2007年12月11日 福田くみ子議員
発言通告に従い順次質問して参りますので、市長、教育長、所管部長は、前向きで明快なご答弁を期待致します。
さて、はじめに市長の政治姿勢について3点伺います。
第1点目は、教育にかける本気度示す予算の具体化についてです。子どもをめぐる問題があとを絶ちません。社会全体がおかしくなっていると感じます。教師の不祥事が続いていますが、教師の悩みや要望に行政はどれだけ応えてきたのでしょう。とりわけ、忙しすぎる問題では、ひとりひとりの子どもに向き合う時間を作ったり、教材研究、準備の時間を十分にとる点で切実です。ここが解決すればその他の細かな問題でも、平行して解決してしまうのではないでしょうか。役割を縦割りにして仕事の効率をはかるのは、利潤を追求する企業のやり方。教育は豊かで多彩な人材こそ成功のカギです。それには、学校の運営に携わる教師や事務職員を増やすことにつきます。本気で教育を立て直す気概がおありならば、それを示す充分な人材を配置すること、予算付けをすることです。30人学級にするのに30億円、事務職員を各学校一人ずつ配置するのに2億円。わずか32億円増で実現できます。市長の本気度を示して下さい。
次に第五次総合計画について伺います。計画のキーワードのひとつに、コンパクトシティという言葉が出てきます。効率的に行政サービスが行える点や、中心市街地に集積されてきた社会資本を有効に再利用していくことで行政コストを抑える等の利点があり、全国の地方都市ではこの「コンパクトシティ」をキーワードに街づくりをすすめています。
本市はこれに“ネットワーク型”という言葉をくっつけ、拠点となるコンパクトシティを公共交通で結ぶとの説明がされています。
しかし、果たして50万人規模の都市でそれが効率の良い型と言えるのか疑問です。いくつかの拠点やそれを結ぶ公共交通にどれだけ投資できるのか、絵に描いた餅となってしまうのではと危惧する点です。これが中途半端に行われれば、逆に居住が散乱してしまいます。
もう1点は、都心居住の起爆剤は、若者ではなくお年寄りではないでしょうか。現在、若年世帯の家賃補助制度で都心居住をすすめていますが、都心居住の要求が高いのはお年寄りのはずです。身近に整った、暮らしに必要な施設、にぎやかな街は、お年寄りを孤立させません。行政側からも効率の良い質の高いサービスが提供しやすいのです。もちろん、中心市街地に雇用も生まれます。若い世帯はむしろ、自然環境の豊かな郊外で子育てしても不便はありません。また、高齢の親や親族が中心市街地に住めば、家族が中心市街地を訪れ、にぎわいが生まれます。
コンパクトシティと言うならば、中途半端な拠点をばらまくネットワーク型はやめ、中心市街地へのお年寄りの居住促進を中心に据えた計画にすべきだと考えますが市長の見解を求めます。
3点目に「姥捨て山」とも言われる後期高齢者医療制度について伺います。この制度は75歳以上のすべてのお年寄りから保険料を徴収し、保険で受けられる医療の内容も差別・制限するものです。今検討されているのは、「後期高齢者」の診療報酬を「包括払い」つまり定額制とし、保険が使える医療に上限をつけることです。また「過剰な延命治療は行わない」という誓約書をとったり、患者に在宅死を選択させ、退院させた病院には報酬加算をして一層の病院追い出しを進めようというのです。
人は誰も年をとります。若い頃は元気でも誰でも年をとれば様々な病気が出てきます。医療費がかかるからと、高齢者だけを別建ての医療保険に押し込め、死ぬまで保険料を払わせる制度は、世界にも例を見ない異常な制度です。自民・公明政権が導入しようとしているこの「後期高齢者医療制度」は、元厚生省幹部やメディアが「姥捨て山」と呼ぶように、お年寄りを“医療費がかかる”からと言って邪魔者扱いし、暮らしも健康も破壊していく最悪の制度です。福田政権は、自民党ノーの参院選の結果と国民の怒りに、1年間凍結をせざるを得ないところに来ています。しかし、1年間見送ればすむ問題ではありません。全面撤回すべきです。
お年寄りいじめのこの制度について、市長の見解を伺います。
次に子どもと教育をめぐって4点伺います。
1点目は、学校教育をめぐる問題と対策について伺います。本市では教育改革で学校・地域・家庭の連携を掲げています。子ども達の健やかな成長と明るい未来のためには、学校、地域、家庭が子どもを真ん中にして、力を合わせていくことは不可欠です。しかし、この間の学校をめぐる問題でとられてきた対応策は、これらの連携に不可欠な信頼関係を壊し、それぞれを分断するものだったのではないでしょうか。
