な位置を占めております。
こうしたことから、タンカーや貨物船など日本に関係する船舶が多く通行し、重要な航路であるソマリア沖・アデン湾の安全を確保することは、日本経済や国民生活を守る上で極めて重要であると受けとめております。
【荒川議員】
第2にJR
JR駅東口開発事業が民間グループの撤退によって破綻しました。事業計画の頓挫は1989年以後のバブル崩壊に続く2度目です。
私は、現在と20年後、数十年後の宇都宮と市民のためには、大企業、民間デベロッパー奉仕、利権もからんだ不用不急の巨大計画が崩壊したことに、もろ手をあげて喜ぶものです。大体、都市型の駅前開発というのは相場が決まっています。ランドマークビルやタワーを配し、少し高級のホテル、キーテナントを中心とした商業施設、企業の業務オフィス、事業採算を合わせるための助け舟に大型公共施設の導入です。
市長は今後も方向性や基本コンセプトは曲げず道州制の首都にも備えたブランド力アップに欠かせない開発だと思い込んでいますが、バブル時代の計画の焼き直しから一歩も出ず、他都市の後追い開発コンセプトにどれだけのブランド力があると言うのですか。この際、開発といえばハコモノに固執してやまないこれまでのコンセプトは、思い切って全てリセットしたらどうでしょうか。答弁を求めます。
【市長答弁】
次に「JR
今後とも、整備テーマと整備コンセプトをもとに、駅東口にふさわしい機能のさらなる導入など新たな視点も加えながら、関東口地区の整備実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
【荒川議員】
次に、他都市や本市の駅前開発や都市再開発事業を冷静に検証する必要があるのではないでしょうか。多くの地方都市で、開発したが駅前は閑散とし、キーテナントは撤退し、公益施設も赤字で債務負担と維持管理費が二重の負の遺産となって財政を圧迫しています。本市でも巨額の税金を投入しながらJR駅西口開発でのキーテナント、ロビンソンは遠く昔に姿を消し、レストラン街も消えました。鳴り物入りの表参道スクエアも、公共施設以外は早くも惨憺たる状況をきたしています。市内の空オフィス、空店舗も増えており、5月22日の日経新聞によれば、宇都宮駅周辺のオフィス空室率は西口14.1%、東口でも10.9%とそれぞれ3.1%、4.7%も上昇したとのことです。駅東口開発は更に玉突きとなって空ビルを増やし、中心部の空洞化で都市力を落とすことにもなりませんか。表参道スクエアの現状や空室率の上昇をどうとらえているのか伺います。
【市長答弁】
次に、「表参道スクエアの現状とオフィス空室率の上昇について」でありますが、「うつのみや表参道スクエア」は、再開発事業により、都市の防災面の強化や都市機能の更新、さらに賑わいの創出を図るため、平成19年7月にオープンいたしました。
昨年の厳しい経済状況の中、テナント撤退による空室も見られますが、地元管理組合におきましても、精力的に誘致活動を行っておりますことから、連携を図り、支援してまいりたいと考えております。
一方、オフィス需要につきましても、景気の影響を受け、本市のみならず、全国的に低迷しているところでありますが、製造業・サービス業など、地元経済に地力があること、北関東の中では比較的低い空室率であることなどを踏まえますと、今後、景気の動向が不透明なところもありますが、空室率は改善していくものと期待しているところであります。
【荒川議員】
それではJR駅東口をどうするのか。私は年月を経れば経るほど宇都宮のブランド力が輝く提案をしたいと思います。これを実行するには、市長も議会も大きな勇気と度胸が必要ですが、駅東口は鉄筋コンクリートのビルの林ではなく、グループ七七八の七つの緑、七つの水、八つの広場のコンセプトを生かし、仮称ミヤ・セントラルパーク、駅前森林公園を創造するのです。ニューヨークのセントラルパークには面積では遠く及びませんが、JR川口駅西公園はしのげます。やがてこの駅前の癒しの森に市民だけでなく、途中下車のお客さんがたくさん生まれます。市長の口ぐせの百年先にも十分持続可能な開発です。市民目線を忘れたありきたりの巨大開発よりも現在も未来の市民も必ず支持してくれると確信します。私の真剣な提案ですので市長の真剣な答弁をお願いします。
【市長答弁】
次に「駅前森林公園の創造について」でありますが、駅東口地区の整備コンセプトのひとつである「人と環境にやさしいまちづくり」を踏まえ、緑も考慮した施設整備を検討してまいりたいと考えております。
【荒川議員】
第3に、LRT推進をめぐって今回は「LRT先にありき」をキーワードに質問します。
市長は5月29日の定例記者会見で、現時点での今後の方向性について「LRTはあくまで検討段階であるということか」と問われ、「LRTもそうだし、連節バスとか様々なことが新しい公共交通網を作っていく上に考えられる。ですからLRTありきという考え方は全くしていない・・・」と答えています。しかし、本当に「LRTありき」はないのか。私が先の3月議会で指摘しました日本交通計画協会という社団法人が、本市の都市交通戦略を決めるに当たり、3つの検討会委員の会議日当まで支払う丸抱えの委託を市から受けていました。つまり、
会長・副会長は元自民党衆院議員と元建設省大臣官房技術審議官など天下り官僚が2名。理事では三菱重工・日本車輌製造・神戸製鋼など大企業の取締役会長らと清水・大成・鹿島・大林等のスーパーゼネコンの取締役会長等が名を連ねています。国土交通省と直結し、次世代都市の創造を、ベストナビゲーションをうたって自治体の開発や交通政策に入り込み、大企業やスーパーゼネコンの仕事興しを専ら行う団体です。新交通システム・ライトレール研究部会をもつLRT推進団体です。本市のLRT計画推進に始めから深くくい入り、この2年間では検討会を牛耳り、LRT推進論者の学者や教授を配して導き出してきたのが今回の三報告の客観的背景です。バス業者の「LRTの導入を誘導する方向で報告書が作成された」の批判は当たっていると私は思います。
そこで伺いますが、こうした団体に会議運営までも委ねた「LRT先にありき」の推進体制はきっぱり清算すべきと思うがどうか。答弁を求めます。
【総合政策部長答弁】
「LRT推進をめぐって」の御質問にお答えいたします。まず、「LRT先にありきの推進体制は清算すべきについて」でありますが、本市におきましては、超高齢社会や地球環境問題に配慮した持続可能なまちづくりを進めていくためには、東西の基幹公共交通と既存の鉄道バス、地域内交通などの様々な交通手段が連携した利便性の高い公共交通ネットワークの充実・強化が重要であると考えており、LRTは、このネットワークにおける基幹公共交通の一つの手法として、現在、その実現性について検討しているところであります。
議員ご指摘の「日本交通計画協会」につきましては、道路、鉄道、軌道等の交通計画や幹線交通網に関連する整備計画など、総合的な交通関係の計画策定等に豊富な実績やノウハウを持つシンクタンクでありますことから、調査業務を委託したものであります。
また、「バス事業者からの意見」につきましては、3つの委員会から提出された報告書は、学識経験者、市民代表、交通事業者など多くの委員の皆様の様々な御意見をいただきながらまとめられたものと認識しております。
【荒川議員】
次に、今後基幹公共交通軸を定めるに当たり、公共交通ネットワーク内の円滑な移動の確保が求められ、特に幹線公共交通(バス)をいかに便利で高い定時性・速達性が確保されるのかが重要となっています。そこで本市は、2001年に公共交通ネットワーク整備計画調査を行い、2002年に「新しいバスシステムの有効性と実現の検証に向けた基本計画調査報告書」をまとめています。この中には、バス専用レーンの拡充、公共車輌優先システム、乗り継ぎ利便性向上のトランジットセンターの整備等、バス中心の公共交通ネットワーク整備の方向性が盛り込まれていた筈です。そこで伺います。7年前に出されたこの計画は多額の税金をかけたのに、一体いつから何処に消えてしまったのですか。「LRT先にありき」と関係があるのではないのか。きちんとした説明を求めます。
またこの報告書は、遅ればせながら今こそ蘇らせ、現状に合わせて補強・充実させ、活用を図るべきと思うがどうか。
【総合政策部長答弁】
次に、「新しいバスシステム基本計画調査」についてでありますが、平成13年度に実施した調査につきましては、マイカーに依存する交通体系から公共交通機関を重視した交通体系へと転換を図るため、新しいバスシステムの有効性と、その効果について検討したものであります。
この調査において示された考え方と方策につきましては、これまで、サイクル・アンド・バスライド用駐輪場の整備や共通バスカードシステム、公共車輌優先システムの導入など、多くの施策の実現に活かされてきたものと考えております。