その最たるものは、給食費納入確約書です。これについては、給食費滞納対策としてはあまりにも短絡的な方法であり、ほんの一握りのいわゆる払えるのに払わない親ばかりをクローズアップし、親バッシングをあおるものとなったのではないでしょうか。給食費滞納問題の本質は、滞納者の多くが、払いたくても払えない状況におかれている点であり、そこに光をあててこそ、教育的な解決がはかれる問題であるはずです。
また、教師の問題では、パソコン盗難や児童買春や強制わいせつ等々の相次ぐ教員の不祥事で、市教委は、「教職員行動規範」の唱和を義務づけました。私は、戦前の教育勅語の唱和を思い起こすやり方に唖然としました。しかし、今回問題を起こしたのは、この「行動規範」を指導すべき立場にある副校長です。どんなに大きな声を合わせて立派な事を言っても、むなしい結果であることを実証してしまいました。また、教育委員会の予告なしの学校訪問や、管理職評価制度などの導入で管理を強めてきました。多くのまじめに心底頑張っている教師は、これらの対策に振り回され、さらなる多忙化とストレスに悩みを深くしたのではないでしょうか。管理を強めれば保護者が安心するのでしょうか。忙しさに子どもと向き合う時間がとれない・・心を病むほどに悩む教師、そういった現場の切実な悩みに具体的に行政はどうこたえてきたのか。その場しのぎの対策に、多くの現場の努力が踏みにじられていると言っても過言ではないと思います。
そこで4点伺います。
まず1点目に、教師の一連の不祥事について、市長及び教育長はどのように受け止めておられるのか、また原因をどのように考えているか伺います。2点目に、教育の前提として「信頼関係」は欠かせません。また、学校、家庭、地域の連携も信頼関係なしには成り立ちません。市長、教育長はどのように考えますか。3点目に、とりわけ児童買春やわいせつ行為などの不祥事は「人権意識」の欠如にあると考えますが見解を求めます。4点目に、本市の教育を抜本的に見直すため、客観的に本市の教育を分析・提案できる教育学者等を広い視野で招き、教育委員や教師を含む「
さて、この項の2点目に、「子どもの権利に関する条例」の制定について伺います。この間の教師による児童買春やわいせつ行為は、まさに人権意識の欠如です。教育の現場でのこのような事態に怒りが止まりません。「次世代育成支援行動計画」に盛り込まれた子どもの人権は、まさに絵に描いた餅です。
本市の鈍い動きに対し、
国連の「子どもの権利条約」の日本批准から13年。ここで改めて子どもの権利について市民レベルで議論を広げ、子ども自身も制定過程に参加する条例づくりは、今こそ宇都宮の教育の再生に有効な取り組みであると考えます。市長及び教育長の見解を伺います。
次にこの項の3点目に「子ども支援課」の創設について伺います。子ども支援課というのは、長野県教育委員会内に設けられた、主に児童福祉分野と子どもの権利擁護のためのあらゆる活動や相談活動を行うために設けられたシステムです。
長野県の「子ども支援課」で特徴的なのは、課の中に設けられた「子どもの権利支援センター」の取り組みです。ここでは、いじめや体罰など主に学校で起こる問題で苦しんでいる子どもや保護者の声を聞き、子どもの側に立って一緒に問題の改善に取り組みます。また、センターで行っている「人権教育講師派遣事業」では、学校における「命の大切さと人権の尊さを学ぶ」趣旨の授業や研修会に、自分自身がいじめに苦しんだり、いじめや暴力により子どもを亡くした方々を講師として派遣する等、子どもの側に立った啓発活動にも力を注いでいます。H18年度の相談受付は156件、ご自身もご子息をいじめによる自殺で亡くされた前島章良さんをはじめ、5人のスタッフが相談を受けています。相談の内容は小・中・高とも教師の暴言や威嚇、指導上の問題が40〜50%でいちばん多く、次いでいじめが40%前後となっています。
管理や押し付けではなく、まわりの大人が真に信頼できる相手であることを、子ども達が感じ取れる環境やしくみを作ることが求められているのではないでしょうか。この長野県の子ども支援課のような取り組みは今、全国に広がりつつあります。是非本市の教育の信頼回復のために、長野県のようなしくみを作るべきだと提案し、市長及び教育長のご見解を伺います。
この項の4点目に、全国一斉学力テストについて来年度の参加をすべきではない立場から伺います。今回行われた全国一斉学力テストの結果公表について、多くの自治体で、序列化や過度の競争を懸念し、公表しないとの方針をとっています。県内でも、宇都宮を含む4市のみが公表、残り24市町は非公表としています。そのような中で、本市は公表を強行しました。