【荒川議員】
第4に保健福祉行政について、まず介護保険の新認定制度について質問します。
4月から始った新しい介護度認定制度は、心配が的中し、利用者の生活実態を反映しない、驚きの軽度の認定が頻繁に出ることが、各地の実例からわかって来ました。本市の場合でも、要介護認定方法の見直しにかかる更新申請者の審査判定状況は、5月15日現在、審査判定件数374件の内、更新前より軽度の要介護認定で判定された人が132件、35.3%にも上っていることが明らかとなりました。
この新認定制度の狙いが、日本共産党の国会での厚労省内部文書を示した追及で「認定軽度化」にあることが暴露されました。舛添大臣は文書について「『介護の分をどんどん削れ』と言われた時にどう削るのか内部で検討した」と認めました。この問題での高まる国民世論の前に厚労省は、新制度実施からわずか2週間足らずで、異例の経過措置を発表。「検証・検討会」の検証が終了するまでの措置として、従来の要介護度の継続を認めることにしました。市長はこの国の狼狽ぶりと本市の新認定制度による状況をどう思うか伺います。
【保健福祉部長答弁】
「保健福祉行政について」のご質問にお答えいたします。
まず、「4月からの新介護度認定制度について」でありますが、「要介護認定の経過措置と新たな要介護認定における本市の状況をどう思うか」につきましては、この経過措置は、国の通知に基づき、平成21年4月1日更新申請分から実施しているものであり、その内容は、国において、見直し後の要介護認定についての検証を行う間、事前に、更新申請者の方に、仮に更新前後で、要介護度が異なった場合には、どちらの要介護度を希望するか確認しておき、申請者の希望どおりの認定を行うものであります。
このことにより、利用者の要介護認定の切り替え時期における不安を防止し、利用者は安心感を持って、安定的に介護サービスをご利用いただける措置であると認識しております。
また、本市の状況につきましては、平成21年5月15日までに審査を行いました。更新申請374件中、更新前と同じ判定が178件、約48%。更新前より軽度になった判定が132件、約35%、重度になった判定が64件、約17%となったところであり、これまでのところ、見直し後の要介護認定における判定は、必ずしも軽度に判定されるものではないと考えております。
【荒川議員】
また、この経過措置では、従来の要介護度と違った場合は、利用者が従来の要介護度を希望している時は、従来の要介護度が「認定結果」として利用者に通知されます。新制度による判定結果については知らされません。一方、厚労省にはその両方が情報提供されています。
この、国の方針のもとで、
そこで伺います。経過措置が終了したらどうなるのか、いま新介護認定制度に不安をもっているお年寄りやその家族はたくさんいます。新制度のもとでの判定結果を合わせて知らされるのは当然です。本市もそうすべきと考えるがどうか。
【保健福祉部長答弁】
次に、「経過措置の終了後について」でありますが、今後、国から示される予定の検証結果を踏まえた対応方針などに基づき、引き続き、適正かつ公平な要介護認定に努めてまいります。
次に「経過措置における要介護認定の決定通知について」でありますが、更新申請にあたりましては、事前に申請者にご希望を伺っておりますことから、最終的な決定通知は、希望どおりに決定された要介護度をお知らせすべきものと認識しております。
また、これから新たに介護認定を受けるお年寄りには新認定制度が適用されます。在宅高齢者の生活実態が反映されず、介護サービス抑え込みの目的が明らかとなった最悪の新認定制度は中止せよ!現場の専門職、利用者、家族を加えた適正かつ公平な介護認定制度の検証を行えと市長は介護保険事業者として国にはっきり物言うべきと思うが答弁を求めます。
【保健福祉部長答弁】
次に、「新たな要介護認定に対する国への要望について」でありますが、現在、国におきまして、利用者・家族の代表や専門家による「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」を設置し、検証を行っているところでありますので、その検証結果を見極めたいと考えております。
【荒川議員】
次に保育園の耐震化についてです。
平成20年度の包括外部監査報告は「市は全ての公立保育園を耐震診断及び耐震改修の対象としていない。しかし、市が定めた
自力で震災時など避難できない乳幼児のいる保育園について、耐震診断や耐震改修の対象から外していることは外部監査報告を待つことなく重大な政策的誤りではないのか。
そこで伺いますが、国の建築物の耐震改修の促進に関する法律による改修すべき建物はまず、昭和56年の建築基準法改正以前の建物に限られるが、公立・民間含めてそれぞれ何園が該当しますか。また、これまで公立より民間移管した保育園は耐震診断を行っていないと思うがどうか。
【子ども部長答弁】
【保健福祉行政について】のうち、「保育園の耐震化対策について」の御質問にお答えいたします。
まず、「昭和56年の建築基準法改正以前に建築された保育園」につきましては、本年4月現在、公立保育園・民間保育園合わせまして、71園のうち31園が該当し、その内訳といたしましては、公立保育園16園のうち8園、民間保育園55園のうち23園であります。
次に「民間移管した保育園の耐震診断状況」についてでありますが、民間移管をした保育園を含むすべての公立保育園につきましては、耐震診断の実施義務要件に該当しないことから、耐震診断は実施しておりませんが、安全・安心な保育環境を確保することは、重要でありますことから、毎年、建築士による建築物の構造劣化度や建築設備の性能点検などを行い、必要に応じた施設の改修や修繕工事を実施するなど、保育園の安全性の確保に努めてきたところであります。
【荒川議員】
この問題でのもう一点は、国は2009年度補正予算では、「安心子ども基金」の積み増しを行い、そのメニューの中には「保育所の耐震化整備費」の補助があります。また、「地域活性化・経済危機対策臨時交付金も活用できるのではないのか。
そこで、公立・民間を問わず、市による全保育園の耐震診断の実施や保育園の耐震化に向けて具体的にどの様に進めるのか答弁を求めます。
【子ども部長答弁】
次に、「公立・民間を含む全保育園の耐震診断の実施や耐震化に向けての具体的な進め方」についてでありますが、公立保育園につきましては、増大する保育ニーズに的確に対応した保育所の適正配置を、より一層推進するため、「保育園の整備方針・整備計画」を本年、秋までに改定する予定でありますが、この中で、必要な保育園の耐震診断や耐震工事などにつきましても検討してまいります。
また、民間保育園につきましては、これまで、耐震診断の実施が図られるよう各施設管理者への周知を図るとともに、老朽化した民間保育園に対しましては、「次世代育成支援対策 施設整備交付金」などの補助を導入し、改築整備を支援してきたところであります。
今後とも、民間保育園に対し、耐震診断の周知を徹底するとともに、「安心子ども基金」などを効果的に活用しながら、施設からの改築要望に基づいて、計画的に施設の更新を促進してまいります。
【荒川議員】
第5に「環境行政について、まず上駒生産廃処分場調査結果と今後の対応について質問します。
市が3千万円の予算を組んで行った調査結果が出ました。
廃棄物対策課の「調査結果について」によると、「溜まり水」からは、国が法律で定めた基準の1,100倍のダイオキシンが検出されたのをはじめ、鉛が320倍、ホウ素が37倍、フッ素が5倍、ヒ素が28倍、カドミウムが2.3倍検出されています。また、「発生ガス分析結果」が出ていますが、自殺の手段に使用する硫化水素が1,700ppm検出されました。1,700ppmの硫化水素を吸うと、即死します。人命にかかわる重大な物質が検出されたり、現在も、今日も有毒ガスが2メートルも炎上しているなど、安定五品目の産廃処分場では絶対起こり得ないことが、今回の調査結果で再確認されました。また、注目の、投棄されたゴミの種類と割合の分析結果では、新設ボーリング孔1のグラフによると、水が入らないことを前提に許可された処分場であるにもかかわらず、水分が27.3%存在し、安定五品目は26.4%だけです。分類不能物というのが35.1%となっています。安定型処分場では、分類不能物は入れてはならないと国通達で厳重に指摘されているのではありませんか。これが安定五品目の処分場と言えるのか。見解を求めます。
また、市長はこれまで上駒生産廃処分場には、安定五品目とコンクリート建築物に付着して取り除くことのできない4%ほどの木屑と言いつくろってきましたが、今回の調査を受けて、これ以外の産廃物が投棄されていたことについては認めるのですか。答弁を求めます。
【環境部長答弁】
「環境行政について」の御質問にお答えいたします。