本市では「親学」が必要なほど、親の教育力の低下を懸念しているようですが、そんな中で学校ごとの公表が、どのような影響を及ぼすか、懸念はないのでしょうか。そうでなくとも、我が子・我が学校の順位は?点数は?というところに関心が集中するのは当然です。そこでまず、教育長は公表によって序列化競争をあおる懸念は少しももっていないのか伺います。
意識調査の中で見えてきたものの中に、経済力の差が学力に影響している点等があげられました。これらの点もすでに指摘されていた事であり、“抽出”で十分わかる内容です。テストの実施、採点、分析等、民間に委託し、77億円の巨費が投じられました。結果に一喜一憂する大人は、こぞって民間の塾や教材を求め、またそこに巨費を投じます。経済力の差がまた教育の格差を広げます。すべての子どもの幸せと無限の可能性を育むのが公教育の責任です。目先の学力や問題点に右往左往する教育は見直すべきです。以上のような観点から、来年以降の全国一斉学力テストは不参加とすべきと考えます。市長・教育長の見解を伺います。
次に保健福祉行政について伺います。この項の第1点目は、孤独死防止対策についてです。我が党の荒川恒男議員の調査によると、最近の5年間の警察統計によるお年寄りの孤独死の数は、毎年40〜70名くらいで増加の一途をたどっています。とりわけH17年度は65歳以上では69人だったのが、18年度では急激に約2倍以上の144人に増えているのに大変驚きました。とりわけ、女性の病死は31人から83人に。自殺は男女合計で17年度が3人に対し、18年度は23人と急増しているのも特徴的です。これは警察統計によるものなので、どのような状況の方が、どのような形で亡くなられたのか読み取ることができません。ただ独居老人もH15年の住基ネット上で12,762人に対し、H18年度には17,391人へ5,000人近く増加、3年間で約1.4倍に増えています。そのような中で、自民、公明政権による医療や介護保険の負担増と容赦ないサービス切捨て連続です。その上、
また、「ひとり暮らし高齢者安心ネットワークシステム」による見守りの対象者や緊急通報システム、配食サービス提供も、大きく広げる必要があると思いますが、市長の見解を伺います。
この項の3点目に子ども発達センターへの常勤専門医の配置について伺います。今年度4月にオープンした子ども発達センターは、8ヶ月が経過し、利用者や職員からも様々な改善要望も出されているところです。
その中でも、最も重要なのが、小児神経科の常勤の専門医の配置です。かすが園、若葉園の嘱託医としてはもちろん、発達の遅れの早期発見のための健診、障がいのある子どもへの医師の指示に基づく適切な療育訓練を行うためにも、常勤専門医の配置は欠かせません。とりわけ、県都として当センターにおける各事業のノウハウを積み上げ、より効果的な早期発見や療育の構築が求められているところです。常勤の専門医の配置は必須条件です。また、本市においては、小児科の専門医師は他中核市と比べても少ない状況の中、小児科医師の育成にもセンター的な役割が担えるよう、経験豊かな小児神経科医の配置をすべきだと思います。市長の見解を伺います。
次に医療をめぐる問題について2点伺います。1点目は、小児慢性特定疾患の医療費助成についてです。小児慢性特定疾患については、H17年4月から、児童福祉法に定められた小児慢性特定疾患研究事業により、国が主体の医療費助成制度となりました。本市においては、それまで国の事業に上乗せする形で、助成制度が設けられていましたが、法改正に伴い、市単事業はすべて廃止されました。それにより、16年度は1,497人だった対象者は17年には404人に絞り込まれ、1,100人近い喘息や慢性心疾患等に苦しむ子ども達が、医療費の重い負担を強いられることになったのです。子ども医療費助成制度の対象者は、通院で小学校3年生までで、入院の場合、所得制限つきで6年生まで対象となります。しかし原則18歳まで、特別に20歳までを対象とした特定疾患事業の対象者とは大きな開きがあります。
2点目に、医療費助成制度の自己負担について伺います。本市では、重度障がい者、子ども、妊産婦、一人親家庭の医療費助成制度があります。子ども医療費では、3歳未満は自己負担なしの現物給付となりましたが、3歳〜小3までは1レセプトあたり500円の自己負担となっています。また、重度がい者、妊産婦、一人親家庭の医療費助成でも1レセプトあたり500円の自己負担があります。