「上駒生産廃処分場の調査結果と今後の対応について」のうち、まず、「安定5品目の処分場と言えるのかについて」と「安定5品目以外の産廃物が投棄されていたのではについて」でありますが、調査結果では、「分類不能物は、安定5品目であるコンクリートくずなどが微粒子状になったものや、覆土に使用された土砂などと考えられる」と報告されており、安定5品目以外の廃棄物が、埋め立てられたものとは考えておりません。
【荒川議員】
次に、今回の調査報告書は、曖昧な表現も多く、また、これまでの住民の不安にズバリ納得ゆく説明をしていないと思うが、市当局が行った住民への説明会について、住民の理解と納得は得られたのか。得られなかったのは、結果報告の何についてでしたか。伺います。
【環境部長答弁】
次に、「住民に対する住民の理解と納得について」でありますが、今回の説明会は、処分場跡地周辺環境調査と内部状況調査の結果を報告したものであり、周辺環境と内部の現況を認識していただけたものと考えております。
【荒川議員】
次に、今後の対応についてですが、住民説明会では、市当局は住民と専門家の意見を聞き、対応を考えると回答しています。3千万をかけてやっと実現した最終処分場跡地調査が、住民の不安、健康や安全に真正面から取り組む市の具体策につながらなくてはなりません。調査結果の分析は、化学をはじめ専門知識を必要とします。市当局はどういう人を専門家として想定していますか。市選定の専門家だけでは、住民はこれまでの経緯からも納得しないでしょう。住民から信頼されるためには、住民の皆さんから推薦された専門家も委嘱し、結果報告の検証、分析を行うべきと思うがどうか。このことも含め、今後の対応について答弁を求めます。
【環境部長答弁】
次に「今後の対応について」でありますが、地元自治会や大気、水質などを専門分野とする大学教授などに意見を聞いたうえで、対策を検討し、地元自治会と協議しながら、事業者に必要な対策を講じるよう指導してまいります。
【荒川議員】
次に、産業廃棄物中間処理施設セルクリーンセンター建設計画をめぐって質問します。
建設計画の内容と実態が明らかになればなるほど、地域住民の不安と建設やめての声は大きく広がりを見せています。5月31日には地域住民の組織などが主催した集会とデモに、雨の中にもかかわらず、650名が参加する盛り上がりとなりました。
市長は、この直前の5月29日の定例記者会見で「積極的な対応をしていかないのか」と問われ、「行政としては法律に基づき、手続を進めざるを得ない。しかしながら我々として最大限できるのは業者に対して、住民の皆さんが安心できるような十分な説明をやってくれと繰り返し言うことだ。住民の不安が治まらないのは業者の努力不足。理解を得るよう継続して業者に要請・指導する。それ以上は難しい」旨の発言を行っています。
そこで、31日の集会や607件もの建設計画推進に対する意見書などに見られる住民の建設反対の強い決意と真剣な思いは市長に届いたのか。記者会見での政治姿勢に変わりがないのか伺います。
【環境部長答弁】
次に、「セルクリーンセンター建設計画について」のうち、まず、「建設反対という住民の思いは市長に届いたのかについて」でありますが、建設反対のデモなど、地域の皆様の思いにつきましては、真摯に受け止めているところであります。
次に、「記者会見での政治姿勢に変わりがないのかについて」でありますが、産業廃棄物処理施設の設置に当たりましては、事業者が地域住民に対し丁寧な説明を行い、理解を得て、信頼関係を構築することが、重要であると認識しており、今後も、事業者に対し、説明会の開催を強く指導してまいります。
【荒川議員】
次に市議会日本共産党は、福田議員の一般質問等に見られる様に、とんでもない危険な施設計画であると一貫して反対の態度を貫いてきました。そもそも利潤追求を目的とする民間の産廃処理事業主にとって、公害防止への安全管理は経営的にはマイナスでしかないのです。だからこそ、製造者責任としての「自社処分」こそが、産廃行政の基本であることは揺るぎない事実です。その上にたって第1に、とにかく住宅密集地隣接の民間処理場として巨大すぎること。第2に、危険な化学物質を多量に焼却すること。第3に、廃棄物を混ぜこぜにして同じ炉で焼却することによる火災や爆発などの高いリスクなどを指摘してきました。この問題の現時点での最大の焦点は、市長の言う住民の不安解消、業者との信頼関係の構築は現計画のままではあり得ないということではないのか。市長、地方自治の本旨は、住民の生命・健康を守ることを第一とすることにあります。市長のこの政治姿勢が確固たるものであれば、「法律に基づき手続を進めざるを得ない」などと嘆くのは早計です。