次に住宅用火災警報器の一般住宅への設置義務付けへの対応について伺います。
この住宅用火災警報器の設置義務は近年、火災による犠牲者の増大の中で、これまで公共性の高い建造物等にのみ義務付けられていた火災警報器の設置が、H18年6月より、一般住宅のうち新築住宅に、そしてさらにH21年5月末までに、既存住宅にも設置するよう義務付けられました。寝室、居間、台所、及び階段等、一戸あたり3〜5個程度取り付けることになるでしょう。熱や煙で反応するタイプがありますが、いずれも2,000円前後から数千円程度です。しかし中には、防犯ブザー等と一体で数十万円の契約をさせられたという例もあります。安全性や機能面で信頼のおけるものの適正な価格がどれくらいなのか、素人では判断がつかず、義務付けの流れの中で、これに乗じた悪徳商法が広がっています。お年寄りなどの情報弱者は悪徳商法の被害にあうケースも多いと予想されるところです。
そこで、悪徳商法から消費者を守る対策が必要かと思いますが、市長の見解を求めます。
次に購入にかかる費用について、低所得者、障がい者、高齢者など、より災害弱者むけに補助金制度を設けてはどうかと提案します。 先にも述べたように、一戸あたり最低でも3台くらいは必要になります。一台5,000円程度のものとすると1万5,000円の出費となります。持ち家で年金ぐらしの高齢者世帯などでは厳しい出費です。このような世帯でこそ、設置の必要性はより高いわけですが、設置を躊躇するのも当然です。住宅用火災警報器の補助金制度について市長の見解を求めます。
次に、D.V.防止対策市町村基本計画の策定について伺います。H20.1.11施行のD.V.防止法の第2次改正で、市町村に「D.V.防止対策市町村基本計画」が努力義務として位置づけられます。D.V.防止法の2次改正では、その他、保護命令制度が拡充されたり、市町村でも配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たす事が努力義務となります。
年を追うごとに、D.V.への認知度の広がりとともにD.V被害や相談は増加しています。
本市には、いざという時に、暴力から逃れてきた女性の相談を受ける女性相談窓口はあるものの、時間は限られています。とりあえず安心して眠れる場の確保や、その後の自立支援に取り組んでいるのは民間のNPO法人が大きな役割を担っており、自らの身の危険も感じながらの活動に本当に敬意を表したいと思います。しかし、行政の関与はあまりにも希薄であり、雀の涙ほどの補助金のみです。
男女共同参画社会基本法は、あらゆる場面での我国の男女平等の実現を謳った他の先進国と比べても、社会参加の機会を作るという狭い範囲のものである点や、賃金の男女格差の具体的是正策が盛り込まれていない事、母性保護の観点が欠けている等の問題点があり、法施行から8年たっても日本の男女平等はあまり進んでいないのが現状です。
D.V.が起こる根底には、人権意識の低さがありますが、同時に、女性が自立して暮らしていける条件が保障されていない点があります。まさに、法の欠陥です。
女性の命を脅かすD.V.被害から女性の命を守る行政の取り組みを総合的に強化する必要性を強く感じてきました。
昨年度からD.V.対策関係機関ネットワーク会議が構築され、少しずつ強化もされてきている点は大いに評価しています。また、D.V防止対策を総合的に具体的に推進するために、一日も早く、基本計画の策定に取り組むべきだと考えます。そこで基本計画の策定と今後のD.V.防止へのとりくみについて市長の見解を求めます。
次に区画整理事業における精算金等の融資制度の創設を求めて質問いたします。本市ではこれまでも、土地区画整理事業という手法を用いて、街づくりを進めてきました。そのような中で、いわゆる少宅地に該当する地権者は、従前の土地の広さを維持しなければ、そこに住み続けられないという現実の中で、減歩分である、20%なり30%の土地をいわば、買い戻すような格好になるわけです。そこに発生してくる清算金は数百万円にもなる地権者も出てきます。例えば駅東第3土地区画整理事業では、納付しなければならない清算金の発生した人866人中、100万円を超える人が225名もいます。そのうち200万円を超える人は86名、さらに300万円以上23名、400万円以上も6名います。条例では50万円以下は5年以内の中で、分割納付の期間が細かに定められていますが、50万円以上は十把一からげで5年以内なのです。数百万円にものぼる清算金を5年以内というのは、普通の家庭ではとんでもない返済になります。
そのように発生してくる清算金の支払いができないため、仕方なくその土地を手放そうと考えている人もいます。しかし、土地価格の低迷の中で、購入した時にも満たない価格でしか売却もできない現実があります。自ら得た土地に住み続ける権利は言うまでもなく憲法上にも保障されている当然の権利です。土地区画整理事業によって住み続ける権利が奪われるとしたら大変なことです。土地区画整理事業を進めるにあたっての地権者の権利の尊重はもちろんのこと、住み続ける権利を守るためにも、清算金の融資制度を設けることを提案したと思いますが、市長の見解を求めます。あわせて、清算金の徴収について、実態に基いて期間を10年に延長すべきと思いますが、市長の見解を求めます。
【市長】
まず、「市長の政治姿勢について」のうち、「第5次
こうしたことにより、無秩序な市街地の拡散を抑制するとともに、それぞれの拠点が、地域特性にふさわしい機能を備え、本市全体として、バランスよく発展できる都市が形成できるものと考えております。
また、「都心居住の考え方について」でありますが、都心部につきましては、若い世代や高齢者も含め、多様な人々が居住し交流できる生活空間としての利便性・快適性の向上はもとより、高次な都市機能や、魅力と個性を備えた「ネットワーク型コンパクトシティ」の中核をなす「都市拠点」にふさわしい空間としてまいりたいと考えております。
次に、「後期高齢者医療制度について」でありますが、少子高齢化の急速な進行、老人医療費をはじめとする国民全体の医療費の増加など、医療を取り巻く社会環境が、大変厳しい状況にある中、国民の誰もが、安心して良質な医療を受けるためには、若者から高齢者まで、全ての方が公平に保険料を負担し、将来に渡って、医療制度の安定的な運営を確保していくことが、必要不可欠であると考えております。
こうした状況を踏まえた「後期高齢者医療制度」は、これまで医療給付サービスを堅持し、高齢者の暮らしや健康を支えていくために、必要であると認識しているところであります。
このようなことから、本市といたしましては、保険者である「栃木県後期高齢者医療広域連合」と連携を密にしながら、高齢者の不安や混乱を招かぬよう、様々な手段を講じて、市民への周知を徹底し、平成20年4月の制度開始に向けた取り組みを進めてまいります。
次に「DV防止対策
このようなことから、本市におきましては、平成15年度に策定した「
このような中、本市におけるDV相談件数は、平成18年度には321件となり、ここ5年間で、3倍以上に増加しており、さらに、相談者の中には、生活困窮や児童虐待など、様々で深刻な問題を併せ抱えている場合が数多く見受けられ、DV被害者一人ひとりの状況に応じて、県の婦人相談所などとの連携を図り、迅速かつ、きめ細かな対応が求められているところであります。
このため、本市におきましては、国の基本方針、県の基本計画との整合を図り、DVの予防から被害者の自立支援までを内容とする基本計画を、本市の実情を踏まえながら、来年度、策定していくことを、現在、検討しているところであります。
【保健福祉部長】
次に、「子どもの権利に関する条例の制定について」でありますが、昨今、本市におきましても、児童虐待やいじめなど、子どもが被害者となる事件や事故が増加しており、子どもの人権を守りながら、健全育成を図ることが重要な課題であると認識しております。
こうしたことから、本市といたしましては、「人権施策推進指針」や「次世代育成支援行動計画」を策定し、これらに基づき、子どもの人権を尊重する意識の啓発や、児童虐待防止への取組みを強化するとともに、ジュニア未来議会や子どもフェスタなど、子どもたちが参画できる機会の確保に努め、家庭や学校、地域社会の場を通して、総合的に推進しているところであります。
また、小・中学校におきましては、人権教育全体計画を作成し、人権教育を行うほか、教職員による校内研修を行なうなど、子どもも含めた人権の尊重に努めているところであります。
今後とも、こうした施策を着実に推進することにより、市民一人ひとりの人権に対する意識を高め、子どもを一人の人間として認め合う社会づくりに向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「保健福祉行政について」のうち、「孤独死防止対策について」でありますが、ひとり暮らしのいわゆる「孤独死」が増えていることは誠に憂慮すべきものと受け止めております。