憲法25条も「全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、第13条でも生命、自由及び幸福追求の権利が保障されています。また、環境基本条例でも積極的に環境への負荷の低減などに努めねばならない市長の責務があります。こうした立場に則って、この問題に対応するなら、「廃棄物の中身や処理技術は法律に基づいて業者が履行するから安全性は確保される」で片づけることはできない筈です。そこで計画通りの巨大な操業が周辺住民に短期・長期にかけて一体どの様な影響が及ぶのか、市独自に慎重な検討と検証があってしかるべきでではないのか。また、主に国や本市の産廃処理対策の立ち遅れのもとで、住宅街のど真ん中の立地条件の元に、関東一円から有害廃棄物が持ち込まれ、住民をその犠牲にした産廃処理が許されていいのか。またこれまで公害のない周辺住民との環境が調和した産業拠点としての宇都宮工業団地のグレードは守り抜かなくていいのかなどに対し、市長の見解を求めます。さらにこの問題は50万市民の生命と健康・利益を守る市長の役割が問われる正念場にさしかかっています。市長にしかない裁量権を市民の立場から余す所なく発揮させ、同団地へのセルクリーンセンターの進出を回避すべく、積極的対応への転換が計れないものか答弁を求めます。
【環境部長答弁】
次に、「市独自の慎重な検討と検証などや進出回避への転換について」でありますが、国が定める「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」におきましては、産業廃棄物処理施設の技術上の基準などが定められており、周辺環境へ与える影響につきましても、生活環境の保全について適正な配慮がなされたものでなければならないと規定されております。
また、本市が定める「廃棄物処理に関する指導要綱」におきましては、詳細な構造基準や維持管理基準などを定めており、これら法令等に基づき適正に審査してまいります。
再質問・答弁
【荒川議員】
次に環境行政に入ります。上駒生処分場の問題ですが、この上駒生処分場に対する先程の環境部長の答弁を聞いて、これではセルクリーンセンターも心配だ、こんなふうに思うのはおそらく皆さんの正直な実感ではないかとこのように思うのです。
それで上駒生処分場の件ですが、分類不能物があって、それについては勝手な推測などでさっきは部長が話をしていますけれども、これははっきりしたわけではないでしょう。実は国の環境庁が「最終処分場に関わる基準のあり方検討会」というところで、三つの処分場の調査をしたのです。埋め立て物の組成調査を行ったのです。その報告が3月24日に出されたのです。これで埋め立て物の組成分析をほぼ100%行えているのです。そういう事ができるのです。30何%が分類不能なんて言わなくたって、そんなごまかさなくても。だから分類不能などという事は、これはいい加減な調査だ、これは国で行われているのですから、100%分析をやらなければおかしいのではないですか。どうですか。
【環境部長答弁】
最質問にお答えいたします。先程の答弁の中で分類不能についての御質問がありました。今回の調査の中で、分類不能としたものでございますが、主に5_以下の微粒子状物質でありまして、ガラスくず、陶磁器くず、コンクリートくずなどが細かくなったもの、また、覆土などに使われた土砂であるという事が考えられるという結果でございました。以上でございます。
【荒川議員】
だから今の結果は「考えられる」という事なのですよ。「られる」なのですよ。ですから今言ったように、国が言ったように、100%これは技術が可能なのですから、これは100%分析をすべきではありませんか。やってください。どうですか。
【環境部長答弁】
今回の調査につきましては大谷石の廃坑をボーリングで穴を開けるという作業という手段を取りまして、その際にドリルが地下にあった廃棄物等を粉砕したとか、また大谷石の層を、掘削を進んでいくにあたって、大谷石等が微粒子状になった、そういったものも含まれていると考えております。以上です。
【荒川議員】