本市におきましては、全ての高齢者が、住み慣れた地域の中で安心して生活できるよう、これまでも、「一人暮らし高齢者等安心ネットワーク事業」や「緊急通報装置給付貸与事業」、「配食サービス事業」、「ひとり暮らし高齢者ふれあい訪問事業」など、さまざまな事業を行なってまいりました。
今後とも、より一層、全ても地域で見守り体制が、確立するよう、民生委員をはじめとする地域の方々や地域包括支援センターなどと連携しながら、総合的な取組を行なってまいります。
次に、「子ども発達センターへの常勤医師の配置について」でありますが、当施設は、本年4月にオープンし、通園児童の健康管理や医師の指示に基づく理学・作業療法士による療育訓練、さらには、今年度、新たな事業として開始した温水プールを活用した水訓練など、障がいの特性に応じた療育サービス事業を行なっております。
これらの事業を効果的に実施するために、事業内容に応じた専門医の活用が望ましいものと考えておりますことから、現在、非常勤の小児科医をはじめ、小児神経科医や、リハビリテーション専門医などの医師を月7日間、配置しているところであります。
当施設は、オープンして間もないことから、今後の事業の推移を見極めながら、医師の勤務日数や配置すべき専門医の分野など、医師の配置のあり方も含め、検証してまいります、
次に、「医療をめぐる問題について」のうち、「小児慢性特定疾患の医療費助成制度について」でありますが、本制度につきましては、国において、平成17年度に、近年の医療水準の向上による治療方法の確立などから、対象疾患数を488から514に拡大したことや、一部の疾患については、より重度なものに対象を絞るなど、一定基準による対象患者の重点化を図るなどの見直しが行なわれたところであります。
本市におきましては、国の制度改正に合わせ、見直しの趣旨や、本市の「こども医療費助成制度」が充実してきていることを勘案し、助成の基準を国と同様にしましたが、新たに、国が定めた自己負担を、市が負担することや、車椅子などの、日常生活用具を給付する事業を導入するなどの見直しを図ったところであります。
また、制度の対象とならない疾患を含め、慢性疾患を抱える児童やその家族の悩みや不安の解消のため、保健師による健康相談を実施するほか、県の難病相談支援センターの相談窓口と連携を図るなど、相談体制の充実強化に努めているところであります。
このようなことから、「小児慢性特定疾患の医療費助成制度」につきましては、見直して間もないことから、今後とも、制度の円滑な運営に努めてまいります。
次に、「医療費助成制度の自己負担について」でありますが、重度障がい者や、こども、妊産婦、ひとり親家庭に対する医療費の助成制度につきましては市域を超え、医療機関を広域的に、利用していることなどから、県内統一した制度となっておりますが、自己負担分を単独で助成しているところであります。
しかしながら、こうした医療費助成制度は、受益と負担のバランスのもと、皆で支え合う仕組みであり、安定かつ持続した制度運用が重要でありますことから、一部自己負担を求めることは必要であると考えております。
今後とも、市民のだれもが、健康な生活が営めるよう、安心して医療が受けられる仕組みとして、社会的に弱い立場の人にも十分配慮し、引き続き、よりよい制度となるよう、検討してまいります。
【都市開発部長】
「土地区画整理事業清算金融資制度について」のご質問にお答えいたします。
「土地区画整理事業」の清算金は、換地に過不足などが生じた場合、不均衡を是正するため、金銭により清算するものであります。
まず、「清算金の融資制度創設について」でありますが、本年3月に開始した、駅東第3地区の清算金の徴収状況につきましては、対象者866名で、未納者は現在、17名となっております。
このように、大多数の方が納付されており、公平性の観点や納入状況、また、未納理由も様々なことから、融資制度の導入は、必要がないものと考えております。
次に、「清算金の徴収を実態に基づいて、期間を10年に延長すべきについて」でありますが、これまで本市では、法に基づき、条例で、納付期間を5年以内と定めて、分割納付を実施してきたところであります。
しかしながら、地権者の高齢化や、資力が乏しく、納付の困難な方もおりますことから、今後、払いやすい納付期間の設定などについて、研究をしてまいりたいと考えております。
【教育長】
「市長の政治姿勢について」のうち、「教育にかける予算の具体化」のご質問にお答えいたします。
「30人学級の実現」につきましては、少人数学級実現の必要性を十分に認識しているところであります。そのため、本市といたしましては、学級編制の基準を定める権限を有する県に対して、当面は、小学校全学年において、35人学級が実現するよう、引き続き要望してまいります。
また、本市におきましては、これまでも、独自に指導助手などを配置し、実質的な少人数学級の実現や児童生徒一人一人に応じたきめ細かな指導の充実に努めてきているところであります。
さらに、事務職員につきましても、複数は位置が可能となるよう、県に要望するとともに、負担軽減のための事務の効率化に取り組んでいるところであります。
今後とも、本市教育活動の一層の充実を目指した人的配置等に努めてまいります。
次に、「子どもと教育をめぐって」のうち、「学校教育をめぐる問題と対策について」でありますが、教育とは、信頼の上に成り立つものであり、学校・家庭・地域が連携を図りながら、子どもを育んでいくことが何よりも求められるものであると考えております。
この度の児童買春やわいせつ行為などは、被害者の人権を著しく侵害するものであり、本市学校教育に対する信頼が損なわれたことにつきまして、誠に遺憾であります。
これまでの不祥事を重く受け止め、その背景や原因を究明し、再発を防止するため、これまでもお答えいたしましたとおり、庁内に「学校問題対策検討会議」を設置するとともに、来年1月には、学識経験者や弁護士などから、専門的な意見をいただく「学校問題検討会議」を設置してまいります。
今後とも、本市学校教育の信頼回復に向け、全力をあげて取り組んでまいります。
次に、「子ども支援課の創設について」でありますが、子ども一人一人が人権を保障され、充実した学校生活が送れるようにすることは、極めて重要なことであると認識しております。
このようなことから、本市といたしましては、学校生活における子どもの悩みを早期に発見するため、アンケートや教育相談等を実施し、一人一人の子どもに目を向け、きめ細かに指導するとともに、「うつのみや・いじめ電話相談 へるぷコール」による相談など、様々な取組に努めてまいりました。
また、教員を対象にした研修会を開催し、教員自身の人権感覚をより一層高めるとともに、人権教育に関わる指導力の向上に取り組んでいるところであります。
今後、いじめなどから子どもを守る取組につきましては、教育委員会内の体制強化を含め、検討してまいります。
次に、「全国一斉学力テストについて」のうち、まず、「公表への懸念について」でありますが、本市におきましては、これまでも、本市独自の「学習内容定着度調査」において、児童生徒の学力の状況と併せ、指導の工夫・改善点などの情報を公表することにより、保護者や地域の方々に学力向上の取組について御理解と御協力を得てまいりました。
「全国学力・学習状況調査」におきましても、この趣旨を踏まえて公表しておりますので、序列化にはつながらないと考えております。
次に、「来年度以降は不参加とすべきについて」でありますが、本調査におきましては、「学習内容定着度調査」と「学習と生活についてのアンケート」の結果に加えて、全国との比較のもとで多角的な観点から分析ができるようになりましたことから、来年度も本調査に参加してまいります。
【消防長】
「住宅用火災警報器の一般住宅への設置義務化をめぐって」のご質問にお答えいたします。
まず、「悪徳商法から消費者を守る対策について」でありますが、これまでも、住宅用火災警報器の不適正販売による被害防止につきましては、ホームページや広報紙など、各種メディアの活用、チラシの配布、防災訓練や様々な機会を通じて、広く市民に広報してまいりました。
今後とも、不適正販売による被害防止の徹底を図るため、お年寄りなどの情報弱者に対しましても、被害防止の効果が高い地域単位での共同購入を働きかけるとともに、自治会や自主防災会など、日頃から地域で活動している方々の協力を得ながら、住宅用火災警報器の購入が適正に行なわれるよう、情報の提供に努めてまいります。
次に、「住宅用火災警報器の補助金制度について」でありますが、本市では、現在、重度障がい者がいる世帯や、ひとり暮らし高齢者などの低所得者世帯につきましては、日常生活用具給付事業の中で、火災警報器の給付を行なっているところであります。
低所得者、障がい者、高齢者などへの補助金制度につきましては、給付事業との調整を含めて今後の検討課題とさせていただきます。