最後に質問します。一番最初に質問しましたように、安定五品目以外は入っていないのか。入っていないような事を言っていますけれども、そして法に基づいてやられているのだと言いますけれども、本当にそれなら全国各地の産廃処分場で煙が出たりガスが出たり、硫化水素が出たり、こういう事が起こるはずじゃないですか。それが全国で起きなくて、宇都宮だけ起きている。これでも産廃処分場は安定五品目以外が入っていないと言えるのか、最後に質問して終りたいと思います。
【環境部長答弁】
先程答弁申し上げましたとおり、調査結果におきまして安定五品目以外の廃棄物が埋め立てられたものとは考えておりません。以上でございます。
【荒川議員】
最後に消防の広域化は市民のためになるのかについて質問します。
国の消防庁の旗振りのもと、栃木県においても県内13の消防本部を一つに減らす推進計画に基いて、このほど県消防広域化協議会が設立され、具体的作業が着手されます。
国・消防庁は広域化で消防本部を大規模化すれば「たくさんの消防車を現場に投入できる」「指令や管理部門が効率化」「高額な設備の導入」などとメリットをバラ色に描いています。一方で「広域化で火災現場の地理が不案内になる」「消防署のリストラにつながり、現場到着の遅れで火が消せなくなる」など、デメリットに不安の声もあります。また、「市民の生命を守る救急と財産を守る消防は、地形や産業形態も地域によって違う。署員も地元採用だから士気も上る。地元で密着している範囲でやることが必要」とか「大規模災害時は応援協定を結んでいれば十分だ」など、戦後培ってきた自治体消防の意義を強調する意見もあります。
そこで、本市の場合を見ると、広域化に特段のメリットはなく、自治体消防として独自に十分やってゆけるのではないか、その方が市民のためになると思うがどうか。
【消防長答弁】
「消防の広域化は市民のためになるのか」について、お答えいたします。
まず、「独自の自治体消防に対する見解について」でありますが、近年、全国的に相次ぐ豪雨災害や頻発する直下型地震をはじめ、新たな感染症など、災害の態様は、大規模化、広域化、多様化しており、今後も、都市構造や社会情勢などの変化による、予測し得ない災害の発生が危惧されております。
本市といたしましては、このような、消防を取り巻く環境の変化に的確に対応するため、更なる消防力の充実強化が必要であると考えております。
【荒川議員】
またその場合に、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の質問趣意書で「広域化は自治体が自主的に判断するもので、国や県の方針に拘束されない、広域化しない場合も一切不利益な扱いを受けない」という答弁が政府から引き出されていますが、この政府見解は、これからの協議会の論議で尊重され、担保されるのか伺います。
【消防長答弁】
次に「消防の広域化に係る政府見解について」でありますが、「市町村の自主性」は尊重されるものと認識しております。
【荒川議員】
次に、市民の生命、財産に係わる重大な問題を短期間に、しかも消防職員や消防団、住民組織の中で十分な議論もないまま、上から先に案を決めて押し付けるやり方は、あまりにも拙速すぎると思うがどうか。また、消防の土台を支えている消防職員からのアンケートや意見聴取をすべきだが、行われるのか答弁を求めます。以上で私の全質問を終ります。
【消防長答弁】
次に、「十分な議論や消防職員からの意見聴取について」でありますが、平成18年に「消防組織法」が改正され、「市町村の広域化を推進する」との基本方針により、同年以降、県内すべての市・町や消防機関の代表などで協議を重ねたほか、学識経験者や関係団体、住民の代表からなる懇談会の提言などを踏まえ、将来にわたり、十分な災害対応能力の向上と強固で安定した財政基盤を構築するには、最もスケールメリットが生かせる「県内一つの消防本部体制を推進すべき」とする「栃木県 消防広域化推進計画」が平成20年4月に策定されました。これを受け、広域化に向けた課題などを協議するため、本年5月に、すべての市長・町長で構成する「栃木県 消防広域化協議会」が設置されたところであり、有識者などからも意見を伺うこととしております。
また、本市におきましても、消防本部内や関係部局間で、全庁的な検討・協議を進めております。
いずれにいたしましても、市民の生命、財産の確保に万全を期すため、本市消防力の一層の向上が図れるよう、協議に臨んでまいります。